新刊紹介:「前衛」11月号(追記あり)

「前衛」11月号の全体の内容については以下のサイトを参照ください。
http://www.jcp.or.jp/web_book/cat458/cat/
 以下は私が読んで面白いと思った部分のみ紹介します。(詳しくは11月号を読んでください)

■「スターリン*1秘史:コミンテルン解散の虚実(上)」(不破哲三*2
(内容要約)
・連載の第22回目。1943年6月にコミンテルン第三インターナショナル)は解散するが、それは同年5月にスターリンコミンテルン上層部に解散を命令したからだった。では何故スターリンコミンテルンを解散したのか。
不破は
1)「従来からコミンテルンは事実上、ソ連共産党の下部組織」であったが建前は独立組織であった
2)第二次大戦後の東欧支配をするにおいて「その建前が邪魔だ」と考えたスターリンが建前をなくしたのだ
と指摘する。
・1944年3月、イタリア共産党書記長のトリアッチ(トリアッティ)は後に「サレルノの転回(あるいはサレルノの転換)」と呼ばれる政治提案を行い、イタリア政治に大きな影響を与えた。
 1)反ムッソリーニ、反枢軸国を優先しバドリオ*3政権*4を否定しない、入閣もあり得る(実際にトリアッチが無任所相で入閣)
 2)王制か共和制かについては戦後の国民投票で決すること*5とし、王制廃止にこだわらない。
 これは当時、「イタリア共産党の現実主義」と評価されたが不破曰く「野坂参三*6天皇制問題での現実主義(?)的態度」のように最初の提案者は実はスターリンだった。スターリン提案があるまではトリアッチにとって「国王退位、バドリオ政権不参加」は譲れない線だったのである。もちろんスターリン提案の目的は「東欧支配のため、西欧でもめ事を作らない、できるだけ妥協する」と言う党利党略でしかないものだった。
 しかしこうした裏事情は当時外部に分かるわけもなく、イタリア共産党は皮肉にもこの転換後、いわゆるユーロコミュニズムの旗手としてヨーロッパ最大規模の党勢を誇ることになる。


■『原発再稼働ストップ、即時ゼロの決断を迫る』(笠井亮*7
(内容要約)
 赤旗の記事紹介等で代替。

参考
赤旗
■『川内原発再稼働の「審査書案」の提出について:日本共産党原発・エネルギー問題対策委員会責任者 笠井 亮』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik14/2014-07-17/2014071702_02_1.html
■主張『川内原発の再稼働:「国策」押し付けが国の責任か』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik14/2014-09-20/2014092001_05_1.html
■『再稼働阻止 運動広げ、官邸前での抗議行動2年半』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik14/2014-09-27/2014092715_02_1.html
■『川内原発 再稼働させない、鹿児島に7500人集う』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik14/2014-09-29/2014092901_02_1.html
共産党東京都委員会『「原発ゼロ」「再稼働反対」官邸前行動120回』
http://www.jcp-tokyo.net/?p=1543


■『再び長期低迷に陥るのか?:馬脚をあらわしつつあるアベノミクス』(山家悠紀夫*8
(内容要約)
 Q&A形式で書いてみる。
Q1「アベノミクスは景気を良くしてるのでしょうか?」
A1「2014年6〜9月期の実質GDPは前期に比べ1.8%落ちています。明らかにアベノミクスは限界にぶち当たったと言えるでしょう。政府は『消費税増税による駆け込み需要でありいずれ戻る』かのように主張しています。しかし政府内からも消費税10%増税見直し論が出ていることを考えれば本気でそう考えてるとは思えません。私も『いずれ落ち込みは戻る』という考えは間違いだと思います。アベノミクスで大企業の収益は増えました。しかしサラリーマンの賃金はほとんど増えていないのです。その一方で安倍政権は消費税増税など国民負担を増やす政策を実施しています。アベノミクスで物価も上昇しました。賃金が増えてないのに国民負担が増え、物価が上昇すれば消費が減るのは当然でしょう。当然消費減は景気の足も引っ張ります。しかしアベノミクスは『賃金を増やす策』など全く考えてないどころか、後で少し説明しますが『賃金を減らす策(雇用の流動化)』を考えているのだから話になりません」
「なお、実は2012年(野田政権時代)と2013年(安倍政権1年目)を政府統計データで比べてもアベノミクスが景気を良くした効果は認められないと思います。企業経常利益は48兆円から60兆円と大幅に増えています。しかし実質GDP成長率、サラリーマン賃金にはそうした顕著な上昇はほとんど見られません。雇用は若干増えましたが正社員が減って非正規が増えてることを考えると手放しでは喜べません。」


Q2「アベノミクス第一の矢・金融緩和についてはどう考えたらいいのでしょうか」
A2「既に指摘したように金融緩和が景気に効いているとはとても言えません。円安は輸出企業の収益を増やし、また株価高は株式保有者の収益を増やしました。しかし、それは景気には結びついていません。先ず第一に円安は物価上昇をもたらし景気の足を引っ張っています。第二に円安、株価高は実態を反映していると言うより、無理な金融緩和で無理矢理実現しているに過ぎません。今金融緩和を辞めたら反動で円高、株価安の方向に行きかねません。このままでは金融緩和をいつまでも続けざるを得なくなりそれが国家財政を悪化させかねません」


Q3「第二の矢・公共事業については」
A3「内容の是非はともかく、実はアベノミクスで『新しい』と言えるのは第一の矢だけです。とはいえ金融緩和自体は安倍政権以前からやっており規模が未曾有というだけですが。第二の矢について言えば公共事業は景気をよくはします。従来から自民党景気対策としてやってきた政策でもあります。
 ただ1)産業構造の変化もあり、昔に比べ、公共事業の景気への効果は小さい
2)公共事業を増やすと当然財政を圧迫する
と言う点に注意が必要です。だからこそ最近は公共事業は減少傾向にあったわけです。私個人はアベノミクスで一番景気効果が大きいのは「安倍政権が自慢したがる金融緩和ではなく」実は公共事業だと思います*9が、だからこそ安倍政権は今後も公共事業を増やし続けるでしょう。ただそれは財政悪化の危険性を無視したものだし、アベノミクスと呼んで称えるほど何ら新しくもなければ、すさまじい景気浮揚効果があるわけでもないのです。」


Q4「第三の矢についてはどう思いますか」
A4「第三の矢について言えば基本的には小泉構造改革の焼き直しと言っていいでしょう。企業が収益を上げれば雇用者の賃金も上がる、だから企業の収益上昇を目指すと言うだけの話です。しかし企業収益増が賃金増をもたらすという関係はもはやありません。しかも企業収益向上策にはホワイトカラーエグザンプションのような賃金抑制策があるのですから、景気対策に逆行しています。」

参考
赤旗
■主張『「骨太」と成長戦略―破綻したアベノミクス中止を』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik14/2014-06-25/2014062501_05_1.html
■『アベノミクス暮らしを直撃、消費も収入も販売も減 物価は上昇』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik14/2014-06-28/2014062801_03_1.html

http://www.tokyo-np.co.jp/article/book/shohyo/list/CK2014090702000181.html
東京新聞『【書評】アベノミクスの終焉*10(服部茂幸*11著)』(根井雅弘*12・京都大教授)
 アベノミクスは、ここにきて当初の期待感とは違って、それに対する批判的な論調が目立つようになった。著者は以前からアベノミクスに批判的な言論活動をしてきたが、本書は、タイトルに表れているように、それに引導を渡そうとする野心作だ。
 著者は、アベノミクスの三本の矢をひとつずつ総括していく。第一の異次元緩和(量的・質的金融緩和)については、一時政府や日銀によって、その効果(株価上昇と円安)が大々的に宣伝されてきた。だが、著者によれば、低迷する経済を実際に支えていたのは、政府支出*13、民間住宅投資、耐久財消費であり、しかも政府支出以外は消費税増税前の駆け込み需要によるところが大きい。つまり、日銀の異次元緩和とは関係がないという。
 第二の矢、つまり政府支出が確かに効果を発揮したことは著者も認める。しかし、財政主導型の経済回復が建設業に偏っていては、これから本当に重要な医療、福祉、教育の分野での政府支出が犠牲にされている。しかも、一部の論者が言うように、異次元緩和が財政ファイナンスを目的にしていると疑われるならば、中長期的には問題になるだろう。
 第三の矢は成長戦略なのだが、よくいわれる「トリクルダウン」(企業の利益増大が賃金上昇に結びつく)効果は生じていない。規制緩和や競争原理の重要性が指摘され始めて久しいが、例えば成果主義や目標管理制度の導入によって何が起こったかといえば、数値化できにくい創造性の必要な仕事を阻害し、かつての優良企業の低迷につながった。賃金引き下げのみに成功したのだ、と著者は手厳しい。


■『安倍強権政治の背後にある国民との根深い乖離:「政治改革」が行き着いた最悪の政権』(上脇博之)
(内容要約)
 自ブログ(http://blog.livedoor.jp/nihonkokukenpou/)や著書であるべき政治改革を訴えてきた上脇氏へのインタビュー記事。Q&A形式で書いてみる。
Q1「安倍政権の集団的自衛権容認の解釈改憲についてどう思いますか」
A1「本来、明文改憲しなければ行けない物を、国民投票過半数支持を得られるか分からないという身勝手な理由で従来の政府見解を投げ捨てて、強引な解釈改憲に走る。まさに民主主義、立憲主義法治主義否定のクーデターと言っていいと思います」


Q2「こうした異常事態は何故生まれたのでしょうか」
A2「いろいろな理由があるでしょうが私は『偽りの政治改革』の悪影響が大きいと思っています。本来、政治改革とは『政治と金』、つまりクリーンな政治の実現が目的だったはずです。それが選挙制度改正の話にすりかえられた。選挙制度改正がクリーンな政治に結びつかなかったことはその後のKSD事件、日歯連事件、西松建設疑惑などで明白でしょう。
 ともかく、小選挙区中心の選挙制度衆院に導入されたわけですが、これは次のような問題を起こしました。先ず第一に多数党に異常に有利な選挙結果が出るようになったと言うことです。私の著書に『なぜ4割の得票で8割の議席なのか〜いまこそ、小選挙区制の見直しを』(2013年、日本機関紙出版センター)というものがありますが、4割の支持でも議席を8割確保できるのであれば多数党の民意無視が進むのも当然です。第二に多数党に所属しないと当選できない可能性が強いと言う事は反主流派などというものが多数党に存在できる可能性が減ったと言う事です。中選挙区時代の自民党では『2人当選』の可能性がありました。しかし、小選挙区時代の今では執行部批判すると小泉郵政選挙での『公認取り消しの刺客選挙』を執行部に仕掛けられかねないのです。これでは執行部批判は難しいでしょう。著書にも書きましたが小選挙区制の見直しが急務だと思います。もちろんそれは与党・自民党にとって不利なため実現が困難であることは理解していますが」


Q3「安倍政権の支持率は今だ50%台ですし、明るい展望が見えないように思うのですが」
A3「私も無理に明るい展望を語るつもりはありません。ただいくつかの明るい展望をあえて語れば次のようなことが上げられるでしょう。
 先ず第一に世論調査で安倍政権支持の理由として一番多いのは『他に選択肢がない』、二番目は『アベノミクス』です。つまり安倍政権の右翼的政策は積極的には支持されていないわけです。それどころか、原発政策や憲法問題では安倍政権を手放しで支持する意見は少数派です(であるのに支持率が未だ高いというねじれ現象は残念に思いますし分析の必要があるでしょうが)。政党支持率も相対的には自民党が一番高いのですが、二番目に高いのは支持政党なしです。
 第二にそうしたことを安倍政権側もある程度認識しているがために地方創生など、いろいろと手を打っていると言う事です。もちろんこうした『手を打っていると言う事』は安倍政権もそれほどバカではないことを意味してはいますが、一方で安倍政権への支持が盤石ではないこと、何らかの手をせざるを得ないことを安倍政権側ですら自覚しているということです」


■『第二次安倍内閣タカ派・極右的本質とその矛盾』(俵義文)
(内容要約)
 赤旗記事の紹介で代替。もちろん「ネオナチ記念写真(高市総務相、稲田政調会長)」「在特会記念写真(山谷国家公安委員長)」だけが極右の閣僚、党役員ではない。他にも有名どころでは河野談話否定論者として悪名高い下村文科相、萩生田自民党総裁特別補佐などがいる。
 いずれにせよ高市、稲田、山谷をかばい続ける安倍政権の態度とそれをほとんど批判しない日本メディアの態度は『第二次安倍内閣タカ派・極右的本質』『政権批判ができない日本メディアの腰抜けぶり』を見事に国際社会に宣伝している。国辱ではある。
 まともな国なら確実に更迭だろうしメディアももっと批判しているだろう。というか過去の自民党政権でもここまで酷い政権はなかったのではないか。

参考
赤旗
■『安倍内閣日本会議」が占拠、改憲タカ派議連から15人、「男女共同参画」に反対』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik14/2014-09-06/2014090601_01_1.html
■『政権に巣食う改憲右翼団体日本会議」勢力、主張・言動に見る異常』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik14/2014-09-07/2014090701_03_1.html
■『高市総務相・稲田自民党政調会長がネオナチ代表と写真、海外報道相次ぐ』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik14/2014-09-11/2014091101_04_1.html
■『「ネオナチとツーショット」高市総務相、「戦争への反省」を「自虐史観」と攻撃、日独友好決議(11年)に反対』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik14/2014-09-17/2014091701_02_1.html
■『高市氏とネオナチ 思想的共通、日本会議系反対 党議拘束外す、「日独友好決議」めぐり自民代議士会』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik14/2014-09-17/2014091702_03_1.html
■『山谷国家公安委員長在特会元幹部と写真、09年も10年も面会して撮影  「知らなかった」通用せず』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik14/2014-09-19/2014091901_02_1.html
■『在特会幹部自慢 山谷氏宿泊先訪れ「諸々相談」、この蜜月』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik14/2014-09-19/2014091902_02_1.html
■『山谷氏 在特会との関係に質問集中、特派員協会で会見』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik14/2014-09-26/2014092602_01_1.html

 日独友好決議に反対者がでたというのがすさまじいがそれでも党としては反対しなかったのは、「谷垣総裁だったから」だろう。安倍が総裁なら反対を党方針として日本が国際的非難を浴びるという笑えない結論になっていた危険性が高いと思う。

【10/17追記】

http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/kaiken/kaiken4_000132.html#topic3
★中山*14外務副大臣会見記録(平成26年10月16日(木曜日)16時05分〜 於:本省会見室)
慰安婦問題
共同通信 斎藤記者】
 慰安婦の関係で,クマラスワミ報告書に関して,政府がその内容の一部について修正を求めたと、このように報じられました。この点について,(中略)副大臣のご見解をお伺いしたいと思います。
【中山外務副大臣
 本件報告書に関する立場に関しては,(中略)今般,朝日新聞の報道撤回といった最近の進展があったことから,クマラスワミ氏本人に対してこれらをしっかりと説明をし,何らかの形で報告書に示された同氏の見解を修正することを促すことが適当であると考えた次第であります。このため,政府関係者が14日に同氏に直接会って説明をするとともに,同報告書作成後に実施されたアジア女性基金事業及び女性の人権の促進に向けて日本の取り組み状況を説明したということであります。
 また具体的には,対外情報発信というのは特に今回,安倍政権は力を入れております。総理からも,党と相談をしながら,我々,対外情報発信,原田義昭委員長を中心として,自民党議員有志のメンバーによる会も発足をいたしておりましたし,私自身も委員長代理として原田義昭委員長にお仕えをしていた立場から今の外務副大臣になっておりますので,担当といたしましては城内外務副大臣が中心になると思いますけれども,この対外情報発信に対する強化というものをしっかりと準備をした上で,効果的な手法をとって,しっかりと,誤った認識というものを正していきたいというように思います。
 同時に,私もずっと日本の前途と歴史教育を考える議員の会にいたとき,当時,中山成彬代議士が会長をなさっておられましたけれども,当時,戸井田とおる*15先生が南京問題小委員会,私自身が慰安婦問題小委員会の委員長という形でこの問題にずっと携わってまいりました。このときも思いましたけれども,しっかりとエビデンス,客観的な事実に基づいて,また客観的な史実に基づいて,おのずからご判断・ご理解がいただけるような形で,時代が時とともにそういった証左を風化させない間にしっかりとした証拠というものを私どもでリサーチをして,それをちゃんと残して,そして正しい方向へ導いていくというのが私は大事ではないかなというように思います。

 「河野談話否定者」中山成彬*16が会長を務めるウヨ議連で「慰安婦問題小委員会委員長」をしていた、札付きの河野談話否定者・中山泰秀副大臣にして恥じない、副大臣となった彼が記者会見で「事実上の河野談話否定論」を公言しても問題にしないというんだから安倍政権の酷さには改めて心の底から呆れます。
 これのどこが「河野談話踏襲」なのか。韓国が反発するのも当たり前です。


■『公明党結党50年の裏面史(上):自民党補完勢力から戦争する国づくりへ』(小松公生)
(内容要約)
 上中下の三部構成。予告では今回が「公明党による憲法九条破壊(集団的自衛権容認)」、中が「消費税増税への荷担」、下が「創価学会との上意下達関係」について論じるという。

参考
赤旗
■『公明・山口代表の苦しいごまかし:「集団的自衛権行使 認めてない」?』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik14/2014-07-03/2014070301_04_1.html
■『二見元公明党副委員長 閣議決定賛成の同党批判、「赤旗」日曜版登場に反響』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik14/2014-07-05/2014070501_08_1.html
■『集団的自衛権 公明が弁明に躍起』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik14/2014-07-30/2014073002_03_1.html


■「集団的自衛権行使容認めぐる論戦が浮かび上がらせた政党状況」(坂井希)
(内容要約)
「自民、公明=当然容認」「みんな、次世代=集団的自衛権に限らず他の件でも安倍政権へ露骨にすり寄り、完全な自民別動部隊」「民主、維新、生活=安倍政権への対決姿勢をアピールしたいが党内に容認派がいるためどっちつかずのぐずぐず」「明快な反対派は共産、社民だけ、でも俺達共産の方が社民より頼りになると自負してる」というある意味「うん、知ってた」の話ではあるが、改めて説明されると勉強にはなる。


■「年金給付削減と負担増は阻止できる(上)」(河村健吉*17
(内容要約)
 次回どう阻止するかの説明がなされるらしい。今回は「マクロ経済スライド」と「年金積立金の株式投資」が批判されている。
 まず「マクロ経済スライド」について、年金財政は維持できるかも知れないが「年金給付額の減額」で維持するのでは年金の意味がないとし廃止を主張。
 「年金積立金の株式投資」については積立金はまず保険料の軽減と給付の増加に当てるべきで、それもせずにリスキーな株式投資を行うなど論外だと批判。

参考
赤旗・主張『年金の株投資拡大、「安心の資産」を投機で壊すな』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik14/2014-09-08/2014090801_05_1.html


■「中東の激動をどう見るべきか:イスラム国登場と関連して」(河口聡)
(内容要約)
Q&A形式で書いてみる。
Q「イスラム国のイラクとシリアでの蔓延についてどう見るべきでしょう?」
A「米国の中東政策の失敗という面が非常に大きいと思います。まずイラクですがフセイン政権を打倒したことによって一応統一国家として存在していたイラクスンニ派シーア派クルド人の対立が表面化してしました。シリアでもイスラム国が反アサドと言う事で、欧米(特に米国)が当初放置していたことがイスラム国の勢力拡大を助長しました。米国はイスラム国打倒のために一時的でアレ、アサド政権と和解するかも知れませんが。イスラム国にどういう態度を取るにせよこうした過去の米国の政策の失敗の総括は絶対に必要だと思います」

参考
赤旗
■『米の「イスラム国」壊滅作戦、空爆拡大で緊張激化 多数の民間人犠牲に、イラクの識者語る』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik14/2014-09-13/2014091307_01_1.html
■『シリア空爆 賛成できない、山下氏会見 テロの土壌 広げる危険』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik14/2014-09-25/2014092501_04_1.html


■「展望、方策なき放射性廃棄物の処理・処分:原発再稼働、核燃料サイクルは中止すべき」(青柳長紀)
(内容要約)
 赤旗記事で代替する。

参考
赤旗
■『破綻の核燃サイクルに固執、再処理工場の稼働申請』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik13/2014-01-08/2014010801_01_1.html
■『日本学術会議「核ごみ」政策提言へ』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik14/2014-09-30/2014093015_01_1.html


■「カネミ油症未認定患者の救済実現を」(藤野糺)
(内容要約)
政府のカネミ油症患者認定が不当に厳格だとし未認定患者の早期認定、救済を訴えている。


シリーズいま「大学改革」を考える(6)
■「「大学改革」で置き去りにされた課題としての高学費・奨学金問題」(宮本たけし)
 赤旗の記事紹介で代替。

参考
赤旗
■『若者の未来 守れない、給付制奨学金実現迫る、衆院予算委 宮本議員 異常な高学費、貸付制告発』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik13/2014-02-18/2014021801_01_1.html
■『論戦ハイライト、学費無償化は世界の流れ、衆院予算委 宮本議員ただす』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik13/2014-02-18/2014021802_02_1.html
■『学生が安心して使える奨学金に:奨学金返済への不安と負担を軽減するために(2014年10月7日 日本共産党)』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik14/2014-10-08/2014100805_01_0.html
■『学生が安心できる奨学金に、共産党が政策発表 返済への不安と負担軽く、小池副委員長が記者会見』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik14/2014-10-08/2014100801_01_1.html
■主張『奨学金の改革提言:学生が安心して使えるように』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik14/2014-10-16/2014101601_05_1.html
■『無利子化と給付制を、奨学金 宮本氏、政府に迫る、衆院文科委』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik14/2014-10-18/2014101802_02_1.html


■論点
【「政策を金で買う」経団連企業献金への関与再開は許されない】(藤沢忠明)
(内容要約)
赤旗の記事紹介で代替。
参考
赤旗
■主張『経団連献金再開、「金で政治を買う」策動やめよ』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik14/2014-09-07/2014090702_01_1.html
■『政治献金呼び掛けた経団連会長に、自民幹事長が謝意』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik14/2014-09-10/2014091002_02_1.html
■主張『経団連献金関与、出す側・貰う側 責任問われる』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik14/2014-09-13/2014091301_05_1.html
■主張『経団連の政党評価、献金関与再開の本音が見える』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik14/2014-10-12/2014101201_05_1.html


【国連宣言にそったアイヌ施策を:「アイヌ民族」いない発言をめぐって】(原島則夫)
(内容要約)
 金子札幌市議の「アイヌいない発言」を批判。今も続く深刻なアイヌ差別の是正を主張。


■暮らしの焦点
豚流行性下痢症の本格的な支援と対策の強化を】(森島倫生)
(内容要約)
赤旗の記事紹介で代替。

赤旗
■『豚流行性下痢の被害深刻、全国で10万頭以上死ぬ、青森の農家が支援求める』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik14/2014-05-03/2014050304_03_1.html
■『豚流行性下痢対策求める/高橋・紙両議員が農水省訪問』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik14/2014-06-04/2014060404_05_1.html


■文化の話題
【映画:血を流さずに独裁を退けたチリの闘い:映画「ノー」を見る】(児玉由紀恵)
(内容要約)
 映画『ノー』の紹介。なお、ウィキペディア「ノー」曰く『トニー・マネロ』、『Post Mortem』に続く、ピノチェト独裁政権三部作の完結編とのこと。先行作品の日本公開が望まれる。

参考
■『ノー』公式サイト
http://www.magichour.co.jp/no/
■日刊イオ『映画「NO」を観て』
http://blog.goo.ne.jp/gekkan-io/e/b6193c55fe250973f14a7cf5b9d1a3b1


【音楽:木戸敏郎によるシュトックハウゼン*18】(宮沢昭男)
(内容要約)
 木戸敏郎がひらく サマーフェスティバル2014 『シュトックハウゼンのリヒト(光)はここから生まれた!』の紹介。

参考
■木戸敏郎がひらく サマーフェスティバル2014 『シュトックハウゼンのリヒト(光)はここから生まれた!』
http://www.suntory.co.jp/sfa/music/summer/2014/producer.html#program0102


【演劇:楽しさ倍増の展開:子供のためのシェイクスピア】(鈴木太郎)
(内容要約)
子供のためのシェイクスピアハムレット」公演の紹介。

参考
■子供のためのシェイクスピアハムレット」公式サイト
http://kodomohamlet.jimdo.com/


■スポーツ最前線「競技の喜び実感できる場に:第30回全国スポーツ祭典」(福島邦夫)
(内容要約)
東海地区で実施された第30回全国スポーツ祭典の紹介。
参考
新日本スポーツ連盟『2014年 第30回全国スポーツ祭典
http://www.njsf.net/national/festival/index.php


■メディア時評
【新聞:財界の政治献金関与再開をめぐって】(金光奎*19
(内容要約)
 いつもの「再開に賛成=読売、産経、日経」、「反対=朝日、毎日、少なくない地方紙」と言うパターンである。金光氏も指摘しているが「安倍政権誕生後の読売、産経、日経の権力すり寄りぶり」は尋常ではないと言っていいと思う。


【テレビ:いまこそ果敢な報道を】(沢木啓三)
(内容要約)
 「安倍政権は真実(歴史学)及び国際世論から孤立している」との自覚を持ち、朝日グループ(朝日新聞テレビ朝日)は今こそ慰安婦問題で果敢な政府批判を行うべきだとする主張。
 その点で9/11の報道ステーション河野談話当時の官房副長官・石原信雄氏や、クマラスワミ報告の作成者・クマラスワミ氏から「河野談話、クマラスワミ報告は何ら吉田証言を根拠にしておらず訂正の必要を認めない」との証言を引き出し放送したことは評価出来る。今後もそうした果敢な姿勢を望みたい。我々、視聴者もそうした報道を応援する必要がある。

*1:ソ連共産党書記長

*2:スターリン関係の著書に『スターリン大国主義』(1982年、新日本新書)

*3:ムソリーニ政権で陸軍幹部を務めていた人物。ドイツ敗戦が濃厚になってからムソリーニを打倒し首相になったためトリアッチらは反ファシズムとは評価しなかった。

*4:しかしこの提案後、バドリオは政権内で失脚し、ムソリーニ政権以前に国防相財務相、首相を歴任していたベテラン政治家・ボノーミが首相に就任

*5:結果的には国民投票で王制が廃止された

*6:日本共産党第一書記、議長、名誉議長など歴任。晩年「ソ連に内通していた疑惑」が発覚、野坂も大筋でそれを認めたため、党員にあるまじき行為として党を除名された。

*7:著書『政治は温暖化に何をすべきか:日本共産党、ヨーロッパを訪ねて』(2008年、新日本出版社

*8:著書『「構造改革」という幻想』(2001年、岩波書店)、『「痛み」はもうたくさんだ!―脱「構造改革」宣言』(2007年、かもがわ書店)、『暮らしに思いを馳せる経済学』(2008年、新日本出版社)、『暮らし視点の経済学』(2011年、新日本出版社)、『消費税増税の大ウソ:「財政破綻」論の真実』(共著、2012年、大月書店)、『アベノミクスと暮らしのゆくえ』(2014年、岩波ブックレット) など

*9:全く同じ指摘を服部茂幸『アベノミクスの終焉』(2014年、岩波新書)が行っているようです。

*10:2014年、岩波新書

*11:著書『日本の失敗を後追いするアメリカ:「デフレ不況」の危機』(2011年、NTT出版)、『危機・不安定性・資本主義:ハイマン・ミンスキーの経済学』(2012年、ミネルヴァ書房)、『新自由主義の帰結:なぜ世界経済は停滞するのか』(2013年、岩波新書)など

*12:著書『ケインズ革命の群像:現代経済学の課題』(1991年、中公新書)、『近代経済学の誕生:マーシャルからケインズへ』(1994年、ちくま学芸文庫)、『現代の経済学:ケインズ主義の再検討』(1994年、講談社学術文庫)、『ガルブレイス:制度的真実への挑戦』(1995年、丸善ライブラリー)、『ケインズを学ぶ:経済学とは何か』(1996年、講談社学術新書)、『21世紀の経済学』(1999年、講談社現代新書)、『経済学のことば』(2004年、講談社現代新書)、『経済学の歴史』(2005年、講談社学術文庫)、『物語・現代経済学:多様な経済思想の世界へ』(2006年、中公新書)、『経済学はこう考える』(2009年、ちくまプリマー新書)、 『市場主義のたそがれ:新自由主義の光と影』(2010年、中公新書)、『入門・経済学の歴史』(2010年、ちくま新書)、『シュンペーター』(2013年、講談社学術文庫) など

*13:公共事業のこと

*14:祖母は中山マサ元厚労相、父は中山正暉元建設相という世襲議員。第一次安倍内閣福田内閣外務大臣政務官

*15:札付きの南京事件否定論者。福田、麻生内閣で厚労大臣政務官脳梗塞のため既に政界を引退。(ウィキペ「戸井田徹」参照)

*16:小泉内閣文科相麻生内閣国交相を歴任

*17:著書『娘に語る年金の話』(2001年、中公新書)、『企業年金の教室・実践編』(2003年、中央公論新社)など

*18:ドイツの現代音楽作曲家

*19:著書『マスコミはなぜ権力に弱いか』(1994年、新日本出版社