何で角川は「金田一耕助全集を出さないんだ!」

・1/29に書いてるわけではないのですが「日付の空きをなくしたい」のでここにぶち込んでみます。
・まあ、「タイトルで出落ち」です。確か角川からは「獄門島」「犬神家の一族」などメジャー作品は出ていますが、「金田一全作品」は出ていません(マイナー作品は品切れ絶版状態)。「横溝全集*1を出せ」とは言いませんのでせめて「ファンのために金田一作品全作が文庫で気軽に読めるようにしてくれ、そのくらいできるだろ」と思います。
・なお「古谷一行金田一耕助シリーズ(1983〜2005年まで、全32作)」はかなりマイナーな作品も取り扱っていて面白いですが、問題もあります(小生も全作品見てるわけではありませんし、金田一を全作品読んでるわけではありませんが)。
 特に問題だと思う例を一個だけ挙げてみましょう。
■第28作「トランプ台上の首」(2000年)
 タイトルは「トランプ台上の首」ですが内容はほとんど「黒猫邸事件」です。それに気付かないでドラマを見た後に小説「トランプ台上の首」を読むと訳がわからなくなります。何でそういうことをTBSがしたのかさっぱり分かりません。
 これに比べたら

■第10作「薔薇王」(1989年)
「横溝作品だが、金田一作品じゃないし原作では殺人も起きないのに、殺人を起こして金田一が解決する話にしてしまった」
■第22作「呪われた湖」(1996年)
 「原作「湖泥」から、犯人*2も犯行動機もまるきり改変」
 まあ、ドラマが「わかりやすい復讐話」なのに対し、原作は「村の奴は俺を差別してる、誰でもいいから村民ぶっ殺して村に報復してやる」という「八つ当たり的な犯行動機」なのが改変の理由でしょうけど(だったらドラマ化するなて気もする)。ドラマはともかく原作はちょっと共感しづらい犯人で、ドラマでは犯人の境遇に同情する金田一も小説では身勝手な犯人に対し思い切り敵意むき出しです。

なんてのはまだ「許せる改変」の気すらしてきます。

*1:金田一シリーズが一番有名だが横溝作品にはほかにも「人形佐七捕物帳」とかいろいろとある。

*2:何せ原作では犯人は男性なのに、ドラマでは女性と性別まで改変しています。