今日の産経ニュース(11/5分)(追記・訂正あり)

■民主・桜井*1政調会長の執行部批判が止まらない「党再生できない!」
http://www.sankei.com/politics/news/151105/plt1511050016-n1.html
 櫻井氏が問題にしているのは「細野*2政調会長が『共産党との選挙協力はあり得ない』と言ったり、岡田*3代表が『連立政権は考えてないが選挙協力ならあり得る』とか言ったりして全然統一性がないのは問題だと言う話」で、まあそれは一理あります。しかし、問題はこの記事を読んでも当の桜井氏の考えがよく分からないことでしょう。「とにかく意見統一(桜井)」だけでは話になりません。


■【南シナ海問題】習氏のベトナム訪問は「反中」高める逆効果 「諸島を返せ!」続くデモも放任
http://www.sankei.com/world/news/151105/wor1511050059-n1.html
 産経的にはそういうことに「したい」のでしょうが、そもそも事情がどうあれ、「習主席を招いたのはベトナム政府」です。中国と貿易で食ってるベトナム人も当然いるでしょう。
 一部の「反中国ベトナム人」を過大評価する産経の見方が歪んでることは間違いないでしょう。


■【南シナ海問題】「今後の検討課題」南シナ海自衛隊派遣の可能性 官房長官が明言
http://www.sankei.com/politics/news/151105/plt1511050013-n1.html
 正気なんですかね。本気なのか、ウヨ支持層へのリップサービスか知りませんが全く無茶苦茶です。
 日中関係憲法九条の問題をどう理解しているのか。

(ボーガス注:現時点では)「今、米海軍が行っている『航行の自由作戦』に自衛隊が参加する予定はない」と改めて強調した。

で済む話じゃないでしょう。「検討する」と言えば「やる気か」と中国に疑われ警戒されても文句は言えません。全くとんでもない右翼政権です。

政府はベトナム南部のカムラン湾を補給拠点として活用できるよう、同国政府と最終調整に入っている。同湾は南沙諸島に近く、対中牽制(けんせい)の狙いを込める。

 産経の飛ばしと思いたいところですが、安倍政権だと油断できないので困ります。いずれにせよ中国大使館職員だってこういう記事は当然「情報収集という仕事の一環として」読んでるわけで全く産経の反中国宣伝も大概にして欲しいですね。


■【阿比留瑠比の極言御免】日経、朝日のコラムに異議あり 夫婦別姓論議に欠ける子供の視点
http://www.sankei.com/premium/news/151105/prm1511050003-n1.html
 財界機関紙の日経すら「夫婦別姓でもいいじゃん」という時代になったと言うことですね。もはや夫婦別姓は過激でも何でもありません。
 しかし阿比留が「子どもの視点」などと心にもないことを言うのには呆れます。子どもは「ウチの父さんは野比のび太で母さんは源静香*4で姓が違うけど別に問題はないな」で慣れるんじゃないですかね。
 まあ、そんな事は当事者に任せればいいことです。「選択的別姓制度」なんですから、同姓にしたい人は今まで通り同姓のわけですし。

 同僚記者は、夫婦別姓推進派で、現在は党総裁候補の1人といわれる議員から、こう面罵された。
 「(夫婦別姓に慎重論*5を唱える)産経新聞は、新聞じゃない*6

 党総裁候補の一人で夫婦別姓支持派て「えーと野田聖子*7かしら、誰かしら」「だから産経は野田嫌ってるのかしら?」て思いますがそれはともかく。
 まあ、産経新聞はデマ記事常習で「まともな新聞じゃない」ですよねえ。あんなんが日本新聞協会加盟とか日本の恥です。本当に協会から除名して欲しい。

日経コラムはさらに、こうも書いている。
 「反発する人の声から『自分と違う価値観を持つ人間が、とにかく許せない』との響きを感じることがある」

 これは俺も同感ですね。「選択的夫婦別姓」なんだから別姓にしたい人間だけが別姓にするわけです。同姓派に別姓を強制するわけではない。まあ、これが覚醒剤使用とかなら「覚醒剤を使用したい奴が使用して何が悪い、お前に使用を強制してない」てわけにいきません。覚醒剤使用者が廃人になるのを見過ごすわけにいかないし「覚醒剤中毒者の幻覚、幻聴による殺人事件」なんてことも起きかねない。
 しかし、「選択的」夫婦別姓で同姓派にどんなデメリットがあるんだ、同姓派の感情論と違うのかって話です。


■カナダ・トルドー政権、男女15対15で「らしさ?」アピール どうなるTPP
http://www.sankei.com/world/news/151105/wor1511050044-n1.html

 先月行われたカナダ総選挙で圧勝した中道左派自由党ジャスティン・トルドー党首(43)は4日、首相に就任し、新内閣を発足させた。保守党から約10年ぶりの政権交代で、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)などへの対応が注目される。
 新政権の陣容は30代〜50歳と若く、首相以外の閣僚30人は男女15人ずつ。インド系のハルジット・サジャン氏を国防相に、先住民のジョディ・レイボールド氏を司法相に就任させるなど、人種や性別に配慮した顔ぶれとなった。

・閣僚は「若ければいい」「女性が多ければいい」「帰化外国人や異民族が多くいればいい」という単純なものではないですが「日本ではあり得ないことだ」と思うと何というか「日本って遅れてる」つうか複雑な気持ちになります。小泉や安倍が「女性登用をアピール」したところでそれはせいぜい5人ですからね。
 ちなみに説明しておくと

・第1次小泉内閣
田中*8外相、森山*9法相、遠山*10文科相、扇*11国交相、川口*12環境相
・第2次安倍改造内閣
高市*13総務相、松島法相*14、小渕経産相、山谷国家公安委員長、有村少子化対策等担当相

です。
・なお、このトルドー新首相、「ピエール・トルドー元首相の息子」であり二世議員ですが、同じ二世議員でもおそらく安倍とは「月とすっぽん」でしょう。


■【中台首脳会談】総統最有力候補の蔡英文*15、手続き批判も「当選したら会談排除しない」
http://www.sankei.com/world/news/151105/wor1511050047-n1.html
 さんざん馬*16総統を非難していた産経ですが民主進歩党の蔡候補曰く

 分断後初の中台首脳会談が7日に行われることに関連し、「もし当選したら(ボーガス注:中台トップ会談を)排除しない」と述べ、来年1月の総統選で当選した場合、自身も中国の習近平国家主席と会談する可能性を示唆した

そうです。もちろん「『一つの中国』や『将来の中台統一』を認めない前提での会談だ、統一や『一つの中国』に繋がる話は絶対にしない。そこが私と馬総統は違う」と言う主旨の事を蔡氏が断ってることは産経記事にも書いてありますし、そういうことで蔡氏が「馬総統や国民党と、自分や民主進歩党との差別化を図ってる」わけです。
 しかしとにもかくにも彼女は「会談それ自体は否定しない」わけです。彼女が馬総統を批判するのも「将来の統一に繋がる可能性があるから」、つまりは「会談の仕方を問題にしてる」だけです。
 この辺りどう見ても会談それ自体を否定していた産経だの、「馬総統を小馬鹿にしてた例のid:Mukkeさん」だのの感想をお聞きしたいところです(勿論皮肉)。


■【産経抄】何をしでかすか 11月5日
http://www.sankei.com/column/news/151105/clm1511050004-n1.html

来年1月に総統選を控える時期に、49年の分断以来という歴史的な会談を行う意味はどこにあるのだろう。

 中台トップ会談という歴史的快挙を「(中台双方とも)総統選目当て」と誹謗することしかできない下劣な産経です。
 そういう目的が全くないとは言えないでしょう。また「目的のいかんに関わらず」大きな政治的行為は選挙に影響を与えうる。ただ「選挙目当てオンリー」なんて小さな話ではないでしょう。百歩譲って「そう言う小さい話*17」だとしてもそういう「小さい話」で終わる話でもありません。
 ニクソン訪中、金大中訪朝、小泉訪朝など過去の「会談それ自体が大事件」に匹敵する大事件ではないでしょうか。
 今回「会談する事」の理由の一つは「英国の李首相歓迎」「メルケルやオランドの訪中」ではないかと思います。
 つまり「今、時代は中国、(経済振興的な意味で)乗るしかないこのビッグウェーブに」と馬総統は思ってるし、そう言う説明で国民の理解も得られると思ってるのでしょう。
 むしろ「選挙目当て」というよりは「今の時期なら選挙にも有利と言って党内の反対派は抑えられる、残り少ない任期中に中台友好を少しでもすすめたい」ということかもしれません。いや実際の馬氏の考えなんて部外者には分かりませんけど。

李氏が危惧するのは、次期総統が就任する前に、馬総統が「和平協定」を中国との間で強引に締結することである。それによって、台湾が「一つの中国」を認めてしまえば、後戻りができなくなる。

 今回「共同声明の予定はない」のに何で和平協定なんて話が出てくるのか。
 いやそもそも何故「和平協定=一つの中国」なのか。「もはや中台両国は戦闘状態にはないことを確認する」などの形でつまり「一つの中国を棚上げする形」で和平をうたいあげることはいくらでも可能でしょう。

馬英九が何をしでかすかわからない」。李元総統のこの発言が、謎を解く鍵となりそうだ。月刊誌『WiLL』12月号の櫻井よしこさんとの対談で、出てきた。

 日本ウヨとつるんで「自分の元所属政党」に悪口雑言ですから李登輝もとんでもない男です。多くの国民党員、支持者は奴を憎悪してるらしいですが当然の話です。

中国とすれば、統一への道筋さえつけてしまえば、もう総統選の結果に一喜一憂する必要がなくなる。

「統一への道筋」なんて中国は「当面は」考えてないでしょう。中国が当面恐れてるのは「独立への道筋」云々などといって反中国外交が展開されることでしょう。台湾は現状維持派がほとんどですから当面は「統一」はもちろん「独立宣言」なんてことはまずありません。


■【普天間移設】「民意を踏みにじるもの」と主張する辺野古移設反対の意見書 麗澤大・八木教授「背景に中国がいるとみるのが自然」
http://www.sankei.com/politics/news/151105/plt1511050003-n1.html
 根拠もなくよくもまあ誹謗発言ができるもんです。大体、中国が背景にいようがいまい*18が安倍政権の態度が「沖縄県知事選に示された民意を踏みにじる物」であることに違いはないでしょうに。

*1:菅内閣財務副大臣、野田内閣厚労副大臣民主党政調会長(海江田代表時代)を歴任。

*2:野田内閣環境相民主党幹事長(海江田代表時代)を経て現在、民主党政調会長

*3:民主党幹事長(鳩山代表時代)、鳩山、菅内閣外相、野田内閣副総理・行政刷新担当相、民主党代表代行(海江田代表時代)を経て現在、民主党代表

*4:まあ、「須羽ミツ夫と星野スミレ」でも何でもいいんですが。

*5:産経は「絶対反対、否定論」の癖に「慎重論」と書くとは阿比留も虚言癖のせこい男です。

*6:別姓賛成派に対する誹謗記事を書いたからこういうきついことを言われたのだと言う事は想像がつきます。

*7:小渕内閣郵政相、福田内閣食品安全等担当相、麻生内閣消費者問題等担当相、自民党総務会長(第二次安倍総裁時代)を歴任

*8:村山内閣科学技術庁長官、野田内閣文科相を歴任。

*9:海部内閣環境庁長官官房長官、宮沢内閣文相を歴任。著書『非常識からの出発:女性官房長官激動の6か月』(1990年、小学館)、『法務大臣の880日』(2004年、河出書房新社

*10:元文部官僚。文化庁長官、国立西洋美術館館長、独立行政法人国立美術館理事長、新国立劇場運営財団理事長など文教関係の役職を歴任。

*11:元宝塚女優。保守党党首、参院議長を歴任。

*12:田中大臣の辞任後に小泉内閣外相を務めた。

*13:第1次安倍内閣沖縄・北方等担当相、自民党政務調査会長(第二次安倍総裁時代)を歴任

*14:なお松島辞任後の後任・上川法相も女性

*15:陳水扁政権副首相を経て現在、民主進歩党主席。

*16:連戦内閣法相、台北市長を経て総統

*17:そんな事はあり得ませんが

*18:「背景」という曖昧な言葉を使う辺りが実に卑怯です。「中国への配慮があると言っただけで黒幕が中国なんて言ってない」といういいわけでもする気なんでしょう。