今日の産経ニュース(11/2分)(追記・訂正あり)

■【日中韓首脳会談】会談場所のホテルめぐり激烈攻防 「会談してあげた」メンツ重視の中国、自身の宿泊先を強要
http://www.sankei.com/world/news/151102/wor1511020062-n1.html

 ソウルで1日に行われた日中首脳会談の前に、会談場所をめぐって双方の間で激しい駆け引きがあった。安倍晋三首相と李克強首相が初めて会談する場となっただけに、両国がそれぞれの首脳の宿泊先を会談場所にするよう要求、最後は「安倍首相の決断」(関係者)で(ボーガス注:李首相の宿泊先での会談で)決着が図られた。
 安倍首相の宿泊先はソウル中心部にある「ウェスティン朝鮮ホテル」。
(中略)
 一方、李首相はソウル東部の「ソウル新羅(シルラ)ホテル」。
(中略)
 首脳会談が第3国で行われる場合、会談場所をどこにするかでもめるケースは少なくない。
 特にメンツを重んじる中国は「相手国の求めに応じて会談してあげた」というスタイルを好み、今回も新羅ホテルでの開催を強く要求。結局、予定されていた会談時刻が迫る中で日本側が折れた。
 安倍首相はこの日午後6時過ぎに新羅ホテルに到着。会談を終えて同7時過ぎ、晩餐(ばんさん)会の会場に向かうためホテルを後にした。しかし同じ晩餐会に出席する李首相は正面玄関を使わず、わざわざ裏口から出て会場に向かった。
 中国の外交関係者によると、会談後、李首相が安倍首相と同じ場所から出ていくと、ホストとゲストの区別がつかなくなる。裏口を使って「自らがホストであることを示した」という。
 華僑向け通信社、中国新聞社は「李首相は自身のホテルで安倍首相と会談した」と冒頭で場所を明示し、「安倍首相が訪ねてきたこと」を強調した。

 興味深いのは産経が「中国の野郎、日本をバカにしやがって!」という主旨の事は言っても「安倍の野郎、何で新羅ホテルに行った!、何故自分から折れた!、何故『会談は是非、ウエスティン朝鮮ホテルでやりたい』と言わなかった!、この腰抜けが!」とは言わない点でしょう。
 これが「安倍以外なら」『中国に舐められた、どうしようもない総理』と糞味噌でしょうが安倍ならそう言わないんだから全くご都合主義です。


■中国、仏原子力アレバへ出資で合意 英国に次いで仏事業にも攻勢
http://www.sankei.com/world/news/151102/wor1511020074-n1.html

 フランス原子力大手アレバは2日、中国の原発大手「中国核工業集団」(CNNC)と資本関係を含む協力強化を図ることで合意したと発表した。中国を訪問中のオランド大統領と中国の習近平国家主席の立ち会いの下で覚書に調印した。
 発表によると、CNNCは少数株主としてアレバに出資することやウランの採掘、核燃料のリサイクルといった広範な分野での協力強化を目指す。アレバは声明で「中国のパートナーとの協力強化は将来の成功に欠かせない」と強調した。
 アレバは東京電力福島第1原発事故後の世界的な原発市場の減速などを受け、経営が深刻化。原子炉建設を手掛ける子会社「アレバNP」のフランス電力(EDF)への売却を決めるなどしており、CNNCとの協力強化も経営のてこ入れが目的とみられる。
 中国は習氏が訪英中の10月下旬、英国が進める原発事業への投資など協力強化で合意。経済関係だけでなく、原子力分野でも欧州諸国との結び付きを強めている形だ。

 「英国(習主席の訪英&経済交流進展)、ドイツ(メルケル首相の訪中&経済交流進展)」そして「フランス(オランド大統領の訪中&経済交流進展)」と日夜進展する中国と欧州各国との友好関係です。産経の「孤立する中国」がいかにデマかよく分かります。そして「性格の歪んでる小生」としては、id:MukkeさんやI濱女史には「ねえ、今、どんな気持ち?(毒)」と聞きたくなります。
 また、ここからは「福島事故以降の反原発運動の世界的高揚で原発事業が苦境に立たされ、中国でもどこでも支援してくれるなら大歓迎」という事情があるとはいえ「原発の是非*1はひとまず置くとして」、中国の原発技術が相当のレベルに達してることが伺えます。産経なんかは「中国原発は危険」と言いたがりますけど、まあ、「原発そのものの危険性*2はさておき」、産経が言うほど中国原発は危険ではない、「欧米や日本の原発と大して変わらない」とは言えるのでしょう。


■過剰生産能力問題で早期の対応求める 財界訪中団 世界経済に多大な影響と
http://www.sankei.com/politics/news/151102/plt1511020033-n1.html
 「過剰生産能力」云々書く辺りが「中国のあら探しをしたがる産経らしい」とは思います。
 いずれにせよ、こういう訪中団を送って「景気後退を中国が克服するためには過剰生産能力を何とかすることが大事だと思う」と日本財界が言うと言うのは「中国経済が日本財界にとって大事なこと」の表れのわけです。


■【日々是世界】「(ボーガス注:英国訪問時の)習近平氏の(ボーガス注:ために英国が敷いた)赤絨毯はウイグル人の血で染まっている」 カーディル議長が悲痛な訴え
http://www.sankei.com/premium/news/151102/prm1511020001-n1.html

 英紙ガーディアン(電子版)によると、キャメロン氏の戦略アドバイザー*3を務めたスティーブ・ヒルトン氏(46)は英BBCの番組に出演し、中国指導者への待遇に対して「1970年代に英国が国際通貨基金IMF)に救済されたとき以来の国家の恥だ」と批判。「実際のところ中国はイランやロシアと同程度の“ならず者国家”であり、中国に対して立ち向かうどころか、なぜおべっかを使うのか理解に苦しむ」と発言し、「われわれは中国に対してレッドカーペットを敷くのではなく、制裁を科すことを考慮すべきだ」と訴えた。

 「中国、イランやロシアをならず者国家呼ばわりした」あげく「中国に経済制裁」て(苦笑)。相当の反中国極右ですね。産経ももう少しまともな人間を持ってきたらどうなんでしょうか。つうか産経の記事が事実*4なら、BBCもよくこんな極右を番組に呼ぶよな(苦笑)。むしろBBCの常識が疑われるんじゃないですかね。

 また、カーディル氏は中露と中央アジア4カ国*5で構成する「上海協力機構」について「中央アジアに居住するウイグル人への対応」が目的だと主張した。

 そういう要素がないとはおそらく言えないでしょう。でも主目的はどう考えても「経済交流」でしょう。
 この産経の記事だとラビアが「上海協力機構の在り方、現状を批判した」のではなく、「その存在自体を否定した」かのようですがどうなんでしょうか。もし「存在それ自体を否定した」のなら「非現実的主張」であり馬鹿げてるとしか言いようがないですね。


■「日本の存立かかる」「最後のチャンス逃すな!」田久保忠衛*6ら指摘 美しい*7日本の憲法をつくる福岡県民の会設立
http://www.sankei.com/west/news/151102/wst1511020013-n1.html

会の共同代表には、松尾新吾*8日本会議福岡会長と、蔵内勇夫・自民党福岡県連会長が就任した。

 「極右団体・日本会議」と「自民党福岡県連会長が公然と野合する」とはもはや福岡の自民党は「一線を越えた」と言っていいでしょう。少なくとも福岡に限れば「自民党支持日本会議支持」といっても過言ではないでしょう。いや「今の安倍自民」では「どこの自民支持でも日本会議支持と同じ」かもしれません。少なくとも「昔の自民」はここまで危ない団体ではなかったと思うんですけどねえ。


■【正論】「台風を放棄する」と憲法に書けば台風が来なくなるのか? 危惧抱く教養主義の衰退 平川祐弘*9(東大名誉教授)
http://www.sankei.com/column/news/151102/clm1511020001-n1.html
 「まともな」九条護憲派はそんな事は言ってないので「平川によれば」このような事を言ったという田中美知太郎*10は「バカバカしい言いがかりをつけたバカ」としか言いようがないですね(もちろん田中の言葉を得意げに紹介する平川もバカです)。田中がギリシャ哲学研究者として立派かどうか知りませんがそんな事とは関係なく田中はバカです。早稲田大学のI濱Y子女史が「チベット学者として立派かどうか知りませんがそんな事とは関係なく『沖縄に米軍がなければ中国が攻めてくる』などと放言するバカ」なのと同じ事です。
 九条護憲派が問題にしてるのは「日本が攻められること」ではなく「日本が戦前のように攻めること」です。それをさせないための「九条擁護」であって「九条を擁護すれば外国が攻めてこない」なんてことは一言も言ってない。
 そして「戦前を反省してない産経のような九条改憲派」では「戦前のような侵略は日本は2度としない」などとは残念ながらとても言えないでしょう。
 「産経のような九条改憲派」がきちんと戦前を反省すれば「まだマシ」なのですが、そうでない以上、俺はとても九条改憲論に与することはできませんね。「戦前の侵略を反省すれば九条改憲していい」とは「ハト派」の俺個人は「実は思わない*11」のですが少なくとも「戦前の侵略を反省もせずに九条改憲など話にならない、そんなん侵略被害国(中国、韓国、東南アジアなど)は反対して当然だ」「ドイツもナチ犯罪を反省しなかったら近隣諸国(フランス、オランダ、東欧など)の反対で再軍備はとてもできなかったろう」とは思っています。


■【北朝鮮拉致】同時期に10〜20代の女性13人が不明 「若い女性連れてこい」との指示か 
http://www.sankei.com/affairs/news/151101/afr1511010024-n1.html
 そもそもこの「13人の女性」とは全員、例の「特定失踪者」なんだから全然拉致じゃありません。
 ばかばかしくて話にもなりません。タイトルの「指示か」というのは荒木和博の与太話に過ぎません。


拉致被害者「北から絶対に救出する!」世論必要…河合さん母も登壇 福井・おおい町で集会
http://www.sankei.com/west/news/151102/wst1511020018-n1.html 
 記事タイトルに名前が出てくる「河合さん」というのは「特定失踪者」ですから全然拉致じゃありません。
 ばかばかしくて話にもなりません。


■「ハヤテのごとく!」声優の松来未祐さん死去、38歳 「這いよれ!ニャル子さん」のクー子なども担当
http://www.sankei.com/entertainments/news/151102/ent1511020006-n1.html
 松来氏ファンらしいMukkeさんがはてブでやたら騒いでたので気付いたのですが(苦笑)。
 近年「声優草創期の大ベテラン(多くは新劇出身者でアニメだけでなく洋画の吹き替えもしている)」がどんどんお亡くなりになってますが、今回は「38歳という早世」ですね。ウィキペディア松来未祐」を見ればわかりますが「声優になりたくて声優の勉強を専門学校でして、デビューも声優(おそらく新劇経験はないのでしょう)、洋画の吹きかえよりもアニメの仕事が多い」というのは「草創期とはやはり時代が違うのだな」と思いますね。
 まあ、「人生80年時代」では明らかに早死にでしょう。つうか、「サザエさんでは『一応』若手の富永みーな」ですら、もう49歳ですからねえ。富永みーながガン病死でもしたらやはりびっくりしますよねえ。
 小生、アニメは「サザエさんドラえもんなど一部を除いて」全然見ないのでこの方の「声が分からない」のですが、ご冥福をお祈りしたいと思います。


■【野口裕之の軍事情勢】中国というフランケンシュタインを造ったニクソン&ヴォルデモートの魔力を授けたオバマ米大統領の対中大錯誤
http://www.sankei.com/premium/news/151102/prm1511020005-n1.html
 タイトルだけで「開いた口がふさがらない」ですね。
 まさか今時「中国というフランケンシュタインを造ったニクソン」と言ってニクソン訪中を批判する人間が「産経記者とは言え」、いるとは思っても見ませんでした。
 「オバマは中国に甘い」という人間なら「主張の是非はともかく」まだ理解できるんですけどね。

*1:小生個人は反原発派、脱原発派ですが

*2:小生は産経と違い「中国は危険、欧米や日本は安全」ではなく「全ての原発が危険で早急に廃炉にすべき」つう考えですが

*3:こんな反中国極右とキャメロンはつきあってたなんて、一体、何の戦略アドバイザーだったんですかね?

*4:産経は平気でデマ記事書くから困りますが。

*5:カザフスタンキルギスタジキスタンウズベキスタン

*6:日本会議会長、国家基本問題研究所副理事長

*7:憲法」に「美しい」という修飾語をつける神経は分かりませんね。どんな憲法が美しいのか?。

*8:ウィキペディアに寄ればこの松尾氏、『九州電力会長』だそうです。「国内だけが市場の電力企業」とはいえ九州電力ほどの大企業の幹部が『日本会議福岡会長』とは何とも絶句しますね。まあ、過去にもワコールの塚本とか「大企業幹部なのに非常識右翼」という信じられない人間はいますが。

*9:著書『日本語は生きのびるか:米中日の文化史的三角関係』(2010年、河出書房新社)、『西洋人の神道観:日本人のアイデンティティーを求めて』(2013年、河出書房新社)、『竹山道雄と昭和の時代』(2013年、藤原書店)、『日本人に生まれて、まあよかった』(2014年、新潮新書)、『日本の正論』(2014年、河出書房新社)、『日本語で生きる幸福』(2014年、河出書房新社)など

*10:著書『哲学初歩』(2007年、岩波現代文庫)、『ロゴスとイデア』(2014年、文春学藝ライブラリー)など

*11:その理由の一つは日米安保です