今日の産経ニュース(7/28分)(追記・訂正あり)

 最近、産経記事が俺的に豊作ですね。トンデモ記事が多いことを「ブログネタが豊作」と喜んでいいのか「複雑な感情」ではあります。安倍政権が潰れれば*1たぶん「豊作じゃなくなる」んですけどね。

■【世界を読む】弾圧抗議で焼身自殺のチベット族に「勝手に死ね」…中国がダライ・ラマ14世の80歳誕生日で厳重警戒
http://www.sankei.com/west/news/150728/wst1507280001-n1.html

弾圧に抗議して焼身自殺したチベット族が約140人に達する中、当局は「勝手に死ねば良い」と言い放つなど、人命軽視の共産主義体質

 やれやれですね。先ず第一にこの件は共産主義関係ないでしょう。まあ、「産経風に」現中国政府に批判的な言い方すれば「漢民族中心主義」ですかね。
 第二に「ベトナム戦争への抗議から焼身自殺したアリス・ハーズや由比忠之進」について産経はなんて言ってたのか。どうせ「そんな事をする人間がいても政策は変えるべきではない」と言って「人命軽視のウヨ体質(産経風に表現)」を露呈していたのでしょうけど(毒)。


■【上海株暴落】「逆ミンスキー現象」と呼ばれる負の連鎖−これから中国で地獄が始まる(iRONNA発)
http://www.sankei.com/world/news/150728/wor1507280020-n1.html
 産経らしい与太記事です。とりあえず「逆ミンスキー現象」とは何か、それが今後産経が言うように中国で起こる可能性があるのかはここでは議論しません。小生は、経済素人、中国素人なのでそんなことはわからない。
 読み手の皆さんも「逆ミンスキー現象とは何か」「それが中国で起こる可能性があるのか」なんてことは理解しなくて結構です。
 まあ、「負の連鎖」とか「地獄」とか産経は言ってるので「上海株式市場の株価低迷をきっかけにギリシャ危機並みの経済危機が中国で起こる可能性があると産経は言ってる」位にアバウトに理解しておけばこれからの「俺の話の展開」の上ではOKです。
 で問題は「アンチ中国の産経は『ざまあ中国』的にそれを喜んでるらしい」ということですね。いつもながら正気じゃない。そんなことになったら日本経済も世界経済も大打撃を受ける可能性が高いわけです。「中国の現体制をどう理解するか(もちろん批判的な人間もいるわけですが)」なんてことに関係なく「日本の国益上」、「中国の経済危機」なんて容認できる話ではないわけです。
  

■米駆逐艦が中国寄港 合同演習へ
http://www.sankei.com/world/news/150728/wor1507280046-n1.html
 こうしたことを過大評価する気もないですが産経が強弁する程、米中関係が「敵対的関係」ではなくもっと複雑な関係であるとは言えるでしょう。
 そしてid:Mukkeさんらチベットキチガイはこうした事実を故意に無視して滑稽にも「オバマがダライ猊下に会ってくれた」などと喜んでますが世の中そんなに単純じゃないわけです。


■【安保法案】首相、中国の海洋進出を牽制「力による現状変更はできないと理解させる」
http://www.sankei.com/politics/news/150728/plt1507280046-n1.html
 従来、安保法案審議では「中国がどうこう」言う事は避け「南シナ海の掃海など考えてない」とまで言っていた安倍ですが
1)中国がどうこう言った方が国民に支持されると思ったのか、はたまた
2)どうせ何言っても国民に支持されないのなら「封印してきた」中国への悪口雑言をぶちかましてやる、俺の売りはアンチ中国だと開き直ったのか
打って変わって中国への悪口雑言です。安倍という男は本当に何考えてるんですかね。首脳会談はもうあきらめ「二階*2総務会長や谷垣*3幹事長がわざわざ訪中したことはおじゃんにしてもいい」とでも思ってるんでしょうか。
 そしてこの安倍の悪口雑言によって中国が「事実でないなら講談社に正式に抗議せよ、抗議しないなら安倍発言は事実ではないかと疑わざるを得ない」と問題にしていた「週刊現代の安倍発言報道」の信憑性が「高くなってしまった」わけです(安倍は未だに正式には抗議してませんし)。

参考
週刊現代『戦争やる気満々安倍オフレコ発言ぜんぶ書く「仮想敵国は中国」』
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/43909
■人民日報『安倍の野望、日本の悪夢』
http://j.people.com.cn/n/2015/0630/c94474-8913304.html
産経新聞『【日々是世界】「安倍首相が中国との戦争を画策」 週刊現代の記事に踊る中国メディア 真偽確かめずに次々と後追い』
http://www.sankei.com/world/news/150714/wor1507140001-n1.html


■【ビジネスの裏側】命縮めた「天才」任天堂・岩田社長 対ソニーで屈辱味わい、民主党政権下の不運に泣く
http://www.sankei.com/west/news/150728/wst1507280002-n1.html

 そんな岩田氏でもどうにもできなかったことがある。それが民主党政権時代の「超円高」だ。海外売上高比率が7割を超える任天堂は収益を圧迫され、24年3月期に営業損益が赤字に転落した。
 起死回生のために24年に発売したWiiの後継機「WiiU(ウィー・ユー)」は予想を大きく下回る立ち上がりとなった。タブレット端末のような液晶画面を備えた大型コントローラーが特徴だが、ファンからの評判は芳しくなかった。「ついに岩田氏の『アイデア』に陰りが見えたか」ともささやかれた。
 為替が円安基調に転じ、自動車や家電など他の輸出産業が業績を回復させるなか、任天堂は復活が遅れた。それでも岩田氏は広告費を抑制するなどの収支改善策を実行して27年3月期に4年ぶりの営業黒字化を果たすと、健康事業への参入や、米映画テーマパーク「ユニバーサル・スタジオ」の運営会社と提携など新機軸を次々と打ち出していた。

 この記事をどう見ても任天堂の赤字は「円高が主原因ではない」でしょう。
 だからこそ黒字回復のため

健康事業への参入や、米映画テーマパーク「ユニバーサル・スタジオ」の運営会社と提携など新機軸を次々と打ち出していた

になるわけですが「民主党政権下の不運に泣く」とタイトルをつけられる産経の「自民党御用新聞ぶり」「アンチ民主党ブリ」には心底呆れます。また「民主党時代の超円高」というよりは今は「無理矢理日銀が円安誘導してる」超円安なんじゃないですかね。いつまでもこんな円安が続けられるとも思えないので「出口戦略が必要」でしょう。出口戦略無しで円安誘導を続ければ、アベノミクス批判派が指摘するように「誘導し切れなくなったときの反動円高」が怖いわけです。


■「河野発言は重大な問題」と非難 韓国、米国の慰安婦像設置「日本の名誉を毀損」 自民党提言の最終案判明
http://www.sankei.com/politics/news/150728/plt1507280005-n1.html
 この記事の何が滑稽かと言えば

(注:自民党提言は)戦時中の慰安所の設置については「根本的に女性の人権と尊厳を著しく傷つけたという点に議論の余地はない」とも指摘している。

てところですね。慰安婦が「女性の人権と尊厳を著しく傷つけたという点に議論の余地はない」と自民党ウヨ議員が本気で思うのなら「河野談話は間違ってる」「米国下院決議や慰安婦銅像は不愉快だ」だの言う必要はどこにもないわけです。「政界引退宣言後の橋下の政治活動」なみに意味不明です。
 こういう意味不明なことになるのも「ウヨとして慰安婦を正当化したいが」、一方で「海外の批判」、とりわけ「米国の批判」を恐れてるからでしょうが「慰安婦が女性の人権と尊厳を著しく傷つけたという点に議論の余地はないが河野談話は間違ってる。慰安婦決議や慰安婦銅像も迷惑だ」なんてのは全然論理が通らない無茶苦茶な話です。


■【正論】「バブル崩壊」で中国は変わるか キヤノングローバル戦略研究所研究主幹・宮家邦彦
http://www.sankei.com/column/news/150728/clm1507280001-n1.html
 日本だって「バブル崩壊」したって「自民党政権(まあ一時下野しましたが)」のわけで「経済が簡単に政治変革につながってるわけじゃない」。
 なので

中国共産党の統治が揺らぐとの分析は希望的観測に過ぎない

というのはまあその通りでしょう。というか、中国は必至に景気回復のてこ入れするでしょうし、欧米諸国もそれをアシストするでしょうしね。「中国経済が沈んだら」その影響は確実に世界経済に響くからです。まあ、産経コラムとしてはまともな方に入るんじゃないでしょうか。

*1:もちろん一日も早い崩壊を望んでいます。「ポスト安倍政権」が自民でアレ民主でアレ、安倍政権以上の極右政権てのはたぶんないでしょうから。

*2:小渕、森内閣運輸相、小泉、福田、麻生内閣経産相を歴任

*3:小泉内閣国家公安委員長財務相自民党政務調査会長(福田総裁時代)、福田内閣国交相、第二次安倍内閣法相など歴任