今日の産経ニュース(2/11分)(追記・訂正あり)

■「早期改憲を」建国記念の日祝う…「他力本願*1・他者依存をうたう*2現行憲法は時代に合わなくなっている」 大阪で300人
http://www.sankei.com/west/news/160211/wst1602110056-n1.html

建国記念の日*3」の11日、日本会議大阪と美しい日本の憲法*4をつくる大阪府民の会が大阪市中央区大阪府神社庁会館で、「建国記念の日をお祝いする府民の集い」を開いた。

 「大阪府神社庁会館」だそうです。江戸時代以前から神社がこうだったとは言いませんが「明治以降の国家神道」を戦後も払拭できず日本の神社はこうした「悲惨な姿」になってしまったようです。
 「昔の神社(というか江戸時代以前の神社)」ならともかく「今の神社(というか明治以降の国家神道及びそれを払拭できない今の神社本庁)」は「日本社会にとって有害な存在」「極右の巣窟」といいきっていいでしょう。まともな神官はいないか、「いてもパージされる」のでしょう。恐ろしい話です。

 憲法改正をめぐり、自民党中山泰秀*5府連会長は「21世紀に誇りを持てる憲法を作っていきたい」とあいさつ。
(中略)
 また産経新聞の安本寿久*6編集委員が「神話から読み解く憲法改正*7」と題して講演。

 極右団体・日本会議主催の集会に参加するとは自民も産経も完全に一線を越えたようです。


■【台湾南部地震】「友情の証」日華議員懇談会義援金200万円手渡す 青森県はりんご100箱
http://www.sankei.com/world/news/160211/wor1602110009-n1.html
 懇談会幹事長が「安倍に近い極右の古屋圭司」というのには台湾には失礼ながら吹き出しました。台湾も正直「今時反共とか大陸反攻とか言う時代じゃねえのに」「日本の台湾ロビーがウヨばかりとか勘弁して欲しい」と思いながらもこういう極右が未だに「自民党台湾ロビーの中心」なんでしょうか。もしそうなら台湾も難儀なことです。


■【北ミサイル発射】金正恩氏が震え上がる?“要人”暗殺担う米特殊部隊が韓国入り 米軍、攻撃型原潜も派遣へ 
http://www.sankei.com/world/news/160211/wor1602110035-n1.html
 「要人暗殺の特殊部隊」「攻撃型原潜」とまるで「北朝鮮政権転覆に米国が乗り出したかのようなタイトル」をつけられる産経のトンデモぶりには改めて呆れます。


■「北朝鮮制裁」がサッカーに波紋?…過去には問題あった「代表チーム」五輪予選で来日できるか
http://www.sankei.com/west/news/160211/wst1602110029-n1.html
 バカバカしいですね。北朝鮮女子サッカーチームの訪日なんか拒否して何か意味があるのか(別に安倍政権が拒否を決めたと言う事ではなく産経がそうしろと扇動してるという話です)。
 まあ例の「三バカ(家族会、救う会拉致議連)」は訪日拒否とか言い出すんでしょうが本当に勘弁して欲しい。そんなんで拉致だの核ミサイル問題だの解決するわけもないし。


■【衝撃事件の核心】北朝鮮が日本国内から韓国内の工作員を操っていた! 明かされた情報機関「225局」活動の一端とは
http://www.sankei.com/premium/news/160211/prm1602110013-n1.html

 ニュース番組やワイドショーが元プロ野球選手、清原和博容疑者(48)の報道一色になった今月2日、警視庁公安部がある重大事件を摘発していた。

 「ニュースやワイドショーが清原一色」というのも「甘利疑惑とか報じろよ、お前らジャーナリズムのかけらもないのか」と不愉快になりますがそれはさておき。産経や公安の言うような「大事件でないからこそ」ワイドショーは「こんな事より清原を報じる」わけです。清原の事件は「清原が有名人」ということもあれば今後の捜査によっては「野球選手やタレント」といった清原周辺に拡大する可能性があるからこそ騒がれる。
 「安倍の恫喝が危惧される」甘利疑惑などと違い「まともな刑事事件でさえあれば」テレビはこの公安部の摘発の件を報じるでしょう。今の時代、朝鮮総連がメディアタブーなんて事はあり得ない。「そんなあほな」「いくら何でもこれは朝鮮総連民事訴訟おこされたり、BPOに訴えられたりしたらやばいことになるんじゃねえか」「視聴率がこんなんでとれるかよ」と思うほど酷い「公安の屁理屈話」だからこそ産経以外ほとんど報じないわけです。
 何せ逮捕容疑はスパイでも何でもないただの詐欺ですから。産経や公安は「詐欺はスパイ摘発のとっかかり」と強弁していますが、まあ何も出てこないでしょうね。この産経記事自体、「産経には正体が分かっていても、読者には正体不明の公安警官による非公式リーク情報、裏の取りようがない」という怪しい代物でしかないわけです。公式発表でない時点でお話になりません。

公安関係者は「工作の最大目標は、北による南北統一を実現すること」と指摘しており

 まさか正気ではなく「北朝鮮の脅威を誇大宣伝することによる予算確保」とかそう言う話でしょうがここまで現実性のない与太を飛ばせる神経には心から呆れます。公安警官というのは「こういう与太が平気で飛ばせる人格破綻者」でないとつとまらないようです。平たく言えば「人間のくず」ですが。
 こういう輩は「今もオウム残党のテロの脅威がある」「日本共産党は暴力革命を今も目指してる」とか他の事でもデマってるんでしょうか。

押収したパソコンには、韓国の反政府勢力の集結やデモの扇動などを指示する225局の文章が確認された。

 で、それは違法行為なのか。何ら違法ではないと思いますが。そもそも日本とも関係ないですし。

日本はスパイそのものを取り締まる法制度はなく

 「はあ?」ですね。違法な情報入手は「国家公務員法地方公務員法」に違反する。小生は不当処罰だと思いますが「国家公務員法違反の違法な情報入手」で処罰されたのが有名な西山事件です。スパイ目的で資料を窃盗すれば窃盗罪、住居不法侵入すれば住居不法侵入罪、情報を取るためにコンピュータウイルスを仕掛ける行為もおそらく処罰対象でしょう(詳しく知りませんが)。一体産経が想定してる「現行法では処罰が困難なスパイ行為」て何なんでしょうか?


■【正論】現行憲法では危機を乗り切れない 国民の生命守る緊急事態条項を 日本大学教授・百地章*8
http://www.sankei.com/column/news/160211/clm1602110005-n1.html
 やれやれですね。まともな災害対策も考えずに「災害対応で緊急事態条項(戒厳令)」なんて与太を飛ばすのも大概にして欲しいもんです。まあ「9錠改憲よりは変えやすいんじゃないか。まず改憲の実績を作ろう」とかそういう話なんでしょうが。

今回、北朝鮮弾道ミサイルを発射したが、最大の緊急時は外国からの武力攻撃である。

 バカバカしい。緊急事態条項を発動しないといけないような「太平洋戦争での米国」なみの大規模軍事攻撃を日本に仕掛ける国がどこにあると言うんでしょうか。ロシアか、中国か、それとも他の国か。
北朝鮮などという笑えない冗談」はもちろん論外です。
 そして緊急事態条項を発動しないといけない事態といったら「海上自衛隊航空自衛隊が水際で食い止められず、敵の軍隊が上陸してきたような場合」でしょう。既に上陸された時点で「ある種の敗北」であり、「緊急事態条項の発動」なんて能天気な事言ってる事態じゃないでしょう。

東日本大震災の折には災害対策基本法で定められた緊急政令も出せなかった。

 出さずに済むのなら出す必要はどこにもありません。下手に出せばパニックを助長しかねません。

 第1に、災害対策基本法のような緊急事態のための法律は幾つかあるものの、実際に役に立たなかったではないかという点である。
 例えば、流れ着いた家屋や自動車を撤去しようとしたところ、憲法が保障する「財産権」がネックとなったとか、倒壊した家屋から負傷者を助けようとしたところ、「住居の不可侵」との関係で障害が生じたといった事態が各所で発生している。

 それは法律で解決すべき事、解決できることでしょう。緊急事態条項なんて物騒なものを何で発動したがるのか。

災害対策基本法に定める緊急政令が発せられなかったため、ガソリンなどの買い占めを規制することもできなかった。

 本来ガソリンの買い占めはそういう「上からの規制」で解決すべきものではなく「買い占めしなくても問題ない」という広報宣伝などで解決すべき事でしょう。下手に規制すればかえってパニックや暴動を産みかねません。大体「買い占め騒動」は不便なことではありましたが人が死ぬとかそれほどの大事でもないでしょうに。

 第2に、緊急時における権利や自由の制限は、憲法解釈上は「公共の福祉」によって可能である。しかし、憲法に明確な根拠を持たないまま、法律のみに基づいて緊急事態を布告し、緊急権を行使したり人権の制約を行った場合には、「憲法違反」の声があがり、違憲訴訟が続出する恐れもある。
 これが先の大震災の折、法律の適用を躊躇(ちゅうちょ)した理由でもあろう。

 躊躇した理由はそういうことよりもむしろ「パニックの助長を恐れたということ」でしょう。
 そして違憲訴訟なら「マイナンバー」など一般の法制度でも起こっているのにこの件だけ「憲法改正が必要」と言い出すのはおかしな話です。

 フランスではパリのテロの際に令状なしの家宅捜索、劇場などの閉鎖や集会の禁止等の措置をとったが、これは非常事態法に基づくもので、憲法上の根拠を持たない。そのため違憲論もあることから、フランス政府は現在、緊急事態宣言等を憲法の中に盛り込み、憲法によって正当性を確保しようとしているわけである。

 やれやれですね。「令状なしの家宅捜索」なんてフランスの現状が人権上、果たして適切なのかという疑問は産経や百地にはないようです。

参議院の緊急集会さえ召集できない場合こそ真の緊急事態である。

 やれやれですね。一体どういう事態を想定しているのか。参院議員が皆死亡でもするのか。そんな事態がどれほどありうるのか。百地が何を考えてるのか聞きたいですね。


■【矢板明夫のチャイナ監視台】中国指導層の名前で分かる政治学 「勝利」「建国」は時代を象徴 習「近平」や李「克強」にも深い意味が…
http://www.sankei.com/premium/news/160211/prm1602110007-n1.html

 中国の習近平指導部による軍改革で、軍部人事も大幅に刷新される見通しだ。2006年から約10年間、海軍司令官を務めた呉勝利上将の引退が決まり、副総参謀長の孫建国氏ら複数の将軍が後任として浮上している。「呉氏と孫氏の名前を見るだけで、世代交代を強く感じる」と話す中国軍関係者がいる。
 1945年8月に生まれた呉勝利氏が、日中戦争の勝利を記念するために名前が付けられていたのは一目瞭然だ。中国で「勝利」という名前の大半は呉氏と同じ世代である。
 これに対し、1949年に中華人民共和国が樹立して数年内に付けられた名前の代表格が建国だ。
(中略)
 孫氏と同じ世代で、国家副主席を務める李源潮*9もその一例だ。源潮の発音は、「援朝」と同じだ。李氏は朝鮮戦争勃発した直後の1950年に生まれており、当時の中国政府のスローガンである「抗米援朝」(米国と対抗し、朝鮮を支援しよう)の後半部分が名前の由来となっている。
 習近平*10国家主席の名前も政治と関連している。近平氏が生まれる直前、父親の仲勲氏*11は中国の西北部で軍の指導者をしていたが、毛沢東から党中央宣伝部長に任命され、北京への異動が決まった。北京は1949年までは「北平」と呼ばれていたため、「北京が近くなった」と、共産党政権の誕生で「天下泰平が近くなった」という二つの意味を込めて「近平」になったとされる。
 習近平氏より3つ年下の李克強*12首相は1955年生まれだ。「米国に勝つ」「英国を超える」と宣伝された時代で、「列強に克つ」という意味が込められているという。
(中略)
 1966年から文化大革命が始まり、中国人の名前の中に「文革」「衛東(毛沢東思想を守る)」といった名前が急増した。1980年代末から1990年代初めにかけて、何度も男子卓球世界一となった馬文革*13文革最中の1968年に生まれた。

 なかなか面白い豆知識ではあります。


佐賀県知事、郷土の偉人祀る開拓神社参拝
http://www.sankei.com/life/news/160211/lif1602110025-n1.html
 ブクマもつけましたがこちらでも。先ず第一に「公人が神社に行く」のは「政教分離の観点」から問題ではないか。これは初詣などの一般慣習と同列視はできないでしょう(例の「政教分離を緩和したがってる、お休み中のあの方」だと何ら問題視しないのでしょうが)。
 第二に祀られてる島義勇*14は後に下野し、江藤新平*15らとともに「佐賀の乱」を起こした国事犯(テロリスト)です(なお、島は捕縛され、江藤ら共犯者とともに処刑された)。
 犯罪者・島を祀る施設に公人が行くというのもこれまた問題だと思いますね(もちろんそういった意識は「祀ってる北海道神宮」「参拝した佐賀県知事」「記事書いた産経」の三者には何一つないでしょう。)
 しかしさんざん「韓国の民族英雄・安重根(前韓国統監・伊藤博文*16暗殺犯)」をテロリスト呼ばわりしてたウヨ連中はこういうのを「北海道の神社はテロリストを祀って、そこに佐賀県知事が参拝かよ、レベル低いな、北海道&佐賀」「北海道&佐賀は日本の恥」とか言うんですかね(多分言わない)。
 まあよく考えたら靖国も「桜田門外の変参加者」というテロリストを英霊(英雄)として祀ってるので「日本の神社関係者や右翼にとってテロリスト(島や桜田門外の変参加者)を祀ることには何の抵抗もない」のかもしれませんが。まあ、それだったら、手前らもテロリストを英雄視してるんだから韓国に向かって「安はテロリスト」とか非難言うなって話です。


■【北ミサイル発射】韓国に迎撃システム配備 存在感強める米国にいらだつロシア 
http://www.sankei.com/world/news/160210/wor1602100048-n1.html
 反発を強めてるのはロシアだけでなく中国もそうです。そしてそれは両国が「THAADの本丸は北朝鮮ではなく我が国。北朝鮮云々は口実に過ぎない」と疑っているからです。韓国は「反中国、反ロシア」と受け取られる動きにシフトしたわけで今後の情勢に注目でしょう。


■【北ミサイル発射】韓国、開城団地からの撤収本格化 184人滞在
http://www.sankei.com/world/news/160211/wor1602110014-n1.html
 まあ、交渉のための韓国のブラフに過ぎないと思いたいところです。完全に事業中止なんかしたら北朝鮮チキンレースが深刻化していくだけで愚策でしょう(北朝鮮も団地がぽしゃったら当然苦しいでしょうが、それで体制崩壊と言う話でもないでしょう)。また進出している韓国企業も一定のダメージを受けるわけで、それを朴政権がどう処理する気なのか(賠償しなければ話にならないでしょう)という問題もあります。


■【主張】建国記念の日 政府自ら祝典を開催せよ
http://www.sankei.com/column/news/160211/clm1602110001-n1.html
 ぶっちゃけ政府が式典を開いたからって何がどうなるもんでもないでしょう。つうかこれ、「産経らウヨが2/11にやってるウヨイベント」が国民に定着してないから権力で定着させようて話ですからね。全くとんでもない話です。


■【産経抄】小人閑居して 2月11日
http://www.sankei.com/column/news/160211/clm1602110003-n1.html

普段は自民党に手厳しい、朝日新聞毎日新聞も応援団に加わった。

 まあ、朝日や毎日は「自民党の主張なら何でも絶讃」「野党の主張なら何でも罵倒」の産経と違って「誰が言ってるか」ではなくて「何を言ってるか」で評価しますからね。

*1:なお、もともとの仏教用語では「自力では成仏できない、他力(仏の力)に頼るほかない」ということなので他力本願という言葉は非難の言葉ではありません。

*2:もちろんそんなもんはうたっていません。「国防軍が持てないなんて他力本願だ」なんて無茶な理解をウヨがしてるだけです。大体そんなに国防軍が持ちたかったら「最低限」過去の戦争を反省し、中韓など近隣諸国の恐怖感を解消したらどうなのか。ドイツが国防軍を持てた大きな理由はフランスやポーランドなど近隣諸国相手にそうしたことなんですが。

*3:「建国を祝うこと」と「改憲」がウヨの中でイコールになってることにも呆れますが。

*4:前も書きましたが「憲法」に「美しい」という形容詞をつける神経は全く分かりません。

*5:第1次安倍、福田内閣外務大臣政務官、第2次、第3次安倍内閣外務副大臣を歴任。祖母・中山マサ(池田内閣厚生相)、父・中山正暉(竹下内閣郵政相、村山内閣総務庁長官、小渕、森内閣建設相)という三世政治家。

*6:著書『評伝・廣瀬武夫』(2010年、扶桑社)

*7:日本神話と改憲と何の関係があるのかさっぱり分かりませんが。

*8:著書『靖国憲法』(2003年、成文堂選書)、『憲法の常識 常識の憲法』(2005年、文春新書)、『憲法と日本の再生』(2009年、成文堂選書)、『外国人の参政権問題Q&A:地方選挙権付与も憲法違反(改訂版)』(2010年、明成社)など

*9:中国共産主義青年団共青団)中央書記処書記、文化省次官、江蘇省党委員会書記、党中央組織部長などを経て国家副主席

*10:福州市党委員会書記、福建省長、浙江省党委員会書記、上海市党委員会書記、国家副主席、党中央軍事委員会副主席、国家中央軍事委員会副主席などを経て国家主席、党総書記、国家中央軍事委員会主席、党中央軍事委員会主席

*11:中国共産党中央宣伝部長、副首相などを務めるが文革で失脚。その後、復権し、広東省党第一書記(広東省長兼務)、全国人民代表大会常務副委員長など歴任。

*12:中国共産主義青年団共青団)中央書記処第一書記、河南省党委員会書記、遼寧省党委員会書記、第一副首相などを経て首相

*13:1992年バルセロナ五輪銅メダル

*14:北海道開拓使判官、秋田県権令(知事)など歴任

*15:文部大輔、左院副議長、司法卿(参議兼務)など歴任。征韓論で下野。なお、江藤、島以外の佐賀出身の明治新政府高官としては大木喬任(山県内閣司法相、松方内閣文相、枢密院議長など歴任)、大隈重信(伊藤、黒田、松方内閣外相、首相など歴任、早稲田大学創設者)、佐野常民(大蔵卿、松方内閣農商務相など歴任、日本赤十字社創設者)、副島種臣(外務卿、松方内閣内務相など歴任)がいる。

*16:首相、枢密院議長、貴族院議長、韓国統監など歴任