今日の産経ニュース(11/21分)(追記・訂正あり)

■【デスクから】「安保賛成」学長が敗れた波乱の同志社学長選…得票数ぐらい明らかにしては
http://www.sankei.com/west/news/151121/wst1511210014-n1.html
 やれやれですね。落選した前学長・村田本人が「得票数公開」を求めるのならともかく部外者の産経が余計なお世話です。得票数を大学が明らかにしたら「惜敗だった」とか言って村田を慰めるのか?
 いや実際どうだか分かりませんが(むしろ惨敗かも知れません)。なお大学曰く「(学内紛争を恐れて?)従来公開してないので今回も特に公開しない」そうです。


■【中国に屈せず】チベット焼身抗議の実態をブログで伝える建築家 中原一博氏が情報統制の恐怖を語った
http://www.sankei.com/premium/news/151121/prm1511210030-n1.html
 産経なんて「南京事件を否定する反中国デマメディア」に登場したところで常識人にはどんびきされるだけだ、て常識を「非常識人」中原は身につけろと言いたいですね。
 まあその種の常識がないバカの集まりが「多くの自称チベット支援者」なんだってことはたとえばid:Mukkeや「都の西北」W大学の某女性教授の痛すぎる醜態を見てれば痛いほど良く理解できますが(毒)。
 しかし南京事件慰安婦では「証言など信用できない*1」と因縁つける産経が「中原証言は平気で真実認定してる」なんだからそのデタラメさには心底呆れます。

焼身は「究極の非暴力による抵抗」で、厚い信仰に基づく行動と理解されている。

 だからそう言う自殺美化はおぞましいから中原はやめろっての。

(ボーガス注:中原は)1985年、(ボーガス注:チベット亡命政府の)専属建築家として家族とともに亡命政府の拠点、インドのダラムサラに移住。亡命政府庁舎や学校などを設計

 やれやれですね。南京事件を報じたティンパーリー記者が後に「南京事件報道を評価した中華民国政府にスカウトされ」中華民国政府広報マンになっただけで「中華民国とつながりがあるから南京事件報道は捏造かも知れない」という産経*2の理屈なら、「ダライ一味の専属建築家だから中原の主張はダライ一味と共謀しての捏造かも知れない、信用できない」と言わないと筋は通らないでしょう(苦笑)。
 まあそれはともかくダライと懇ろな輩・中原が中国の悪口を言ったからと言って、それを「誇張や捏造無し、全て真実」と思うほど俺もお人好しではありません。「本当かどうか分からないけど一応お話は聞いておきます」と眉唾で理解した方が安全でしょう。つうと例の人は怒り出すんでしょうが(苦笑)。

この記事の冒頭に記した焼身者の数は、米政府系放送局ラジオ自由アジア(RFA)などが伝えたものだ。

 RFAがある種の謀略放送であることを考えれば数字は鵜呑みにはできないでしょう。つうか南京事件を報じた民間ジャーナリスト(ティンパリーやダーディン)すら「捏造呼ばわりする産経」が「謀略放送の数字」を正当化するのには唖然ですね。

 宗教弾圧と文化、自然破壊、モンゴル語を制限した教育、定住の促進など、中国による同化政策の中で、チベット人チベット人として生きるために、自らの身に火をつけて抗議する。

 本筋ではないですしいずれ訂正するでしょうが「モンゴル語を制限した教育、定住の促進*3など」てのは「遊牧という伝統文化が破壊されてると産経や産経文化人・楊海英らが騒ぐ」内モンゴルじゃないんですかね。
 何で突然「内モンゴルの話」が出てくるのか?(多分誤記でしょうが)。
 つうか「チベットについて知らない人」「内モンゴルについて知らない人」が読めば「へえ、チベットってモンゴル語使ってるんだ」「定住の促進って何、チベットって定住しないの?」と誤解を招きかねません(前後の文脈からはどう見てもチベットについての記述にしか見えませんから)。さすが「まともな校正部門がない」と言われるだけある産経らしい豪快な誤記です。


■【お金は知っている】中国人の「爆買い」に支えられる日本経済 今こそ「消費減税」決断を(田村秀男)
http://www.sankei.com/premium/news/151121/prm1511210005-n1.html
 田村の経済統計分析によると「消費税8%増税のダメージが軽く済んだのは中国人観光客の爆買いのおかげ」「しかし中国景気は後退してるので、中国人観光客の爆買いの減少が危惧される。消費税減税が急務」だそうです。
 「消費税減税が必要」という前振りとは言え、田村が「爆買いが景気を支えてること」を認めてるのは興味深いところです。そして「爆買い効果を認めながら」何故か田村が中国を敵視するのも相変わらずです。


■【メディア裏通信簿】SEALDsって何者なんだ? それにそれを持ち上げるマスコミって
 もともとは正論12月号の記事だそうです。こんなことをしないといけないほど正論って売れてないんでしょうか。

http://www.sankei.com/premium/news/151121/prm1511210021-n10.html
 ちなみにこの番組では、内閣改造後の10月11日の放送で、中央大学教授の目加田説子*4が出演して、米軍の病院誤爆を「誤爆ではなく無差別攻撃」と、陰謀論丸出しの見方を披露していたな。

 誤爆を防ぐ努力もせず誤爆連発では、「誤爆しても構わないという無差別爆撃と同じだ」という目加田氏のような批判が出るのは当然でしょう。文句があるなら誤爆を防止するか、「誤爆を防止できない理由&それでも爆撃しないと行けない理由をきっちり説明した」うえで「誤爆の被害者にきちんと賠償しろ」て話です(もちろん米国はそんなことをしていないわけですが)。
 つうか「米軍の誤爆」に限らず「何度も何度も同じ過ちを犯して再発防止策もろくにとらない」なんて馬鹿なことを「政府や企業などと言うそれなりの組織」がやらかせば目加田氏のような批判「そんなもんはもはや過ちではなく故意と同じだ、何故再発を防止しない」が出るのは当然でしょう。
 産経が「間違いだと言えば米国が何度誤爆してもいい」というふざけた立場なのに対し、目加田氏は「1回や2回ならともかく3回以上やって誤爆なんて米軍(米国政府)の言い訳は許せない。もはやそんな物は誤爆ではない。故意と同じだ。誤爆を防ぐ気がないのか」「しかも誤爆被害者にまともに賠償もしてないではないか、米軍(米国政府)の無責任さは許せない」という立場だと言うだけです。俺は目加田氏を支持しますが。
 大体これ、誤爆してるのが米国だから産経は擁護してるだけでこれが「中国空軍によるウイグルテロリストの拠点爆撃」なんかだったら中国が3度以上誤爆やらかしてテロリスト以外に被害与えれば、「3回以上やって誤爆なんて言い訳は許せない。もはやそんな物は誤爆ではない」と目加田氏と同じような事を恥ずかしげもなく中国相手に言うでしょうね。産経の場合「味方がやってるか敵がやってるか」で批判するか擁護するかが180度変わるからです。産経にとって米軍は「擁護しないと行けない存在」ですから。うがった見方をすれば将来自衛隊にこの種の空爆をやらせるのが産経の願望でそのときは「自衛隊誤爆して何が悪い」と居直る気なのかも知れません。
 つうことで「米軍は故意に病院を爆撃した」というならともかく「目加田発言」は陰謀論でも何でもありません。「3度以上やる過ちなど故意と同じだ」という価値観の問題でしかない。
 つうか産経って陰謀論って言葉の意味分かってるんですかね?。
 産経や一部ウヨが毎度毎度やってる「南京事件中国国民党の捏造」「ハルノートを作成したハリー・ホワイトはスターリンのスパイ」「ルーズベルト真珠湾攻撃を事前に知っていた」「張作霖暗殺は関東軍大佐・河本大作の犯行ではなく、コミンテルンの犯行」「尾崎秀実をブレーンの一人にした近衛文麿首相はスターリンのスパイ」などと言うデマのことを「陰謀論と呼ぶのだ」と誰かが教えてあげるべきかも知れません。

 福山大学客員教授田中秀征*5にいたっては、国会で成立した安保法制を「はっきり撤回しないといけない。このまま実施なんかできない」と、議会制民主主義まで無視していたよ。

 やれやれですね。あんな強行採決で成立した違憲の疑い濃厚な法律を支持することの何が「議会制民主主義の支持」なのか。
 そもそも「議会が決めたら正しい」のなら裁判所の違憲立法審査なんてもんはありえません。まあ、産経はこういう制度はなくしたいでしょうが。

安倍政権の背後に、何か恐ろしい右翼的な勢力があるという妄想があるんだと思いますよ。

 おいおいですね。妄想ではなくて事実でしょうが「安倍政権は日本会議議連内閣、神道政治連盟内閣」などと批判派に言われることが産経は嫌なようです。「事実なのに何嫌がってるの?」と思いますが。
 結局「日本会議議連や神道政治連盟なんて自民支持者ですら支持する人は少ない」と産経も自覚してるのでしょう。
 一方でシールズと共産党につきあいがある程度で「シールズは共産党の別動部隊だ」と言い出すのだから恐れ入ります。共産党とつきあいがある程度でシールズにそう言うレッテルを貼る産経の理屈なら「安倍政権は日本会議の紐付きだ」と言っても何ら問題ないでしょうにそう言われると怒り出すのだからいい度胸です。

http://www.sankei.com/premium/news/151121/prm1511210021-n11.html
(ボーガス注:安倍政権の)閣僚に(ボーガス注:宗教極右系、神道極右系の)神道政治連盟日本会議(ボーガス注:議連)に入っている人が多いとか、なんとか言うけど、よく考えてみると、自民党議員の多くが入っているんだから、閣僚にもいるのは当たり前だろ。
(中略)
 神道政治連盟なんて基本的に民主党はいません*6から、自民党ばかりです。

 おいおいですね。それは「自民党が極右カルト化してる」と言う意味であって全然、安倍へのフォロー、かばい手になっていません。まさか産経は安倍政権批判派が「自民党議員には日本会議議連や神道政治連盟の参加は少ないのに安倍がわざわざ閣僚に選んでる」「福田内閣麻生内閣にはそんな議員はいなかった」と批判してるとでも思ってたんでしょうか(俺の理解ではそんな安倍批判は誰もしていませんが)。
 自民党にその種の議員が多かったらむしろ野党からすれば「そんな極右政党を支持していいのか?」と自民批判するだけの話です。
 それに、第一次安倍以前(小渕、森、小泉など)、第二次安倍以前の内閣(福田、麻生)にも「日本会議議連や神道政治連盟」に参加してる閣僚はいたのかも知れません*7が「稲田行革相や山谷国家公安委員長、下村文科相」なんてのは「その種のウヨ議員の中でも特に異常な極右」ですからね。そもそも安倍自身が異常な極右でありその極右イデオロギーから「首相靖国参拝」などの極右行為にこだわってるわけです。
 そう言う意味でも産経の物言いは全然安倍へのフォローになっていません。

ああいうの*8には入っておくものなんだよ*9。選挙で敵に回したくないんだから。

 「選挙で敵に回せない」と言い訳してる辺りが面白い。「別に自民党だって日本会議とかあんなん本気で支持してるわけない」と産経ですら言い訳するわけです。しかも日本会議を「ああいうの」呼ばわりです(苦笑)。産経と日本会議と言ってる事はあまり変わらない気がしますが、産経の自己認識は「俺は右寄りだが日本会議ほどじゃない、サヨ*10に対抗するため仕方なくつきあってるんだ。それにつきあわないと仲間のはずの右派ですら敵視して攻撃してくる狭量な団体だし。可能ならあんなんとはつきあいたくねえよ」というもののようです。
 でも「日本会議を敵に回したら勝てない*11」のだとしたら自民党の選挙基盤(農協や商工会など)ががたついてるということで産経的には喜べることではないと思いますが。

10月3日のNHKのトーク番組「2030年 家族がなくなる?」は、同性婚を肯定的に取り上げていました*12。NHKは以前も、同性婚推進の立場で番組を放送していましたが、いいんですかね。憲法は結婚を「両性の合意*13」に基づくとしているから、現行憲法に反する主張ですけどね。

 おいおいですね。まず第一に憲法の条文は「両性であって『異なる性の両性』ではない」のではないので憲法の「両性」は「同性も含む」と解釈することは一応は可能です。
 第二に「憲法のいう両性は、『異なる性の両性』に限られるが『同一の性の結婚』については憲法は明文規定で禁止していない以上、白紙状態であり、扱いは法律にゆだねられている」という解釈も可能です。問題は「憲法24条の『両性の合意』」をどう解釈するのが憲法の基本精神である人権尊重に合致してるかと言う事でしょう(つうか集団的自衛権で「明文禁止規定がないから合憲だ」と強弁していたのが産経なんですが。一方、通説や『従来の政府見解』は「憲法九条が認める権利は専守防衛に限られると解釈すべきである、集団的自衛権まで認められるとしたら『国の交戦権は、これを認めない』という九条の条文が全く無意味になると批判しているわけです)。
 産経のように「同性婚違憲だ」としか解釈できないなんてことはどこにもないわけです。

左翼の一部は「日本社会は反知性主義に陥っている」「安倍政権は反知性主義的だ」と的外れな批判していました

 やれやれですね。安倍ら日本ウヨが主張する河野談話否定論なんて反知性主義(つうか知性への敵視、軽視)以外何物でもないでしょう。そもそも安倍政権を批判したら左翼扱いというのも、ものすごい物があります。穏健右派からも安倍政権への批判はでているでしょうに。


■【海道東征コンサート】「鳥肌立った」「日本人で良かった」…世代超え、聴衆に感動の渦
http://www.sankei.com/west/news/151121/wst1511210020-n1.html
 「海ゆかば」、「海道東征」であろうと何を演奏しようと産経の勝手ですが「戦前の愛国歌曲(海ゆかば、海道東征)の演奏」を「戦前万歳」の右翼的方向に躊躇なく持って行ける無神経、非常識はさすが産経です。いつもながら産経には本当に呆れます。


■【産経抄】11月21日
http://www.sankei.com/column/news/151121/clm1511210005-n1.html

韓国の性搾取*14問題の研究者、金貴玉(キム・ギオク)氏はかつて韓国陸軍本部の公文書から、朝鮮戦争当時の韓国軍が、慰安婦を「第5種補給品」として支給していた記録を発掘した。

 これからわかることは「慰安婦研究者は、金氏のような韓国人であってもまともな人間なら日本叩きをしているわけではない」ということでしょう。日本叩きだけが目的なら自国・韓国の恥を暴く必要はない。
 彼らの目的は「歴史の真実追究」や「女性の人権擁護」でしょう。しかし産経にはそんな認識はできず「韓国にも慰安婦はいたんだから日本は悪くない」と居直る始末です。どれほど恥知らずなのか。
 もちろん金氏が産経のような立場ではなく「日本の慰安所も韓国の慰安所も、女性の人権侵害として批判する立場」であることは言うまでもありません。

*1:もちろん証言は信用できる場合もあります。「証言は信用できない」で常に切って捨てたら「証言しかないケース」では刑事事件で常に処罰できないというとんでもない話になりますから。問題は信用できる証言かどうかきちんと裏を取ると言うことです。それに「個々の被害」はともかく「南京事件慰安婦は実際にあったのか、あったとして違法行為かどうか」なら証言以外にも「日本軍の公文書」などといった資料もあります。証言しか資料がないわけじゃない。

*2:これについてはたとえば産経のデマ報道については、■『【歴史戦】「南京事件」世界に広めた豪人記者、国民党宣伝機関で活動 台北の史料で判明』(http://www.sankei.com/world/news/150416/wor1504160012-n1.html)を、産経のデマに対する批判については■『「ティンパーリーの謎」を嗤う・その1(http://www.nextftp.com/tarari/timperley.htm)、■『「ティンパーリーの謎」を嗤う・その2』(http://www.nextftp.com/tarari/timperley2.htm)参照

*3:今時遊牧なんて「滅び行く文化」でしょうに何か問題があるんですかね?。前見た、TBSのテレビ番組じゃ外モンゴルだって遊牧は衰退傾向だそうですが

*4:著書『地雷なき地球へ:夢を現実にした人びと』(1998年、岩波書店)、『国境を超える市民ネットワーク:トランスナショナル・シビルソサエティ』(2003年、東洋経済新報社)、『地球市民社会の最前線:NGONPOへの招待』(2004年、岩波書店)、『行動する市民が世界を変えた:クラスター爆弾禁止運動とグローバルNGOパワー』(2009年、毎日新聞社

*5:新党さきがけ代表代行、細川内閣首相特別補佐、橋本内閣経済企画庁長官などを歴任。著書『さきがけと政権交代』(1994年、東洋経済新報社)、『日本の連立政治』(1997年、岩波ブックレット)、『日本リベラルと石橋湛山:いま政治が必要としていること』(2004年、講談社選書メチエ)など

*6:松原仁のような極右議員は参加してるでしょうから認識として間違っています。まあ民主党には旧社民党系や旧さきがけ系がいてそう言う人で入ってる人はあまりいないでしょうから自民よりは少ないのでしょうが。

*7:つうか麻生財務相小泉内閣総務相でしたから当然そう言う閣僚はいたでしょう

*8:日本会議議連や神道政治連盟と言った右翼団体のこと

*9:そもそも「入らない=支持しない」ではあっても「支持しない=敵」ではないですが日本会議とはそう言う「世の中には敵か味方しかいない」という価値観なんでしょうか。

*10:産経の場合、社民、共産といった左派だけでなく河野洋平氏のような穏健保守すら「左翼」扱いである点に注意が必要です。

*11:もちろん実際はどうか知りませんが。「選挙支援など関係ないガチのウヨ」というケースもあるでしょう。祖父が元首相、父が元自民党幹事長、落選の可能性は低いなんていう安倍は「選挙目当てというよりおそらくガチ」でしょう。

*12:もちろん産経の主張なので真偽不明ですが、仮に事実だとしても今時、同性婚や同性愛を否定する方が時代錯誤でしょう。

*13:戦前は確か「成年者でも」戸主の同意が必要だったわけです。

*14:単に「慰安婦と言う言葉を産経が使いたくなかった」「金氏の研究テーマは慰安婦限定ではない」から「性搾取」と書いてるのでしょうが、ここからは「慰安婦制度批判派は性搾取だから批判してるのであって産経が問題にする『狭義の連行』など最初から問題にしてないこと」が分かります。