今日の産経ニュース(6/24分)(追記・訂正あり)

自衛隊突入論(巣くう会)のデタラメさを「事実上」批判する岡田*1民主党代表
http://www.sankei.com/politics/news/150624/plt1506240046-n2.html

 岡田氏は北朝鮮有事*2に関し「日本がまずやるべきは、朝鮮半島にいる日本人を無事日本に移動させることだ。韓国政府の協力なくしてはできない。首脳会談もできない状況で、それができるのか」と指摘。政府に「外交努力が足りない」と注文を付けた。

 まあ、この場合の「朝鮮半島にいる日本人」つうのは「韓国の日本人」であって「北朝鮮は入ってない」でしょうがそれはともかく。
 「韓国の協力無しでは在韓日本人を安全に帰国できるか疑問」というなら当然ながら「北朝鮮の協力無しで在朝日本人を帰国させることなど無理」のわけです。残念ながらそこまではっきりとは岡田氏は言っていないようですが。


■【国際情勢分析】「ドラえもん」登場人物に重なる国際情勢
http://www.sankei.com/premium/news/150624/prm1506240004-n1.html

 今月8日には中国文化省が、国内の動画配信サイトや百度バイドゥ)を含むネット検索会社など29社に対し、「日本のアニメは未成年者の犯罪や暴力、ポルノ、テロ活動をあおっている」との理由で38作品の配信を停止させ、警告や罰金などの処分を科した。
 問題とされた作品は「残響のテロル」「DEATH NOTEデスノート)」「寄生獣」「進撃の巨人」など。
(中略)
 この「進撃の巨人」は都市国家で平和に暮らす人々に巨大な侵入者が襲いかかるストーリー。香港の民主派学生の間では、香港の民主社会を締め上げる中国共産党政権をイメージさせる*3として人気があり、中国側は警戒を強めたようだ。

 「進撃の巨人」についての話は、アンチ中国の産経が喜んで飛びつきそうな話ではありますけど本当なんですかね(苦笑)。

 上海の大学教授があるとき、「北東アジアの情勢はドラえもんの登場人物に似ている」と冗談めかして話してくれたことがある。
 日本への留学経験があるその教授は、「主人公ののび太を日本とすればガキ大将のジャイアンはさしずめ中国。ジャイアンの手下としてのび太に嫌がらせするスネ夫は韓国」とみる。
 さらに「しずかちゃんは台湾で、ドラえもんは米国だろうか。ジャイアンは虎視眈々としずかちゃんを狙っているから、のび太ドラえもんにがんばってもらわないとね」と笑った。

 ばかばかしいですね(苦笑)。特に酷いのが韓国を「スネ夫呼ばわり」してるところです。いつ韓国が中国の手下になったのか。あえて言えば「韓国は米国の手下」ですよねえ、軍事同盟も結んでるし。

 このとき、教授には「ジャイアニズム」という俗語も教えてもらった。「おまえの物はオレ様の物。オレ様の物はオレ様の物。声のでかいヤツが勝ち。弱いヤツにはすごんでみせる」と傍若無人に振る舞うジャイアンの姿が自己中心的な人物を表す俗語になったのだという。

 「日本への留学経験がある」とはいえ、随分と日本の俗語に詳しい「上海の教授」です。産経の脳内妄想の気すらしてきました。つうかジャイアニズムの語が最も当てはまるのはむしろ米国でしょう。


■【取材最前線】広がる安倍・橋下会談のインパクト 分断された「多弱」野党、再編の展望開けず
http://www.sankei.com/premium/news/150624/prm1506240007-n1.html
 まあ、「維新との連携を主張する民主党関係者」にとっては衝撃なんでしょうが俺からすれば「別に衝撃ではない」ですね。以前から橋下は安倍にすり寄る言動が多かったわけですし。
 民主党も「これですぱっと維新を見切ればいい」だけでしょう。
 むしろ大阪自民の方が「安倍自民執行部は俺達をいつまでコケにすれば気が済むのか、そんなに改憲が大事か」と「ある意味ショック」と言うか腹立たしいんじゃないですかね。


■「中国に対峙する国力取り戻す」安倍政権分析、日本政策研究センター伊藤哲夫*4代表 岡山「正論」友の会
http://www.sankei.com/west/news/150623/wst1506230101-n1.html

 岡山「正論」友の会(森靖喜会長)の講演会が23日、岡山市の岡山全日空ホテルで開かれ、日本政策研究センター伊藤哲夫代表が「安倍政権の成果と課題」と題して講演。安倍晋三首相が掲げる「日本を取り戻す」というスローガンについて「中国に対峙(たいじ)する国力を取り戻すことだ」と語った。

 正直俺にとっては「びっくり発言」ですね。まあ全てのウヨが「伊藤と同意見」ではないでしょうが。
 先ず第一のびっくりはいくら伊藤が「安倍に近い右翼活動家」だとしても「安倍が言ってもいない事」を勝手に言っていいのか。動機はともかく「日中関係改善」を「一応目指してるらしい安倍」にとっては迷惑発言ではないか?
 第二のびっくりは「中国に対峙する国力を取り戻す」て所ですね。正直、経済力は日本の方が「まだ上」ではないのか。
 いや仮に「下だとしても」
1)「中国に対峙する国力を取り戻す」とムキになるほど大差がついてるとも俺には思えないし
2)ウヨ連中の多くは日頃「中国恐れずに足りず」と放言していたはずですが。
 まあ、全てのウヨが「伊藤と同意見」ではないでしょうが伊藤のように思ってるウヨも少なくないんでしょう。だからこそ中国をいたずらに敵視すると。

 伊藤代表は第1次安倍政権退陣の際、「戦後になって再登板した人はおらず、再起は(注:早くても第一次安倍内閣が終了した2007年から)10年後」と予測したこと

 伊藤ら安倍シンパですらそう考えていたわけです。まあ、10年後でアレ安倍再登板なんて非常識ですが。


■「自民党倒せ!」アイドルグループが政権批判 大和市などイベント後援取り消しへ
http://www.sankei.com/affairs/news/150624/afr1506240001-n1.html
 また「安倍自民にびびっての後援取り消し」だそうです。勘弁して欲しいですね。

http://ameblo.jp/nihonyoronnokai-honbu/entry-12037421173.html
 大和市大和市教育委員会が「憲法九条やまとの会」の催しを後援している問題について、政治的中立と適正な対処を求める陳情の審議が6月4日に大和市議会の文教市民経済常任委員会でありました。審議結果は「審議留め」として結論を出しませんでしたが、中村一夫議員(自民)、山田己知恵議員(公明・委員長)から強い批判と疑念が提示された結果、市として催しに参加し内容をチェックしたうえで来年以降の参考にするとの言質を取りました。
(極右活動家・三輪和雄ブログの一部引用)

つうことで、この件、「自民・公明」「産経のようなウヨメディア」「三輪のようなウヨ活動家」共同による「いつもの護憲運動への嫌がらせ」のワンオブゼムのわけです。しかし「自称平和の党」公明党も随分と落ちぶれたもんです。
 ちなみにグループ名が書いてないのでググって見たところ、「憲法九条やまとの会」(http://blog.goo.ne.jp/k9y2000)によれば「制服向上委員会」だそうです。まあ、「アイドルグループ名を書かれてグループ関係者に対するウヨの嫌がらせ事件でも起こっても困る」んですが産経がグループ名を書かないのは何故なんでしょうか?。制服向上委員会やその所属事務所がフジテレビとおつきあいがあるとか?。


■【産経抄】徴兵制が敷かれる日 6月24日
http://www.sankei.com/column/news/150624/clm1506240004-n1.html

ドイツが、憲法上の規定を残しながら徴兵制を停止したのも、軍隊の任務の高度化が理由のひとつだった。

と書く一方で

スイスは「平和国家」のイメージとは裏腹に、今も徴兵制を維持している。集団的自衛権を否定しているからだ。軍事的な緊張が高まりつつある北東アジアで、日本が同じように一国だけで国を守ろうとするなら、それこそ徴兵制が絶対に必要である。

とかける産経の脳内構造は全く意味不明です。
 「軍隊任務高度化」で徴兵制が現実的でない、ドイツは、だから廃止したというのなら「集団的自衛権の有無」「北東アジアの軍事的緊張*5」なんか「徴兵制の是非」と関係ないでしょう。
 また「集団的自衛権の有無」「北東アジアの軍事的緊張」をスイスをネタに「徴兵制の是非」とリンクするならドイツの徴兵制廃止について理由とすべきは「軍隊任務高度化」ではなく「集団的自衛権NATO)の存在」「西欧に軍事的緊張のないこと」ではないのか。
 そしてその「集団的自衛権を持たないからスイスは徴兵制だ」という理屈だと「集団的自衛権(米韓同盟)を認めてる」のに今も徴兵制がある韓国はどうなるのか。ここまで酷い論理矛盾文章が書ける産経はやはり「悪い意味で」ただものではない。
 まあ、産経に論理性を求めても空しいことではありますが。
何せ「徴兵制は軍事的に現実的でない、民主党の批判は間違いだとするこの産経抄の文章」の中で

 ドイツでは2011年7月まで、徴兵制が敷かれていた。ドイツ在住の永冶(ながや)ベックマン啓子さんの息子も9カ月間、陸軍の歩兵部隊で訓練を受けた経験を持つ。
 ▼ひ弱で太り気味だった18歳の男の子は、生まれ変わったように壮健な19歳の青年となって帰ってきた。「息子の体験は大いに日本の若者教育の参考になる*6」と啓子さんはいう(『息子がドイツの徴兵制から学んだこと』祥伝社新書)。

と「徴兵制の『若者たたき直し』としての意義」を語るんですから。
 「要するに徴兵制は軍事的意義は乏しいけど愛国心要請に役立つと言いたいんですか?、じゃあ民主党の批判は全く正しいじゃないですか?」と産経には聞きたくなります。

*1:民主党幹事長(鳩山代表時代)、鳩山、菅内閣外相、野田内閣副総理・行政刷新担当相、民主党代表代行(海江田代表時代)などを経て民主党代表。

*2:俺はそもそもその可能性は低いと思いますがそれはひとまずおきます。

*3:「巨大」て文字通り「ウルトラ怪獣とか鉄人28号とか」そういう巨大さのようですけどね。そこから中国共産党なんて連想するんですかね?

*4:著書『教育勅語の真実』(2011年、致知出版社)、『明治憲法の真実』(2013年、致知出版社)など

*5:産経が言うほど緊張していないと俺は思いますが

*6:要するに「徴兵は若者たたき直しに役立つ、私の息子は徴兵でたくましくなった」というんでしょうが「軍隊がなければ子育てもできない無能なんですか?」と啓子さんとやらには聞きたくなります。