共産党と衆院選について雑感(12/12)(追記あり)

■【衆院選2014】赤旗公式ツイッター橋下徹の敗北宣言を速報
http://togetter.com/li/757156

 「維新の党の橋下共同代表は今日(13日)、大阪市天王寺MIO前で演説し、「もうみなさん、明日、自民党公明党、歴史的な大勝利となります。なるんです。もう維新の党、はっきり言って負けます」と衆院選投票日を前に早々と敗北宣言をおこなった。
 さらに橋下氏は、「自民党民主党かといわれれば、いまの国民、自民党というに決まっています。だれが民主党に入れるんですか」と述べ、「共通政策」や「選挙協力」で提携までしたはずの民主党をこき下ろした。
 また橋下氏は、「野党に総理を務められるメンバー、誰一人いません。無理なんですよ。安倍さんで結構です。もういいです。自民党で結構です」「今回の選挙は維新の党で日本を変えるとか、そういう話じゃないんです」などと敗北と自民党・安倍政権依存の姿勢を繰り返し表明した。
 「こんなこと言ったら(注:維新の党共同代表の)江田さん*1が怒るかもしれない。でもそうなんです。安倍さんで結構です。もういいんです。自民党で結構です」
【資料】維新の党・橋下徹共同代表が総選挙の敗北宣言を行った街頭演説の起こしはリンクの通りです。
Read:http://www.twitlonger.com/show/n_1sj5f6o

 すごいですね。いくら相手が「あの非常識きわまりない」橋下でも、あまりにも酷すぎてにわかには信じられませんが、さすがに赤旗もこんな事で嘘は書かないでしょう。維新に対する選挙妨害になりますから。
 何でこんなことを橋下が言うのか分かりません。「俺は悪くない、民主党や江田共同代表が悪い」と今から他人に責任転嫁するとともに「安倍に媚びるため」かもしれません。あるいはあえて自虐発言することで「判官贔屓を狙ってる」のかもしれませんが、こんな非常識発言に理解を示す人間もあまりないでしょう。
 いずれにせよ、これでは「明日の投票に響く可能性」が当然ある*2し、公党の代表として無責任すぎでしょう。選挙結果に関係なく*3橋下は代表を解任されて当然の暴言でしょう。


■五十嵐仁の転成仁語『日本共産党があるじゃないか』
 ほとんど付け加えることもありませんのでほぼ全文紹介します。

http://igajin.blog.so-net.ne.jp/2014-12-13
 総選挙の投票日も、いよいよ明日に迫ってきました。
(中略)
 どの政党に入れたら良いのか、誰に投票すべきなのかが分かりにくく、とりわけ小選挙区での選択肢が少なすぎるという声もあります。
 しかし、そんなことはありません。選択肢として、ちゃんと日本共産党があるじゃありませんか。
 あるのに目に入らないのは、最初から除外してしまっているか、知らず知らずのうちに無視してしまっているか、あるいは、古い「反共」意識にとらわれ偏見を持っているからではありませんか。党名などにこだわらず、争点と政策を基準に選ぶという態度に徹すれば、共産党自民党に対抗できる最有力な選択肢であるということが理解できるはずです。
 選択肢が少なく見えるのには、もう一つの理由があります。共産党以外の野党が自民党に対抗できるような政策を打ち出していないため、政治を変えたい、安倍首相の暴走政治を止めたいという人にとっての選択肢にならないからです。
 この点でも、民主党の責任は大きいと言うべきでしょう。民主党は自民・公明との「3党合意」によって消費増税を含む「一体改革」を認めていますから再増税そのものには反対できず、TPP参加表明や原発の再稼動をはじめ、尖閣諸島の国有化で対中関係の緊張をもたらしたのも民主党の野田*4首相の時でした。
 ですから、安倍首相を厳しく批判できないという弱みがあります。それ以外の、維新の党や次世代の党などの「第3極」は自民党より右だったり、「第2自民党」だったり、「自民党野党支部」(浜矩子さん)だったりして、自民党に対抗しているわけではなく反自民の選択肢にはなりません。
 そのために、これらの野党は安倍首相の暴走をストップさせるためのブレーキ役を演ずることは不可能です。それどころか、下手をすれば応援団やアクセルになってしまう危険性があります。
 したがって、政策的に見れば安倍首相と真っ向から対決し、それにブレーキをかけることができるのは共産党しかありません。自民党共産党以外に他の野党が候補者を立てていたとしても、ブレーキ役としては選択肢にならないのです。
(中略)
 (注:あなたが自らを反自民だというのならば)自民党共産党だけが候補者を立てている25の小選挙区では、躊躇なく反自民の票を共産党候補に集中するべきでしょう。そのようにしてこそ、安倍政治に対する有権者の不信任をはっきりと示すことができるからです。
(中略)
 今回の総選挙の最大の争点は「安倍首相」であり、そこで問われている選択は安倍首相による暴走政治の是非にほかなりません。そして、真正面から対決している共産党しか、安倍首相に対するブレーキ役を演ずることができないということも明らかになってきています。
 ですから、選択肢がないと不満に思っている有権者の皆さんには、こう言いたいと思います。「そんなことはない。日本共産党があるじゃないか」と……。


赤旗『総選挙募金へのご協力のお願い』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik14/2014-12-12/2014121202_06_0.html
 協力したいところだし、だからこそこの記事に応援ブクマもつけたのだが

通信欄に住所、氏名、職業、および「総選挙募金」と記入してください。

てところが躊躇するところ。以前5千円*5ほど寄付したら「年末(12月)に共産からお礼状と年末控除の証明書類*6」が来て往生したことがあるんだよな(そういうのが来るとは小生知らなかった)。小生のオヤジがまあ極端な共産嫌いで運悪く「日本共産党と書いてある礼状の封筒」をあけたあげく「共産なんかに寄付するな」と激怒したのでそういうの避けたいんだよなあ。まあ、「そんなの気にしない」つうのも「一つの生き方」ではあるのだが小生ちょっとオヤジともめてまで献金しようと思うほど性根が据わってないヘタレなので。
 その点、ブクマをお気に入りにしてるid:vanacoral氏やid:msyk710513氏など熱心な支持者には申し訳ないと思ってる。一方で「共産支持のブクマやエントリ書いてるだけ反共よりはマシだよな」と自分に言い訳してる。
 何つうか代々木の党本部の目立つところ*7に「献金箱」でも置いてくれればありがたいんだけどね。数千円とか数百円程度突っ込めるので。まあ勝手な言い草でサーセン

追記あり
 コメ欄にも書きましたが田舎の選挙てのは小生の経験上、本当に露骨に「地元の名士選び」「露骨な利益誘導」です(汚職があると言ってるわけではありません。まあ目に見えないだけで実際あるのかも知れませんが)。だから、いったん利益構造ができてしまうと*8野党はそれを崩しにくい。kojitaken氏が『小渕優子*9渡辺喜美』(http://d.hatena.ne.jp/kojitaken/20141212/1418343251)で触れる小渕当選の可能性の高さも「その他の二世議員」の当選の可能性の高さもそうした利益誘導構造にあるわけです。
 もちろん「崩せない」わけではないでしょうし、「野党がそれを敗戦の言い訳にしていい」訳でもないですがそういう利益構造の存在を無視して「当選したから政策が支持された」「落選したから支持されなかった」と思うのも逆に問題の訳です。日本の選挙は多くの場合、そんなにきれい事じゃない。


■kojitakenの日記『朝日、自民305、民主78、維新27、公明33、次世代2、共産18、生活2、社民2、無所属9と予想』
http://d.hatena.ne.jp/kojitaken/20141211/1418256435
 朝日以外のメディアも似たような予想のよう。kojitaken氏も「まあ世論調査を信じればそんなもんではないか」としている。
 自公で「衆院2/3以上(317議席)」とはこの通りになればアンチ自公として悪夢であるが「自民単独で2/3以上」でないだけマシだと思うことにしたい。305議席予測であればさすがに自民単独2/3はないだろう*10(もちろん自民の事なので維新や次世代の切り崩しで単独2/3を狙うことは十分予想できるがそれでも選挙で2/3よりはマシだろう)。
 自公圧勝予測の前には「空しい気もする」のだがほかにも「ポリアンナ的良かった探し」を書いておく。
1)次世代の惨敗
 一時は「第二野党・維新の会」だった極右集団「石原*11・平沼*12グループ」が2議席*13という大惨敗を喫する可能性が高いというのは実に喜ばしい。
2)共産の躍進
 もちろん「誤差があり得る」し「全体(475議席)からすればまだ少ない数」なので「過大評価は禁物」だが、序盤予想「16議席(プラスマイナス2〜3議席、つまり13〜19議席)」程度が微増とは言え「18議席(プラスマイナス2〜3議席程度、つまり15〜21議席程度)」とは実に興味深い。民主が「78議席程度」、つまり自公圧勝予測後も、最大野党であるにも拘わらず、序盤予想と大して変わらず、現有55議席から20〜30議席程度という「最大野党であること」を考えれば民主惨敗と言っていい成績予想であることを「自民批判層のかなりの部分」が共産に行ったのだろう。
 不破氏が久しぶりに選挙応援演説に担ぎ出されたのも『衆参両院の選挙の翌日は従来、赤旗は休刊日でしたが、読者の要望*14に応え今回は発刊の予定(最近の赤旗での記載)』というのも共産が「まだまだ少数議席で慢心できる立場ではないとは言え」今回一定の躍進を見込んでることの表れだろう。
 10議席*15党首討論資格*16、20議席で「法案提出権」なので何とか20行きたいところではある。
 「比例で20議席小選挙区で2議席以上(うち1議席が沖縄)の22議席以上取れば」現在の党勢*17ならば万々歳、大健闘と言っていいだろう。何とかそうなりたいところではある。ただ朝日予想18議席でも大勝利ではある。とにかく油断もせず、あきらめもせず最後の追い込みが大切だろう。
3)維新の衰退
 現有42議席が「27議席」と「1/3も減ってしまう」のだから予想通りなら惨敗と言っていいのではないか。これではいずれ「解党により民主または自民に吸収される」という「みんなの党」と同じ末路が確実だと思う。
 共産より議席が上とは言え、
A)野党共闘しなかった共産と違い「野党共闘した結果」
B)一定の「コアな支持層がある」共産と違い大阪以外は強固な組織票がない、確固とした政治方針もない烏合の衆
である事を考えれば「共産が何とか苦境に耐えて今回巻き返した*18」ようなことは維新ではありえないだろう。そういう巻き返しをする能力どころか意思すらないだろう。
4)民主の真価が問われる
 もちろんkojitaken氏が危惧するように「安倍が政権を奪還した衆院選挙での敗戦」、「安倍政権誕生後の参院選での敗戦」を経て「それらの敗戦がかすむほどの惨敗を今回喫する」ようでは「民主がさらに混迷の度を深める」危険性は大です。ただ今こそ「民主党」とともに、民主党内外の支持者(例:山口二郎法政大学教授)の「真価」「鼎の軽重」が問われるでしょう。
 「民主惨敗予測は覆しもないようだ」との判断の下、あえて民主党に「善意に理解*19」し、「中途半端に勝つより惨敗した方が反省や問題克服がより深くなるのではないか」と書いておきます。この小生の期待(?)に「民主党内外の支持者(特にブレーンとか有力支持者とか扱われる個人や団体*20)」が答えて欲しいところではあります。
5)沖縄選挙区の動向
 実際どうなるかはわかりませんが沖縄選挙区も「知事選の勝利を受け優位な状況」にあるようなので、予測通りの好結果が出ればそれはいいことでしょう。

*1:みんなの党幹事長、結いの党代表を経て維新の党共同代表

*2:もちろんアンチ維新で共産シンパの俺としては維新が票を減らして惨敗し、かつその維新票が共産にでも来て共産の議席が増えれば実に喜ばしいが。

*3:もちろん選挙結果が酷ければ橋下のせいである可能性が高くなおさら問題ですが

*4:鳩山内閣財務副大臣菅内閣財務相を経て首相

*5:少額でサーセン

*6:寄付は税務処理すると有利になるのだが小生面倒臭いのでそこまでやる気はない。

*7:党本部近くの美和書店にはほぼ確実に左派系の本(共産に敵対的な新左翼系はないor少ないが)が置いてあるのでたまに行ってる。

*8:とはいえ「不況」「与党におけるネオリベ的価値観の蔓延」などで過去に比べればそうした利益誘導の量は我が埼玉でも明らかに落ちてるでしょうし、「埼玉都民」にはそうした利益誘導が聞いてるか疑問です。ただ「埼玉都民」だと埼玉への帰属感がないので投票率が低いと言う問題があるわけです。

*9:麻生内閣少子化等担当相、第二次安倍内閣経産相(金銭スキャンダルで後に引責辞任)を歴任。

*10:もちろん自民単独2/3であろうとも闘うだけなのだが

*11:福田内閣環境庁長官、竹下内閣運輸相、都知事、維新の会共同代表などを経て次世代の党最高顧問

*12:村山内閣運輸相、森内閣通産相小泉内閣経産相たちあがれ日本代表、維新の会代表代行・国会議員団長を経て次世代の党代表。

*13:残念ながら岡山の平沼は当確らしい。後どれだけ比例で当選できるかと言ったところか(朝日予想は1議席が一番可能性が高いわけだが)。もちろんプラスマイナス2〜3程度の誤差がある(つまり3議席、4議席の可能性もあると言う事)ようだ。

*14:要するに今回は「早く躍進を赤旗でも知りたい」という読者の声が結構多かったと言うことだろう。

*15:現有8から2増やせばいいので、選挙予測を信じるならば10議席のクリアはほぼ確実だろう。

*16:最近あまりやってないと思ったが

*17:もちろん「過去にはそれ以上の議席だったこともある」し、今後それ以上狙いたいことは言うまでもない

*18:何度も言うように過大評価はしないつもりだが

*19:皮肉ではなくて本当に善意に理解して書いています。小生も「民主党を評価していない」とはいえ最大野党の混迷を喜ぶほど性格は歪んでいません

*20:小生と同レベルの「普通の民主党支持者」にそこまでの過大な期待をしょわせるつもりはありません。