今日の産経ニュース(11/20分)(追記・訂正あり)

桂銀淑*1被告に懲役1年6月の実刑判決 覚醒剤使用で韓国地裁
http://www.sankei.com/affairs/news/151120/afr1511200020-n1.html
 コアなファンではなく、たまに聞いて「ケイ・ウンスクてやっぱいいなあ」と思う程度の「ライトなファンでしかありませんが」桂銀淑(ケイ・ウンスク)のファンとして実に残念です。何とか復帰して日韓両国で大いに活躍して欲しいんですけどね。覚醒剤不法所持のために日本には入れない状態だそうですし、困ったもんです。


■【中台首脳会談】習近平氏は民進党と向き合え 中台に実力差、習氏は巧みに「成功」演出 小笠原欣幸*2・東京外国語大准教授が寄稿
http://www.sankei.com/world/news/151120/wor1511200019-n1.html
 「次の総統選で野党・民主進歩党が勝つかも知れない」と言われてるとは言え何で与党・国民党を差し置いて野党と中国政府がつきあわないといけないのか。
 いつもながら産経の担ぎ出す「自称専門家」はトンチキです(つうかまともな人間は産経にまず登場しませんが。「産経に登場=キチガイ」と見なしてまず間違いはない)。まあ、仮に総統選で民主進歩党が勝てば「向き合う」つうか、民主進歩党の新しい総統と習主席が会談ぐらいはするんじゃないですかね。「会談なんかしない」つうほど新総統も習主席も狭量ではないでしょう。

会談開催のニュースを聞いた日本の台湾専門家の多くが直感的に危惧の念を抱いたはずだ。

 やれやれですね。日本の台湾専門家てのはそんな「産経脳の反中国ウヨ」「自民党の台湾ロビーと似たり寄ったり」ばっかなんでしょうか。そんな事はないと信じたいもんです。


■【パリ同時多発テロ】「誤爆もテロ」「安保法制で日本が標的」 現実離れなテレビ報道も
http://www.sankei.com/entertainments/news/151120/ent1511200004-n1.html
 「誤爆批判」「安保法制批判」を敵視する産経らしいアホ記事です。現実離れどころか現実直視報道でしょう。

 古舘伊知郎キャスターは16日、「許すまじきテロ。一方、有志連合の誤爆で無辜(むこ)の民が殺される。これも反対側から見ればテロだ」と、空爆の効果を疑問視。

 「誤爆もテロだ」という発言は「誤爆批判」とは言えても、「空爆の効果を疑問視」と言えるか疑問に思いますが、それはともかく。
 「ISへの空爆」ならまだしも「IS以外への誤爆」は被害者にとってテロ以外何物でもないでしょう。古舘氏の発言は正論です。産経は「誤爆しても仕方がない、IS打倒という大義のため、被害者は我慢しろ」とでも言う気なのか?

 自民党共謀罪新設に向けた検討を始めたことに、古舘氏が「疑わしきはしょっぴくことへの懸念を感じる」と述べた。

 これまた正論でしょう。「テロとの戦い共謀罪」ではありません。

 15日のTBS系「サンデーモーニング」では、(中略)フォトジャーナリストの安田菜津紀氏は「(難民問題の)責任がイスラム国を生んだ国々にあり、日本も例外ではないとの声を耳にした」と発言。

 IS誕生理由の一つは「米英のフセイン政権転覆」でありそれを日本は支持したのだから当然の発言です。

 法政大総長の田中優子*3は「(国際社会はテロ組織と)対話を進めるための努力はしているのか」と疑問を呈した。

 産経なので(国際社会はテロ組織と)という「田中発言」への注記が適切な注記かは疑問符がつきます。単に「イスラムテロはイスラムとヨーロッパに軋轢があることが助長原因ではないか、その軋轢を減らすための対話をイスラム側としているのか」という話かも知れません。
 なお、一般論で言えば、産経のように「武装集団はたたきつぶすしかない」というのはあまりも乱暴すぎます(ISの間には対話が成立するとはとても思えないのでISに限れば「叩き潰すしかない」でしょうが)。
 たとえばネパールには「マオイスト」を名乗る武装勢力がありましたが、結局ネパール政府は「マオイストを武力で打倒できず」、一方のマオイストも「武力で政権奪取できず」結局は「マオイストの政権入りを認めるかわりにマオイスト武装闘争を辞める」という形で決着がつきました。
 ネパールのように
1)武装勢力を打倒することは極めて困難
2)一方で武装勢力と交渉が成立しそう
ならば「交渉で決着させる」ということだってやむを得ない選択でしょう。

 田中氏はまた、「安保法制成立後、日本が(テロの)標的になっているということをとどめておかねばならない」と主張。ただ、イスラム国が日本人2人を殺害し、日本もテロの標的と表明した今年初め、安保法制は成立していない。

 おいおいですね。安保法制が成立したことによって余計、テロの脅威が高まってるという話でしょうが。こんな詭弁で田中氏に反論したつもりなんでしょうか。
 しかし「将来はともかく」現時点ではさすがの産経も「安保法でテロの危険が高まっても国益上仕方がない」という度胸はないようです。

*1:1985年に「大阪暮色」で日本デビュー。以来「すずめの涙」「夢おんな」「酔いどれて」「真夜中のシャワー」「ベサメムーチョ」など次々とヒット曲を連発し、数々の音楽賞を受賞。1988年、「夢おんな」で第21回日本有線大賞グランプリを獲得。同年、『NHK紅白歌合戦』に初出場し(歌唱曲は「すずめの涙」)、以降1994年まで7年連続出場。また、日本レコード大賞の常連にもなり、1990年にはアルバム『真夜中のシャワー』で第32回日本レコード大賞アルバム大賞を受賞(ウィキペディア桂銀淑」参照)。

*2:著書『ハロルド・ラスキ:政治に挑んだ政治学者』(1987年、勁草書房)、『衰退国家の政治経済学』(1993年、勁草書房)など

*3:著書『江戸の想像力:18世紀のメディアと表徴』(1992年、ちくま学芸文庫)、『江戸の恋:「粋」と「艶気」に生きる』(2002年、集英社新書)、『江戸の懐古』(2006年、講談社学術文庫)、『春画のからくり』(2009年、ちくま文庫)など。