今日の産経ニュース(3/28分)(追記・訂正あり)

■アキとカズ・第300回 
http://www.sankei.com/life/news/150328/lif1503280013-n1.html

「ドン、ドンっ」
 尾藤の部下が持ち込んだ2基のグレネード・ランチャーが火を噴く。数人の敵*1の兵士が吹っ飛んだ。

 非常識過ぎて絶句ですね。荒木もいろいろとホラふいてますけどさすがに本気でこんな事やる気ないでしょう。
 つうか前も指摘しましたけどこれ完全に「私戦予備罪(例のイスラム渡航希望北大生が摘発されたやつ)」じゃないか。外国相手に戦争ですからね。公安に検挙されますよ。まあ、私戦予備罪以前に一般民間人がグレネードランチャーなんか調達してたら「武器の不法所持」で検挙されるでしょうけど。つうかどっからそんなもん入手するのか。

数では圧倒的な劣勢だ。武器は(注:グレネードランチャー以外は)拳銃とナイフしかない。

 おいおいですね。まあ、簡単に日本で武器なんか入手できるわけもないですがどこの世界に「グレネードランチャーと拳銃とナイフだけ」で軍隊相手にドンパチ計画する馬鹿がいるのか。いざとなったら自衛隊が助けてくれるとでも甘えてるのか。

イージス艦艦載の対潜ヘリが北朝鮮の領海に入り、救出に来たのである。

 無茶苦茶ですね。勝手にウヨが北朝鮮領海に不法侵入したのを「救出する」なんてそんな無茶苦茶な話通るわけがないでしょう。こんなことしたら、第二次朝鮮戦争にまじでなりかねません。
 結局、産経ってなんだかんだ言って反日認定してる「中国、北朝鮮相手」にマジで戦争しかけたいんでしょうね。
 もしかしたら「領土問題がある」ロシアや韓国すら戦争のターゲットかも知れません。


■【慰安婦問題】安倍首相「人身売買の犠牲に遭い、筆舌に尽くし難い苦しみを体験された」 米紙のインタビューで
http://www.sankei.com/politics/news/150328/plt1503280005-n1.html
 詳しい内容はこれだけでは分かりません*2がさすがの安倍もワシントンポスト相手に「慰安婦なんて金目当ての売春婦だ、全然かわいそうじゃない」などという暴言は吐けなかったのでしょう。
 「人身売買の犠牲」「筆舌に尽くしがたい苦しみ」ですからね。まあ、これが福田首相菅首相辺りなら「ふざけんな!」と悪口雑言の産経も安倍だと

発言は英訳*3されており、日本語でどのような言葉を使ったのかは不明。

と言い訳するんだから、まあ、安倍に甘いもんです。「人身売買の犠牲に遭い、筆舌に尽くし難い苦しみを体験された」てのは日本語から英語に訳する時に意味が大幅に違うようなもんじゃないでしょうに。

【追記】
■【歴史戦】首相の「人身売買」発言 強制連行説と一線を画す
http://www.sankei.com/politics/news/150328/plt1503280026-n1.html
 「安倍発言は俺達の河野談話否定論と矛盾しない(産経)」という産経らしい詭弁、強弁です。そもそも問題にされてるのは「人身売買への政府関与」なのですから、「強制連行(産経の場合暴力的連行と同義でだましは含まない*4)はなかった」と言っても何の反論にもなりません(実際には「例外なく全てが暴力的連行、ということはなかった」だけで「暴力的連行は存在する」のですが)。
 つうか現在においても「慰安婦のような性的人身売買」はホットなテーマです。そして、以前も拙ブログで紹介しましたが米国国務省が毎年作成する「世界人身売買実態年度報告*5」では日本の評価は高くありません。
 例えば、誰かの妄想・はてな版『6月の風物詩』(http://d.hatena.ne.jp/scopedog/20110629/1309357565)を見てみましょう。

http://d.hatena.ne.jp/scopedog/20110629/1309357565
 暴力団組織が性風俗産業で外国人女性を働かせる例*6も取り上げ、日本政府による被害者保護の取り組みが不足していると指摘した。

なんて厳しい指摘が性的人身売買関係で米国国務省によってされてるわけです。
 日本の評価は「4段階評価で上から2番目」で「発展途上国も含めれば高い評価」とはいえ「先進国では低い評価」です。ほとんどの先進国は「上から1番目」ですから。
 そういう「人身売買撲滅への努力が不十分な国」と低評価されてる国・日本のトップ安倍が慰安婦問題で「河野談話否定論に好意的な態度」をとる。これほど日本の評価を破壊する暴挙もないでしょう。
 「ああ、アレが日本のトップだから、日本は国務省報告で人身売買撲滅の努力が足りないと批判されるんだ」と思われるのが落ちです。


■【産経抄】3月28日
http://www.sankei.com/column/news/150328/clm1503280003-n1.html

 ソ連崩壊後、圧倒的な「一強」ぶりをみせつけていた米国*7が、オバマ米大統領の外交ベタ*8と相まって退潮し始めた隙をついて、盟主の座を中国が軍事力とカネで虎視眈々(たんたん)と狙っている。

 さすがに「盟主の座」は狙ってないでしょう。「米国の好き勝手にはさせない」と言うだけの話です。個人的には米国に対抗する勢力が多数出現し、「多極化すること」は悪いことではないと思いますね。
 米国でアレ、どこであれ、特定の国が世界を牛耳るようなことは望ましくないでしょう。

 アジアインフラ投資銀行(AIIB)に英独仏伊を引き入れたのも国盗(と)り*9の布石である。今さらドイツなどを「裏切り者*10」と罵(ののし)っても後の祭り。だからといって中国が指定した締め切り期限までに飛び乗ることもあるまい。戦前、バス*11に乗り遅れるな、と飛びついたヒトラー*12とムソリーニ*13が運転するバスは地獄行きだった。

 まあ、いろいろな意味で「やれやれ」ですね。
 まず第一に「戦前のバスは地獄行き」て「戦前日本を肯定してるのが産経」ではなかったのか。
 かつ「日独伊三国軍事同盟」は日米関係を悪化させ、「日米戦争」を助長しますが別に「同盟イコール日米戦争」でもない。
 戦争の直接のキッカケは「日本がハルノートを蹴ったこと」です。ハルノートを受諾し「蒋介石政権打倒をあきらめると同時に、日本が支配下に置いたフランス領インドシナ*14から撤退すれば」日米戦争は避けられたかも知れません。しかし当時の日本は「わざわざ獲得した利権(フランス領インドシナなど)を捨てられるか」「蒋介石政権崩壊が見えてるのにあきらめられるか」「ドイツがいるから米国は怖くない、いずれ英国もフランスのようにドイツに降伏する。日本も蒋介石政権をいずれ倒せる、そうなれば米国で厭戦気分が高まり日露戦争パターン(両者痛み分けの引き分け)に持ち込める」という甘い判断から対米戦争に踏み切るわけです。
 そして、産経はそれをどう思うのか。
 「蒋介石打倒をあきらめ、フランス領インドシナから撤退すべきだった」と思ってるのか。たぶんそうじゃないでしょうが。
 第二に「英独仏伊が参加するもの」のどこが「地獄行き」なのか。中国は勿論英独仏伊に失礼ではないのか。まあ、どんな結果が出るかわかりませんが、産経が「地獄行き」と罵倒するほど悲惨な結果も出ないでしょう。


■【高村*15副総裁訪米】カーター米国防長官「安保法制は歴史的な取り組みだ!」
http://www.sankei.com/politics/news/150328/plt1503280006-n1.html
 「台頭する中国への牽制」「米兵の犠牲を減らすため中東で自衛隊を投入したい」などの思惑から米国が安倍の極右路線について「靖国参拝批判」など「一定の批判はするが」、決定的な批判を避けていることが読み取れる記事だと思います。
 そうした米国の曖昧な態度が安倍を調子に乗せてることも否定できない事実でしょう。そしてこうした米国の態度からは所詮彼らの言う民主主義など「カギ括弧付の民主主義」でしかなく、だからこそ「エジプトの軍事独裁」など「親米独裁」なら事実上容認してるわけです。
 米国がロシア・プーチン政権や中国・習政権、北朝鮮・金政権などに批判的なのは「独裁だから」ではなく「反米認定してるから」にすぎないわけです(ただそれでも経済的つきあいが乏しい北朝鮮はともかく、経済的つきあいのあるロシア、中国、特に台頭する中国への批判は「経済的観点」から腰が引けてる事も事実です)
 小生からすれば米国の態度は実に腹立たしいですね。

*1:北朝鮮人民軍のこと

*2:拙ブクマでも指摘しましたが安倍発言は「人身売買は問題だが悪いのは女衒だ、日本軍じゃない」と言うとんでもない話かも知れません(安倍はともかく産経は少なくともそう強弁するでしょう)。ただそれでも「慰安婦が悲惨な境遇であり、一部ウヨが強弁するような高給コールガールなどではないこと」は安倍も米国メディア相手には認めざるを得ないわけです。

*3:ワシントンポストなんだから当たり前の話です。産経だって外国要人の発言は通常「日本語訳」されてるわけでわざわざ「翻訳前の言語(英語、フランス語、ドイツ語、ロシア語、中国語、韓国語など)併記」なんか普通はしません

*4:にもかかわらず北朝鮮拉致では暴力的連行(例:横田めぐみさん)だけでなくだましケース(例:だまされたとはいえ自分から北朝鮮に入国した有本恵子さん)も拉致だとするご都合主義の屑が産経です。

*5:正式名称ではなくそういう内容だと言う事です。なおこの報告は「性的人身売買」も含みますがそれオンリーではなく「人身売買一般」がテーマです。

*6:当然ながらこういうケースの全てが「暴力的連行」のわけではないし「だましなら無問題」なんて性風俗関係者が言ったら正気を疑われるでしょう。産経もさすがにそれを支持しないでしょうし。

*7:イラク戦争で独仏が反対に回ったことで分かるように話は産経が言うほど単純ではないでしょう。オバマ以前から産経が言うほど米国は「一強」ではないでしょう。

*8:産経的には「AIIBが成功すると米国の外交失敗」だそうです。それ違うと思いますけど。そこまでAIIBってのは敵視して潰さないといけないもんなのか。

*9:表現が産経らしいアンチ中国ですがまあ、「国際社会での地位向上」ですね

*10:そもそも英仏独伊は日米に「参加しない」と約束した訳でもないのに「裏切り者呼ばわり」もないでしょう。

*11:欧州戦線で当時勝利を繰り返すドイツのこと

*12:ドイツ首相

*13:イタリア首相

*14:今のベトナムや、ラオスカンボジアに当たる。ドイツがフランスを敗北させフランス全土を支配下に置くと、日本はドイツの同盟国であることを利用し、フランス領インドシナ支配下に置いた

*15:村山内閣経済企画庁長官、小渕、福田内閣外相、森内閣法相、第一次安倍内閣防衛相などを歴任