今日の産経ニュース(12/26分)(追記・訂正あり)

■【岸田外相訪韓】少女像報道で韓国、在韓日本大使館幹部を呼び抗議
http://www.sankei.com/world/news/151226/wor1512260041-n1.html
 素直に考えれば
1)韓国政府が一言もそんな事言ってないのに何をとち狂ったか日本側が「韓国政府が撤去を検討」云々と日本メディアにリークし、慰安婦や支援団体が「我々に相談も無しに勝手なことを決めるな」と韓国政府を非難。韓国政府が「デタラメなリークしてんじゃねえぞ!」と激怒
2)韓国政府が「撤去を検討」と言ったのは事実。ただし「慰安婦や支援団体の了解を得るまでは表に出さないで欲しい」「現時点では案に過ぎないので必ず撤去できる保証はない」と伝えていた。しかし何をとち狂ったか日本側が「韓国政府が撤去を検討」云々と日本メディアにリークし、慰安婦や支援団体が「我々に相談も無しに勝手なことを決めるな」と韓国政府を非難。韓国政府が「俺に無断でリークしてんじゃねえぞ!」と激怒
のどっちかでしょう。
 まあ、どっちであれ「韓国政府を怒らすようで妥結すんのか?。妥結させる能力や意思が日本にあんのか?」「つうかこんな無様さで『対韓国外交に限らず』まともな外交なんかできるの?」て話ですが。


■【熊谷6人殺害事件】ペルー人・ナカダ容疑者が頭部の手術で別人に! 奇声・奇行はなくなったが「私はやっていない…」
http://www.sankei.com/premium/news/151226/prm1512260017-n1.html

 事件は熊谷市の地元住民だけでなく、日本で生活するペルー人にも大きな衝撃を与えた。
 約25年前から同県川越市で生活する和島エレナさん(38)は、事件当日にニュースを見て目を疑った。どのチャンネルやサイトを見ても「ペルー人が殺人」「ペルー人の凶行」という文字が躍る。「とてもショックを受けたし、初めて自分がペルー人だということを『恥ずかしい』と思いました。今まではずっと誇りに思ってきたのに」と表情を曇らせる。同時に「アメリカ人や中国人が同じことをしたとしても、ここまで『どこの国の人間か』が騒ぎになっただろうか」と疑問も残っている。
 インターネット上の中傷にも傷ついたが、高校生の長女の行動に救われたという。
 「いま玄関の鍵開いててママが『鍵開いているとペルー人入ってくるよ〜』って(笑)」。ツイッターで見つけたこの書き込みに対し、長女は「日本でペルー人が人殺したらペルー人みんな悪いの?って事は、日本で日本人1人が誰か殺したら日本人みんな殺人犯って事と同じですけど?ふざけんなーw」と返した。相手からの返答はなかったという。
 「ただ、長女のようにハートの強い人ばかりではない。何も言い返せず泣き寝入りをしている人もいる」とため息をつく。

 ペルー人差別を助長しかねないような報道はやはり問題でしょう。


■男女平等の大学トップ10に名古屋大 国連が選出、日本から唯一
http://www.sankei.com/life/news/151226/lif1512260025-n1.html
 この記事を読んで、無意識のうちに「こういうランキングやったら日本だと、東大、京大、阪大、慶應、早稲田辺りが入るんだろうな」と思ってたことに気付かされました。まあ、ある種の偏見ですね。「名古屋大?」と意外性を感じました。


■【日々是世界】米国内を二分する「少数人種優遇措置」 火付け役は最高裁判事 リベラル派反発も、根強い「白人逆差別論」
http://www.sankei.com/premium/news/151226/prm1512260025-n1.html

「可能な限り多くの黒人学生を受け入れることが大学にとって良いことだという理屈が成り立つとは思わない」
 今月9日、テキサス大オースティン校の入学選考の合憲性をめぐる連邦最高裁の口頭弁論で、アントニン・スカリア*1判事(79)がこう発言し、アファーマティブ・アクションの議論に火を付けた。
 米メディアによると、スカリア判事はさらに、黒人学生が難関大のテキサス大に入って授業についていけなくなるより、良い成績が残せるような大学に進んだ方がよいのではないかと発言。「多くの黒人の科学者は、テキサス大のような大学を出ていない。彼らはもっとレベルの低い大学の出身だ」とも語ったという。
 保守派として知られるスカリア判事は、アファーマティブ・アクションにも否定的とされる。こうした発言に、早速かみついたのはリベラル系の議員だった。民主党のハリー・リード*2上院議員(76)は「人種差別的な考えだ」と批判。さらに、イスラム教徒の入国禁止を唱えた、大統領選で共和党候補の指名獲得を目指すドナルド・トランプ氏(69)の名前まで出し、「トランプ氏とスカリア判事の違いは、スカリア判事が法服をまとい、生涯を約束される地位*3があることだけだ」と断じた。引き合いに出されたトランプ氏も「黒人社会にとって、スカリア判事の発言はとてもつらい」と批判。

 差別者のトランプなら「私もスカリア判事に賛同する」と言うかと思いきや「批判」だそうです。
 「アファーマティブアクション否定論」より「イスラム教徒の入国禁止希望」などトランプの過去発言のほうがよほど「露骨な差別」だと思いますがトランプの考えは違うんでしょうか。


■【新大河・真田丸】幸村ではなく信繁が主人公 三谷幸喜氏「ひょっとしたら今作では大坂勢が勝つかも…」
http://www.sankei.com/premium/news/151226/prm1512260012-n1.html
 真田幸村の方が通りがいいですが歴史研究の成果で「幸村は後世の創作で本当は信繁が正しいらしい」ことがわかっています。三谷氏曰く「大河は歴史に忠実に信繁の名前でやる」んだそうです。
 当然、架空の存在である「真田十勇士(猿飛佐介、霧隠才蔵など)」も出てこないと。 


パナソニックが中国で車載用電池工場 数百億円投資、2017年稼働目指す
http://www.sankei.com/west/news/151226/wst1512260065-n1.html
 さんざん中国経済崩壊論を唱えてきた産経ですが、日本企業はそうは考えてないんだという話です。
 記事に寄れば中国の大気汚染が酷いため「環境意識の高まりからハイブリッド車や電気自動車が注目される」と考えての「車載用電池工場」だそうです。


■【メガプレミアム】“疑惑のデパート”メキシコ高速鉄道が“脱線” キレた中国「金返せ!」
http://www.sankei.com/west/news/151226/wst1512260002-n1.html
 「2015年2月23日掲載記事の再掲」だそうです。どうせ再掲するのなら「その後の動向」も書いてくれるとありがたいんですが(ググって見ましたがよく分かりません)。
 産経記事に寄れば次のような流れです。
1)中国企業がメキシコの高速鉄道を落札
2)しかしペニャニエト*4大統領、ビデガライ財務相が当の中国企業から多額の賄賂を受け取って「なあなあのインチキ入札」で中国企業に落札させた疑惑が発覚、野党やマスコミが追及
3)進退窮まった大統領。「確かに疑惑がある」と認めれば「自分と財務相引責辞任」は避けられない。しかし鉄道を強行すれば批判はエスカレート。財政難を口実に建設を白紙に。
4)しかし収まらないのは中国側。「疑惑が事実でないというのなら大統領は建設を中止するな」と猛抗議。中止が避けられないのなら「違約金を払ってくれ」と要求
だそうです。アンチ中国の産経にとっては「真偽不明だが中国のスキャンダルが出てメシウマ」といったところでしょうか。


■【編集者のおすすめ】「拘束覚悟」で取材重ねる 『中国崩壊後の世界』*5三橋貴明*6
http://www.sankei.com/life/news/151226/lif1512260012-n1.html
 こんな反中国ウヨの駄本を「天下の小学館」が出版したというのだから呆れますね。大体中国経済が崩壊したら「中国への輸出や中国人観光客」に依存するところが大きい日本経済も大ダメージなんですが。
 もちろん三橋の反中国本を出版する一方で小学館は「ドラえもんなどのマンガビジネス」で中国進出してるわけで三橋はともかく「お前ら中国崩壊なんてかけらも思ってないだろ、ウヨ商売してるだけだろ」と小学館のインチキ商売には実に不愉快です。

【追記】
 三橋のトンデモ本についたアマゾンレビューを紹介してみましょう。

『中国との貿易をやめても、まったく日本は困らない!:中国経済の真実』
 中国との貿易をやめたらどうなるのか、子供でも考えつく問題が発生する。
(1)百均の品数が激減する
 百均のお店はサプライヤーをすぐに変えることはできないから当然です。
(2)日本での中国人の爆買いが無くなる
 アキバの家電街、家電メーカーなどは大打撃
(3)中国に進出しているメーカーが大損失を被る
 簡単に撤退できないことは常識
こんなことも分からないのだろうか?


■中国のウイグル政策批判の仏誌女性記者が国外退去へ 中国外務省が名指し糾弾
http://www.sankei.com/world/news/151226/wor1512260006-n1.html

 女性はウルスラ・ゴーティエ記者。11月に電子版の記事で、ウイグル族中国当局の衝突は、中国政府の少数民族に対する抑圧的な政策が原因で、パリ同時多発テロとは性質が異なると指摘した。

 中国の国外退去処分(予定)は不当だという前提でのことですが産経記事が事実とすれば、この女性記者は酷いですよね。
 何を根拠に「中国のウイグルテロとパリテロは違う」というのか。「手前の国だって、ルペンという差別者がでかい面してるだろ」「そういう勘違いがテロを助長するんじゃないのか」と説教したくなります。


■【岸田外相訪韓】元慰安婦支援で日韓“折半”出資案が浮上 韓国の蒸し返しを封じる狙い
http://www.sankei.com/politics/news/151226/plt1512260001-n1.html
 仮にこの産経の記事が事実として「カネで黙らせる」程度の事しか安倍は考えてないでしょう。だからこそ韓国が受け入れるかははなはだ疑問*7ですが、「河野談話撤回」という当初のトンデモ計画とはかけ離れた地点に安倍は立ってるわけです。
 この記事のリーク元が「この計画を潰すために産経に流した」のか、はたまた「ウヨ支持層の反応を見るために流した」のかはともかく「記事を書いてる産経が潰す気満々」なのは間違いないでしょう。


■【産経抄】12月26日
http://www.sankei.com/column/news/151226/clm1512260004-n1.html

 慰安婦問題での韓国政府の腰の定まらない対応について、日本ではすっかり「ムービング(動く)・ゴールポスト」という言葉が定着した。

 のっけからずっこけるというか吹き出すというか。ウヨの世界では「定着してる」のかもしれませんがねえ。ウヨ以外では定着なんかしてないでしょう。id:Bill_McCrearyさんが問題にした「トリプルスリー」以上に知られてないでしょう。
 そしていつ韓国がゴールポストを動かしたのか。まあ、韓国政府がこの問題について当初「慰安婦や支援団体など当事者に比べれば『百点満点ではないにせよ河野談話とかアジア女性基金とかがあったし』と日韓関係悪化を恐れて消極的だった→「河野談話撤回論者」安倍に対する韓国国内外の批判の高まりで態度が積極的方向に変わった」のは事実でしょうが、それは「ゴールポストを動かした」と言うのとは違うでしょう。
 むしろ「河野談話なんか撤回したい」と安倍がバカ言うから「そういう事言うなら慰安婦の問題は改めてやり直そう」「韓国国民は安倍政権の無法に怒り呆れてる、もう一度やり直せと言う声に従わざるを得ない」となっただけです。安倍がバカ言わなきゃそんな事にはならない。むしろ「ゴールポスト河野談話)を動かした」のは安倍一味の方でしょう。
 つうか安倍一味は慰安婦に限らず、やれ「南京事件資料のユネスコ遺産登録に反対」だの「自民党の委員会で東京裁判を見直したい」だの、「お前ら、何、政府として南京事件を認めたこととか、東京裁判を受け入れたこととかチャラにしたいの?。それゴールポストを動かすとか言うことと違うの?」「そんなん中国や欧米が受け入れると思うの?」と説教したくなります。これが「その辺の街宣右翼や泡沫極右政党ならともかく」日本の政権与党かと思うと恥ずかしさと悲しさで言葉もないですね。昔の自民党は傍流はともかく「党主流は」ここまで酷くはなかったんですが。
 ああそうそう「ゴールポストを動かした」というなら北朝鮮が拉致を認めたら、「特定失踪者なんて与太」を持ち出してきた巣くう会なんかがそれに該当するでしょうね。

安倍晋三首相の指示を受け、問題妥結に向けて28日に訪韓する岸田文雄外相

 訪韓するのは彼の勝手ですが妥結する保証があるのか。仮に今回は妥結する見込みがないとして「今後に繋がる何かがある」のか。単に「とりあえず会うだけ」では話になりません。だったら事務方(アジア大洋州局長以下の官僚)で交渉すればいい。「一定の成果を上げた」小泉訪朝もそうですが「ある程度の何かがない」のに、外相がしゃしゃり出ても「何の成果もないのに訪韓するの?」「単に『交渉しました』ポーズのアピールかよ?」と呆れられるだけでしょう。
 つうか外相が訪問するなら早く北朝鮮に行って欲しいんですが。

昭和40年の日韓請求権協定で、問題は「完全かつ最終的に解決済み」との日本政府の立場は変わらない。

 やれやれですね。昭和40年には慰安婦のことなんか協議していませんし、仮に協議していたとしても当時は「朴チョンヒ独裁政権」です。民意を受けたわけでもない独裁政権が決めたことを「これでもう全て終わった話」ですませることが適切だと本気で思ってるのか。
 もちろん過去の日本の政権はそうは思わないからこそ「河野談話(宮沢内閣)やアジア女性基金(村山内閣)」で対応したわけです。
 大体今問題になってるのは「カネの問題だけじゃない」。安倍が慰安婦否定論を野放しにしてることが問題のわけです。日ソ国交回復時に請求権の問題は「一切片がついた」というのが日露両国の見解ですがそれを認めるとしても「シベリア抑留には何の問題もなかった」とロシア側が言ったら被害者は激怒し大問題になるでしょう。慰安婦でのもめ事はそれと同じ事です。
 クマラスワミ報告、マクドガル報告なんかも「教育の場で慰安婦を教えること」など慰安婦否定論撲滅を日本政府に求めてるわけです。
 そんなんは「慰安婦への金銭補償」と違い、多額の金がかかる話ではなくやろうとすれば簡単にできます。できないのは安倍にやる気がないからじゃないですか。

韓国政府は、小紙前ソウル支局長の無罪確定など、当たり前の結論ではあっても彼らなりに一定の歩み寄りは見せている。

 控訴しなかったことが「朴政権の韓国版指揮権発動による歩み寄り」なんですかね。まあ、実際どうなのかは知りませんが。ただ「国内外で必ずしも評判が良くなかった産経起訴」について「無罪判決に対し控訴しなかった」としてもそれは歩み寄りと言うより「起訴は評判が悪かったから控訴するの止そう、勝てるか分からないし」レベルじゃないのか。どっちにしろ慰安婦問題で産経が望むようなオチを韓国側が認めるとはとても思えません。

「世界が見ている」。政府関係者はこう指摘

 おいおいですね。世界は韓国より安倍政権に呆れてると思いますがそう言う認識ができない辺り全く非常識です。

安倍首相は周囲に「約束を文書化させる」と語る。日韓間だけの口約束ならばともかく、国際公約となれば覆した方が非難されるとの現状認識

 おいおいですね。「河野談話を見直したい」だの「東京裁判を見直したい」だの言うのは「国際公約の否定」ではないのか。「条約にしてないから公約じゃない」なんてのは詭弁でしかありません。
 大体、文書化しなくても共同声明などの形で発表すれば、それは充分国際公約でしょう。こういう物言いは「文書になってなければいくらでも詭弁で居直る、そう言う生き方を俺はしてきた、そう言う詐欺師のクズが俺だ」「だから文書にしないと相手を信用できない、相手も俺並みのクズではないという保証がない」という安倍のゲスな根性が露呈されてるだけでしょう。
 こういうのを「問うに落ちず語るに落ちる」と言います。

「中立を保つことはあまり有効な選択ではない。(中略)勝者にとっては敵になるだけでなく、敗者にとっても助けてくれなかったということで敵視される」。
朴槿恵(パク・クネ)大統領には、このマキャベリの言葉を贈りたい。

 バカバカしいですね。産経は「中国と米国の間で中立を保たず米国につけ」と言いたいようですが、ほとんどの国の態度は韓国と同じでしょう。
 つまり「米国を選ぶとか中国を選ぶとか」そう言う選択肢はあり得ない。
 大体、領土問題で中国ともめてるベトナムなんかは「それでもAIIBには加盟する」わけです。産経が言うほど「中国と対立してる」わけでもないでしょう。
 「AIIBに加盟せず」「領土紛争を国際仲裁に持ち込んだ」フィリピンなんかはベトナムに比べればかなり中国に対立的なんでしょうがそれにしたって「中国と貿易してる」わけで「中国と完全に敵対する」なんてことはありえない。

*1:レーガン政権による任命

*2:ネバダ州選出上院議員。現在、民主党上院院内総務

*3:米国最高裁判事の地位は日本とは違い、終身制で任期がありません。「自分から辞めるか、議会の弾劾裁判で失職しない限り」死ぬまで判事のわけです(ウィキペ「合衆国最高裁判所」参照)。

*4:メキシコ州知事を経て大統領

*5:2015年、小学館新書

*6:『本当はヤバイ!韓国経済:迫り来る通貨危機再来の恐怖』(2007年、彩図社)、『本当にヤバイ!中国経済』(2008年、彩図社)、『中国経済・隠された危機』(2009年、PHP研究所)、『サムスン栄えて不幸になる韓国経済』(2011年、青春出版社)、『グローバル経済に殺される韓国・打ち勝つ日本』(2012年、徳間書店)、『いよいよ、韓国経済が崩壊するこれだけの理由』(2013年、ワック文庫)、『中国との貿易をやめても、まったく日本は困らない!:中国経済の真実』(2015年、ワック文庫)、『ドイツ第四帝国の支配と崩壊』(2015年、ヒカルランド)、『2016年 中国・ユーロ同時破綻で瓦解する世界経済、勝ち抜ける日本』(2015年、徳間書店)など反中韓のトンデモ著書多数

*7:まあそれ以前に日本国内のウヨ支持層の反発を抑え込んでこの案を安倍が提案(実現ではない)することができるかどうか自体疑問ですが。