今日のニュース(11/9分)(追記あり)

■読売新聞『首相、早期解散に勝算…党内増税派けん制*1も』
http://www.msn.com/ja-jp/news/national/%e9%a6%96%e7%9b%b8%e3%80%81%e6%97%a9%e6%9c%9f%e8%a7%a3%e6%95%a3%e3%81%ab%e5%8b%9d%e7%ae%97%e2%80%a6%e5%85%9a%e5%86%85%e5%a2%97%e7%a8%8e%e6%b4%be%e3%81%91%e3%82%93%e5%88%b6%e3%82%82/ar-AA7dYKG?ocid=BDT3DHP
 年内解散論の存在自体は、他社も報じていますがググった限りここまで「年内解散論の可能性が高い」としているのは読売だけです(追記:後で産経も年内解散を煽る報道を始めました)。
これは
1)読売が安倍とずぶずぶで安倍のためにアドバルーンぶち上げてる(そのアドバルーンへの自民党公明党、野党、メディア等の反応を見る、つまり年内解散論は一つの可能性として考えてるがまだ本決まりではない)か
2)安倍の意思はともかく読売は年内解散に持っていきたいか
どっちかでしょう。どっちにしろおよそジャーナリズムと言える行為ではありませんが。最近は本当に読売の「産経化」「安倍応援団化」が酷くなっています。例のナベツネ氏のせいでしょう。
 なお、自公両党は多数議席保有しているのだから本来「安倍政権に何の問題もなければ安倍や自民党にとって解散する必要はない」「任期満了選挙で何の問題もない」のですが
アベノミクスの挫折が日々明らかになっている』『アベノミクスにかわってぶち上げた地方再生も女性活躍も今ひとつ反響が乏しい』『でも今はまだ40%〜50%と内閣支持率もまだそれなり高く自民党支持率も20〜30%台(一方、民主党の支持率は10%台、一番多いのが支持政党なしで20〜30%台、他の政党が与党公明も含めて1桁台の%*2)で勝つ見込みが高いんじゃないか、時間が経てば経つほど勝ち目が減るんじゃないか』ということを安倍も読売も自覚してるのでしょう。
 まあ、最大野党民主党に勝つと言っても五十嵐仁・法政大学名誉教授が自ブログのエントリ『にわかに吹き始めた解散・総選挙の風』(http://igajin.blog.so-net.ne.jp/2014-11-11)で指摘するように前回と違ってアベノミクスブームがない上に「消費税増税への反発」もあるでしょうから「自民・公明の議席自体はおそらくかなり減る」でしょうしそれは安倍も覚悟の上でしょうが。前回はできすぎでしょう。なお、五十嵐氏が指摘するように「安倍が解散しようがすまいがとにかく一日も早い安倍打倒」というのは俺も同感です。
 しかしこうなると「日中首脳会談」も「財界や米国の要望」などいろいろ理由はあったのでしょうが、「解散前の条件整備」というのもあったのかもしれません。安倍が本当に年内解散するかはたまたブラフ*3かはともかく、「日中関係の悪化」をそのままにしては解散が「本気にせよブラフにせよ」今ひとつ説得力がないでしょう。
 特に「本気の解散」の場合野党から選挙戦で「日中関係悪化」を批判される可能性は当然あります。まあ、今回の訪中でもまだ「関係改善は始まったばかり」なので野党は「まだ日中関係の悪化は解決していない」と安倍を批判するでしょうけどね。

【追記その1】
産経新聞『「住宅買い控え続く」 再増税不透明で 10月の新築戸建て受注前年割れ 大和ハウス工業など』
http://www.sankei.com/west/news/141110/wst1411100074-n1.html
 消費税増税が完全に景気の足を引っ張ってることは日々明白になっているようです。これが「年内解散論」の一つの背景の訳です。


【追記その2】
産経新聞『【衆院解散論】臨戦態勢を敷き始めた自民党「常在戦場だ!」 維新・橋下氏は「このままなら野党は惨敗…」』
http://www.sankei.com/politics/news/141110/plt1411100040-n1.html
 読売よりワンテンポ遅れてですが、産経も「年内解散論」をぶち始めました。
 なお記事タイトルになってる橋下のぼやきの「野党」は「維新」と読み替えればいいでしょう。橋下は基本的に自分の事しか考えてない。ただ「このままじゃ維新が崩壊する」とはさすがの橋下も恥ずかしくて言えないので「野党」と主語を大きくしてるだけの話です。正直、他野党(民主、共産、社民など)が「解散されても問題ない、むしろ有利」とまでは言いませんが、「維新を含むいわゆる第三極(維新の他には次世代、みんな)ほど大きな支持率の落ち込みはない」ので一番ダメージが大きいのは「維新を含む第三極」でしょう。


【追記その3−1】
■kojitakenの日記『年内の解散総選挙なら安倍晋三の長期政権は確実』
http://d.hatena.ne.jp/kojitaken/20141110/1415575188
 率直に言って年内解散で「勝利して政権が延命できた」として「長期政権は確実」ではないでしょうね。そもそも今回の解散論は「アベノミクスの化けの皮がはがれ始めた」「女性活用や地方創生、日朝交渉といった新ネタでごまかせるか怪しい」という事で出てきた話だからです。そして「今でないと勝てそうにない」という安倍の態度からは、「政権発足当初はともかく、今や安倍もアベノミクスを信用してない」あるいは「消費税8%を5%に戻せばアベノミクスはうまく回るかも知れないがそれはできない、アベノミクスなんて消費税増税を飲ませるためのものに過ぎないから」と思ってるらしいことがよく分かります。
 赤旗『“解散政局”の背景は、世論と運動が追い詰める』(http://www.jcp.or.jp/akahata/aik14/2014-11-12/2014111202_01_1.html)も同様の見方をしています。
 であるなら仮に自民党が年内解散で「議席上、勝利しようとも*4」早晩支持率は低迷していくことになるでしょう。「今でないと勝てそうにないから今やろう」なんて選挙で勝っても「後は墜ちるだけ」でしょう。
 「小泉郵政選挙で多数議席を得ながら退陣に追い込まれた第一次安倍内閣の再演」「麻生内閣での渡辺喜美離党劇の再演」になるんじゃないか。つうか、仮に自民が年内解散で勝利したとしてもそれ目指さないと駄目でしょう。
 どうもkojitaken氏は俺と違って「悲観論を書いて悲壮ぶる悪癖」があるようですが、それでいいのか。例えば「年内の解散総選挙なら安倍晋三の長期政権は確実」つうのならそれこそ「解散阻止を訴えたい」とか言うべきではないかと思いますけどね。


【追記3−2】
■kojitakenの日記『解散は総理大臣の専権事項、反対に耳を傾ける安倍晋三ではないが』

http://d.hatena.ne.jp/kojitaken/20141112/1415747596
 (注:私kojitakenは解散した場合、自民が議席を減らしたとしても衆院過半数を割り込み下野するようなことはないだろうと思うし、その場合安倍も首相をやめないだろうが)安倍晋三政権運営の難しさはこれまでと大差ないどころか、これまでよりも困難さを増すだろうと私は予想している。
 小泉純一郎政権を思い出しても、3次にわたった同政権がもっとも強い批判に晒されたのは、郵政総選挙で大勝したあとの第3次内閣時代(2005〜06年)だった。耐震偽装事件とライブドア事件が起き、NHKスペシャルが『ワーキングプア』を放送した頃から、格差と貧困の問題がクローズアップされた。安倍晋三はそういう背景下で総理大臣になったから、2007年の参院選大敗の直後に政権を投げ出す羽目になってしまった*5
 いかに多くの議席を抱えようが、政治家の政策が民意から乖離したり、国際関係において摩擦を引き起こしたりしたら、権力者の政権運営は壁にぶち当たる。第3次安倍内閣でも、それが起きるだろうと私は予想している。

 「何だ、俺に近い考えジャン」とびっくりですね。この文章とその直前の「安倍内閣は長期政権」てエントリ『年内の解散総選挙なら安倍晋三の長期政権は確実』(http://d.hatena.ne.jp/kojitaken/20141110/1415575188)は明らかに矛盾するように思いますのでkojitaken氏の考えはどうにも理解に苦しみますが、ま、当初、思ったほどには俺とkojitaken氏の考えが違わないようで幸いです。
 しかし巷間噂される安倍の解散理由*6「消費税増税10%見送り」は本当デタラメですよね。もちろん「今なら勝てそう」という理由が本当であって、後付けでデタラメな理由つけるからそうなるわけですけど。
 つうか「消費税5%引き下げ法案を『過ちは素直に改めるのが私』とか言ってしれっとした顔して出す*7」 →「自民造反派*8&民主が否決*9」→「信を問うため解散と、小泉郵政選挙パターン*10」ならともかく「10%見送り(中止でない点に注意)」て信を問うまでもなく安倍が「見送ります」と決断すればいい話だし、見送り派の方が国民に多いでしょうに。見送り発表後「自民造反派+民主党によって不信任可決」と言った事態でもない限り解散する必要性はどこにもない。
 まあ、実際には「見送ります、でも景気がよくなれば実施します」→「当初の予定時期より多少遅らせるが結局『景気が好転しました』と好転してなくても強弁し、10%増税」てのが見え透いてますからね。まあ、それでも安倍支持するバカが多い悲惨な国が今の日本かもしれませんけど。


朝日新聞横田めぐみさん両親、講演しばらく休止へ「疲れ激しい」』
http://www.asahi.com/articles/ASGC83HKJGC8UTIL008.html
 滋さんが事故ったときに「体力の消耗が激しいなら講演は中止するなり、減らすなりした方がいい」「講演場所は東京23区と神奈川県内だけでええんと違うか」と書いた俺にとってはグッドニュースです。発表場所、時間が「群馬県みどり市の講演会場で講演終了後」て「自宅が川崎なのにそんなところで講演するの体力的にきついだろ」と思いますね。
 「めぐみが帰ってくるかも知れないときに寝込んでいてはお話にならない、本末転倒なので少なくとも年内は休止する。年明けどうするかは体調などを考えてそのときに決めたい」んだそうです。中止ではなく「再開予定の意味を持つ」休止(それもとりあえず年内休止*11)というあたりが「巣くう会、家族会に反逆できない」横田夫妻の限界ですが、まあ、ひとまずはいいことです。「家族会、救う会に相談があったのかなかったのか」も気になるところです。「ウランバートルでの孫との面会」のように相談なしであれば*12、「救う会や家族会の呪縛」から離れ始めたということで非常にいい事です。
 しかしググった限りでは「横田夫妻の講演休止発表記事が朝日しか出てこない」てどういうことやねん、と思いますね。産経にはこの記事多分出てこない。そこまでして自分に都合の悪いことを隠したいのかと。つうか「講演休止発表」が都合が悪いてのも本来おかしな話ですが。

*1:年内解散論の目的はむしろ逆だと思いますね。増税決定前の選挙で多数議席を取れば安心して増税できるという腹づもりでしょう。あるいは解散する気はあまりないが、そう言う解散の脅しを党内増税反対派にかけることによって「俺は解散してでも増税する気だからあきらめて俺の軍門に下れ」と言う「小泉郵政解散」的な話かもしれません。読売もそんな事は分かった上で増税反対派をだますためのデマゴギーを流してるのだと思います。もちろんだからといって「増税反対なら解散反対であるべき」と言う話でもないですが、そういう安倍の腹づもりを理解した上で「解散の是非」については考える必要があるでしょう。

*2:年内解散された場合一番ダメージが大きいのはいわゆる第三極(みんな、維新、次世代)でしょう。支持率が急速に落ち込んで、以前は上回っていた公明、共産を現在は下回っている(上がり目は党分なさそう)ので党が消滅しかねません。

*3:野党の内、支持率の低下が著しいいわゆる第三極(次世代、維新、みんな)にとって解散はほぼ確実に「議席減」しかもたらさないのでやめてほしいでしょう(一方、前回選挙で第三極にかなり票を食われたとみられる民主、社民、共産にとっては議席増の可能性があります)。また自民党議員も「選挙にそれほど強くない議員」は「前回よりも選挙情勢がよくない今回、解散される」と落選の危機があります。年内解散論はそうした連中に対する安倍の恫喝という面があるかもしれません。

*4:なお、小生はkojitaken氏と違い自公は議席自体は減らすと見ています。氏のように第三極の議席減が全部自民、公明に行くとみるのは悲観的すぎるでしょう。民主、共産、社民にかなり行くとみるべきでしょう。そして場所によっては自民候補が民主との戦いで落選すると。

*5:それプラス「消えた年金」と閣僚スキャンダルでしょう。

*6:解散するならば、ですが

*7:厚顔無恥な話ではありますが、それをやるなら一応はそこに限っては支持はします

*8:この場合、ガチの造反派だけでなく「解散したから造反してくれ」と安倍に頼まれたインチキ造反がでるかも知れません。選挙に強い議員ならやるかもしれませんね。で安倍がアリバイ作りで「刺客候補」をたてるけどろくにその候補を支援しないと。まあ、ただ安倍にはそういう腹芸をやるだけの政治力がないでしょうね。

*9:民主の政治センスのなさは半端ではないので本当に否決するかも知れません。

*10:小泉ならそのくらいのことはするかも知れません。噂される安倍の解散理由よりはこの方がまだ道理があるでしょう

*11:年内てあと2ヶ月ないんですが

*12:まあその場合でも講演場所に救う会関係者はいたのでしょうが