ミステリがあまり好きじゃない人に君なら何を勧める?(多少ネタバラシあり)

 まあ、「ミステリがあまり好きじゃない」小生的には他人に勧めるとしたら
無難なところとして
1)ミステリドラマのノベライズ(例:刑事コロンボ、テレ朝「相棒」など)
2)映像化されたミステリ小説(例:フジテレビ『探偵ガリレオ』、毎日放送古谷一行金田一耕助シリーズ』など)
ですかね。
 ドラマというのは通常「大衆受けするもの」が選ばれてるわけですから「外す可能性は低い*1」し「大衆向けだからレベル低いか」と言ったらそうでもないでしょう。何も「マニア向けのミステリ」だけがミステリじゃない。
 小生も「ドラマからミステリに入った口」ですしね。
 小生(1970年代後半生まれ)が子どもの頃(1980年代後半〜1990年代前半)というとミステリドラマは「松本清張全盛期」なので今とはかなり違うんですけどね。最近「清張再評価」の動きがあるのはファンとして大変うれしいことです。
 あと、何もミステリといった場合「狭義のミステリ(ミステリ作家が書くいわゆるミステリらしいミステリ)」にこだわる必要は全然なくて「ルパン三世」「マルサの女」とかだって「広い意味でのミステリ扱いして構わない」と俺個人は思ってますね。あれらは犯罪をネタにしてある種の謎解き風味があるわけですし。

参考
■いつか電池がきれるまで『ミステリがあまり好きじゃない人のための、教養として読んでおきたい10作』
http://fujipon.hatenablog.com/entry/2015/01/15/110435
・自分の好きなミステリを薦めるのに「教養」とかかっこつけを言う必要あるのかいなと言う気が激しくしますね。

■『ミステリ「教養」としてのド定番10作+1』
http://azanaerunawano5to4.hatenablog.com/entry/2015/01/16/154446
・まあ、ぶっちゃけ横溝正史八つ墓村」など「俺みたいなミステリがあまり好きじゃない人間、非ミステリマニア」すら知ってる有名後発作品を生んだ「ABC殺人事件*2」はともかく他て定番かよ?て気がしますけど。
 たとえば「鮎川作品紹介するならそこはやっぱり『黒いトランク』とかひねりまくった長編だろ」とか。いや読む気ないですけどね、多分理解できないし疲れるから。
・ご本人も認めてますしブクマで指摘がありますけど「いわゆる本格寄り」ですよね。「ハードボイルドは?」「社会派は?」とか突っ込めるラインナップ。
・後「歴史ミステリ」として鯨統一郎を紹介するのは違うだろうと。アレは「歴史をネタにしたユーモアミステリ」であって「邪馬台国の所在地は八幡平市だ、八幡平はヤマタイと読めるではないか!*3」云々という代物を歴史ミステリにカウントされてもなあ、て気が。「時の娘」てのが鯨なみにふざけてるのなら、話は別ですけど。
 つうか知名度から言ったら、そして「本格よりの定番」とかいうならそこは鯨じゃなくて高木彬光『成吉思汗の秘密』*4でも出せばええのと違うの?、鯨ならともかく高木なら「戦後日本本格ミステリの定番的存在」であることに異論ある人は多分いないんだし、て気が。まあ、こういうのは何ラインナップしても突っ込みが可能ですけど。

*1:それなりに面白い

*2:名張毒ぶどう酒事件和歌山毒カレー事件のような形での「複数殺人による殺人ターゲット隠蔽」はありえても「ABC」のようなケースは「犯行発覚の危険性が高くなるだけ」であり得ないと思いますが。実に「本格ミステリ」らしい非現実さです。まあ、名張や和歌山のようなやり口だって普通の人間は怖すぎてやらない、できないでしょうけど。

*3:つうことで俺はアレを一応読んでます。俺はあの種の冗談ミステリが好きですので。

*4:読んでないので内容を知りませんが