今日の産経ニュース(7/24分)(追記・訂正あり)

 最近、産経記事が俺的に豊作ですね。
■武部氏*1を首相特使で派遣 モンゴル民主化記念式典
http://www.sankei.com/politics/news/150724/plt1507240028-n1.html
 何故武部氏が特使に選ばれたのか気になるところですが、この記事を読んでもそれがさっぱりわかりません。困った記事です。


■アフガンへ影響力強める中国、タリバンとの和平協議、30日に中国で開催
http://www.sankei.com/world/news/150724/wor1507240038-n1.html
 あまりにも記事内容が薄すぎて不満を感じる記事ですね。「タリバン、反タリバン派の双方にパイプがなければ」中国が影響力を与えたくてもどうにもならないわけで「どうやって中国がそう言うパイプを作ったのか気になるところ」ですがこの記事だけではそこが分かりません。しかし中国もなかなかの外交上手ですね。まあ中国の思惑は何であれ、これで和平が進めばいいことです。
 それはともかく結局米国のアフガン戦争は「タリバンを政権の座から追い落としはしましたが」タリバンを完全に打倒することはできず「米国の軍事力によるタリバン下野(?)をどうひいき目に見ても」タリバンは簡単に打倒できると楽観視して事態を泥沼化させた無責任な軍事行動だったということになるのでしょうね。


■台湾、高校生が教育部侵入 中国寄りの教科書改訂に反発
http://www.sankei.com/world/news/150724/wor1507240034-n1.html

 中国とのつながりを強調する内容が増えるほか、日本による「統治」の表記を「植民統治」に変更し、旧日本軍の従軍慰安婦問題について「(慰安婦になることを)強制された」との言葉を補うなど歴史問題で日本に批判的になる。

 「日本に批判的」なんてのはおそらく「中国寄り記述を理由にした高校生の乱入」に全く関係ないんだから「この記事においては」書くべき事じゃないでしょう(「高校生の乱入」から離れて、「台湾の歴史教科書記述」について詳しく論じる記事なら話は別ですが)。書くべき事は「高校生が乱入理由とした中国寄り記述とはどういう事か具体的に書くこと*2」でしょうがそう言うまともな脳みそはこの記事の書き手には何故かなかったようです。
なお、東京新聞記事に寄れば

http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2015072302000133.html
 国民党政権が一九四七年に台湾人を武力弾圧した二・二八事件の記述を減らす

と言った点が反発を産んだ一因のようです(228事件については何故か産経記事では触れられていません)。


■台湾、尖閣「日本のもの」発言に反発 李登輝氏が指摘 「国を辱める言動」
http://www.sankei.com/world/news/150724/wor1507240037-n1.html
 そもそも李登輝も総統時代は「尖閣の主権を主張していた」わけです。それが総統を辞めるやいなや、過去の総統時代の「尖閣には台湾の主権が及ぶ」発言をごみ箱に捨てて反中国分子として日本ウヨに媚びるために「尖閣は日本領」などと言えば台湾から批判が飛んでくるのは当たり前の話です(もちろん李が過去の「尖閣には台湾の主権が及ぶ」発言を正式に撤回し謝罪したたことなどないでしょう)。
 李登輝もどれほど恥知らずのクズなんでしょうか。


■安倍首相、李元総統と会談 軍事力増強の中国などについて協議か
http://www.sankei.com/politics/news/150724/plt1507240003-n1.html
 李訪日歓迎集会に下村が出席したそうですが今度は「安倍が都内で会談」だそうです。「ダライ訪日とのこの違い」は本当に何なんですかね(苦笑)。

現職の首相が台湾の総統経験者と会談するのは異例。安倍首相は同日出演したニッポン放送のラジオ番組で「お目にかかっていない」と語っていたが、李氏は同日夜の国会議員との会合後、記者団の声かけに対し、会談を認めたとも受け取れる発言をしていた。

 いろいろと面白い記事です。
 おそらく「安倍は李とあった」のでしょう。安倍から進んであったのか、李が「森*3元総理」など安倍が逆らいにくい人間を動かし、安倍が渋々あったのかはともかく。
 ただいずれにせよ安倍及び「安倍政権閣僚や自公幹部」はそのことを表に出したくなかった。表に出せば「日中首脳会談がぽしゃる」おそれがあるからです。
 何せ訪日した李は「中国の海洋進出は問題だ、だから日本の安保法制を支持する」だの「一つの中国を認める気はない、台湾は独立国を目指すべき」だの「馬総統は経済目的で中国に傾斜しすぎ。民進党に期待したい」だの中国を挑発するような発言をぼんぼんしたそうですから(そもそも李を日本に招待した連中も例の「李登輝友の会」などの反中国ウヨでしょうが)。
 だからこそ岸田外相も記者の取材に「安倍総理にそう言う話を私は聞いてないし、ニッポン放送の番組でも首相自ら否定したそうだからから会ってないんじゃないか」などと答えるわけです。
(詳しくは■産経『安倍首相・李登輝氏会談 岸田外相「会ってないと思っている」』(http://www.sankei.com/politics/news/150724/plt1507240015-n1.html)参照)。
 しかし李や産経の方からこうして「安倍総理があってくれました」と宣伝するわけです。まあ多分最後まで安倍は李や産経ともめたくないので明確な否定もできず、一方、会ったことを認めて中国に批判されたくもないので「外交上デリケートな問題なのでノーコメント」でごまかして会ったことを認めないでしょうが。
 一方、中国がそういう「曖昧路線」で納得するかは分かりません。「会ってないのなら会ってないと否定し、会ったのなら自らの非を認め二度と会わないと安倍氏は確約して欲しい」位要求するかも知れません。
 このままだと首脳会談はぽしゃるかも知れませんしぽしゃらないまでも「安倍に対する中国側の要求はさらに高くなる」かもしれません。

*1:小泉内閣農水相自民党幹事長(小泉総裁時代)などを歴任

*2:たぶん「シルクロード」「孫文辛亥革命」など台湾と直接関係ない「中国史関係記述」が増えたと言う事なんでしょうけど(別に中国共産党に好意的記事というわけでもないでしょう)。

*3:中曽根内閣文相、自民党政務調査会長(宮沢総裁時代)、宮沢内閣通産相、幹事長(河野総裁、小渕総裁時代)、村山内閣建設相、自民党総務会長(橋本総裁時代)などを経て首相