猪口邦子氏に呆れる(追記あり)

・米国の大学教授で例の「米国大学教員・慰安婦声明」の賛同者でもある山口智美氏のツイッター

呉善花*1本や産経新聞の「歴史戦」本の英語版を一方的に(注:米国の)研究者やジャーナリストらに送りつけるという右派のプロジェクト、どうみても逆効果な件。私の知る範囲では、怒り爆発になるか、呆れ果てるかどちらかの反応のようで。
猪口邦子*2*3から、呉善花本と産経歴史戦本の英語版が今度は送られてきましたよ。
・ちなみに私は猪口邦子氏は会ったことも連絡したこともなく、なんの関係もありません。ほかにも猪口(注:参院)議員から呉善花本と産経本が送られたというひともいるようなので、おそらく相当数にばらまいているのだろう。これは国会議員としても学者としてもかなり恥ずかしくはないか、猪口邦子
猪口邦子レター、政治的野心をもった特定個人によって間違って歴史が東アジアで曲げられており、そうした歴史観アメリカにまで広がってしまいとんでもないので、呉善花本や産経の歴史戦を読んで、どう歴史が曲げられたかについて学んでくださいという内容。どうみても歴史修正主義者です。
・自己紹介部分では、イエール卒業して、そのあと上智で30年以上教えて、議員になって大臣*4もやったと経歴羅列。レター最後は、安倍談話も出したのでよろしくね、で終わってる。

 片山さつき稲田朋美ならまだしも「上智大学名誉教授ともあろう人」が「島田洋一福井県立大学教授や八木秀次麗澤大学教授じゃあるまい」に何でこういう恥ずかしいコトしますかね。そんなに自民党議員として安倍に気に入られたいのか。「自民党議員として安倍に気にいられるため」にそこまでやるのか。まさか猪口氏だって「山口氏らが産経の歴史修正主義に賛同してくれる」なんて思ってないでしょう。単なる安倍への媚びへつらいでしょう。
 こんなコトするくらいなら議員なんかやめちまって学者に戻ればいいじゃないですか(つうか、ウィキペ「猪口邦子」によれば、例の民主党への政権交代時の衆院選挙で比例名簿上位に掲載されないことで落選を覚悟して、立候補をあきらめ政界引退したのに、その後、わざわざ「参院千葉選挙区」から政界復帰したようですが。そんなに政治家時代にいいことがあったんでしょうか?)。どうせ猪口氏がどんなに安倍に媚びたって稲田みたいに厚遇されるわけで無いし。つうか「仮に安倍が猪口氏を稲田のように政務調査会長にしてくれたとしても」そのためにここまでやりますか、て事ですよね。「政治権力への近さ>越えられない壁>学者としての名誉、プライド」なのか。
 で、ウィキペ「猪口邦子」を見たんですが、猪口氏の変節には知人も困惑してるようで

・かつては防衛庁の省格上げに強硬に反対し、防衛庁自衛隊の存在にすら否定的であった非武装中立的な立場から、安倍政権が推し進める安保法制への賛同へと政治スタンスを一変させたことは、上智大学時代に猪口の唱える平和主義、民主主義思想に感銘を受けた多くの教え子たちの間で困惑を引き起こしている。猪口ゼミで国際政治を学んだメンバーを中心にした30人が、猪口の真意を問うため、2015年8月に郵便および電子メールを計3回送付したが、猪口からの返答は得られなかったという。
・その他の政治的主張も、以下のとおり保守的なものとなっている。
 選択的夫婦別姓制度導入に反対。
 憲法9条の改正に賛成。
 永住外国人地方選挙権の導入に反対。

ですからね。もはや人として恥ずべき「権力亡者の振る舞い」としか言いようがないでしょう。

【追記】
・コメ欄で指摘がありますが山口氏はこの件について以下のエントリを書かれているので紹介しておきます。

■『猪口邦子議員から本がいきなり送られてきた:「歴史戦」と自民党の「対外発信」』
http://synodos.jp/politics/15387
■『日本の右派の英語発信の歴史についてのメモ』
http://d.hatena.ne.jp/yamtom/20151025/1445821355

*1:著書『「反日韓国」に未来はない』(2001年、小学館文庫)、『「反日親北」をやめられない韓国の暴走』(2006年、小学館文庫)、『虚言と虚飾の国・韓国』(2012年、ワック文庫)、『なぜ「反日韓国に未来はない」のか』(2013年、小学館新書)、『侮日論:「韓国人」はなぜ日本を憎むのか』(2014年、文春新書)、『反日韓国の自壊が始まった』(2014年、悟空出版)、『朴槿恵の真実:哀しき反日プリンセス』(2015年、文春新書)など

*2:著書『ポスト覇権システムと日本の選択』(1992年、ちくま文庫)、『戦略的平和思考:戦場から議場へ』(2004年、NTT出版)』など

*3:猪口氏の夫・猪口孝氏(政治学者・新潟県立大学学長、東京大学名誉教授、著書『世界変動の見方』(1994年、ちくま新書)、『国際政治の見方:9・11後の日本外交』(2005年、ちくま新書)、『データから読むアジアの幸福度:生活の質の国際比較』(2014年、岩波現代全書)など )も「妻に駄目出し」したらどうなんですかね。

*4:小泉内閣少子化男女共同参画担当相のこと