今日の産経ニュース(12/9分)(追記・訂正あり)

■【正論】構造改革こそが選挙後の課題だ 京都大学教授・中西寛
http://www.sankei.com/column/news/141209/clm1412090001-n1.html

 来年春には統一地方選挙、再来年夏には参院選挙が予定されている。
(中略)
(注:アベノミクスやTPP、消費税増税問題の今後の動向を考えると)今回の総選挙の結果にかかわらず、政権は昨年夏の参院選挙で勝利した後の「黄金の3年」のような政治的余裕を得ることはないであろう。

 今はなき「噂の真相」曰く「安倍ブレーンじゃない方の京大の中西」「キチガイじゃない方*1の京大の中西」こと中西寛氏の雑文です。
 所詮産経文化人ではある物の、この中西氏、阿比留などとは違い「今後アベノミクスのぼろも出るだろうし、TPP問題が進展すれば関係業界からの安倍批判も激化するかも知れない、増税延期から1年半後に本当に10%増税したら国民がどう反応するかも分からない。選挙結果が仮に300議席という自民にとって最高の成績だとしても甘く考えたら命取りだ」「来年春の統一地方選や再来年夏の参院選で勝つ見込みがあるかどうかも分からないくらいに考えた方が安全だ」と考えてるようです。
 小生も「アンチ安倍派としての願望込みだが」と断った上で「仮に300議席という事態になったとしても今後アベノミクスのぼろもどんどん出るだろうし、安倍批判派は必要以上に悲観視する必要はないのでは」と書きましたが「安倍シンパ」の中西氏も「自民党は楽観視すべきではない」と俺とは逆のベクトルですが、俺と同じようなこと考えてるようです。
 安倍だの阿比留だのは「中西先生は悲観論ですよ」と笑い飛ばす能天気かも知れませんが。
 で続く中西氏の言葉。

 総選挙後の政権はそのこと*2を前提とした上で、日本が多年抱えてきた、成長と平等を両立させるという基本課題に取り組まねばならない。

 「成長と平等を両立させる課題」とは要するに「アベノミクスは成長を重視して平等を犠牲にしてきた」と中西氏が認識してると言う事でしょう。つまりは意外なことにこの中西氏、産経文化人でありながら共産党などが主張する「アベノミクスは格差を拡大した」と言う批判には一理あると認めるようです。でその上で「格差問題に選挙後にそれなりに取り組むべきだ」とでも言いたいのでしょう。
 中西氏の言う構造改革とはそういうことでしょう。「格差問題に配慮してるとは思えない」安倍や産経に気を遣ってるのか、随分と奥歯に物の挟まった物言いですが。
 ただ中西氏が「どう格差問題に取り組むべきと考えてるのか」述べないことでその説得力も随分と弱い物になっていると思います。


 

*1:まあ、あの中西輝政と比べたら大抵の人間は常識人でしょう。

*2:選挙結果が何でアレ今後の政治状況を考えたら自民は甘い考えは禁物だと言う事。