今日の産経ニュース(11/23分)(追記・訂正あり)

■わが国の平和と安全を真面目に考えられなくなった日本共産党 政治評論家・筆坂秀世
http://www.sankei.com/premium/news/151123/prm1511230014-n1.html
 まあ、やれやれですね。基本的に今共産党が言ってることは、「筆坂が党幹部だった頃」と大して変わってはいません。まあ、共産党に限らず、党の方針が「180度変わる」なんてことは普通ないから当然ですが。
 であるなら「筆坂の共産党批判」はよほど優れた内容でない限り、当然「お前も党幹部時代、幹部としてお前が今批判する党と同じ事言ってただろ、その辺りどう考えてるんだ?、筆坂、無責任すぎるだろ、手前」「お前が党幹部の時代から共産党批判してる人間はたくさんいるのに今さら似たり寄ったりの批判をお前が言って何か意味あるの?、大体そう言う批判の多くに党幹部として『誤解だ』とか反論してたのが手前だろ?。その辺りどう考えてるんだ?」「お前みたいに党辞めて悪口雑言した人間って兵本達吉とか過去にも色々いるけどその辺りどう考えてるの?。お前昔はそう言う人間を厳しく批判してなかったか、筆坂?」つう話になる。これは別に共産支持とか反対とか関係なくまともな人間なら筆坂に対しそういう批判的な感情を持つでしょう。「筆坂は変節感の恥知らずだ」と。
 なにせ筆坂が今回何言ってるかと言えば批判の一つは「自衛隊違憲論で国が守れるのか」ですからねえ。「自衛隊違憲論」て筆坂が党幹部時代には、筆坂が党の幹部として当然、支持していた見解のわけです。「お前、何だよ、その変節は?」と呆れて二の句が継げません。
 筆坂はその辺りどう考えてるのかと言ったらそういうことは何も考えてないでしょう。とにかく共産の悪口が言えればそれでいい。「今安保法制が問題になってるからそれに併せた共産の悪口を言ってみました、産経新聞のご要望に応えてみました」つう話でしかない。「そういうことは何も考えてない」からこそ筆坂に共産批判文章をお願いするメディアなど産経のような極右系統しかないわけです。
 「あいつ自分を棚上げして共産批判してそれでカネ稼ごう、飯を食おうってただのさもしいオヤジジャン、日本共産党を良くしたい所か、日本の政治を良くしたいなんて思いも何一つないぜ、だから批判内容にオリジナリティもねえ。『自衛隊違憲論で国が守れるのか』だってさ(苦笑)。30年前から産経新聞辺りに載ってるような内容でしかない。筆坂て肩書きがなきゃ産経記者が書きましたて言っても通用する内容だぜ。そんなんで『党幹部時代のことは反省してる』とか抜かしても何の説得力もないわけよ。お笑い芸人・響の『ドーモスミマセン!』てのと変わらないだろ、あいつのわびは」てのは見え透いてる。そんな非建設的な反共駄文を喜んで載せてくれる所なんか産経のような極右系統しかないでしょう。そんな駄文を載せるくらいなら「他党(自民、公明、民主、社民など)幹部の共産批判」「まともな政治学者や政治評論家の共産批判」でも載せた方がよほどマシです。で「筆坂よりマシな共産批判派の人間」なんて腐るほどいるわけです。
 一方、産経なら基本、反共文章ならオールOKのわけです。むしろ筆坂がバカでも構わない。バカの方がありがたいかも知れない。
 「筆坂の馬鹿さを見抜けなかったんだろうが、あんなんが党幹部だったのか、党執行部もポカやったなあ」というネガキャンになりますからね。また「まじめな共産批判」だったら「共産叩いて終わり、以上」にはならない。下手に「共産党に問題はあるがこういう点には一理あって評価できる」とか「共産も自民も駄目、私は民主党を支持する」とか「共産叩きじゃない余計なこと筆坂に書かれても」産経的には迷惑なわけです。
 でそういう立場に追い込まれた筆坂が「俺には共産批判する資格も能力もないからしない」とか「俺の反省がインチキだとか、批判にオリジナリティがなくて使う気にならないとか言われるなら、そう言われない反省や批判をしよう」とか「いくら何でも批判場所として産経は駄目だよな」とか思えばいい。思わないで「産経が載せてくれるならカネになるから載せてもらおう」つうプライドも何もない男が筆坂のわけです。
 つうか過去の筆坂の共産批判には「河野談話は間違ってる(筆坂)」なんて「おいおい、日本極右だけだろ、河野談話否定してるの。お前それもう共産批判じゃねえよ、筆坂」「つうか産経・阿比留や古森の二番煎じ文章なんか書いて恥ずかしくないのか?」てのがありましたから筆坂に何か言うのはある意味空しいんですが。


■【矢板明夫の目】共産党指導者の誕生日はなぜ国家機密なのか?
http://www.sankei.com/premium/news/151123/prm1511230002-n1.html

 中国では共産党指導者の誕生日は国家機密になっている。中国政府は公式ホームページなどで指導者の略歴を発表しているが、生まれた年と月しか公表しておらず、誕生日がない*1
 例えば習近平*2国家主席の場合「1953年6月生まれ」となっている。
 そのため記事を書く際、指導者の年齢をめぐり困るときがある。例えば、2013年の全国人民代表大会(国会に相当)で、副首相に任命された汪洋氏*3の場合、「1955年3月生まれ」となっており、人事が決まったのは3月16日で、そのときに誕生日が来ていたかどうかが分からない。57歳か58歳そのどちらかの可能性があるため、年齢を省いて記事を書かざるを得なかった。

 矢板の指摘が事実だとして「中国も何だかなあ」と思う反面「矢板も何だかなあ」と思いますね。
 「誕生日くらい公開すればいい*4のに(誕生日を公開しないなら年齢くらい公開すればいいのに)」と思う反面「年齢ってそんなに重要な情報か?、矢板」とも思います。正直「日本でアレ、外国でアレ」大まかな年齢ならともかく「57歳か58歳か」なんて細かいところまでは俺は気にしませんが。
 政策に関係ないんだから気にする必要もないでしょう。

 しかし、李克強*5首相の誕生日が「1955年7月1日」であることははっきりしている。それをばらしたのはインドのモディ首相である。2015年7月1日、モディ首相は自身のツイッターに「中国の李首相、お誕生日おめでとうございます」と書き込んだことが、インターネット上で話題となった。

 よくわからないですね。海外首脳になら気軽に誕生日を話していいのか。

 中国の指導者の誕生日がなぜ公表されないのか。その理由も明らかではないが、共産党幹部の間で、2説あるという。
 一つは、汚職防止のためだという。業者や部下らが誕生日プレゼントという名目で、金品などの賄賂を贈ることを避けるため、誕生日を伏せているという。しかし、この説はあまり説得力がない。中秋節や正月などに贈り物をすればいいだけの話で、誕生日を隠しても意味がない。
 もう一つの理由は「呪われることが怖い」らしい。

 この科学万能時代に「年齢など個人情報を知られると、呪いをかけられる」と思う人もいないと思いますけどね。「汚職防止論」以上に説得力がないでしょう。矢板は「共産党は科学的合理主義が建前のはずなのに呪いを恐れるなんてださい」と言いたいが故に勝手にこの説を「信頼性ある説」としたいようですが。

 毛沢東*6周恩来*7ら新中国の建国に関わった共産党の指導者たちは、みな徹底的な無神論者だった。彼らの誕生日を、年配の中国人ならほとんどの人は知っている。存命中から「生誕○○周年」の記念行事が行われたり、記念切手が発行されていたりしたからだ。

 これから書くことは俺の思いつきに過ぎず「根拠があるわけではない」ですがこの「記念行事云々」という矢板の文章からは「誕生日秘密主義」の理由として、文革的事態を防ぐための「個人崇拝阻止」が考えられるんじゃないかと思いますね。


■アルゼンチン大統領選で右派野党候補当選と報道
http://www.sankei.com/world/news/151123/wor1511230014-n1.html
 小生はどちらかというと「左派より」なので残念ではあります。ただ「中道右派野党が約53%、中道左派与党が約47%」ですからね。僅差での敗北とまでは言えませんが大敗したわけではない。今後の巻き返しに期待したいところです。

当選が確定すれば12年間続いた反米左派政権が幕を閉じる。

 ぶっちゃけ「反米ではない」と思いますけどね。「米国のキューバ制裁に同意しないなど、米国に距離をおいていただけ」であって。最近の日本メディアは「米国にへいこらしないと反米だ」という歪んだ認識のようです。安保法反対デモや「沖縄の基地反対運動」も「反米運動」扱いしてるのかも知れません。

来月議会選を迎えるベネズエラなど周辺の左派諸国にも影響がありそうだ。

 別の国ですからねえ。どうですかねえ。単に「米国にへいこらしたがる、そして左派が嫌いらしい日本右派メディア(ちなみにこれは共同通信配信記事です)の願望が出てるだけ」と思いますが。
 また「左派」といったところで「共産国キューバ以外」は「フランスのオランドや北欧三国などと同レベル」のつまり「中道左派社民主義」でしかありません。


■【拉致再調査】中山恭子元拉致担当相「絶対に帰させないという北朝鮮の宣言」ストックホルム合意文書を批判
http://www.sankei.com/affairs/news/151123/afr1511230005-n1.html
 再調査と書いてある合意文書をどう読めばそう理解できるのか。これが「元外交官(元ウズベキスタン大使)」だと言うのだから頭痛がしてきます。まあ、夫が「あのトンデモ右翼・中山成彬*8」という中山恭子がまともな人間だとは思ってませんがあまりにも酷い。

中山氏が合意文書で特に問題視するのは北朝鮮側が実行する項目として記されている次の点だ。
 《拉致問題については、拉致被害者及び行方不明者に対する調査の状況を日本側に随時通報し、調査の過程において日本人の生存者が発見される場合には、その状況を日本側に伝え、帰国させる方向で去就の問題に関して協議し、必要な措置を講じることとした》

意味がわからないですね。「帰国させる方向で協議」なのに何で「絶対に帰させないという北朝鮮の宣言」なのか。

北朝鮮と対峙するのは、警察であり、公安であり、場合によっては防衛省まで入れた形で官邸が首相直轄でことを運ばないと無理だとずっと(政府に)申し上げてきた

 何のために防衛省が入るのか。荒木みたいに「レンジャー部隊で救出する」とかほざくのか。
 防衛省も「外務省は何であんなバカ、外交官に採用したんだよ」「自民党は何であんなバカ、議員にしたんだよ」と心底呆れ憤激していることでしょう。


■【話の肖像画ケント・ギルバート(1) 「無責任な自称・保守は極左のことを笑えない」
http://www.sankei.com/premium/news/151123/prm1511230008-n1.html
 「無責任なのは日本ウヨとつるんで南京事件否定論河野談話否定論垂れ流す手前だろ」「手前はテキサス親父の二番煎じに過ぎないだろ」つう話です。まあ、「商売右翼の先輩」ペマ・ギャルポやテキサス親父なんかと同じでギルバートは「ただの商売右翼」でしょうが。1980年代、「大橋巨泉世界まるごとHOWマッチ(1983〜1990年、TBS)」*9に良く出ていた頃がこの男の「テレビタレント全盛期」ですがこの時期は今と違ってこんなウヨじゃないわけです。日本では売れっ子になりたかったら政治的発言はしない方がよろしい。特に1980年代なんて「南京事件否定論レベル」の非常識ウヨ発言なんかしたら一発でテレビに呼ばれなくなります(不幸なことに、最近はたかじんのウヨ番組の悪影響などで、そうでもないようですが)。
 まあ、今この男をテレビではまず見ませんからね。むしろお笑いコンビ「パックンマックン」の「パックン」やワタナベエンターテイメント(昔のワタナベプロ)所属のお笑い芸人「厚切りジェイソン」などの他の外人タレントの方がずっとよく見ます。「芸がないタレントが落ちぶれ、ウヨ商売に走った」のがギルバートに過ぎません。

 保守論陣の一翼を担うようになったと認識され始めたのは、昨年8月に朝日新聞慰安婦問題に関する報道で誤報を認めてから

 つまりはこの時期から本格的な「商売右翼活動」に乗りだしたわけです。
 ちなみにウィキペディアケント・ギルバート」に寄れば

・2015年に『まだGHQの洗脳に縛られている日本人』(2015年6月、PHP研究所)を出版
・2015年10月22日、アパ日本再興財団による『第8回「真の近現代史観」懸賞論文』の最優秀藤誠志賞を受賞

だそうです。ついにギルバートも完全にアッチの世界に行ったわけです。


■【東アジア首脳会議】「完勝だ!」 3年越し…安倍首相、南シナ海対中包囲網」に成功
http://www.sankei.com/politics/news/151123/plt1511230007-n1.html
■【主張】東アジア首脳会議 中国抑止へ圧力継続せよ
http://www.sankei.com/column/news/151123/clm1511230002-n1.html
 何も南シナ海問題だけが首脳会議のテーマじゃあるまいに、全く安倍も産経もどれほど中国を敵視すれば気が済むんでしょうか。何でそんなに中国敵視だかさっぱり分かりません。反共意識か。領土問題(尖閣問題)か。歴史認識問題か。はたまた「急成長する中国に日本の地位が脅かされてる」という恐怖感か。戦前からの「チャンコロ」云々という中国蔑視感情か。それともそれら全てか。
 しかもそんな「敵視する中国の爆買い」にかなりの程度日本の景気は支えられてるのだから全く皮肉です。


産経抄『人気取りの風水政治』
http://www.sankei.com/column/news/151123/clm1511230004-n1.html
 最近なくなられた金泳三・元韓国大統領を「反日政治家*10だった」と悪口雑言してるだけの駄文です。
 産経が非常識なのはよくわかってるつもりでしたが『故人に対し、ただただ悪口雑言(批判などと言うレベルではない)』つうのには度肝を抜かれました(宮本顕治氏死去の時も似たり寄ったりの無礼をしていましたが。金大中元大統領の死去時も同様の無礼を働いていた気がします)。
 そしてここからは、産経の「死ねば神様仏様」として靖国神社へのA級戦犯合祀を正当化する理屈が全くのデマ、詭弁だと分かります。
 産経は「A級戦犯が好きだから擁護してる」だけのわけです。本当に「死ねば神様仏様」なら金泳三・元大統領の死にたいして悪口雑言をはきかけるなんて無礼がやれるはずはない。 
 「俺が好きなA級戦犯は死ねば神様仏様だけど、大嫌いな金泳三は死んでも罵倒する」なんてただのご都合主義じゃないですか。

大統領の5年間にわたる政権下で、日韓関係は最悪の状態に陥った。

 金泳三政権時(1993〜1998年)には「慰安婦問題」が表面化しています(河野談話が出たのが1993年)。
 とはいえ産経が言うほどの「最悪の状態」でもないでしょう(つうか産経の場合「日本の韓国植民地支配」を正当化する大統領でなければ金泳三氏に限らず、金大中氏、盧武鉉氏、李明博氏、朴クネ氏であれ、反日のわけですが、そんな大統領はいるわけもなく論外の話です)。今の安倍政権と違い、当時の宮沢、細川、羽田、村山、橋本内閣は、「過去の反省が十分だったかはともかく」韓国を敵視し戦前を美化するような反動極右内閣ではなかったからです。日本の政治も全く劣化してしまったもんです。
 さて産経の罵倒文章とは違う「それなりに」まともな追悼文章も紹介しておきましょう。

http://toyokeizai.net/articles/-/93703
東洋経済『韓国・金泳三元大統領が死去、その功罪とは?、反軍部独裁・民主化運動に献身』(福田恵介)
 韓国の金泳三(キム・ヨンサム)元大統領が22日未明、ソウル市内の病院で死去した。87歳だった。
(中略)
 長期間の軍部独裁政権が経済分野で残した悪弊やひずみを解消しようとしたのは、今でも韓国内で評価されている。たとえば財閥との政経癒着や地下金融、国民に不利で合理性のない規制などの慣行やシステムを、「民主化」の名の下に全面的に切り替えようと努力した。
 その指針となったのが、「新経済」(新経済5カ年計画)という経済政策であり、その嚆矢が「金融実名制」だった。「金融実名制なしには、政治と経済の黒い癒着が断絶できず、活力あふれる資本主義も花開かない」と、強い意志を持って実行した。
(中略)
 金泳三氏の「新経済」は、政府主導の経済から民間主導の経済への道を切り開くものだった。「規制を緩和し、企業は自由に活動できる経済」がその核心だった。規制緩和によって民間の活力を増し、それが経済運営の効率化と生産性を高めようとするものだった。
 実際に、任期中の経済成長率は1995年の9.57%をピークに平均で7%後半と相対的に高い成長を実現した。とはいえ、その高成長率に惑わされ、経済構造には政策の不備による副作用が蝕みつつあった。開発独裁と言われた国家主導の経済政策を変えようとすれば、政府主導から民間主導への過渡期に必要とされる十分な補完措置が少なかった。
 特に、よかれと考え実施した金融機関からの借り入れ規制緩和は、財務の健全性が当時から低かった韓国企業の借り入れを急激に増やし、一方で政府は金融の監督・管理機能を失うことになった。当時、韓国の主要企業の債務が資本の4倍以上に達していたほどだ。これが1997年のIMF危機の導火線となったとも言える。

http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2015/11/23/2015112301236.html
朝鮮日報『「文民化」「歴史立て直し」…韓国現代史の巨星・金泳三の歩み』
 93年2月25日、大統領に就任したその日に大統領府(青瓦台)前の道とソウルの仁王山を開放する措置を取り、2日後には自身と家族の資産(17億7822万ウォン)を出し抜けに公開した。「これは歴史を変える名誉革命」と、政府高官らの資産公開も進めた。就任前まではゴルフ愛好家だったが、大統領府に入った後は「任期中はゴルフをしない」と宣言。これは官僚に対する「ゴルフ禁止令」につながった。大統領府と党、内閣を自身の側近で固め、就任1週間後には他人名義での金融取引を禁止する「金融実名制」の導入計画も発表した。
 就任から9日後の3月6日には、陸軍参謀総長や機務司令官など軍内部派閥「ハナ会」の勢力を一挙に追放する人事を断行した。金元大統領は後に「私がハナ会を解散させなかったら、金大中盧武鉉大統領は誕生し得なかっただろう」と振り返り、軍事政権に終止符を打ち「文民化」を果たしたことを自身の最大の業績に挙げた。
 金融実名制は93年8月の大統領特別談話を通じて断行された。在任初期の改革措置は不動産取引実名制、地方自治選挙の実施などにつながり、就任直後の支持率が90%を超えるなど国民の間で人気が急上昇した。

http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2015/11/22/2015112201580.html
朝鮮日報『金泳三元大統領死去 文民時代を開いた韓国政界の巨星』
 「ニワトリの首をひねっても夜明けはやってくる」。
 韓国の軍事政権時代だった1979年、当時野党新民党の総裁だった金泳三(キム・ヨンサム)元大統領が独裁体制を批判して国会から除名された際に残したこの一言は、長きにわたり民主化を望んだ国民の心に深く刻まれた。
 正しい道だけを歩むとの「大道無門」を座右の銘にしていた金元大統領が22日未明、入院先のソウル市内の病院で死去した。87歳だった。
(中略)
 大統領就任後は初の文民政権として、軍内部の私設組織「ハナ会」を解散させるなど軍改革を強く推進した。当時、処分を受けた将軍は50人に達したほどだ。
 また、「歴史立て直し」の一環として、全斗煥氏、盧泰愚氏ら歴代大統領を次々と逮捕し、軍事政権の責任を厳しく追及した。
 小学校の名称を「国民学校」から「初等学校」に変えたほか、「植民地支配の象徴」とされる旧朝鮮総督府庁舎なども撤去させた。
 金融・不動産の実名制導入、腐敗根絶などを通じ、社会システム全般を大きく向上させ、90%に達する支持率を得たこともあった。

http://japanese.joins.com/article/699/208699.html
中央日報『<金泳三元大統領死去>就任後に辣腕振るい改革…執権後期にはIMF救済金融』
 金元大統領は1993年2月25日に大統領に就任した。(ボーガス注:朴チョンヒが実権を握った)1961年の5・16軍事クーデター以降31年間続いた軍事政権を断ち文民時代を開いた。彼は就任と同時に改革の刃をはばかることなく振るった。軍改革は目玉だった。彼は軍を掌握していた「ハナ会*11」を解体した。ハナ会は(ボーガス注:全斗煥が実権を握った)1979年の12・12クーデターを主導し、要職をすべて掌握していた。周辺では「中途半端な接近」を止めたが彼ははばからなかった。軍の大型不正も次から次へと暴いた。高位公職者も改革対象だった。彼は高位公職者の不正腐敗を防ぐという趣旨で1級以上の公職者の財産を公開するよう義務化した。不正な金の流れを防ぐとしてだれも予想できなかった時代に「金融実名制」を電撃導入した。
 こうした一連の改革は世論の大きな呼応を受け、支持率は90%を超えたりもした。「歴史立て直し」も彼が掲げた主要な課題だった。朝鮮総督府の建物だった中央庁を撤去した。全斗煥盧泰愚元大統領に対しては不正腐敗と12・12クーデターに対する罪を問うた。1995年に検察が捜査を着手し2年後の1997年に大法院(最高裁に相当)は全元大統領に対しては無期懲役と追徴金2205億ウォンを、盧元大統領に対しては懲役17年と追徴金2628億ウォンの刑を確定した。
 しかし執権後半期は平坦でなかった。1997年初めには韓宝鉄鋼、起亜自動車など大企業の不渡りが相次いだ。寵愛した二男の金賢哲氏の権力型不正が次々と明らかになり、金元大統領は対国民謝罪声明を発表する辱めを受けた。1997年後半には国家不渡り事態が発生しIMFから救済金融を受けることになった。

http://www.jiji.com/jc/zc?k=201511/2015112200013
時事通信『金泳三元大統領が死去=民主化運動主導、軍政の不正追及−韓国』
 韓国の金泳三元大統領が22日午前0時22分(日本時間同)、敗血症と急性心不全のため、ソウル市内のソウル大病院で死去した。87歳だった。同病院が発表した。ライバルでもあった故金大中元大統領と共に民主化運動を主導し、大統領就任後は過去の軍事政権下の不正を追及した。
(中略)
 93年の大統領就任後、軍の改革と不正摘発を進め、95年には盧、全両大統領経験者が(ボーガス注:大統領在任中の不正蓄財や光州事件での民衆弾圧を理由に)相次いで逮捕された。96年には韓国の経済協力開発機構OECD)加盟を果たした。

http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM21H56_R21C15A1MM8000/
日経新聞『金泳三・韓国元大統領が死去 民主化運動を主導
 韓国の金泳三元大統領が22日未明、ソウル市内の病院で療養中に死去した。87歳だった。1993年から5年間、文民政権を率い、軍事政権に終止符をうった。軍改革のほか、他人名義での金融取引を禁止する金融実名制導入など不正・腐敗の追放にも取り組んだ。

*1:矢板の指摘だけでは「国家機密とは言えない」と俺個人は思います。「中国政府が積極的に公開しない」だけでなく「誕生日を公開した場合、それだけで機密漏洩行為として処罰対象になる」のでない限り。

*2:福州市党委員会書記、福建省長、浙江省党委員会書記、上海市党委員会書記、国家副主席、党中央軍事委員会副主席、国家中央軍事委員会副主席などを経て現在、国家主席、党総書記、国家中央軍事委員会主席、党中央軍事委員会主席

*3:重慶市党委員会書記、広東省党委員会書記などを経て副首相

*4:もちろん「公開することによる弊害が思いつかないから」ですが。

*5:中国共産主義青年団共青団)中央書記処第一書記、河南省党委員会書記、遼寧省党委員会書記、第一副首相などを経て首相

*6:中国共産党主席

*7:中国首相

*8:小泉内閣文科相麻生内閣国交相を歴任

*9:今の若者は「大橋巨泉なんか知らないんだろうなあ」と思うと自分がオッサンになった事を実感します。

*10:金政権後期の「次男の金銭スキャンダル(李明博政権でも、李氏の実兄のスキャンダルが出たようにこうした政治とカネ問題は韓国でも日本同様珍しくないわけです)」「いわゆるIMF危機」を産経が罵倒ネタにしないのは興味深いところです。

*11:朴チョンヒ、全斗煥軍事政権を支えた軍内部の私的結社。