今日の産経ニュース(3/20分)(追記・訂正あり)

■【首相米議会演説】中韓系反発しても「米の強力な同盟国は自由に発言すべき」ジョンズ・ホプキンス大のケント・カルダー氏*1
http://www.sankei.com/world/news/150320/wor1503200068-n1.html
 まあ産経が話を聞くような「産経シンパの外人」はこういうバカ言うわけですが、オバマ政権も「自由に発言させる気」なんかないでしょう。日本国内で安倍が好き勝手言うならともかく議会演説であほな発言されたら米国の国益が害される。
 もちろん産経もそれがわかってるからこそこういう「産経シンパ外人」を「安倍に自由に発言させろ」と宣伝に使うわけですがまあ、オバマも無視するでしょうね。


■【主張】地下鉄サリン20年 大惨事は防げなかったか
http://www.sankei.com/column/news/150320/clm1503200002-n1.html
 「坂本一家殺害事件や松本サリン事件をもっと早く摘発できなかったか」と言う意味では「地下鉄サリンは防げなかったか」と言う主張は正しいのですが産経ですのであほな文もちらほら。

教団に対する破壊活動防止法の適用が見送られた経緯も見直してほしい。

 アホかと思いますね。破防法を適用するには適用要件があるわけで「危ない団体なら暴力団でも極左過激派でも極右でも何でも適用できる」わけじゃない。そもそも「麻原が逮捕されてから」破防法適用論は浮上したわけで、全然「オウムの犯行は防げなかったか」という話と破防法と関係ないわけです。


■AIIBへの参加、条件整えば「協議の可能性はある」と麻生*2財務相
http://www.sankei.com/economy/news/150320/ecn1503200019-n1.html
 「英国、フランス、ドイツ、イタリアが参加の見込み」との報道を受けての麻生の事実上の方針転換です。「条件整えば参加の可能性を否定しない」とまだ距離を置いていますが、以前は「条件が整うとは思えないので参加すべきか疑問に思う」ともっと消極的だったわけですからね。


■アキとカズ・第293回
http://www.sankei.com/life/news/150320/lif1503200001-n1.html

福田(外務省高官)
「たとえ(映像が)(注:拉致被害者)ご本人であったとしても(注:救出目的で北朝鮮に)自衛隊を出すことには反対です。北朝鮮も黙ってはいないし、(注:中国、韓国、ロシアといった)周辺国も反対するでしょう。アメリカもだ」
上垣(元自衛官の右翼活動家)
「よその国は関係ないでしょう。これは日本政府が、攫われた日本人を救い出す話なんですよ」
福田
「では、他の拉致被害者や日本人妻の問題はどうするんですか。助けられなくてもいいのですか。やはりあくまで外交交渉、国際社会の圧力によって、日本人全員の解放を目指すべきなんですよ」
アキ(脱北者
「まだ、目がさめないの。「外交交渉であの国*3から一体何が得られた、っていうのかしら? 『恫喝』に『譲歩』の繰り返し。舐められっぱなしじゃないの!。あの国だけじゃないわ。(注:中国や韓国など)多くの国が(注:歴史認識問題で)日本を、日本人を不当に貶め、封じ込めようとしている。だけど、それは誰のせい? 日本が、日本人が断固たる『意思』を示さず、『真の力』を持つことから逃げ続けたからでしょう。“強い態度”を示すこと以外に日本人全員の解放に繋がる道はないのよ」
 (注:上垣が期待するタカ派の首相もその場にはいたが)結局、この日は物別れに終わった。
 上垣はすでに「次の作戦」を尾藤(びとう)に検討させている。自衛隊の現役抜きでもやる覚悟だった。

 すごいですね、「そんな弱腰の態度だから北朝鮮だけでなく中国や韓国にも舐められる」て、なんなんでしょうか。このウヨ脱北者
 こんな人が本当にいるんでしょうか。まあ、産経の脳内妄想でしょうけど。
脱北者もこういってる」とした方が説得力が出るて判断なんでしょうねえ。
「外交で何が得られたの」て蓮池夫妻、地村夫妻、曽我さんの帰国は外交で得られたもんでしょうよ。
 一方制裁では何も得られてないし、自衛隊突撃なんて現実性がないわけです。
 どう見ても「福田が一番正論」なんですが。当然、小説内において「安倍がモデルの首相が福田を支持する」のも当然でしょう。産経も安倍は「福田的立場だ」ということはたとえ小説でも否定はできないようです。


■【産経抄】「収拾」と「ポア」 3月20日
http://www.sankei.com/column/news/150320/clm1503200004-n1.html

 中国の長い歴史は、多くの奇人・変人に彩られている。その一人、明末の反乱軍のリーダー、張献忠(ちょう・けんちゅう)は、現在の四川省の住民の皆殺しを図り、親しい友人さえ気分次第で部下に殺害を命じた。「あいつを『収拾(ショーシ)』してくれ」。「収拾」とは、一家眷属(いっかけんぞく)皆殺しを指す隠語である(『中国人物伝IV』*4井波律子*5著)。

 ウィキペ「張献忠」によれば多くの独裁者、権力者同様、張が時に批判派、反対派を大量粛清(虐殺)したことは事実のようですが「狂気の殺人鬼」のような描き方はいかがなものかとされてるようです。要するに張が「歴史の敗者」であるがゆえに必要以上にネガティブに描かれてる疑いがあると。
 まあ、「気分次第で友人さえ殺害(張についての伝説、ただし張もおそらくそこまで酷くはない)」であろうと、もう少しまともな理由があるであろう過去のさまざまな虐殺、たとえば「カチンの森虐殺(旧ソ連によるポーランド兵虐殺)」「南京虐殺(旧日本軍による中国人虐殺)」などであろうと虐殺される側にとって迷惑なことには変わりがありませんが。

オウムに入信する若者も、後を絶たない。

 ただし今のオウムは「アレフ」「ひかりの輪」などと改名し、麻原を一応批判してますけどね。そう言う意味、つまり「凶悪犯罪を犯すかどうか」と言う意味では「オウム残党」というのは危険団体ではない。とはいえ「元信者たちはそこまでしてオウムを残す必要があるのか」「そんなに旧オウムって若者*6にとって魅力的か?」と個人的には思いますけどね。

*1:著書『米軍再編の政治学駐留米軍と海外基地のゆくえ』(2008年、日本経済新聞出版社)など

*2:橋本内閣経済企画庁長官、森内閣経済財政担当相、小泉内閣総務相、第一次安倍内閣外相、自民党幹事長(福田総裁時代)などを経て現在、副総理・財務相

*3:もちろん北朝鮮のこと

*4:2014年、岩波書店

*5:著書『三国志演義』(1994年、岩波新書)、『裏切り者の中国史』(1997年、講談社選書メチエ)、『中国文章家列伝』(2000年、岩波新書)、『中国の隠者』(2001年、文春新書)、『「三国志」を読む』(2004年、岩波セミナーブックス)、『奇人と異才の中国史』(2005年、岩波新書)、『中国の五大小説(上):三国志演義西遊記』(2008年、岩波新書)、『中国の五大小説(下):水滸伝金瓶梅紅楼夢』(2009年、岩波新書)、『論語入門』(2012年、岩波新書)、『中国人の機智・「世説新語」の世界』(2014年、講談社学術文庫)など

*6:もちろん若者全てが入信するわけではないですが