今日の産経ニュース(2/22分)(追記・訂正あり)

■【花田紀凱の週刊誌ウォッチング】〈502〉イスラム国事件…「自己責任」めぐり“極論”展開する『ポスト』
http://www.sankei.com/premium/news/150222/prm1502220027-n1.html

 後藤健二、湯川遙菜両氏が殺害されたIS人質殺害事件、2月8日の読売新聞世論調査では「最終的責任は本人にある」が83%に達した。

 調査結果も常軌を逸してて、一日本人として悲しみに耐えませんが、こんな調査をして自己責任論を助長する読売も常軌を逸してますね。

 『週刊ポスト』(2・27)はこのことがよほどお気に召さないらしい。「『イスラム国人質事件』が露わにした大新聞“ネトウヨ化”の醜さ」でこう書く。

 普通の人間なら「お気に召さない」でしょう。当たり前の話です。

 〈自己責任は助けなくていいなら、例えば失火で火事になり焼け死にそうになっている国民には消防車も救急車も呼ばなくていいことになる。自殺を図って病院に運ばれた患者は、もちろん治療しなくてよい。違法建築の家が大地震で潰れたら、そのまま生き埋めにしておく〉
 続けて読売テレビの人気キャスター辛坊治郎氏がヨットで太平洋横断を試み遭難し、自衛隊に救助されたことまで、〈助けなければ良かったのか〉。

 自己責任論を突き詰めればそうなるでしょうね。
 失火の火事なら自業自得だから「消防職員が結果として消火できなくても問題ない」「消防職員の消火活動に手落ちがあったかどうか論じる必要はない」「いやそれどころか消火する必要すらないんじゃないか」。
 自殺未遂なら自業自得だから「病院が結果として患者を死なせても問題ない」「病院に医療ミスがあったかどうか論じる必要はない」「いやそれどころか治療する必要すらないんじゃないか」。
 そういう結論になっておかしくないでしょう。「違法建築の家」や辛坊の件も同様です。
 「いやそれは違う、違うのにポストはこじつけてる」と強弁する花田ですが全然違いはない。さすがに「辛坊が死んでも自業自得」などとは言えないので花田や産経が違うことにしたいだけです。


■神話や建国記述「間違ってない」「感動した」 一宮市教委の注意で削除の中学校長ブログに激励
http://www.sankei.com/life/news/150222/lif1502220014-n1.html

 愛知県一宮市の市立中学の男性校長(56)が、学校のホームページ上のブログに、神話に基づく日本建国の由来などに触れながら、自国に誇りを持つよう訴える記事を掲載したところ、市教育委員会から「神話を史実のように断定的に書いている」との注意を受け、記事を削除していたことが21日、分かった。

 まあ、この校長や「校長のシンパ(日本会議とか?)」から「校長に駄目出しした一宮市教委が許せない、産経紙面で叩いて欲しい」などというくだらないたれ込みがあったのでしょう。
 もちろん産経ですので「まあ、学校のホームページ上のブログにそう言う事書いたらまずいよね」「校長の個人ブログならともかく学校のブログなら教委から削除した方がいいって、駄目出し入って当然だよね、それが一宮市の教育方針だと誤解されてもまずいし」という「まともな結論」になるわけもありません。何せタイトルからして「校長に激励があった」と校長寄りです。
 まあ、神話(たとえば仁徳天皇*1のかまどの話)を事実として書いてるのも酷いですが他も酷いですね。

古代の昔から、日本という国は、天皇陛下と民が心を一つにして暮らしてきた穏やかな民主主義精神に富んだ国家であったのです。

 呆れて物も言えませんね。仁徳天皇の話が仮に事実だとしてもそれは単なる「名君の話」にすぎないわけです。名君というのは「民主主義者」なのか。民主主義理解が根本から狂ってますね。56才(1958年生まれ?)でこんなに右翼ってのも恐ろしい話です。

参考
■法華狼の日記『日本書紀を史実あつかいするなら、仁徳天皇の評価とひきかえに武烈天皇の評価もひきうけなきゃね』
http://d.hatena.ne.jp/hokke-ookami/20150303/1425419558


■【主張】15年ぶり株高 実感伴う回復につなげよ
http://www.sankei.com/column/news/150222/clm1502220001-n1.html
 記事タイトルで既に「株価高が生活実感になってない」、つまり「給与の増に結びついてない」と産経ですら認めているところが皮肉です。


フジサンケイビジネスアイ『【未来への羅針盤中央大学寄附講座』
http://www.sankeibiz.jp/compliance/news/140830/cpd1408300500004-n1.htm

 中央大学産経新聞社と連携し、2014年度から寄附講座「グローバルコンパス〜未来への羅針盤」を開始した。そこで、フジサンケイビジネスアイでは、1年間にわたって各講座内容を読者に提供していく。

 去年の記事で古いですが偶然気付いたので。
 産経と連携するのは中央大学商学部で、呼ばれてくるのも政財官界などの幹部のようでさすがに「櫻井よしこ」とかウヨを呼びはしないようですが「それにしたって産経かよ?」と思うと、OBの一人(商学部でなく法学部ですし、かつろくな成績ではなかったですが)として複雑な思いです。

*1:そもそも実在性自体、怪しい天皇の一人です。