今日の産経ニュース(3/15分)(追記・訂正あり)

■安倍首相がODA50億円供与を表明、中国傾斜阻止の狙い 東ティモール・ルアク大統領と会談
http://www.sankei.com/politics/news/160315/plt1603150058-n1.html
 単なる経済支援なら誰も文句はありませんが、「中国封じ込め」など公言するんだから全く始末に負えません。


■【正論】富豪トランプ氏にみる大統領選の「歪み」 格差社会に強まる「不満」 青山学院大学特任教授・猪木武徳*1
http://www.sankei.com/column/news/160315/clm1603150009-n1.html

格差拡大の対応策として、貧困層の所得上昇を図るのではなく、富裕層への課税を最優先の政策課題だとする姿勢は、「いかに富裕階級を引き摺(ず)り下ろすか」という方向へ人々の関心を向わせる。それは嫉妬心を煽(あお)ることにもなる。むしろ「いかに貧困層を引き上げるのか」という問題意識の方が、平等を実現する上で重要なのではないか。

 ばかばかしい。貧困層を引き上げるために必要なことは政治による貧困層支援でしょう。その為の財源はどこから持ってくるのかと言ったら富裕層しかないでしょう。誰も「富裕層から全部を奪い取ってすっかんぴんにする」なんて言ってないわけです。そんなことは現実的にできることでもない。
 「億万長者がいる一方で貧乏人がいる」なんてのは異常だとは思わないんでしょうか。 
 富裕層課税というのは「億万長者には社会のために、貧困者救済のために納税してもらって千万長者になってもらう。千万長者でも充分金持ちだろう」つう程度の話でしかないわけです。
 つうかフジテレビから多額の経済支援をふんだくってる分際で産経も良くこんな記事が載せられるもんです。

 候補者の「将来を買う」支持者たちの数が減少して選挙資金が乏しくなってくると、大口の寄付のみに頼る候補者は撤退せざるを得ない。実に分かりやすいシステムだが、この選抜方式では確かに富と投票行動が結びつきやすい。

 何も「富と選挙結果」が結びつく金権選挙は米国限定ではなくヨーロッパでも我が日本でもあることです。しかし、こういう馬鹿な事が言えるのはさすが産経文化人です。勿論褒めてません。心底軽蔑しています。

 米国社会が厳しい競争を肯定するのは、競争を勝ち抜いたものが富を独り占めするのではなく、自発的に社会に還元することによって社会全体が豊かになるという富の再分配の哲学を尊重してきたからだ。

 おいおいですね。猪木が何故か敵視する富裕層増税こそが「富の再分配」なのですが「富の再分配」を肯定しながら富裕層増税を否定するとは全く意味不明です。
 つうか「金持ちが自発的に社会に還元しない」からこそ「政府による富の再分配」をするんでしょうに。世の中、自分から富を提供してくれるお人好しばかりなら誰も苦労しないし政治の必要もありません。


■世耕氏、連続在職最長に 官房副長官で安倍超え
http://www.sankei.com/politics/news/160315/plt1603150056-n1.html

自民党内には「首相の言いなり」との声があるが、最近は「憲法改正参院選の争点に向かない」と首相に苦言を呈するなど「貴重な存在」(官邸)になりつつある。

 産経の立場では「改憲は争点に向かない」は苦言どころか非難の対象じゃないんですかね?
 いずれにせよそれが「苦言」で「貴重な存在」とはよほど世耕という人間は褒めるところがないんでしょう。


■【民主&維新合流】民主・細野*2政調会長は「民進党」に好意的 「日本新党やさきがけには『新しい』という意味以外なかった」
http://www.sankei.com/politics/news/160315/plt1603150026-n1.html
 まあ細野某という人間は非常識ですね。さすが路上キス男というべきか。日本新党やさきがけを小馬鹿にして何か意味があるんですかね。民主党メンバーには日本新党やさきがけの出身者もいるわけでそう言う人間は愉快ではないでしょう。
 ウィキペディア日本新党」「新党さきがけ」によれば以下の人間が日本新党やさきがけに所属したことがある民主党幹部です。

日本新党所属
江田五月
 社民連代表、細川内閣科学技術庁長官、参院議長、菅内閣法相を歴任。現在、民主党最高顧問。
枝野幸男(後にさきがけにも所属)
 鳩山内閣行政刷新担当相、菅内閣官房長官、野田内閣経産相を経て民主党幹事長(海江田、岡田代表時代)。
野田佳彦
 鳩山内閣財務副大臣菅内閣財務相を経て首相。現在、民主党最高顧問。
前原誠司(後にさきがけにも所属)
 鳩山内閣国交相菅内閣外相、民主党政調会長(野田代表時代)、野田内閣国家戦略担当相を歴任。

さきがけ所属
玄葉光一郎
 民主党政調会長(菅代表時代)、野田内閣外相を経て、現在、民主党選挙対策委員長
菅直人
 社民連副代表、新党さきがけ政調会長、橋本内閣厚生相、鳩山内閣財務相などを経て首相

 さきがけや日本新党を過去に支持した人間だって愉快ではないでしょう。そして「よほどの細野シンパ」か、「よほどの日本新党嫌い、さきがけ嫌い」でもない限りこんな発言には呆れるでしょう。というか小生は呆れてますが。
 しかし「民と共に進む」ねえ。何か「共に幸福を産み出す党」を思い出しました。まあ個人的には「共に幸福を産み出す党」の方がキャッチコピーとしてはまだ魅力的かな。そもそも「民主党+維新=民進党」のどこが民と歩んでるのか、さっぱりわかりませんし。


■「殺人不起訴」2年半後にまたも凶行 精神疾患の男「誰でもいい、人殺して死刑になりたかった」…怒る被害者
http://www.sankei.com/west/news/160315/wst1603150041-n1.html
 こういうのは「警察の精神鑑定が間違いでない限り」病気のわけですからね。非難する場合もあくまでも「何故医療が適切にされなかったか」という話であるべきであって、厳罰論など論外です。


■【校長2人出産発言】波紋広がる 麗澤大の八木教授「言葉狩りになると建設的な議論ができなくなる」
http://www.sankei.com/west/news/160314/wst1603140095-n1.html
 レベルの低い発言をすれば批判されるのは当然で言葉狩りでも何でもない。

・吉村洋文市長は14日、「子育てとキャリアを二者択一で比較するのは不適切」と批判。市教委も処分を検討している。
大阪市議会の教育こども委員会では14日、この問題が取り上げられ、西崎照明委員(公明)は「内容があまりに偏っている」と批判した。自民党の北野妙子委員も取材に「発言に傷つく人がいるのは確かで、教育者として配慮が足りなかった部分がある」と指摘。一方で「社会への恩返しが必要という点は理解でき、発言が間違っているとまでは言えない」とも話した。
・吉村市長は記者団の取材に「子育ての大切さを訴えたかったのだろう」と発言の意図に理解を示しつつも、「子供を産む、産まないの選択は、最終的には個人の判断。優劣をつけるものではない」と指摘。「多様な価値観があるというのは伝えるべきだった」と語った。

ということで全面擁護する人間なんかほとんどないわけです(吉村市長や自民の北野議員は変な擁護をしていますがそれでもさすがに全面擁護はしていない)。
 こういう馬鹿な事を言う産経や八木には本当に呆れます。


■【田母神氏政治資金流用疑惑】資金管理団体の残高ゼロ 政治活動以外に5000万円超 ずさん過ぎる資金管理 順法意識も乏しく
http://www.sankei.com/affairs/news/160315/afr1603150002-n1.html
 さすがの産経も「あまりにも田母神がデタラメすぎる」「もはや検察の田母神起訴は避けられそうにない」「田母神はもはや終わった人間」ということで田母神のデタラメさはかばえないと言う事なんでしょう。

*1:著書『戦後世界経済史』(2009年、中公新書)、『経済学に何ができるか』(2012年、中公新書)など

*2:野田内閣環境相民主党幹事長(海江田代表時代)を経て現在政調会長