今日の産経ニュース(5/9分)(追記・訂正あり)

■【一筆多論】「日本紀元2605年」インドネシア独立宣言書が西暦を使わなかった理由
http://www.sankei.com/column/news/150509/clm1505090007-n1.html
 タイトルだけで内容がよく分かる記事です。日本ウヨは映画「ムルデカ」を作ったことで分かるように「インドネシア独立を日本のおかげだ」と言いたがるわけです。一方「社会主義国ベトナム」なんかは「日本のおかげで独立国家ベトナムができた」なんて言うことは反共右翼として、大変都合が悪いのでその存在を無視するわけです(まあホーチミンは日本の支援を受けてたわけでもないですしね)。
 今時「インドネシア独立は日本のおかげだ」「大東亜戦争はアジア解放の聖戦だ」という記事を載せる産経が「日本の全国紙の一角」。日本人として実に恥ずかしい話です。
 インドネシアに対し日本は賠償*1してますし、インドネシアには「慰安婦問題や労務者問題がある」わけです。産経が言うほどインドネシアは日本万歳じゃないでしょう。

 今回のバンドン会議での演説で、安倍首相は(中略)日本がアジア独立を掲げて大東亜戦争を戦ったことが有色人種の国々の独立につながったことに触れてはいない。そこには日本流の謙虚さ*2があるし、当時は敵国で今は盟邦となったアメリカや友好関係にある西欧諸国への外交上の配慮がある。

 そんなん事実じゃないし明らかな「大東亜戦争聖戦論」じゃないですか。「大東亜戦争聖戦論」を否定したことが「戦後日本の出発点」なのにそんな演説は極右の安倍ですらできるわけもない。どこの国もそんな暴論認めませんよ。
 産経の非常識さは筋金入りですね(まあ、産経もさすがに『盟邦となったアメリカや友好関係にある西欧諸国への外交上の配慮がある』とは書いていますが)。


福田元首相「共感得る談話を期待」、70年談話で
http://www.sankei.com/politics/news/150509/plt1505090019-n1.html
 福田氏と安倍、どちらも「清和会出身」なのに何でこんなに違うんですかね。小生は昔は「同じ清和会なんだし、官房長官官房副長官として共に小泉政権を支えたんだし、二人は大して変わらないだろう」と思っていたんですが、明らかに違いますよね。
 むしろ「事情を知らない外国人辺り」は「安倍と谷垣*3幹事長は同じ派閥で、福田は対立する派閥の人間だ」と言われたら「なるほど、そうだろうな」と信じかねませんよね。


■【産経抄】5月9日
http://www.sankei.com/column/news/150509/clm1505090004-n1.html
 韓国への日本人旅行者はピーク時に比べると減ってるんだそうです。「反日の報いだ」と悪口雑言の産経ですがまあそういうことじゃないでしょうね。
 「よほどの極右でもない限り」あるいは「反日暴動で命の危険があるような場所でもない限り」いちいち旅行客が「あそこは反日だから」とかそう言うこと気にするとも思えない。
 まあ、「旅行場所としての人気が落ちてる」てのがあるんでしょうね。理由は何でか知りませんけど。
 たとえば昔は「宮崎は新婚旅行のメッカ」でした。でも今時宮崎に新婚旅行に行く人はあまりいないでしょう。

参考

https://www.pref.miyazaki.lg.jp/contents/org/shoko/appeal/jaja/20_08.html
 昭和30年代後半から50年代初めにかけて、宮崎は空前の新婚旅行ブームに湧いた。ピーク時の昭和49年に、宮崎市内に宿泊した新婚旅行客は約37万組で、これは同じ年に全国で結婚したカップルの約35パーセントにのぼるといわれている。宮崎は、まさに新婚旅行のメッカだった。
(中略)
 ブームの火付け役になったといわれているのが、昭和天皇の第五皇女島津貴子さんと、島津家第12代当主忠義公の孫で、旧佐土原藩主島津久範公を父にもつ久永氏の結婚だ。
(中略)
 昭和35年、そのお二人が新婚旅行の地として宮崎を選ばれたことで、一躍、宮崎が注目を集めることになる。

 まあそれだけが「宮崎旅行ブーム」の理由じゃないでしょうが「島津貴子の存在」てのは大きいんでしょうね(特に昔は)。今だって「ロイヤルベビー(日本や英国)の誕生」で大騒ぎするほど日本人て皇室とか王室とか好きな人多いいから。


■【トレンド日本】増える「女子力男子」の“なぜ” 美容に興味、料理が得意…でも恋愛は女性と
http://www.sankei.com/premium/news/150509/prm1505090029-n1.html

 女子力男子の増加の背景には社会の変化がある。
 高度経済成長期に、男性は働いて家族を養い、女性は家事や育児を行うという「性別役割分業」が定着した。しかし、女性の社会進出が進んだことに加え、長引く不景気で、男性が1人で家庭を支えるという前提が崩れた。原田さんは「家庭科が男女ともに必修になったり、男女共同参画が進んだり、と男女の差異を感じにくい社会になったことも大きい」と指摘する。

 要するに「社会の変化」で今や「男は仕事、女は家庭」と言う時代じゃないと言う事です。何を今さらな話ですが「専業主婦万歳」の産経にこういう記事が載ることが少し意外です。


■「北東アジア非核化検討を」元米高官が呼び掛け
http://www.sankei.com/world/news/150509/wor1505090041-n1.html
 元米高官モートン・ハルペリン氏*4が「北東アジア非核化(北朝鮮の非核化)」について「北朝鮮は米国による北朝鮮攻撃の危険を核開発の理由にしているのだから、米朝で正式に国交を樹立するとか、北朝鮮の警戒心を解くことが必要ではないか」としていることが興味深いですね。
 まあ、それが米国支配層にできるかは、はなはだ疑問ですが北朝鮮も「何のお土産もなし」では核開発を中止する気にはならないでしょう。

*1:賠償交渉において、日本商社がスカルノ大統領を懐柔する為「日本人ホステス」を接近させたことは有名ですよね。そのホステスが後のデビ夫人のわけです。

*2:「謙虚さ」なんてもんではないでしょう。指摘するのもばかばかしいですが。

*3:小泉政権国家公安委員長財務相自民党政務調査会長(福田総裁時代)、福田内閣国交相、第二次安倍内閣法相など歴任

*4:ジョンソン政権国防次官補代理、ニクソン政権国家安全保障会議メンバー、クリントン政権大統領特別顧問、国家安全保障会議メンバー、国務省政策企画本部長など歴任