今日の産経ニュース(12/28分)(追記・訂正あり)

■韓国元議員の重罪に憂慮 カーター氏団体、最高裁
http://www.sankei.com/world/news/141228/wor1412280016-n1.html

 聯合ニュースは28日、韓国で内乱を企てたとして起訴され二審で懲役9年の判決を受けた元国会議員*1の審理を行っている最高裁に対し、カーター元米大統領が率いる非政府組織(NGO)カーター・センターが、刑が重いことに憂慮を表明する声明書を送ったと報じた。
 声明は、判決の根拠になった韓国の国家保安法が「非常に抑圧的」で、判決が民主国家としての韓国の名声に見合っていないと指摘したという。
 元議員は、有事に国内の重要施設を破壊する計画を立てたとの内乱陰謀罪などで起訴された李石基被告。一審で懲役12年の実刑判決を受け、ことし8月の二審で同罪では無罪になったが、国家保安法違反罪などで懲役9年の刑を宣告された。

 もっと声明を早く出して欲しかったしできれば「国家保安法即時廃止」くらい言って欲しいですが、全くもって正論ですね。本来オバマ当たりが言うべきでしょうが、まあ、所詮オバマはその程度の男なんでしょう。
 そして日本の政治家からもこういう発言が出て欲しいんですけどね。安倍自民や橋下維新にはもちろん期待してないので共産党辺りから。


■【フィギュア】ミキティ*2、真央ちゃん*3に並んだ 新女王に16歳の宮原
http://www.sankei.com/west/news/141228/wst1412280064-n1.html
 期待の若手登場と言う事でしょうか。でこの宮原選手が見事、世界選手権代表入りも決めたようです。また3位になった「13歳の樋口新葉(ひぐち・わかば)選手」も期待の若手と言えるのでしょう。


■町田選手、突然の引退発表 世界フィギュアも辞退
http://www.sankei.com/west/news/141228/wst1412280061-n1.html

 フィギュアスケートのソチ冬季五輪男子代表で3月の世界選手権で銀メダルに輝いた町田樹選手(24)=関大=が28日、4位だった全日本選手権を最後に現役引退することを発表した。選出された世界選手権(来年3月・上海)の出場は辞退した*4。早稲田大大学院でスポーツ科学の研究者の道を歩むという。

 まあ、「余計なお世話のお節介」ではありますがいい加減浅田真央も引退を正式表明したらどうなんですかね。


■【歴史戦 第8部 南京「30万人」の虚妄(4)前半】騒動に巻き込まれた英国人
http://www.sankei.com/world/news/141228/wor1412280008-n1.html

「国際委員会*5の報告によれば、南京に残っていた人口は、南京戦の時点で20万人だった。しかし、南京が陥落してから人口が増え始め、翌1月には、25万人に膨れ上がった。戦闘が終わって治安が回復されて、人々が南京へと戻ってきたのだ。このことからも『南京大虐殺』などなかったことは、明白だ」

 この主張がいかに悪質なデマかは南京の人口は増えたかを見れば分かるでしょう。
 増えたのは「南京市の人口」ではなく「南京安全区」という外国人(ラーベ、スマイスなど)が管理する「南京市の一部分」の人口に過ぎません。要するに「外国人が管理しててある程度安全*6で食料の保障もある場所」に避難民が押しかけたという話に過ぎない。避難民がそんなに押しかけること自体、むしろ「日本軍がいかに野蛮だったか」の傍証でしょう。
 しかも「20万」も「25万」も推計値に過ぎません。戦乱の中、精確な人口調査などできるわけもないのでこの数字が正しいかどうかははなはだ疑問です。はっきりしてることは「南京安全区の人口が増えた」と言うことだけです。


■【歴史戦 第8部 南京「30万人」の虚妄(4)後半】「責任は敵前逃亡した蒋介石に」 NYタイムズ元東京支局長に聞く
http://www.sankei.com/world/news/141228/wor1412280009-n1.html
 タイトルだけで唖然ですね。「蒋介石が敵前逃亡*7したら虐殺していい」のか。なら旧日本軍でも「司令官の玉砕や敵前逃亡」は珍しくなかったと思いますが、その場合、旧日本軍をいくら虐殺しても問題ないのか。
 「蒋介石が敵前逃亡するから悪い」と居直る*8産経にはもはや「30万人の虚妄」とやらを証明する気はないようです。
 つうか冷戦時代は「反共、反毛沢東の同志として持ち上げていた蒋介石」をここまで貶めるかと思うと言葉もないですね。
 昔は「反共の同志・盟友である蒋介石との友好関係重視」で南京事件の存在を認めていたのが産経なんですけどね。
何せ

 南京防衛戦における中国軍の死傷者は六千人を超えた。
 しかし、より以上の悲劇が日本軍占領後に起きた。いわゆる南京大虐殺である。
(中略)
 こうした戦闘員・非戦闘員、老幼男女を問わない大量虐殺は二カ月に及んだ。犠牲者は三十万人とも四十万人ともいわれ、いまだにその実数がつかみえないほどである。
倭寇(日本軍)は南京であくなき惨殺と姦淫をくり広げている。野獣にも似たこの暴行は、もとより彼ら自身の滅亡を早めるものである。それにしても同胞の痛苦はその極に達しているのだ』(一九三八年一月二十二日の蒋介石の日記)
産経新聞連載『蒋介石秘録』の記述)

ですからね。

参考
■誰かの妄想・はてな版『「蒋介石秘録」に見る南京大虐殺
http://d.hatena.ne.jp/scopedog/20120226/1330258512
産経新聞愛読者倶楽部『産経新聞・住田良能社長は南京「40万人虐殺」を取り消せ』
http://d.hatena.ne.jp/sankeiaidokusya/20110220/p1


 国民党が現在「中国との融和の方向に動いてる」ことで産経は「蒋介石を対手にせず」という「近衛声明時代」に逆戻りしているようです。まあ、戦後の「日本ウヨと蒋介石の友好関係」て、「打倒毛沢東」を目的とした野合でしかないですからね。戦前日本保守(岸信介*9など、かなりの部分が戦後日本保守に残存)にとって蒋介石は「打倒対象」だったのが、戦後「新たな敵毛沢東」の出現に野合したに過ぎない。たぶん「蒋介石が内戦で勝利してれば」そのときは蒋介石を「南京事件で因縁つける反日政治家」とでも罵倒していたのでしょう。
 とにかくそんな野合は国民党が中国と融和すればその時点で崩壊するわけです。つうか蒋介石だけでなく米国すら昔は「ソ連との対抗のため」、今は「中国との対抗のため」野合してるに過ぎず、日本ウヨは本心は「ハルノートで日本をはめた」などと米国を憎悪してるんじゃないかと疑いたくなります。
 いずれにせよ、こういう馬鹿な「蒋介石への誹謗」をほざけば当然国民党サイドは産経を敵視するでしょうね。そして台湾の現政権与党は国民党なんですが。

 中国兵が軍服を脱いで(民間人に偽装した)便衣兵や不良捕虜となったため、日本軍は処断*10を余儀なくされた。

 「不良捕虜」てどういう意味でしょうか?。もちろん「捕虜の殺害」は国際法違反行為です。
 また便衣兵というのも「便衣*11に着替えることそれ自体」は別に違法行為ではありません(便衣でゲリラ戦をやれば確か違法行為*12ですが)。そして便衣によるゲリラ戦の存在なんて南京ではありません。そもそも便衣に着替える兵隊が続出したのは何もゲリラ戦がやりたかったわけではなく、「軍服を着てると日本軍に確実に虐殺される」という認識を中国兵がしていたからですが。実際、旧日本軍がやったことを考えるとその認識は大当たりだったとしか言いようがないでしょう。
 なお、「軍律裁判をやればまだ言い訳もできた」でしょうが旧日本軍は「疑わしきは処刑」と言う態度で「便衣の人間」を裁判抜きで「便衣兵認定」して処刑してるので当然「マジの便衣の人(民間人)を違法殺害した疑い大」で違法性はどうやっても否定できません。

他の欧米ジャーナリストから批判されたか
 「出版以来、外国特派員の同僚や英国の友人から『クレージー』『子供じみている』など多くの批判を受けた。

 そりゃまともな欧米人ジャーナリストは、「同じ欧米人ジャーナリストのストークス氏」が何で産経と同レベルの暴論「南京事件否定論」を吐くのかさっぱりわからないでしょう。俺だってわかりませんし。

 この企画は岡部伸、上海・河崎真澄、田北真樹子、ロサンゼルス・中村将、北京・矢板明夫が担当しました。次回は南京攻略に参加した日本兵の証言を特集します。

 やれやれですね。藤原彰*13他『南京大虐殺を記録した皇軍兵士たち:第十三師団山田支隊兵士の陣中日記』(1996年、大月書店)と言った著書があることでも分かるように「日本兵の中には虐殺の事実を書き残した人間もいる」んですが。まじめに「日本兵の証言」を検討したら「虐殺の存在」を認めざるを得ないでしょう。


■【未解決事件を追う】家出?おかしい、動機がない、手紙は誰かに書かされたのでは…埼玉・朝霞の中2不明9カ月
http://www.sankei.com/premium/news/141228/prm1412280013-n1.html
 荒木和博だと確実に「特定失踪者認定するであろう」謎の多い怪事件です。

 杏花さんの行方が分からなくなったのは今年3月10日午後3時45分ごろ。自宅前で10代ぐらいの男性と話しているところを近所の人が目撃したのを最後に、携帯電話や財布も持たず、制服のまま姿を消した。
 その日は、放課後に習い事のエレクトーンと塾に行く日だった。杏花さんは部活を休み、家が近い友人と家路についた。同日午後5時ごろ、(注:母親の)真希子さんが仕事から帰宅すると、ポストに杏花さんとよく似た筆跡で「家も学校もちょっと休みたいです、しばらく友達の家です、さがさないで下さい」とメモ書きが残されていた。
(中略)
 数日後、自宅には杏花さんの名前入りで「元気で過ごしている、迷惑掛けてごめんなさい」などと書かれた手紙が届いた。手紙には同県上尾市内の3月15日の消印が押され、切手が貼られていない状態だった。しかし、捜査関係者によると、指紋採取や筆跡鑑定をしても、杏花さん本人が手紙を書いたと断定する証拠は見つからなかったという。
(中略)
 杏花さんが失踪後、(注:父親の)紀明さんは仕事を2カ月休み、ビラ配りなどに時間を費やした。活動の輪は広がり、6月には有志らが「斎藤杏花さんを捜す会」を発足し、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)サイトなどで情報を発信。朝霞市の富岡勝則市長の呼びかけで、関東1都6県の計357市町村の広報紙や公式サイトなどにも情報が掲載され、今までに配ったビラは8万枚を超えた。ただ、「もう会社に迷惑はかけられない」と、紀明さんは現在、仕事に復帰*14。空いた時間を活動にあてている。
 気持ちが切れそうになることもある。4月に県警が捜査規模を縮小*15。毎日、家族の様子を見に来てくれた捜査員がぱたりと来なくなったときは、「私たちはもう捨てられたんだ」と絶望した。「なんでこんなことになってしまったんだろう」と、突然、悲しみが襲ってくることもある。その都度、捜す会のメンバーからの励ましや、「早く杏花を見つけてあげたい」という一心で何とか心を奮い立せてきた。
 「いつでも帰ってこられるように」と杏花さんの部屋は、いなくなったときのままにしてある。真希子さんは、失踪前からの習慣で、今でも杏花さんの部屋で眠っているという。
(中略)
 真希子さんは「まだ杏花は見つかっていません。風化させないでほしい。どうか力を貸してください」と協力を呼びかけている。
 情報提供は朝霞署(電)048・465・0110。

*1:不当にも韓国憲法裁判所が統合進歩党を強制解散し、国会議員資格を剥奪したため

*2:安藤美姫のこと

*3:バンクーバー五輪銀メダリスト・浅田真央のこと。

*4:町田のかわりとして無良崇人が代表に選出された。

*5:国際委員会と言っても当時南京にいた外国人(ラーベ、スマイスなど)が結成した任意団体に過ぎず、何らかの強制力を保有しているわけでは全くありません。

*6:さすがに日本兵も外人の目は気にしたという話です。

*7:つうか勝つ保障がない前線に最高幹部なんかおけるわけがないでしょうに。

*8:そもそもこんな事を言い出したら数の問題は全くどうでもよくなります。

*9:戦前は満州国総務庁次長、東条内閣商工相などを歴任。戦後は自民党幹事長、石橋内閣外相を経て首相

*10:「処刑、殺害」などと書かず「処断」と「殺害以外でも使われる言葉」を使って「殺害イメージを薄めよう」とする辺り産経らしいせこさです。

*11:軍服でない民間人の着衣

*12:とはいえ「便衣兵ならいくらぶっ殺しても無問題」と「法的、政治的、道義的」に言えるかははなはだ疑問です。大体その考えだと「日本が一億玉砕路線を実際に発動したら」正規軍人以外は米軍が何人殺そうと無問題ということになりますし、「過去のチベットゲリラ」なんかも「中国人民解放軍が何人殺そうが無問題、だって便衣兵なんだから」てことになりますが産経はそれ容認するんでしょうか?

*13:南京事件関係の著書に『南京大虐殺』(1985年、岩波ブックレット)、『南京の日本軍』(1997年、大月書店)など

*14:まあ、普通、増元照明みたいに会社を辞めたりしないでしょう。

*15:今年の事件でこれですからね。「特定失踪者」だの「拉致」だので事実上捜査なんかしてないでしょう。特に特定失踪者なんて与太話では。