今日の産経ニュース(11/29分)(追記・訂正あり)

■中国、仏誌女性記者を個人攻撃 ウイグル政策批判で 中国外国人記者クラブが非難声明
http://www.sankei.com/world/news/151129/wor1511290024-n1.html
 まあ、記事が事実だとして「フランス人記者の態度」にはやれやれですね。「中国の態度の是非」「非難声明の評価」とは関係なくこのフランス人記者には呆れます。

ウイグル族中国当局の衝突は、中国政府の少数民族に対する抑圧的政策が原因であり、パリ同時多発テロなどとは性質が違うと指摘した。

て本当にそういえるのか。中国社会はイスラムに抑圧的だが、フランス社会はイスラムに対して抑圧的でないと本当に言えるのか。あまりにも「フランスの現状」について無反省、無責任ではないのか。そういう態度がテロを助長してるのではないのか。
 そして中国に対して明らかに偏見の眼で見ているのではないか。


臨時国会見送りで与野党攻防、閉会中審査へ
http://www.sankei.com/politics/news/151129/plt1511290030-n1.html
 本当に「安倍政権が国民に積極的に支持されてる」と安倍ら自民党執行部が思ってたら喜んで臨時国会を開くでしょう。開かないこと自体が「開いて野党にボコボコにされたらどうしよう」とびびっていることの表れであり、「積極的に支持されてないことの自覚」であり「とにかく今年は適当にやり過ごして来年なんとかしよう」という話のわけです。


■「何度見ても胸を打たれる」 ミズーリへの特攻の動画を発見 大分・宇佐市塾 来春にも公開へ
http://www.sankei.com/west/news/151129/wst1511290070-n1.html
 普通の人間は「まだ生きたかったろうに特攻なんかさせられて本当にかわいそう」「もう二度とこういう事はしてはならない」と言う意味で「胸を打たれる」わけですがなにせ相手はあの産経です。
 「そう言うまともな話じゃないんだろうな」と言うことは想像がつきます。


■日本国旗の盗難、落書き…サイパンの慰霊関連施設、相次ぐ嫌がらせ 中国人客急増「手がつけられず」
http://www.sankei.com/life/news/151129/lif1511290033-n1.html
 産経らしいくだらない反中国記事です。「中国語の落書き」はともかくそれ以外は中国人客の犯行と疑う理由はどこにもないし「中国語の落書きにしたって」それを理由に中国人客を排除するのは「人権的な意味(不当な中国人差別の疑い濃厚*1)」でも「商売的な意味(中国人客の落とすカネは無視できない)」でも到底できることではないでしょう。結局、監視を強める以外には手はないでしょう。


■【2020東京五輪森喜朗*2会長、大いに語る「いったいどれくらい経費がかかるかわかりません」
http://www.sankei.com/premium/news/151129/prm1511290032-n1.html

日本中の皆さんが大変、喜んでくれた。あるメディアによると、全ての日本人が喜んで、『バンザイ、バンザイ』と言ったのは、日露戦争以来だったそうです。

 戦争関係に限っても「万歳、万歳」は「真珠湾攻撃の大戦果」があるんじゃないのとか、「前回の東京五輪」も「大会でのメダル獲得」で『万歳、万歳』じゃないのとか思いますがそれはともかく。こういう事を言えばこのご時世、国際社会から「森は日露戦争を賛美する右翼か?」「森は安倍の元親分だからな」「森のような極右が東京五輪関係で要職務めるなんて日本はふざけてる」などと「国際社会(特に日本の侵略被害国である中国や韓国、東南アジア)」に認識され反発されかねないところに思いが及ばないのは困ったもんです。さすが首相時代に神道政治連盟相手の演説で「神道政治連盟に受けたい」と言う思いから「日本は天皇を中心とする神の国」といって批判を浴びた前科がある方です。

「2009年にコペンハーゲン*3(で行われたIOC総会)で、残念ながら負けました。私もコペンハーゲンに行っておりましたが、無残な負け方でありました。いろいろと勘案してみると、どうも支持率がよくないと。IOCが調査機関を通して調べたようでありますが、日本の支持率がなかなか上がらない。日本人が興味が持たない、東京でも支持率が上がっていないと。それを聞いて、都議会のみなさんが、投票を集めるのはおてのものですから、大変な努力をしていただいた結果、たしか支持率が47%から最終的には77%になったと。まさに地方の議会の皆さんが世界を動かして、五輪が決定されたわけです」

 「都議会のみなさんが、投票を集めるのはおてのものですから、大変な努力をしていただいた」って、支持率の低さを問題視するIOCを丸め込むために都議会がインチキまがい、詐欺まがいの方法で数字だけ上げてみたと自白してるようにしか聞こえないんですが。「投票を集めるのはおてのもの」というのはそのようなインチキ行為の自慢としか理解できないでしょう。どういうインチキをしたのかは知りませんが。


■「南京大虐殺の証拠ないと発信を」歴史捏造を正す国民会議が集会
http://www.sankei.com/world/news/151128/wor1511280056-n1.html

山田宏・元次世代の党幹事長は「国が責任を持って国際社会で発言してほしい」と述べるとともに、大虐殺があったとの誤解を国内に広める連載記事を書いた朝日新聞本多勝一*4記者(当時)の国会招致を求めた。

1)本多氏が報じる前から事件発生直後に外国人記者(NYタイムズのダーディン、AP通信のティンパリーなど)が報じてること
2)戦後の戦犯裁判で南京事件当時の現地軍幹部・松井石根(当時、中支那方面軍司令官)と谷寿夫(当時、第6師団(熊本)師団長)に「南京事件を理由に」死刑判決が出ていること
はウヨ連中は平然と無視する気のようです。
 なお、松井を裁いた東京裁判には欧米が関わってるし、谷を裁いたのは中国の軍事法廷ですが当時の中国は「中華民国蒋介石政権)」です。
 南京事件否定論など、松井や谷が裁かれたことで「事件の詳細など細かい部分」はともかく、その「実在性や違法性」といった「大枠の話」については「事件は実在したし違法である」ということで片がついている*5のに、「実在性が怪しい」「違法か疑問」などとして蒸し返したら「なら松井や谷が冤罪だというのか」と反発するのは当然ながら「中華人民共和国にはとどまらない」ということです。
 しかし中国の「南京事件資料ユネスコ世界記憶遺産登録申請」は安倍政権誕生に「我が世の春が来た」と頭に乗るこうした歴史捏造主義ウヨへの牽制であり、中国にとっては
1)申請&登録によって日本のウヨが「国際社会を敵に回せない」として黙れば御の字
2)黙らずに南京事件否定論など、無茶苦茶を言えば「国際社会に日本ウヨの無茶苦茶を批判すること」ができこれまた御の字
のわけですがまさか本当にここまで日本ウヨがバカだとは中国も思ってなかったんじゃないか。
 なお、興味深いのはこの集会参加者には山田の他には政治家としては「松原仁」の名前しか出てこないことです。自民党議員からは出席がなかったんでしょうか?

*1:そもそもほとんどの中国人客はまともでしょうし。

*2:中曽根内閣文相、自民党政務調査会長(宮沢総裁時代)、宮沢内閣通産相、村山内閣建設相、自民党総務会長(橋本総裁時代)、幹事長(小渕総裁時代)などを経て首相

*3:デンマークの首都

*4:本多氏の南京事件関係の著書としては『中国の旅』(1981年、朝日文庫)、『南京への道』(1990年、朝日文庫)、『天皇の軍隊』(共著、1991年、朝日文庫)、『本多勝一集〈23〉南京大虐殺』(1997年、朝日新聞社)、『本多勝一集〈24〉大東亜戦争と50年戦争』(1998年、朝日新聞社)、『南京大虐殺・歴史改竄派の敗北:李秀英名誉毀損裁判から未来へ』(共著、2003年、教育資料出版会)、『南京大虐殺と日本の現在』(2007年、金曜日)、『南京大虐殺と「百人斬り競争」の全貌』(共著、2009年、金曜日)。

*5:そう言う意味では「裁判でほとんど裁かれなかった慰安婦(ただしスマラン事件など裁かれた事件も一部ありますが)」以上に否定論に分が悪いのが南京事件です。