今日の産経ニュース(9/3分)(追記・訂正あり)

■【橋下市長公開書簡】全文和訳(1) 日本を含む世界各国は戦場における性の問題、過去を直視すべき
http://www.sankei.com/west/news/150903/wst1509030078-n1.html
 (1)から(5)まであるようですがとりあえず(1)だけリンクを張ってみました。
 小生も慰安婦問題にそれほど詳しいわけでもないのでいちいち詳細には突っ込みません。
 もちろん橋下は「ああでもないこうでもない」と醜い言い訳をしていますが言ってることは「慰安婦正当化論」「河野談話否定論」のわけです。以前「慰安婦正当化論」をかまして、「我々は橋下君とは違う、彼と違って河野談話は踏襲する」と安倍一派に見事に切って捨てられたあげく、国内外から非難を浴び、「維新とはくめない」とみんなの党(当時)から引導を渡されてからは「橋下は慰安婦については言動を控えていた」と思うんですがどういう風の吹き回しでしょうか。しかもこの「慰安婦正当化論」をサンフランシスコ市議会(大阪市姉妹都市関係)に送りつけたと言うんだから正気じゃありません。こんなもんサンフランシスコ市議会は「良くて無視、下手すりゃ大阪市との友好都市関係が終了」でしょう。
 「維新分裂」により「俺が生き残るためには安倍さんに媚びなきゃ、とりあえず河野談話否定論でもかましてみるか?」ということでしょうか?。ただ慰安婦正当化論なんか、かましたらむしろ安倍は「橋下を支持しづらくなる」と思うんですけどね。こんな下劣な男・橋下を褒めてきた輩は自らの馬鹿さを恥じるべきです。


■【元朝日新聞・植村隆氏インタビュー詳報(6)「意に反して日本軍の性の相手をさせられたというところをずっと書いている」
http://www.sankei.com/premium/news/150903/prm1509030006-n1.html
 産経記事には珍しくまともなタイトルです。産経の「タイトルによる植村ネガキャン」にも限界が来たのか、はたまたこれでネガキャンのつもりなのか。

植村
「阿比留さん、金学順さんに取材したことあります?」
阿比留
「ありません。(中略)韓国語できませんし」
植村
「通訳をとか、使ってやったりもしなかった?」
阿比留
「そういう機会はなかったですね」
植村
慰安婦の取材ってやられたことはあります? 直接」
阿比留
「まあ、ナヌムの家に行ったりとか、そういうことはありますけどね」
植村
「そこで、聞き取りとかされた?」
阿比留
「まあ、テープを聞かされたんですけどね。ビデオテープ」
植村
「ああ、見学に行かれたということですね。なるほどね。要するに直接、生身のおばあさんのインタビューというのは原川さん、されたことありますか」
原川
「私はありません」
植村
「阿比留さんは?」
阿比留
「直接はないです」

 阿比留が「ろくに慰安婦取材なんかやってないこと」が見事なまでに暴露されています。
 阿比留もまじめな話、最初は「植村を潰してやる」と意気揚々だったでしょうが「植村氏と阿比留の格の違い(朝日と産経、あるいは「産経以外の全国紙」と産経の格の違い?)」に「こんなインタビューしなきゃ良かった、もう帰りたい」状態になったんじゃないですかね。あげくこんな醜態インタビューを掲載して世間に恥をさらすわけです。

植村
「聞き取りというのはやっぱり(証言に)ずれがあるというのはご存じ*1ですよね。(金学順さんの場合も)それは、秦郁彦*2先生も本*3の中で書かれていると思うので、そういうことなんですよ。で、僕が言いたいのは(注:金さんの発言には養父という発言もあれば日本軍の連行という発言もありますが)意に反して、日本軍の性の相手をさせられたというところが共通してるんで、それをずっと書いているわけですよね、私の記事にはね。

 まあ俺も同感ですね。もちろん「正確なところがはっきりすれば」それが一番いいですよ。でも「養父だろうと日本軍の連行だろうと」

意に反して、日本軍の性の相手をさせられたというところが共通してる

と言う意味ではどっちでも大して変わらないわけです。「養父なら日本軍は無罪」なんて話じゃない。せいぜい多少日本軍の罪が軽くなるくらいでしょう。まあ、「養父という証言」「日本軍という証言」についていえば「養父というと『日本軍無罪と言い出すバカがいる』から言い出しづらかったが次第に言うようになったんじゃないか」とか充分「証言の食い違い」については論理的説明も可能ですしね。

阿比留
「植村さんが影響を受けていないとおっしゃっている(自称・元山口県労務報国会下関支部動員部長の)吉田清治氏についてはどのような見方をされてますか」
植村
「取材したことがないので、分かりません」

 「植村記事への批判が行き詰まったあげく」阿比留が無理矢理こじつけに走ってることがよく分かります。「取材したことがないから分からない」つうのは全くもって正論です(苦笑)。それに付け加えるとしたら「吉見義明氏など研究者でも証言の信憑性に疑問符がつくとしていて支持者はほとんどいないから嘘かどうかはともかく、証言として使うことは避けた方がいいんじゃないですかね」くらいですかね。


■【正論】冷戦勝利の歴史観で現代史語れ 東京基督教大学教授・西岡力
http://www.sankei.com/column/news/150903/clm1509030001-n1.html

 安倍晋三首相の戦後70年談話のための「21世紀構想懇談会」が、日本の侵略行為のみを議論しながら、日本が被害にあったソ連の侵略*4については、議題にもしないというおかしな姿勢をとった責任は大きい。

 「そういう目的の懇談会じゃねえだろ」で終わる話です。つうか「戦後談話でそんなもん持ち出したら」ただの居直りとしか理解されませんよ。産経や西岡について言えばマジで「ソ連の方が日本より酷い」という居直りでしょうけど。こんなバカが「巣くう会会長」なんだからうんざりします。
 ああ、それと「冷戦勝利」つう文脈だからかも知れませんが、西岡が「ソ連のシベリア抑留」などを非難しても「米国の原爆投下」について触れないことも興味深いですね。

 中国と北朝鮮の2大全体主義政権の自由化を実現することこそが、冷戦の最終勝利だ。
 この冷戦勝利の歴史観こそが、安倍首相談話に付け加えられるべき最後の部分ではなかったかと私は思っている。

 安倍談話に中国、北朝鮮打倒論を書けとはいつもながら西岡も産経も気が狂っています。大体、安倍談話はそう言う性格のもんじゃない。
 

■【維新分裂】維新と民主の合流、連合は不支持 派遣法改正案の成立阻止が支持条件
http://www.sankei.com/politics/news/150903/plt1509030002-n1.html
 まあ連合としては「絶対に譲れない最低ライン」でしょう。ここまで譲ったら「何のための労働組合なのか」という批判は避けられません。つうかぶっちゃけ緩い条件ですよね。「え、それしかないの?」「護憲とか、労働関係以外に何もないの?」て俺なんかは思いますが。
 いや、もちろん労働法関係についていえば「ホワイトカラーエグザンプション」など、他の労働改悪についてもいずれは条件になるんでしょうけどね。「派遣法改悪に反対すれば、ホワエグへの態度はどうでもいいです」とか普通に考えてあり得ませんから。
 

*1:阿比留だと「ご存じでない」かもしれません。

*2:河野談話否定論者の一人。2015年産経・正論大賞受賞者。

*3:慰安婦と戦場の性』(1999年、新潮選書)のことか?。

*4:「侵略には定義がない」と強弁する西岡が「日本の侵略」「ソ連の侵略」と平気で書いてるのには苦笑します。