今日の産経ニュース(10/7分)(追記・訂正あり)

■【戦後70年】「戦後世界は欧米列強やソ連に支配されるべきではない」 戦後日本の主権回復を擁護、講和会議で演説の甥のスリランカ首相来日
http://www.sankei.com/world/news/151007/wor1510070043-n1.html
 やれやれですね。甥とおじは別人格ですし、おじの「ジャヤワルデネ初代大統領」にしたって別に産経のような「戦前日本賛美に与する気はない」でしょう。「日本の早期独立回復」を唱えただけで「産経のお仲間扱い」では「ジャヤワルデネ初代大統領」も本当に迷惑でしょう。


■【正論】力の誇示に頼る中国外交の限界 京都大学大学院教授・中西寛*1 
http://www.sankei.com/column/news/151007/clm1510070001-n1.html
 もはや産経の十八番と化してるいつもの中国非難です。

 抗日戦勝記念式典では、プーチン*2露大統領、朴槿恵韓国大統領、潘基文*3国連事務総長が出席したものの、大半の首脳は中国の近隣国*4および関係の深い途上国からで、大戦での勝者としての中国の立場を国際社会が確認したとは言いがたい状況だった。

 まあ産経文化人、アンチ中国のこの人がそう思いたければ思えばいいんじゃないですかね。
 首脳とは「国家元首やそれに相当する人物=大統領、首相、国王」のことでしょう。
 でそう言う首脳はでなかったものの、G7諸国からは「外相(フランス、イタリア)」「駐中国大使(米国、カナダ、ドイツ)」はでてるのですからこういう見方は「為にする中国非難」でしょう。

むしろこの式典で最も注目を集めたのは90歳近い江沢民*5国家主席の健在ぶりであった。

 まあ、「既に実質的な権限はあまりない」とは思いますが。また「習主席を超える高齢」でありながら「産経などを舞台に政界の長老面する中曽根*6元首相」をどう思うか、産経と中西氏に聞きたいところです。

戦勝国アピールを前面に出したことがかえって、戦争を主導したのは蒋介石*7率いる国民党であり、共産党は主役ではなかったことを思い起こさせることになった。

 そう言うことを思い起こしてるのは「この種のアンチ中国右翼だけ」だと思いますが。 
 しかもこの種の右翼は「ならば中国国民党の勝利は認めるのか」といったら別の場所では「原爆投下などで米国に負けただけだ」「ソ連の対日参戦がなければ」「中国に負けてなどいない」とか言い出すのだからどうしようもありません。

 習*8主席の訪米外交も、ちぐはぐだった。確かにボーイング社を訪れて航空機300機の購入を打ち出し、有力実業家*9と会合し、国連総会では「平和発展基金」創設など発展途上国支援の提案を行うなどして、経済大国としての影響力を示しはした。
(中略)
 しかし中国国内での盛んな報道にもかかわらず、今回の首脳会談の国際的なインパクトは限定的だった。一つにはタイミングが不幸だった。国連創設70周年とSDGs*10採択を記念する国連サミットを目指して、習主席の東海岸での旅程のすぐ前を、教皇となって初めての訪米となるフランシスコ教皇が通過していったからである。ワシントンでも、ニューヨークでも、注目の的は教皇であり、習主席は後塵(こうじん)を拝することになった。

 「アメリカ国内ではローマ法王の訪米報道に隠れて習の訪米なんかろくに報道されなかったんだ、ざまあみろ(オレ流要約)」だそうです。
 本当にそうなのかは「アメリカの報道について無知な俺」にはわかりません。わざわざ「何らかの方法」で確認する気もありませんが、「仮にそれが事実として」何か日本にメリットなのか?て話ですよねえ。日本では明らかに、「報道の量や注目度」は、キリスト教徒を除けば「習主席訪米>ローマ法王訪米」だったでしょうし。
 どう見ても「その辺の右翼街宣車の反中国アジ演説」と同レベルであり、仮にも京大教授*11が全国紙に書く文章じゃないでしょう。

*1:第2次安倍内閣の「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会有識者委員として集団的自衛権容認の立場の答申を作成。著書『国際政治とは何か』(2003年、中公新書)など。

*2:エリツィン政権大統領府第一副長官、連邦保安庁長官、第一副首相、首相を経て大統領

*3:盧武鉉政権で外交通商相

*4:モンゴル、ベトナムなど

*5:電子工業大臣、上海市長・党委員会書記などを経て党総書記、国家主席党中央軍事委員会主席、国家中央軍事委員会主席

*6:岸内閣科学技術庁長官、佐藤内閣運輸相、防衛庁長官、田中内閣通産相自民党幹事長(三木総裁時代)、総務会長(福田総裁時代)、鈴木内閣行政管理庁長官などを経て首相

*7:中華民国政府主席、中国国民党総裁

*8:福州市党委員会書記、福建省長、浙江省党委員会書記、上海市党委員会書記、国家副主席、党中央軍事委員会副主席、国家中央軍事委員会副主席などを経て現在、国家主席、党総書記、国家中央軍事委員会主席、党中央軍事委員会主席

*9:朝日新聞IBM、アップル、アマゾン、習主席、米IT界へ熱弁』(http://www.asahi.com/articles/ASH9S56RBH9SUHBI01J.html)、■日経新聞『習主席の晩さん会、アップルCEOら参加、米ホワイトハウス』(http://www.nikkei.com/article/DGXMZO92136000W5A920C1I00000/)など、マスコミ報道に寄れば、習主席と会合した実業家は「IBM社のロメッティCEO(最高経営責任者)」、「アップル社のクックCEO」、「アマゾン社のベゾスCEO」、「インテル社のクルザニッチCEO」、「フェイスブック社のザッカーバーグCEO」、「マイクロソフト社のナデラCEO」などそうそうたるメンバー。なお、朝日記事に寄れば、安倍訪米時に安倍と会談したCEOは「質量共に習主席の会ったCEOには見劣りする」そうである。もちろんその理由は「世界最大の人口を抱え今後もそれなりの成長が見込める中国の市場としての価値」ということでしょう。

*10:「持続可能な開発目標」のこと

*11:まあ、京大にはこの中西寛氏よりもすさまじい「中西輝政(単に寛氏と同姓なだけ)」て男がいますが。