今日の産経ニュース(2/14分)(追記・訂正あり)

■世界の風力新設過去最大、初の5千万キロワット超え 14年、中国が半分近く占める
http://www.sankei.com/life/news/150214/lif1502140038-n1.html

 2014年に世界で新たに建設された風力発電の発電能力は約5148万キロワットで過去最大だったと、業界団体でつくる「世界風力エネルギー協会」(本部ブリュッセル)が14日までに発表した。14年末時点の世界の総発電能力は計約3億6955万キロワットとなり、中国が約3割を占めた。
(中略)
 新設量では、中国が約2335万キロワットと世界の半分近くを占め、市場を牽引した。

 「さすが経済大国・中国」と言うべきでしょうか。


■曽野氏コラムで南ア駐日大使が本紙に抗議
http://www.sankei.com/life/news/150215/lif1502150017-n1.html
 アパルトヘイトを美化するコラムを書いて各方面から非難されてた産経&曾野ですがついに当事者の南アフリカからの抗議です。中韓相手には「言いがかりだ」と居直ってみせる産経もさすがに「言いがかりだ」とは言えないようですが「すみませんでした、あのコラムは撤回します」などとは謝らず「アパルトヘイトを美化した覚えはない」「誤解を解きたい」などと言ってるのだから呆れます。
【追記その1】
■『「日本を貶める」のは誰なのか 広報予算700億円ではとても足りない安倍シンパの尻拭い』(木村正人)
http://bylines.news.yahoo.co.jp/kimuramasato/20150215-00043059/
 タイトルで分かるように要するに「産経批判、曾野批判」でありますが興味深いのは木村氏の経歴です。何と「元産経ロンドン支局長」だそうです。まあ、産経を辞めて遠慮なく批判出来ると言う事でしょう。
【追記その2】
■ Togetterまとめ BSフジ プライムニュース『曽野綾子氏×南ア大使 移民コラム反響と真意』
http://togetter.com/li/791720
 BSフジの番組が「曾野と南アフリカ大使の対談」を放送したそうです(司会はフジテレビ論説委員)。もちろんフジの作る番組が曾野批判するわけもなく、曾野も謝罪するわけもなく
1)曾野が大使に「誤解を解きたい」といい
2)司会も曾野を擁護する
という「アホか?」としかいいようのない代物だそうです。大使は終始、冷静な態度だったそうですが内心では激怒していたでしょう。
 「産経も曾野も本当に正気じゃないな」と実感できるエピソードではあります。


■【産経女子特区】家事ハラスメント(中)「女性が無償でするもの」の考え根強く 打破には本気で労働時間規制を
http://www.sankei.com/premium/news/150214/prm1502140007-n1.html

 「家事ハラ=ハラスメント」。夫の家事に妻が注文をつけることを「家事ハラ(ハラスメント=嫌がらせ)」と呼ぶ住宅メーカー*1の広告が話題となったが、もともとは家事が単純労働として軽視されている実態を示す言葉として、竹信三恵子・和光大教授が提唱していた。

竹信三恵子*2・和光大教授
 家事労働は女性が無償でするものという考え方が根強い。ないもののようにみなされ、長時間労働が前提とされている社会の仕組みの中で、女性は仕事と家事の二重労働に苦しんでいる。私はこの状況を「家事労働ハラスメント」と名付けた。住宅メーカーの「家事ハラ」のネット広告は、家事を担っている女性に対するバッシングを誘発すると直感し会社に抗議したが、男性向けの週刊誌などが喜々として取り上げ、女性たたきに使われてしまった。
 男女雇用機会均等法で女性は働きに出やすくなったが、社会の仕組みは家事や育児を担わない男性の働き方を前提としたままだ。そのため、正社員として働くことを断念し、低賃金のパート労働などに切り替えて両立させようとする女性は多い。しかし、正社員と非正規の待遇の差は大きく、女性の貧困問題につながっている。このままでは、国が滅ぶ。
 この状況を打破するには、労働時間規制などに本気で取り組む必要がある。欧州では男女ともに長時間労働が規制され、男性も家事・育児のために早く帰宅することが可能となった。管理職などに一定程度の女性の割合を定めるクオータ制の導入も、家事・育児がないことを前提とした働き方を変える強力な後押しとなるだろう。

(中略)
 主婦の家事は無償労働と思われがちだが、貨幣価値に換算すると、専業主婦の場合、無償労働時間は2199時間にのぼり、家事などをする代わりに外で働いていたら得られたとされる“逸失利益”は年間304万1千円にのぼる(平成25年の内閣府調査)。

 産経には珍しい記事です。こういう記事を「男が家事・育児する必要などない」「女性の社会進出など必要ない」「左翼だ、何だ」と敵視してきたのが産経ですので。あれですか、やはり、安倍の「女性の活用」とかが影響してるんですか?
 なお、竹信氏は

 元朝日新聞記者。夫は朝日新聞記者だった竹信悦夫*3。2002年から2005年まで、松井やより*4「戦争と女性への暴力」日本ネットワーク代表、元朝日新聞記者)を中心に設立されたNGOアジア女性資料センター」の運営委員。NPO法人「女たちの戦争と平和人権基金」が「愛と勇気に満ち溢れたジャーナリストであった松井やよりさんの遺志に連なる活動の一助となること」を目的として、2005年に設立した「やよりジャーナリスト賞」の選考委員(http://www.wfphr.org/yayori/about/about.html#member参照)を務めている。(ウィキペ「竹信三恵子」参照)

というのでいつもなら「朝日の反日記者」として植村隆*5北星学園大学非常勤講師)のようにバッシングされてもおかしくない御仁ですね。


■【産経抄】2月14日
http://www.sankei.com/column/news/150214/clm1502140002-n1.html

民主党政権時代、3人の首相はいずれも中国が嫌う靖国神社*6に参拝しなかったが、両国関係は国交正常化以降、最悪*7の状況となった。

 まあ、尖閣問題での対応を誤ったことが原因ですね。鳩山政権は漁船船長を逮捕し、野田政権は尖閣を国有化し、中国の反感を買ったと。そして今安倍が「靖国参拝」や「極右活動家の政府要職への任命(櫻井よしこ中教審委員、百田尚樹長谷川三千子NHK経営委員など)」などによってさらに日中関係を悪化させています。

自民党二階俊博*8総務会長が約1400人を引き連れて訪韓した。小沢訪中団と違って国会議員は少なく、旅行業関係者*9が大半だが、ご一行さまには県知事、市長もいる。

「二階たちは朴クネに媚びてる、許せん」といつもの産経です。でも「自民党総務会長の訪韓」は普通に考えて安倍の意思でしょうにね。テレビ朝日http://news.tv-asahi.co.jp/news_politics/articles/000044418.html)、フジテレビ(http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00286345.html)によれば二階氏は「総理からの親書を朴大統領に渡す」そうですし。
 批判するなら、安倍も批判すべきでしょうが、しないのはいつもの産経です。

*1:旭化成ホームズのこと

*2:著書『ルポ雇用劣化不況』(2009年、岩波新書)、『女性を活用する国、しない国』(2010年、岩波ブックレット)、『ルポ賃金差別』(2012年、ちくま新書)、『しあわせに働ける社会へ』(2012年、岩波ジュニア新書)、『家事労働ハラスメント』(2013年、岩波新書)、『ピケティ入門:「21世紀の資本」の読み方』(2014年、金曜日)など

*3:著書『ワンコイン悦楽堂』(2005年、情報センター出版局)

*4:著書『女たちのアジア』(1986年、岩波新書)、『市民と援助:いま何ができるか』(1990年、岩波新書)、『魂にふれるアジア』(1992年、朝日文庫)、『女たちがつくるアジア』(1996年、岩波新書)、『日本のお父さんに会いたい:日比混血児はいま』(編著、1998年、岩波ブックレット)など

*5:著書『ソウルの風の中で』(1991年、社会思想社

*6:お断りしておけば何も靖国参拝が問題なのは「海外の批判」「A級戦犯合祀」だけでなく「政教分離」と言う問題もあります。

*7:大嫌いな民主党政権相手には「最悪」と言う言葉が平然と使える産経です。安倍の方が「最悪」なんですけどね。

*8:小渕内閣運輸相、小泉、福田、麻生内閣経産相など歴任

*9:もちろん「ウエルカム韓国人旅行客!」ですね。