今日の産経ニュース(6/3分)(追記・訂正あり)

■韓国総領事、学校訪問へ 秋田からの修学旅行復活目指す
http://www.sankei.com/world/news/150603/wor1506030015-n1.html

 知事が「日本の子供は韓国焼肉が好き」「秋田のゴルフ場の昼食には必ずキムチがある」と話すなど、会談は和やかな雰囲気の中で行われた。

 産経と違い保守政治家でもまともな人間(秋田県知事)は韓国を敵視してないわけです。


■中国に入れ込んだ代償…現地子会社の不正見抜けず、名門商社が100年の歴史に幕
http://www.sankei.com/west/news/150603/wst1506030001-n1.html
 産経って本当に中国が嫌いなんだなと心底呆れます。

・負債総額は4月末時点で約711億円。
・中国の大口取引先からの代金回収が滞ったほか、中国子会社の不正取引などによる特別損失計上で、26年12月末時点で234億円の債務超過
・ビジネスでの現金の流れを示す営業キャッシュフローは26年3月期まで5期連続でマイナス。一方、金融機関からの借り入れなどを反映する財務キャッシュフローは膨らんでおり、ツケを回収できないまま、借り入れでまかなっていた財務状況は明白

て、単にこの商社(福井県に本社を置く江守グループホールディングズ)の経営がずさんなだけじゃないですか。
 何が

・福井の名門企業である同社の倒産劇は改めてチャイナリスクの大きさをクローズアップさせた。
・中国傾注の代償はあまりにも大きかった。

なのか。
 しかし「福井の企業の倒産劇」ということは「例の福井県立大学教授」が「見ろ、中国に進出するからこうなった」とかほざいてくれるんですかね?
 なお、福井新聞の記事によると

http://www.fukuishimbun.co.jp/localnews/economics/71083.html
 5月29日付で興和グループの興和紡*1名古屋市)と、企業再生ファンドのジェイ・ウィル・パートナーズ(東京)の2社に約100億円で譲渡・売却して存続させることになった。持ち株会社を含めた従業員491人の雇用は維持される。

そうです。


■高村氏*2「野党は安保法案理解されたら困ると思っている」首相答弁妨害で
http://www.sankei.com/politics/news/150603/plt1506030010-n1.html
 防衛相*3や外相に答弁を求めてるのに安倍がでしゃっばったら「あなたに聞いてない」てなるのは当たり前でしょう。それを「首相の答弁妨害」てのは理屈がおかしい。
 と言うより「安倍以外に質問される」と「安倍との間での意見の不一致が露呈することを恐れてる」だけじゃないんですかね。「防衛相や外相には聞かないでくれ、首相にだけ聞いてくれ」てそんな変な話はない。しかし自民党も本当に「昔はもう少しまともだった」と思うんですけどね。


■二階氏*4、首相ヤジ「元気があっていい」
http://www.sankei.com/politics/news/150603/plt1506030022-n1.html
 レベルが低すぎて言葉もないですね。安倍批判しろとは言いませんが無茶苦茶な擁護は評判を落とすくらいのことが分からないんでしょうか。


■次世代園田氏、自民復党へ 今秋臨時国会までに
http://www.sankei.com/politics/news/150603/plt1506030024-n1.html
 まあ前回衆院選挙で「自民党対立候補を出さず」、しかも選挙演説で当の園田氏本人が「いずれ復党したい」と公言していたのだから何ら意外性はありません。
 問題は「次世代が今後どうなるのか」でしょう。自民にいくのか、はたまた民主など野党に行くのか。このまま野垂れ死にしていくのか。


■【外交・安保取材の現場から】野党に激動の国際情勢を正面から見据える腹づもりはあるのか? 安保法制の不毛な論戦を憂う
http://www.sankei.com/premium/news/150603/prm1506030003-n1.html

なぜ日本全体の安全保障を論じるときに、自衛官のリスクが真っ先に論じられるのだろうか。

 何も野党が問題視してるのは「自衛官のリスク」だけではなく「国民のリスク(米国民などのようにテロに遭うリスクが高まるのではないか)」なども問題にしてるわけですが、それはさておき。
 いつもの「自衛官が危険なところに行くのは当然じゃないか、過去にも災害救助などで殉職が出てる」と言う暴論です。
 だったら安倍に「野党にそう答弁せよ」と言えばいいじゃないですか。さすがの安倍もそこまでは言えずに「リスクは変わらない」と強弁するわけですが。過去の殉職と今回の「殉職の危険性」ではリスクの高さが全然違うんですが。
 結局産経がぐだぐだ言うのは「自衛官の死の危険性が高まること」を認めると反対世論が高まるかも知れない、都合が悪いと自覚してるからでしょう。
 とにかく都合の悪いことは隠して、ごまかして法を成立させればいい、既成事実をつくればこっちのもんだととんでもない事を考えてるからこうなるわけです。

 中国の軍拡や北朝鮮の核・ミサイル開発、米国の相対的な国力低下など激変する国際情勢にどう対応するかという問いは、政府・与党だけでなく野党にも突きつけられている。

 でそれが何で「集団的自衛権なのか?」て話です。「日本の危機」なら個別的自衛権で片がつく話でしかない。
 「中国の軍拡への対応」とやらが「尖閣問題」ではなく「南沙問題への日本の軍事的介入」を意味するならそれこそ「そんなことが憲法上、政治上許されるのか」という重大問題です。

悪質なレッテル貼りとしかいえない議論もあった。民主党後藤祐一衆院議員は、中東のホルムズ海峡が機雷封鎖された場合、「どの程度の状況になれば(集団的自衛権を行使する)存立危機事態になるのか」と追及。政府から「例えば、石油などのエネルギー供給が滞る」「必ずしも死者が出ることを必要としない」などの答弁を得ると、得意顔でこう決めつけた。
 「つまり『石油を求めて戦争していい』ということを、この法案では定義していると考えます」

何がレッテル張りだかさっぱりわかりませんが。
1)「存立危機事態なら武力行使できる」
2)「石油供給が滞った場合も存立危機事態になりうる」のなら
3)「石油を求めて戦争していい」ということじゃないんですかね。それとも産経は「政府答弁を前提にしても石油危機で武力行使なんかできない」と断言できるのか?。

民主党も1日の質疑では、前原誠司玄葉光一郎元外相らが、厳しい安保環境を見据えた「骨太」の質問を行った。

産経の言う「骨太」とは要するに安倍に好意的と言う事です。後藤氏や辻元氏が安倍批判する一方で、安倍を擁護する党所属議員がいる。しかもその所属議員が
前原氏:
 党代表、鳩山内閣国交相菅内閣外相、野田内閣国家戦略担当相を歴任
玄葉氏:
 菅内閣国家戦略担当相(民主党政策調査会長兼務)、野田内閣外相を歴任
という幹部なんだからちぐはぐなことこの上ない。安倍も民主党の支離滅裂さ、ちぐはぐぶりには笑いが止まらないでしょう。
 安倍シンパは「何だ、民主党だって前原や玄葉は安倍さんを支持してるんじゃないか。辻元や後藤は何でそれで安倍批判出来るんだ?」と民主党をバカにするし、一方安倍批判派は「前原や玄葉がいるんじゃ民主党なんて支持できん、辻元(社民党政策審議会長、国会対策委員長鳩山内閣国交副大臣などを経て、現在、民主党政策調査会長代理)や後藤(民主党政策調査会副会長)なんて元代表の前原や元政策調査会長の玄葉と比べたら幹部でもなんでもないじゃないか、前原や玄葉こそが民主党の本音だろ?。そんなんだったら共産を支持するよ」ということになるわけです。
 結局、「ちぐはぐな態度」が「右(安倍シンパ)からも左(安倍批判派)からもそっぽ向かれ沈没した」のが民主党の下野であり、その後の「民主党の選挙での敗退」だと俺は理解しています。
 まあ、過大評価はする気ないですし、また「支持者としてひいき目があるであろう事」も否定しませんが、最近の選挙で「ささやかながら共産が躍進してる」のはこうした民主党のていたらくが大きいわけです。


■【日々是世界】反日外交に反省し始めた韓国メディア 朴大統領の「不通」の風当たり強まる
http://www.sankei.com/premium/news/150603/prm1506030008-n1.html
 「安倍はろくでもないけど日韓関係も大事だし、習主席みたいに短時間でも首脳会談ぐらいした方がいいんじゃ?」程度の話を大喜びする産経です。何も韓国メディアは安倍の歴史認識を容認してるわけじゃない。産経の非常識にも全く困ったもんです。


■【主張】日朝合意1年 拉致家族に残酷な時間だ
http://www.sankei.com/column/news/150603/clm1506030003-n1.html
 確かに「未だ目に見える成果がないこと」は残酷と言えば残酷でしょうが「展望のないまま、小泉訪朝後10年も制裁を続けたこと」に比べたら「残酷?」て気もしますね。結局、産経は拉致被害者家族をダシにして対北朝鮮経済制裁を復活したいだけの訳です。
 「小泉訪朝後10年制裁して成果なかったろ?」と本当に腹立たしくなります。


■【月刊正論】安倍首相は天皇陛下の逆臣なのか(八木秀次
http://www.sankei.com/life/news/150603/lif1506030005-n1.html
 戦前じゃあるまいし、別に首相と天皇に臣下の関係はないのですが。

 ここのところ、安倍晋三首相の歴史観や首相が進める安全保障法制の整備、憲法改正を非難し牽制する意味で、天皇陛下や皇族方のご発言を政治利用する傾向が内外のメディアにある。陛下や皇族方が首相の示す方向に強い違和感をお持ちであるのに、首相はそれに背いてことを進めようとしているという内容だ。
週刊文春』5月21日号は、5月1日付で侍従長が川島裕氏*5から河相周夫氏*6に交代したとする記事で、宮内庁担当記者の次のような弁を紹介している。
天皇陛下を八年間にわたり補佐してきた川島さんは、退任会見で『象徴天皇』という言葉を繰り返し述べ、『ありがたい制度』と表現しました。今上陛下は、改憲して天皇国家元首に変更しようとする現政権の動きに違和感を覚えているとも言われていますが、川島さんの発言は、象徴天皇制を維持すべきとする陛下のご意向を暗に代弁しているように感じられました」

 まあ、戦前は極右路線で国が滅び天皇制も崩壊一歩手前まで行ったんだから、天皇が安倍の極右路線を危惧し、周囲にそうした事を語ったとしても不思議じゃないでしょう。「逆臣」と言う表現はともかく、安倍の態度は天皇制にとってプラスかといったらむしろマイナスでしょう。
 まあ、ウヨ連中が天皇を崇拝してるかといったらたぶんそんなことなくて「都合のいいロボット」としか見てないでしょうから彼の考えなんか無視するでしょうし、天皇の立場上、「困った物だ」 と周囲にぼやくのが関の山の訳ですが。
 とは言え建前上は「皇室を崇拝しています」がウヨなのでこうして必死に「皇室は安倍批判してない」と言い訳するわけですが。

米紙『ニューヨーク・タイムズ』(電子版)は4月20日の社説で(中略)次のように述べている。
「日本の明仁天皇と彼の家族が安倍氏を明らかに批判するよい例を示している。徳仁皇太子は将来の世代に『歴史が正しく伝えられていく』ことが必要と明言している」
(中略)
 今年2月20日の記者会見で、戦後70年に当たって「戦争と平和へのお考え」を問われて「私自身、戦後生まれであり、戦争を体験しておりませんが、戦争の記憶が薄れようとしている今日、謙虚に過去を振り返るとともに、戦争を体験した世代から戦争を知らない世代に、悲惨な体験や日本がたどった歴史が正しく伝えられていくことが大切であると考えています」と述べられているだけだ。
(中略)
ここに安倍首相に対する非難の言葉を探すのは難しい。

 やれやれですね。
 先ず第一に産経の引用文を見る限り、ニューヨークタイムズは「皇太子は安倍批判してる」と言ってるわけではありません。
「内外の安倍批判に正当性があることを皇太子発言は示してるのではないか」としてるだけです。
 第二に皇太子の立場上、露骨に安倍批判するわけにもいかないでしょう。
 まあ、個人的には「天皇、皇族の発言が安倍批判として理解される事態」は非常に異常であり嘆かわしいことだと思いますが。

*1:ウィキペディアに寄ればもともとは紡績企業だったため「紡」の字が今も社名につくが現在では紡績事業は行っていない。印刷事業、不動産事業、自動車販売事業を行っている。

*2:村山内閣経済企画庁長官、小渕、福田内閣外相、森内閣法相、第一次安倍内閣防衛相などを経て現在自民党副総裁

*3:しかも現防衛相は小泉内閣防衛庁長官だった中谷元氏ですから専門家のはずですが。

*4:小渕、森内閣運輸相、小泉、福田、麻生内閣経産相を経て現在自民党総務会長

*5:元外務事務次官宮内庁式部官長を経て侍従長

*6:元外務事務次官宮内庁式部官長を経て侍従長