今日の産経ニュース(11/30分)(追記・訂正あり)

■安倍首相 トルコ大統領と会話 「私にできることあれば、プーチン*1に伝達する」
http://www.sankei.com/politics/news/151130/plt1511300020-n1.html
 何故安倍がこういうかといえば「シリア問題に絡んでロシアの軍用機をトルコが撃墜したから」です。
 この件についてのロシアとトルコの言い分は食い違い、俺のような素人には何が何だか分かりませんが、とにかく今、プーチン大統領は「トルコの謝罪を求める」として対トルコ経済制裁を発動しました。

参考
スプートニク日本
■『露首相:ロシアの対トルコ制限措置のリストは、必要に応じて拡大される可能性がある』
http://jp.sputniknews.com/politics/20151130/1251176.html


 トルコ、ロシアともお互い拳を振りかざして、「どっちが先に拳をおろすか」というチキンゲームになってると思います。たぶんトルコも、ロシアにわびることは面子の問題でしたくないが、「いつまでも制裁を食らいたくない」。一方、ロシアもトルコのわび無しで和解することは面子の問題でできないが「いつまでもトルコともめたくない」。
 で「トルコも大変ですね。私がプーチンとの仲を取り持ってもいいですよ(安倍)」つう事になるわけですが実際に安倍はそう言うことをやる気あるんですかね。まあ、「やる気があって」、実際にトルコとロシアの和解を取り持って成功すれば安倍の国際的評価も高まるでしょうが「言うだけ番長(?)」だったら話にならないでしょう。
 トルコのエルドアン大統領は「ご好意に感謝する」と安倍に言ったそうですが
1)本気で安倍に期待してるのか
2)期待してないけど安倍への社交辞令として感謝の言葉を言った。安倍の工作が失敗してもマスコミ報道で「感謝発言」がプーチンに伝わればロシアとの関係改善に役立つだろうと思った
のかは不明です。


■【GPIF赤字7・8兆円】世界同時株安直撃 13年以降最大の赤字幅
http://www.sankei.com/politics/news/151130/plt1511300017-n1.html
■【GPIF赤字7・8兆円】株式比率拡大が裏目 将来の年金給付に影響も(今井裕治)
http://www.sankei.com/life/news/151130/lif1511300048-n1.html

http://www.sankei.com/politics/news/151130/plt1511300017-n1.html
 厚生年金と国民年金の積立金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は30日、平成27年7〜9月期の運用結果が7兆8899億円の赤字だったと発表した。四半期ベースの赤字額としては平成13年度以降で最大。中国の景気減速懸念などで、国内外の株価が低迷したことが影響した。足元は株価の持ち直しで採算は改善基調にあるが、株式の比率を高めた運用のリスクが、改めて浮き彫りになった格好だ。
(中略)
 7〜9月期は国内株式が4兆3154億円の赤字、外国株式が3兆6552億円の赤字だった。利回りは国内株式がマイナス12・78%、外国株式がマイナス10・97%。GPIFは「8月以降の中国の景気減速懸念などに端を発した株価下落が影響した」と説明した。
 9月末の積立金全体の資産構成割合は国内債券が38・95%、国内株式が21・35%、外国債券が13・60%、外国株式が21・64%。GPIFは運用益を増やすため昨年から国内株式と外国株式の比率を高めており、株安の影響を大きく受けた。
 (ボーガス注:ただしGPIFの説明では)10月以降は株価が回復基調にあり、最近の運用損益は、プラスに転じる傾向にあるという。
 GPIFの担当者は巨額の赤字について「短期的な運用結果を評価するのではなく、長いスパンで判断してほしい*2」と強調する。ただGPIFの運用結果が国内外の株式市場の動きに連動するようになったのは確かで、株式重視の運用リスクが顕在化し始めている。

http://www.sankei.com/life/news/151130/lif1511300048-n1.html
 年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が30日発表した7〜9月期の運用実績が7・8兆円もの“大損”となったのは、年金積立金の運用先を大幅に入れ替えたことが大きい。株価を重視する安倍晋三政権の強い意向を受け、安全資産とされる国債から、国内株式など変動の大きい資産の比率を大幅に拡大。その結果、株式市場の値動きに運用が左右される傾向が強まったのだ。
 運用損の拡大は将来の年金給付の削減につながりかねないだけに、今の運用方針に対して、批判が強まる可能性もある*3
 GPIFは昨年10月、運用方針の見直しを発表。国内株式と外国株式の構成比率をそれまでの12%ずつから各25%に上げる一方、国内債券は60%から35%へ大幅に引き下げる方向性を打ち出した。国内債券に偏った運用を見直し年金給付の原資を増やすことを目指すのが表向きの理由だったが、株価を重要指標と位置付ける安倍政権の意向を重んじたのは明らかだった。
(中略)
 国民の将来生活の基盤となる年金の運用は「長期で安全に損を被らない」形で行うのが基本のはず。
 菅義偉官房長官は30日の会見で「長期的に安全、そして効率的に運用していくことが大事だ」と強調したが、損失が生じるリスクを抱えたのは事実だ。

 ■拙エントリ『新刊紹介:「経済」12月号』(http://d.hatena.ne.jp/bogus-simotukare/20151115/5421309876)で紹介した「経済12月号」など少なくないアベノミクス批判派が以前から、危惧し、批判していたこと「アベノミクスの目指す株価上昇のためにGPIFの運用を安全な国債からリスキーな株式に大幅に転換させたことで年金財政に大幅な赤字が出かねない」が残念ながら「中国景気の低迷もあってか」現実の物として浮上しました。
 「あの産経でも経済部記者は割とまとも」なのでしょうが、あの安倍応援団・産経すら今回のGPIF大赤字に「政権が株価上昇のために、『リスキーな運用は年金資産を減らす危険がある、やめた方がいい』と言う批判を無視して、無理矢理運用先を安全な国債からリスキーな株に変えた*4からこういう悲惨な結果になった」「年金運用は危険な株式ではなく国債など、安全な資産運用で行うのが当然だ、今の政権は邪道だ」として安倍政権に一定の批判を行っています。まあ、さすがにこんな大赤字を「アベノミクス成功(株価上昇)のためなら大した問題じゃない、景気回復のためならこの程度の赤字は仕方がない」とか、「GPIFは最近は株価が持ち直してると言ってるからこの7.8兆円の赤字も後でリカバリーできると思う」などと真顔で言って安倍擁護できるのは産経記者でも「重度の安倍信者」阿比留ぐらいのもんでしょうが(その阿比留もこれが民主党政権の失態なら叩いているでしょうけど)。
 今回の件はどう見ても「言い訳のできない安倍政権の大失態」でありいい加減、マスコミも安倍をきちんと批判すべきだし、日本国民も目覚めるべきでしょう。安倍を野放しにしたら取り返しのつかない事になると言うことに。
 安倍政権は「今、赤字でもトータルでは増やせると思う*5、中国の景気も持ち直して、最近株価は安定してるから」と強弁してるそうですが、「ギャンブル依存症」の「次の勝負で取り返す」と同レベルで何の根拠もありません。仮に今後何とかリカバリーして増えたとしても「リスキーな運用で現時点で7.8兆円の赤字という過去最高の赤字を出したこと」は正当化出来ないと思います。


■「沖縄県民は日本国民だ。知事は誇りを傷つけた」 沖縄・照屋県議ら記者会見 詳報(上)
http://www.sankei.com/politics/news/151130/plt1511300015-n1.html
 一応「自民党沖縄県議」の照屋氏が登場したことによって「我那覇某」という例のチンピラ右翼は今後はフェイドアウトしていくんでしょうか。
 まずはこの「照屋氏」に対して沖縄自民や自民中央がどういう動きを見せるかがポイントでしょう。なにせ照屋氏の会見に同席した「仲村覚」なる人物は「幸福実現党関係者」との噂もある正体不明の怪しい人物です。いかに「自民党県議」とはいえ照屋氏の今回の行動は沖縄自民党もさすがに積極的には支持できず、だからこその「仲村との同席」なのでしょう。


■【内藤慎二の野党ウオッチ】大阪ダブル選で露見した「共産党アレルギー」の破壊力 志位氏の熱い視線に民主党は戦々恐々?
http://www.sankei.com/premium/news/151128/prm1511280026-n1.html
 非常に産経らしい反共記事ですが、橋下一派が敗北した「堺市長選」「大阪都構想住民投票」で既に「自共共闘」が成立していることを考えれば「共産党アレルギー」とやらが今回の敗北原因とは到底言えないでしょう。もちろん出口投票でのアンケート結果など何か「反共主義が選挙に大きく影響した」と言える根拠があれば、別ですが、産経にそんなものは何もないことは言うまでもありません。


■市発注工事の落札3日後、業者が寄付 唐津市長の自民党支部
http://www.sankei.com/west/news/151130/wst1511300065-n1.html
 寄付する方も受け取る方も常識がなさ過ぎでしょう。


正論大賞にジェームス・E・アワー氏 安保論考、初の外国人受賞
http://www.sankei.com/life/news/151130/lif1511300039-n1.html
 既に「李登輝辺りがもらってるか」と思ったら「初の外国人受賞」だそうです。
 しかし正論大賞なんて「日本ウヨの世界でしか通用しない賞」をよくアワー某ももらえるものだと呆れます。

*1:エリツィン政権大統領府第一副長官、連邦保安庁長官、第一副首相、首相を経て大統領

*2:さすがに赤字を居直れないので「長い目で見てくれ、最後は何とか取り返す」というわけです。

*3:おそらくこの記事を書いた記者は、もっとはっきり安倍批判したいところでしょうがなにせ産経は阿比留が出世するような会社ですので「批判が強まる可能性もある」と奥歯に物が挟まった書き方になるわけです。

*4:つまりはそう言う無茶苦茶な事をしないと株価が上がらないわけです。アベノミクスは完全に破綻したと言っていいでしょう。そしてこういう無茶をやる安倍には景気回復のまともな考えはなく「とにかく株価を上げて国民をごまかせばいい、だませばいい」という考えしかないことも明白です。

*5:さすがに赤字を居直れないので「何とか取り返す」というわけです。