今日の産経は久々にトンデモ記事の宝庫です。
■【柔道】上村前会長らが顧問就任 引責辞任の全柔連旧執行部
http://www.sankei.com/sports/news/150304/spo1503040028-n1.html
産経ではなく「全柔連がトンデモ」と言う意味でのトンデモ記事です。実権のない単なる名誉職かも知れませんが頼む方も頼む方なら、引き受ける方も引き受ける方です。不祥事で引責辞任した人が何で顧問になるのか。
■外務省ホームページ「韓国との基本的価値共有」を削除
http://www.sankei.com/politics/news/150304/plt1503040025-n1.html
まあ、「嫌韓国バカを除けば」誰が考えても韓国に対する非常識な挑発行為でしかないでしょう。何せ「謎の外務省幹部*1」が産経に語ったところによれば「産経前ソウル支局長の起訴」が問題とか言う話だそうですから。
まあ、半分皮肉ですが「仮に産経記者の起訴が不当だとしても」むしろその種のメディア弾圧を喜んでやるのが安倍政権なんだから「価値観を共有」してますよね(毒)
そして慰安婦問題について言えば「元慰安婦を戦争被害者として同情(韓国)」「口先で同情を語るが実際は侮辱してる(安倍政権)」という意味で確かに「基本的価値観を共有してはいない」のかもしれません(自嘲)。
■40年ぶりに不適切教材排除へ通知 「イスラム国」画像、「『日本』海(東海)」地図… 文科省きょう発出
http://www.sankei.com/life/news/150303/lif1503030040-n1.html
こんなことは現場に任せればいいことでどれほど教育に政治介入したがれば気が済むんでしょうか。
そもそも「まじめに不適切教材の排除を考えた場合」だって「何が不適切か」定義することは大変難しいわけです。こんな通知は弊害の方がおそらく多いでしょう。まあ、「子どもたちが政権の言いなりになる教育」「そのための教育介入」が安倍政権の希望でしょうから「弊害など知ったことか」なんでしょうけど。
■【正論】良識ある沖縄の人々に尋ねたい 杏林大学名誉教授・田久保忠衛
http://www.sankei.com/column/news/150304/clm1503040001-n1.html
産経の言う「良識ある沖縄人」とはもちろん「基地賛成派」「翁長現知事批判派」のわけですがそれでは「翁長とその支持者には良識がない」と誹謗してるのも同然で全く非常識です。
さすがに「基地賛成派」も多くはここまで非常識ではないわけでこんなことを産経に言われても「ありがた迷惑」でしょう。
■【外交・安保取材の現場から】邦人救出“強硬論”自衛隊内部でも戸惑い 特殊部隊「能力ない」ままでいいのか
http://www.sankei.com/premium/news/150304/prm1503040007-n1.html
特戦群は海外で捕えられた日本人を救出できるのか。この問いは、イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」による日本人殺害脅迫事件を受け、頻繁に投げかけられることになった。
その答えが出たのは、安倍晋三首相の口からだ。首相は2日の参院予算委員会で「法的要件を整えてもオペレーションができるのかという大問題もある」と述べた。イスラム国支配地域のような敵地に乗り込む活動は憲法が許さないが、そもそも自衛隊に能力がないというのが首相の説明だった。
(中略)
最高指揮官の疑義に対し、さぞや自衛隊内の反発も強かろうと思いきや、反応は全く違った。陸自関係者は「イスラム国に捕えられた日本人をどうやって救出するんですか。戦争になりますよ。そんなこと本当にやるんですか」と語り、邦人救出をめぐる“強硬論”に戸惑いを隠さなかった。
「能力がない」も何も「現地政府の協力が得られない場所」で単独で救出作戦ができるかといったら自衛隊に限らず、米軍だって困難でしょう。安倍の発言も自衛隊関係者の反応も全く自然です。
もちろん、日本がアフガニスタン制圧を目的とするような戦闘に参加することはない。政府・与党が整備を目指す安全保障法制でも、アフガニスタン戦争のようなケースでは他国の武力と一体化しない範囲で後方支援を可能にしようとしているに過ぎない。
「後方支援(兵站)は戦争じゃない」なんて詭弁もいいところですが、産経ですら「少なくとも現時点では」ドンパチやってなにが悪いと言えない点は面白い。
だが、自衛隊特殊部隊の能力が首相から疑問視されるままでいいのか。朝鮮半島有事の際、北朝鮮によって拉致された日本人を救出する作戦が必要となる日は来ないのか。
「来ない」でしょうよ。居場所が分かりませんからね。つうか「朝鮮有事」なんて起こったら「中東のイスラム国」のようなやばい事態になる恐れがあるわけでそんな事態は防がないといかんでしょう。
■【劇場型半島】「おい、あのパネリストをやめさせろ」記者を恫喝する人物が首相になる韓国 朴政権に「報道軽視」許す韓国マスコミの風土
http://www.sankei.com/premium/news/150301/prm1503010011-n1.html
日本でこの種のメディア工作(裏で圧力かけて批判報道を封じる)がないと言えるならともかく「あの安倍」ではおそらくあるでしょう。
で産経もそういうメディア工作を何とも思ってない。にもかかわらず韓国で発覚したその種の事件を「報道の自由侵害だ!」とドヤ顔して見えるのだからいい度胸です。
大体
1)この疑惑を暴露報道したのは韓国のテレビ局KBS
2)朴政権の支持率が低下傾向にあること
を考えれば別に「韓国メディア全てが朴批判に躊躇してる」ということもないでしょう。本来、朴政権関係者がここまで「メディアを舐める」のはおかしいのですが、「権力者という者」は「俺の力で何でもできるはずだ!」と思い上がってしまう人間が多いのかも知れません。
長年、記者をしていると、取材相手から「あなたの社の上層部の誰それと知り合いだ」と告げられることがあるが、李氏ほどのあからさまな“脅し”は、日ごろからメディアをばかにしている態度の表れとしか言いようがない。
要するにあからさまでなくても「産経相手ですら」脅す人間が日本にはいるようです。
ドラマ「ピノキオ」には、「マワリ」という日本語由来の記者用語も登場する。新米記者が最初に警察署取材に配属され、昼夜分かたず、「ネタはないですか」と署の幹部らに聞いて回る場面が描かれる。
ただ、日本の報道機関で「回り」は、こういった「署回り」だけでなく、取材相手の通勤・帰宅ルートや立ち寄り先で、実際に来るかも分からないまま、何時間も待っていたりする「夜回り」を主に指す。
日本の「サツ回り」取材からすれば、署内で指をくわえてネタが来るのを待っている取材は「ぬるい」のだ。
やれやれですね。「韓国メディアに問題があるから朴政権関係者に舐められる」といいたげですがそういう問題なのか。
本来、「警察で発表したこと」が記事になるべきであって「警察署どころか、家の前などで警察官につきまとってネタをくれとねだる」というのは「努力」として手放しで褒められることなんでしょうか?
その警察官の発言が「公式、正規のものではない」以上、後でトラブったときに「マスコミが勝手に想像で書いた」なんて警察に言われたら反論は難しい。「正式な場所では言えないようなことを、情報コントロールの意味でリークする」なんてこともありうるわけです(注:松本サリン事件でメディアから垂れ流された第一発見者・河野氏を犯人扱いする報道などはその典型でしょう)。
「ピノキオ」では、社会部記者が“カッコよく”描かれているが、韓国人記者によると、大半が地方や社会部の記者としてのドサまわりを早々に卒業して、政治部記者になることを目指すのだという。
日本だってそういう人間はいると思いますけどね。政治家とのコネができれば何かとメリットがあるからです。中曽根*2元首相との交友を自らの権力強化に活用してきた読売新聞・ナベツネなどはその好例の一つでしょう。また新聞記者の中には尾方竹虎*3のように政界進出した人間もいるわけです。
韓国国民は高尚な論をうんぬんするマスコミより、国民が知りたいファクトを届けてくれるメディアの姿を望んでいるはずだ。
やれやれですね。ファクトよりも「右翼的言論」を重視してるとしか思えない産経がよくも言えたもんです。