今日の産経ニュース(2/27分)(追記・訂正あり)

■「沖縄2紙の偏った報道 沖縄と本土を分断する…」我那覇真子さん講演
http://www.sankei.com/west/news/160227/wst1602270064-n1.html
 まだ沖縄の政治家(例:自民党沖縄県議)や財界人なら持ち出すことに説得力もあるでしょうに「無名の小物右翼活動家・我那覇」を沖縄代表扱いしてるんだから呆れます。それ、むしろ「我那覇なんて小物しか使えるタマがいないのか」と呆れられるだけと違うのか。まあそう言う非常識なことが平気でできる産経らウヨはある意味「恐ろしいです」けどね。常識のない人間ほど恐ろしいものもないでしょう。


拉致被害者蓮池薫さん 制裁強化「必ず効果」
http://www.sankei.com/world/news/160227/wor1602270041-n1.html
 まあ小生はこの蓮池意見には賛成できませんね。善意(?)に理解すれば「制裁撤回は政治的に難しいだろう(安倍が飲まないだろう)」「声高に制裁への疑問を口にするとかえって『北朝鮮シンパか!』などと非難されて逆効果になりかねない」と考えた上での「セカンドベスト(制裁は認めるが、交渉は打ち切るな)」かもしれませんが、むしろお兄さんみたいに「制裁強化なんかしたら北朝鮮の反発で交渉ができなくなるんじゃねえの?。つうかもしかして交渉潰すためにわざとやってるのか?」「核やミサイルの問題しか懸案がない米国はともかく、拉致を抱える日本がそれでいいの?」「安保理決議が出てから、『無視するわけにも行かないだろうから』適当に安保理決議に調子あわせてればそれでいいんじゃねえの?」とがっつり批判した方がいいんじゃないか。救う会、家族会、拉致議連、安倍政権辺りが「蓮池兄は裏切り者であることを弟が事実上認めた」とか無茶苦茶な事言い出しかねませんし。


■【国際情勢分析】米中関係の未来を占うディズニーランドの行方は? 総工費55億ドル 習近平氏も経済成長の転換点と期待寄せるが
http://www.sankei.com/premium/news/160227/prm1602270019-n1.html

 人気の高いアトラクションである「イッツ・ア・スモールワールド」は上海でも作られるのだろうか。世界の各地で民族衣装をまとった人形がそれぞれの民族の言葉で歌う。肌の色や国籍、性別、言語の違いを乗り越えた世界を描いたディズニーの理念は、この国ではどう解釈されるのか。

 ディズニーランドのある米国や日本が差別のない国かといえば「差別者のトランプや安倍がでかい面していて」そんなことないんですからまあ、関係ないでしょうね(苦笑)。大体「ディズニーランド建設を許可した」というよりは経済振興目的で中国政府が誘致したようですし。他のこと*1ならともかくディズニーランドでそういう「中国への人権的な意味での政治工作」云々と理解する産経の気が知れません。ディズニーランドでそう言う政治的なことに思いを致す人間なんてどれほどいるのか。


■【宮崎氏不倫の余波】谷垣氏、京都補選擁立断念を伝達
http://www.sankei.com/politics/news/160227/plt1602270009-n1.html
 自民京都府連が断念を谷垣*2幹事長に伝えるのならともかく「京都選出とは言え」谷垣氏が府連に通告するというのも分からない話です。本当に自民は候補擁立をしないのか。民主党共産党など野党の勝利でもいいと思っているのか。それとも「無所属で出る保守系」「おおさか維新系」などの出馬を見込んでそれを「準自民候補」として支援するのか。
 自民京都府連はこの通告を受け入れるのか、はたまた無視して「府連公認候補」を立てるのか。


■【安倍政権考】ジュネーブ*3に押しかけた左派活動家100人は、保守派を「人間の壁」で封じて何を企んでいるのか?
http://www.sankei.com/premium/news/160227/prm1602270020-n1.html
 もちろん産経の言う「ジュネーブに押しかけた活動家」には左派もいるでしょうが「政府見解・河野談話の支持」なんて本来左派でも何でもないわけです。それが左派なら「河野洋平*4自民党総裁は左派」「宮沢内閣は左派内閣」という意味不明なことになりますから(まあ宮沢*5、河野両氏が極右でないのは事実ですが)。
 なお、「人間の壁」云々というのは「JNNC(日本本女性差別撤廃条約NGOネットワーク)が記者会見へのウヨ活動家の出席を拒絶した」いうだけの話です。
 まあ、「ウヨがヤジを飛ばしたりして記者会見を台無しにされても困る」つう判断だったんでしょうね。企むとかそう言う話じゃない。

左派系の日本女性差別撤廃条約*6NGOネットワーク*7(JNNC)

 もちろん「俺より左は全て左派」という極右・産経の主張なので割り引く必要があるでしょう。本当にJNNCが左派かどうかははなはだ疑問です。まあ「JNNCが左派だからなんだ、慰安婦は明らかな戦争犯罪じゃないか」「保守の河野元自民党総裁だって慰安婦の違法性を認めてるじゃないか」て話ではありますが。

永井氏は慰安婦問題について「例えば、いま男女賃金差別とかシングルマザーの貧困とか女性が抱えている状況は性奴隷とされた女性が置かれたあの時代の『社会的に女性は性の対象としていい』とか『拉致されても重みはそれほどのことではない』とか、女性の人権を軽んじる風潮と通底している」と指摘した。共感する女性はどれだけいるだろうか。

 いや、普通に考えて「河野談話否定が与党政治家の口から出るような国だからシングルマザーの貧困とか女性差別問題も酷いのよね」と「共感する女性*8はたくさんいる」と思いますが。もちろん稲田朋美(現政調会長)や山谷えり子(前国家公安委員長)、高市早苗(現総務相)、あるいはこの産経与太記事の書き手「田北真樹子・産経記者」といった歴史修正主義極右女性は「共感しない」のでしょうが。

 文教学院大学名誉教授の山下泰子氏*9(中略)は「日本は歴史的な事実の教育があまりにも行われていないことに慄然とする部分があります」と強調し、ドイツの高校生がナチス強制収容所などを訪問したりすることなどをあげて「事実が何かということを直裁的に若い人に教えていかないと危ないと思いました」と語った。

まあそういうことです。
id:Bill_McCrearyさんエントリ『チンギス・ハンの犯罪についてのチョムスキー発言への補足』(http://blog.goo.ne.jp/mccreary/e/47dffc22d5d47eb07031f077f15c3589)てことですね。

日本のメディアで杉山氏の発言を翌日の新聞で伝えたのは産経新聞だけだった。

 そりゃ杉山審議官の与太「朝日ガー」なんか「批判報道」ならまだしも好意的に取り上げるバカは産経ぐらいでしょう。一方、当然ながら朝日は杉山氏に抗議してるわけです。
 つうか「一般民間人」ならともかく「外務審議官(外務事務次官有力候補、外務省最高幹部)の国連発言」を批判報道しないってのも恐ろしいですね。最近東京新聞の「こちら特報部」で「何故マスコミは杉山発言を批判報道しない、明らかな虚偽じゃないか」と青木理*10が批判コメントしていましたが日本のマスコミの批判精神の無さには唖然としますね。

日本政府は、慰安婦問題は日本が女子差別撤廃条約を締約した1985年*11以前の出来事であるため、さかのぼって女子差別撤廃委員会で取り上げるべきではないと主張している。

 でこの日本政府主張を産経も支持するわけです。おいおいですね。「事実がどうかなんか関係ない、そもそも1985年以前の事件は委員会で議論すべきじゃない」て完全に逃げ腰ですね。産経も安倍も内心では「自分の主張がデタラメだ」とわかってるわけです。つうか「さんざん河野談話否定論をぶちかまして元慰安婦セカンドレイプしておきながら」何が「1985年以前の出来事だ」なのか。セカンドレイプは「1985年以降の出来事」でしょうが。問題にされてるのはセカンドレイプ行為ですが。
 大体その理屈だと北朝鮮拉致は「ICC成立以前の出来事」なのに何で産経は拉致をICCに持ち出そうとしてるのやら。
 いつもながら全く論理整合性のない連中です。

*1:バカなので「中国が反発するような人権云々の米国文化」が思いつきませんが

*2:小泉内閣国家公安委員長財務相自民党政調会長(福田総裁時代)、福田内閣国交相、第二次安倍内閣法相など歴任

*3:国連欧州本部があるスイスの都市

*4:中曽根内閣科学技術庁長官、宮沢内閣官房長官、村山、小渕、森内閣外相、衆院議長を歴任

*5:池田内閣経済企画庁長官、佐藤内閣通産相、三木内閣外相、鈴木内閣官房長官、中曽根、竹下内閣蔵相などを経て首相。首相退任後も小渕、森内閣で蔵相。

*6:何故か日本政府は「女子差別撤廃条約」として「女子」と訳しますがたぶん一般的には「女性差別撤廃条約」の方が普及してる翻訳かと思います。

*7:NGOネットワーク」ですのでおそらく「複数の女性団体が加盟している連合体(つまり複数の労組が加盟してるナショナルセンターである連合、全労連全労協みたいなもん)」でしょうがどこが加盟してるかはよく分かりません。

*8:つうか女性に限る必要もないですが。男性の俺も共感しますね。

*9:国際法学会名誉会員、国際人権法学会名誉会員。日本国際連合学会理事、ジェンダー法学会理事長、国際女性の地位協会会長、日本女性差別撤廃条約NGOネットワーク(JNNC)代表世話人、日本ネパール女性教育協会理事長を歴任(アマゾンの著者紹介による)。著書『女性差別撤廃条約の研究』(1996年、尚学社)、『女性差別撤廃条約の展開』(2006年、勁草書房)、『女性差別撤廃条約と日本』(2010年、尚学社)

*10:著書『日本の公安警察』(1999年、講談社現代新書)、『北朝鮮に潜入せよ』(2006年、講談社現代新書)、『ルポ 拉致と人々:救う会公安警察朝鮮総聯』(2011年、岩波書店)、『トラオ 徳田虎雄 不随の病院王』(2013年、小学館文庫)、『抵抗の拠点から:朝日新聞慰安婦報道」の核心』(2014年、講談社)など

*11:ちなみに1986年にはいわゆる「男女雇用機会均等法」が制定されますがこれは「女子差別撤廃条約締結」による国内対応の一環でした。