今日の産経ニュース(8/31分)(追記・訂正あり)

■【韓国水産物規制】専門家は「科学的根拠がない」と疑問の声
http://www.sankei.com/life/news/150831/lif1508310047-n1.html
 この件、「韓国の規制(放射能の危険性が理由)は正しいのか、日本の批判が正しいのか*1」などいろいろな議論が可能でしょうが俺としては「韓国は日本水産物のお得意さんらしい」と言うことを指摘したいと思います。
 極端な話、「日本国内で全部売れれば」、あるいは「韓国で売れなくても他の外国で売れれば」、『韓国は不当な規制をやめてくれ』と要望する必要もあまりないわけです。「韓国が買いたくないならいいよ、他で売るから」で終わってしまう。
 産経などの『韓国敵視』がいかに馬鹿げてるかと改めて思います。


■【産経抄国連事務総長の胸中 8月31日
http://www.sankei.com/column/news/150831/clm1508310004-n1.html
 「安倍政権の批判を無視して」中国への式典への出席を決めたパン総長を糞味噌に罵倒するのはわかりますが

国連を理想化し、正義の府とあがめる、「国連幻想」*2が払拭(ふっしょく)されるきっかけにはなるだろう

とまで国連を罵倒するのは何故だろう、北朝鮮制裁決議とか都合のいい国連決定(安保理や総会など)は振り回す癖に、と思いましたがしばらく考えて分かりました。
 「ああ、クマラスワミ報告とマクドガル報告のせいか」と。もしかしたら「1988年の国連総会・日本非難決議(理由はアパルトヘイト南アフリカと日本の親密なつきあい)」なんかもあるかもしれません。
 日本は別に「非の打ち所のない素晴らしい国」などではないし、国連も「いつもいつも日本万歳する義理はない」んですけどね。
 つうかこんなに国連を罵倒しながら安保理常任理事国になろうと産経が言うのは何故なんですかね。
 「今の国連はダメだが日本が常任理事国になれば立派になる」とか「日本を常任理事国にしない国連はダメだ」とか「日本に都合のいいこと」を思ってるのか。ただこんなに国連を罵倒したらかえって反感買って常任理事国になれないと思いますけどね。

国連はもともと、第二次世界大戦戦勝国の「連合」である。

 それがわかってるのなら産経は戦前美化するなて話なんですけどね。どうしても戦前美化したいなら「松岡洋右」じゃないですが、国連脱退が筋でしょう。


■【安保法制】国会前集会発言集(1)「安倍は人間じゃない。たたき斬ってやる」山口二郎*3法政大教授
http://www.sankei.com/politics/news/150831/plt1508310040-n1.html
 勿論本当に叩き斬る*4わけではなく、安倍への怒りの表現です。この場合の「叩き斬る」は、もちろん本当に日本刀を振るうわけではなく「あらゆる手段で戦争法案可決を阻止する」「あらゆる手段で安倍を退陣に追い込む」という意味ですがそれはさておき。
 この山口発言の元ネタは

「手前ら、人間じゃねえ、叩き斬ってやる」(破れ傘刀舟悪人狩り*5

という時代劇の決めぜりふですが山口氏もマイナーな時代劇を知ってるもんです。時代劇ファンなんですかね。
 ちなみに似たセリフでは

http://agua.jpn.org/film/c712.html
「私は医者だ。人を治すのが仕事だ。だがおまえたちは人間ではない。だから死んで貰う」(悪党狩り*6

つうのもあります。まあ、実際には悪人にも多くの場合、それなりの事情があるんでしょうが、勧善懲悪時代劇ではそれでは「スカッとしない」ので「同情の余地のない外道」として描かれる悪人が、主人公に「手前ら、人間じゃねえ」などと決めぜりふを吐かれて滅多斬りにされたりするわけです。
 まあ、娯楽だからそれでいいんですけど。


■【元朝日新聞・植村隆氏インタビュー詳報(3)】「時代状況を分かってほしいんだ、阿比留さん!」
http://www.sankei.com/premium/news/150831/prm1508310001-n1.html
 昨日のインタビュー記事の続きで3回目です。10回に分けてやるそうですから、あと7日続くのでしょう。

植村
「阿比留さん、僕の記事(1991年8月11日付朝日新聞大阪本社版社会面記事)って読まれたことあります?きちんと」
阿比留
「きちんとと言うか、どの記事ですか」

 おいおいですね。「どの記事」て、ここで「金学順さんについて書いた平成○○年○○月○○日の記事でしょう」とか「ああ、阿比留は一応読んでるのか」て対応ではなく「どの記事ですか」。
 「お前、絶対読んでないだろ」と疑いたくなる応答ですね。

植村
「僕もね、それは手記でも書いていたんだけれども、当時、韓国に行ったら分かるんですけど、挺身隊イコール慰安婦という形で使われておったんですよ」
(中略)
 要するに当時、そういう状況だった。で、それね、なんでかといったら、これもちょっと阿比留さんにあげようと思って持ってきたんですけど、これ見て(平成3年9月3日付産経新聞大阪本社版生活面の記事を示す)」
阿比留
「読売とか産経とかに出ている」
植村
産経新聞だと思うんですけれども、まあ、挺身隊の名で戦場になんとかなんとかみたいな言い回しの記事というのは当時、読売とか産経とかいろんなところに出てるんですよ。つまり当時はどこでもそういうフレーズがあったの。私もそれが全く前提でしたね」
阿比留
「弊紙がどこまで使っていたか分かりませんが、使っていたとして責任逃れする気は全然…」
植村
「責任逃れとかじゃないの!阿比留さん! 僕はそれで捏造記者って言われているんですよ。ねっ? だけどそういう時代状況だったということを分かってほしいんだ、阿比留さん」

 そもそも「挺身隊記述」の件で植村氏に対するような攻撃を読売や産経にはしてないんだから、産経が植村氏にやってることは「言いがかり非難」でしかないわけです。
 かつ今時「挺身隊は全て慰安婦」とか「慰安婦の調達は全て挺身隊名目で行われた」とか思ってる人も普通の人間ではいない。研究当初、報道当初では混乱があっただけで、阿比留が騒ぐようなことは何もないわけです。

植村
「自分たちも(注:産経新聞の記事で挺身隊という)こういうふうな慣用句を(注:慰安婦に対して)使っていたのにもかかわらず、僕だけをそういうふうに言うというのは一体どういうことなの?」
阿比留
「それはね、植村さんが韓国留学経験もあって、一応韓国の専門家だと思ってるからですね、一般の記者だから許されるという話じゃないけども…」

 阿比留が完全にぐだぐだです。阿比留も「韓国留学経験」と言いだして
1)韓国留学経験がないから仕方ない、留学経験者の植村氏とは違うって説得力ねえよな、これ留学経験の問題と関係ねえし
2)つうか取材記者の中に韓国留学経験のある奴が植村氏の他にいるかもしれんし。産経の取材記者が留学経験者だったら目も当てられない
3)仮に取材記者にいなくても、「韓国の留学経験や駐在経験(ソウル支局長など)のある記者が全くない新聞」なんて少なくとも全国紙ではあり得ないしやっぱ説得力ねえよな
と気付いてぐだぐだになったのでしょう。
 小生は「阿比留の取材を受けるなんてリスキーだからやめた方がいい、阿比留がどんな落とし穴掘ってるか分からない」と思っていたのですがこの記事を読む限り「落とし穴を掘る」どころか、「根拠レスで植村氏に勝てる」と思い込んでろくに論戦準備もしてなかったようです。まあ、何ともお粗末な阿比留です。

阿比留
毎日新聞の元ソウル支局長の下川正晴さんとかが、一生懸命に挺身隊と慰安婦との混同を間違っていると言おうとしていたと」
植村
「言っているのかい」
阿比留
「言っていたらしいですね。挺対協にも申し入れしたし…」
植村
「ああ、そう。それはちょっと下川さんに聞いたらいいと思うんだけど、僕はちょっと下川さんのその状況は分からない」

 「下川さんが何言ってるか知らないけど、そう言う認識は僕はないな。そんな指摘を下川さんからされたこともないし」と軽くいなす植村氏です。まあ、当然の話で「この下川某」てのは阿比留の類友、つまりは「植村氏を攻撃する河野談話否定派のウヨ」でしょうからね。
 本当にそんな事を下川が当時やったかどうかすら疑問ですし、「慰安婦証言」を阿比留ら産経が、「慰安婦当人の証言に過ぎない、別の証拠があるのか」などと疑いの目で見るなら「挺対協に申し入れした」という下川の発言だって疑いの目で見るべきです。下川の証言だけでは下川の主張は信用できません。
 「挺対協に下川の申し入れの記録が残ってる」とか「下川の申し入れ証言が何月何日、挺対協の誰それさんに申し入れたなどと具体的で裏がとれた」と言うんでもない限り「当時申し入れしたはず(下川)」レベルでは何の説得力もありません。
 かつ仮に下川が本当に申し入れしたとしても、植村氏が指摘するように「日本メディアの多くの人間が、挺身隊と慰安婦を区別していなかった」以上、下川の認識など阿比留らウヨ連中が植村氏を糞味噌に罵倒していい理由になど全くなりません。

*1:まあ、産経は日本が正しいとしているわけですが。

*2:もちろんそんな幻想はありません。国連は「システム」に過ぎないのでありそれが良くなるかどうかは「加盟国のさまざまな動き」によって決まることです。

*3:個人サイト(http://yamaguchijiro.com/)。著書『政治改革』(1993年、岩波新書)、『日本政治の課題:新・政治改革論』(1997年、岩波新書)、『イギリスの政治・日本の政治』(1998年、ちくま新書)、『日本政治・再生の条件』(2001年、岩波新書)、『戦後政治の崩壊:デモクラシーはどこへゆくか』(2004年、岩波新書)、『ブレア時代のイギリス』(2005年、岩波新書)、『政権交代論』(2009年、岩波新書)、『政権交代とは何だったのか』(2012年、岩波新書)、『いまを生きるための政治学』(2013年、岩波現代全書)など

*4:テロの予告になってしまいますからね

*5:俺は以前、テレビ埼玉の再放送で見ました。

*6:俺は以前、テレビ東京の再放送で見ました。