今日の産経ニュース(11/20分)その1(衆院選関係)(追記・訂正あり)

■【衆院選】自民25%、民主9%…比例投票先で大差 「与野党伯仲」期待は過半数 共同通信調査
http://www.sankei.com/politics/news/141120/plt1411200026-n1.html
 大差と書く産経ですし、実際大差でアンチ自民の俺としては実に無念ですが
1)「比例でどこに投票するかまだ決めてない」が44%あること*1
2)「与野党伯仲希望*2が51.4%(なお、「与党が野党を上回る」希望が3割、「野党が与党を上回る」希望が9%)」
3)「安倍の解散理由支持が30.5%(支持しないが63%)」
ということを考えれば安倍に有利な選挙になるかは微妙でしょう。今後の野党陣営の奮起と「安倍自民の失政、失言」が期待されるところです。
 さて興味深いのは何とあの「増元が立候補した」次世代の党が「0.1%」と「公明4.6%、共産4.2%、維新3.1%*3社民党0.9%*4、生活の党*50.3%、みんなの党*60.2%」を追い抜きダントツの最下位だと言う事でしょう。
 もちろん世論調査には誤差があり得ますが、さすがに「実は次世代はもっとずっと上なんだよ」て事もないでしょう。まあせいぜい「みんなや生活よりは上かも」て話であってこれはもう次世代は惨敗確実でしょう。今回の選挙、少なくとも「石原慎太郎の政治生命が終わる」と言う意味では喜べるかも知れません。

【追記その1】
赤旗『街の声に「おかしい」、首相、出演テレビで逆ギレ』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik14/2014-11-20/2014112002_01_1.html

 安倍晋三首相は解散表明した18日の深夜テレビ番組に相次いで出演し「電波ジャック」を試みました。民放のキャスターから経済政策や解散の時期について疑問を示されると、「それは間違っている」とたびたび逆上しました。
 TBS「ニュース23クロス」はアベノミクスに対する街の声を紹介。「効果はあった」「全然、恩恵を受けていない。給料も上がっていない」と賛否両論を流しましたが、首相は「6割の企業が賃上げしている。全然、声に反映されていません。これ、おかしい」と反発。「(テレビ局の)皆さん(声を)選んでおられる」と、偏向番組かのように非難しました。
 キャスターから「実質賃金が15カ月連続で減少している」と言われると、質問をさえぎって「大事なところなんで言わせて」「もう一点言わせて」と横車。「国民総所得*7はプラスになっている」と都合のいい議論を展開し、批判に耳を貸さない態度でした。
 日本テレビ「ニュースゼロ」のインタビューで、解散時期について「(注:景気対策をすべき時で)総選挙をして(注:政治空白を作って)いるときではない」と(注:キャスターに)問われると、何度も質問をさえぎり「それは間違っている」と強弁。「われわれは常に命をかけている。選挙は政治家にとって命がけだ」と気色ばみ、世論調査で65%が解散に「反対」と答えたことについて「(政権を)そのままやれといっている方が65%もいる」などと論議をすりかえました。

 赤旗なので割り引く必要があるかも知れませんが記事を読む限り「アベノミクスの失敗が表面化したこと」でマスコミの安倍への態度も今までより若干批判的にはなってるようです。そしてそうした批判にとてつもなく弱い安倍はすぐに逆ギレすると。安倍も解散前はもっと自分に都合のいいこと考えていたので、なおさら逆ギレしてるんでしょう。


【追記その2】
■『内閣不支持が逆転、共同世論調査 比例自民28%、民主10%』
http://www.47news.jp/CN/201411/CN2014112901001545.html
 まだ自民党支持が高くて日本人のアホさにげんなりしますが、一方で「内閣不支持率が支持率を超えた*8」「与野党伯仲を望む5割*9」「アベノミクスで景気回復を実感しない8割」ということで自民党は盤石の支持を得てるわけでもありません。


■【衆院選】「投票日は忠臣蔵の日。安倍政権討ち取る」 共産秋田県委員長が“オリジナル宣言”
http://www.sankei.com/politics/news/141120/plt1411200020-n1.html
 いい悪いはともかく「忠臣蔵」とは「共産って意外と日本的なんだな」と感じる話ではあります。
 いい悪いはともかく「日本共産党中国共産党ベトナム共産党キューバ共産党など」現在も存続する共産党は「借り着ではなくそれなりに共産主義を民族化、土着化(日本化、中国化、ベトナム化、キューバ化)した」から今も残ってるのだと言う面は正直あるのだろうと思います。


■【衆院選】「いよいよ改憲の橋渡るとき」 首相単独インタビュー要旨
http://www.sankei.com/politics/news/141120/plt1411200003-n1.html
 いつもながらタイトルだけで絶句ですね。
 何が「いよいよ改憲の橋渡るとき」なのか。
 安倍は11/18に記者会見(首相官邸サイト参照http://www.kantei.go.jp/jp/96_abe/statement/2014/1118kaiken.html)をしていますがそこでは安倍は「消費税10%増税見送りについて信を問う」と語ってるだけで改憲なんて一言も口にしていません。
 記者の中で「消費税問題以外について質問している」のは皮肉にもウォールストリートジャーナルの記者だけ。いい加減「外国の記者とフリージャーナリスト以外はろくな質問しない」という悲惨な状況は何とかならないのでしょうか。
 そのウォールストリートジャーナル記者の

今回の選挙は、消費税先送りやアベノミクスの道筋の是非を有権者に問う選挙とされておりますが、安倍政権は経済成長以外にもエネルギーや安全保障など重要施策を抱えています。総理は今回の選挙の結果を成長戦略だけでなく、原発再稼働や憲法解釈によって行われる集団的自衛権の関連法案への信任と捉えられるのでしょうか。

と言う質問について安倍は

エネルギー政策、原発政策あるいは安全保障政策等についても党の公約にきっちりと書き込んで、この選挙戦堂々と闘っていきたい。有意義な論戦を行っていきたいと考えております。

とし仮に勝利*10したとして「原発再稼働や集団的自衛権についても信任されたと理解するのか」それとも「安倍が解散理由とする消費税限定で信任と理解するのか」という質問にまともに答えようともしません。下手に答えたらまずいという卑怯な逃げでしょう。
 そのくせ産経相手には「いよいよ改憲の橋渡るとき」なんだから呆れて物も言えません。なお、この記事の書き手は予想通りあの阿比留です。

衆院解散・総選挙】
 民主党政権がなぜ2年前に惨敗したか。それは政権交代を果たしたときのマニフェストに「消費税を上げる」とは一言も書いていないにもかかわらず、消費税を上げることを決め、しかも法律を通したからだ。これは明らかにおかしい。

 おいおいですね。それを言うなら「特定秘密保護法制定」「TPP参加」「集団的自衛権については解釈改憲で認める」とは公約に書いてなかった、いやそれどころか「TPP反対」と公約してたくせにTPP参加方針の安倍はどうなるのか。
 自民の公約違反や「公約に書いてないことをやる」のは問題ないのか。そんなアホな話がどこにあるのか。また民主党の消費税増税についていえば自民は三党合意でそれに荷担していますし、三党合意は「政権奪取後の自民の意思で撤回することもできた」のにそれをせずに8%に税率をあげたのは安倍です。
 結局安倍と財務省が、アベノミクスを過大評価し、一方、消費税増税の悪影響を過小評価したからあげたわけですが、その結果が深刻な景気後退です。
 それへの反省もなしに消費税問題で民主党批判とは恥知らずにも程があります。

景気対策
 景気は確実に回復している。しかし、消費税率を(8%に)引き上げた分には追いついていない。

 それ「景気は回復してない」て言うと思うんですけどね。そして「8%引き上げが景気に悪影響」と認めるなら「元の5%に戻せばいい」んですが「8%引き上げを支持する党内増税派(例:谷垣幹事長)、財務省日本経団連」とガチバトルする意思も能力もない安倍にその選択肢はありません。

民主党批判】
 7〜9月の経済指標が出る前に、民主党が消費税の引き上げ延期を発表したことに驚いている。

 何で驚くのか。「民主党が引き上げ延期を正式に発表した」のは「自公政権が、税率引き上げ延期の信を問うとして解散の意向をマスコミに大宣伝してから」です。
 で自公が何故引き上げ延期を理由とした解散を大宣伝したかといえば「7〜9月の経済指標が正式に出る前」に既に安倍政権サイドにも「景気が悪いことがわかりきっていたから」でしょう。なら民主党が引き上げ延期発表したことは実に自然です。つうかこれ批判なんでしょうか?
「あ、そう、驚いたの?。驚いただけで批判はしないのね?」と皮肉で返されて終わりでしょう。

靖国参拝
 国のためにかけがえのない命をかけて戦った英霊に対し手を合わせ、冥福を祈るのは国のリーダーとしての当然の務めで、各国のリーダーに共通する。先の靖国参拝でも、遠い戦地において家族を思い、国を思い、この世を去った英霊に対し「御霊(みたま)安かれなれ」という思いを込めてお参りした。そして、恒久平和を誓った。靖国に参拝するかどうかということを外交問題にしてはならない。今、私が行くとか行かないとか言うつもりはない。

 やれやれです。いい加減「各国の戦没者墓地と靖国は違う」と認めたらどうなのか。
 靖国のしてるのは戦没者追悼ではなく「日本の戦争美化」です。戦没者追悼と全然違う。だからこそ「A級戦犯分祀」が靖国には出来ない訳です。「A級戦犯は英雄だ」が靖国の立場だから分祀できない。
 まあ、それはともかく「参拝しない」と言ってないので油断はできませんがさすがに、日中首脳会談をしたばかりなので「参拝する」とは言えないようです。当たり前ですけど。

集団的自衛権
 7月1日に安保法制に関する閣議決定を行った。選挙でこの2年間の安倍政権が問われるわけなので、この閣議決定も含め、国民の信を問うことになる。

 記事タイトルになってる件ですね。やれやれです。最初に指摘しましたが記者会見の時にウォールストリートジャーナルの記者に「消費税以外、つまり原発再稼働や集団的自衛権などについても信を問うのか」「自民党が勝利なり敗北なりした場合、それを消費税だけでなく、原発再稼働や集団的自衛権などについても、自民党が信任されたとか、不信任されたとか見なすのか」と聞かれ「もちろん信を問う、勝ったらそれら消費税以外の問題についても信任を得たと見なすし、負けたら逆に不信任されたと考える」とも「いや最大の争点は消費税だから負けようが勝とうがそれは、消費税については信任されたと見なすが、消費税以外の件については関係ないと思う」とも言えず「自民党の政策全般を選挙で主張するのは当然です」という一般論で逃げた男がこれですよ。

憲法改正
 憲法改正自民党にとって結党の原点だ。

 とはいえいわゆる護憲派を党内に抱えねじれ現象を呈していたのが歴代自民党だったわけです。

(改正の発議要件を定めた)96条については、残念ながら国民の皆さまに十分にご理解をいただけなかった。

 96条の厳格な改憲要件を緩和しようという安倍の企みは国民に支持されなかったとご本人も認めざるを得なかったわけです。だからこそ解釈改憲という禁じ手に出た。

【目標議席
 政権与党で(注:衆院の)過半数ということが勝敗ラインになってくる。

 現在の自公の議席は「過半数どころかもっと多い」ので安倍の言ってる事は「議席が減っても勝利を主張する」と言う話です。臆病者の安倍らしい話です。つうか「与党で過半数割ったら一部野党を抱き込まない限り下野」なんですから安倍の言ってる事は「下野に追い込まれない限り、負けとは認めない」というとんでもない話です。五十嵐仁・法政大学名誉教授も自ブログ(http://igajin.blog.so-net.ne.jp/2014-11-21)で『議席を減らしても勝利宣言とはとんでもない話だ』と批判しています。

歴史認識
 事実に基づかない吉田清治証言が広く海外に喧伝(けんでん)された結果、日本の名誉が大きく傷ついたのは事実だ。

 いい加減にして欲しいですね。河野談話にせよ国連のクマラスワミ報告、マクドガル報告にせよ米国下院決議にせよ吉田証言なんか根拠にしていません。
 大体吉田証言というのは「済州島での話」です。つまり吉田証言が信用されてたときもそれは「済州島限定」で使用されてたわけです。一方、慰安婦は日本軍のいるところにいたわけで、何も済州島限定じゃない。東南アジアにもいたし、中国にもいた。そういう済州島以外の慰安婦については当然ながら吉田証言なんか根拠にならないわけです。当然別の根拠が提出されます。にもかかわらず「吉田証言」「吉田証言」と騒ぐ安倍。バカか嘘つきか知りませんがこれが日本の首相なんだから日本の国際的評価が落ちるのも当然です。

【追記】
赤旗『首相の“低い”勝敗ライン、「国民に追い詰められた結果」、記者の質問に山下書記局長』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik14/2014-11-20/2014112002_03_1.html

 19日の記者会見で日本共産党山下芳生書記局長は、安倍晋三首相が前日の会見で衆院選の勝敗ラインを与党過半数維持としたことに「低すぎる」との声があがっていると記者団から問われ、「国民に追いつめられた結果の解散だったことの一つの表れだ」と述べました。

 こうした批判に「このままでは評判が悪い」と思ったのか、その後「自民単独で270議席前後」と勝敗ラインを若干「上方修正」したようですがいったん吐いた言葉は消えないし、現在は「自民単独で290議席程度」なので「現有議席から減っても勝利宣言する」と言う意味で「低い勝敗ライン」ではあります。


■【衆院選】生活の党、小沢氏除き*11全員民主入りの方向 衆院解散目前に急転
http://www.sankei.com/politics/news/141120/plt1411200022-n1.html
 自民党幹事長、新生党代表幹事、自由党代表、民主党幹事長などとして政治力を発揮してきた小沢氏もついに年貢の納め時と言う事でしょうか。しかしこれでは小沢氏も「政界引退」するほかはないように思いますが、巻き返しの手などあるのか?

【追記】
■生活の党 「小沢氏除き全員民主入り」は誤報
http://gohoo.org/14112103/
 どうも産経の飛ばし記事だったようです。「信用して済みません、小沢さん」とまずは謝罪しておきます。まあ、小沢氏に上がり目がないことは事実ですけど。


■【衆院選】次世代、無所属の浜田参院議員が入党 「限界感じた」
http://www.sankei.com/politics/news/141120/plt1411200017-n1.html
 もともとは自民党参院議員だったのに菅内閣から提示された総務大臣政務官ポストに乗っかって自民を除名された御仁です(その後、野田内閣外務大臣政務官にも就任)。
 その後、国民新党に入党しますが国民新党が崩壊、無所属になります。「古巣・自民に戻る」とか「自分を一本釣りした菅元首相ら民主党に泣きついて入党させてもらう」とかいう手もあったでしょうが、「やっても自民や民主に相手にされなかった」のか、はたまた、そうしたくなかったのか。いずれにせよ、挙げ句の果てが泡沫政党・次世代の党とは哀れな御仁です。

*1:もちろんこのうちの一部は棄権票になる可能性大ですが

*2:与党に有利な小選挙区制度中心の選挙制度では正直そういう事態は比例で野党に大量投票でもしないと起きづらいと思いますが。与野党伯仲を望むなら中選挙区に戻すとか比例中心の制度にするとか制度改正が不可避でしょう。また本気でそう思うのなら比例で自民に投票2割というのは伯仲しなくなる可能性が大きいので矛盾した馬鹿げた判断です。

*3:一時期に比べればかなり支持率がおちたとは言え未だに維新なんか支持するのかと思うとがっくり来ます。しかし昔の仲間・次世代とのこの差は何なんでしょうか。

*4:共産と社民のこの違いは何なんでしょうか。社民については「共産にこんなに差をつけられるなんてやはり問題があるんじゃないの」と厳しいことを思う反面、安倍のような極右がのさばる今、もう少し頑張って欲しいと言う複雑な思いもあります。しかし「共産や公明を過大評価する気もありません」が「共産党を名乗る政党」と「伝統宗教ならともかく戦後の新興宗教がバックの政党」が一定の政治力を持ち「社民党を名乗る政党が弱小勢力」という「奇妙な政治情勢」は日本特有のもんでしょう。

*5:生活の党も大量離党による民主入党がささやかれています。

*6:ただしこの調査後、解党しましたが。自民、民主、次世代、維新のどれかにいく人間がほとんどでしょう。

*7:国民総所得と実質賃金は「国民総所得があがれば自然に実質賃金が上がる」という関係にないので何の反論にもなっていません。

*8:支持44%、不支持47%なので誤差の可能性もありますし,まだ支持が高いですが明らかに支持は漸減傾向にあるでしょう

*9:ただし、だったら何で比例で自民2割なのかさっぱりわかりませんが。それでは伯仲しません。日本人はやはりバカなのか。

*10:何を持って勝利とするかという問題もありますが、政権維持ができればたとえ議席が減っても安倍は「勝利した」というでしょう。安倍はそういう男です。

*11:小沢氏が入党したくないと言う事ではなく向こうが入党させたくないと言う事でしょう。