今日の産経ニュース(3/20分)(追記・訂正あり)

■【米大統領選】「トランプ氏の当選は大規模テロに匹敵」中国官製メディア、暴言に逆襲
http://www.sankei.com/world/news/160320/wor1603200034-n1.html
 トランプを擁護する人間なんて「狂信的トランプ支持者以外ではまずいない」「民主党は勿論、共和党内にすらトランプ批判派がいる」「中国以外の要人(例:ローマ法王)もトランプ批判している」から中国も「不当な内政干渉と言われないか」「米国政府や共和党との関係が極度に悪化しないか」などの不安もなく、遠慮なくトランプを非難出来るわけです。
 中国のトランプ批判に下手な反論をしたらそれこそ「トランプ支持者と誤解されかねない」し中国のトランプ批判が「よほど酷くない限り」トランプ支持者以外には反論する動機もない。

一方で、中国紙は、人権問題で厳しい対中姿勢を示す米民主党の有力候補、ヒラリー・クリントン氏を批判していない。

 トランプならまだしもクリントンに対して変な批判をすればそれこそ「中国の言いがかり」という非難を中国が受けますからそう簡単に非難なんかできないでしょう。と同時につきあいがほとんどないトランプと違い「オバマ政権国務長官としてクリントンはつきあいがある」から「クリントンが無茶苦茶な反中国ではないこと」はわかってるわけです。


■【米大統領選】「格差是正」を掲げる民主党クリントン*1&サンダース*2 皮肉にも「格差拡大」の種をまいたのもこの2人だった
http://www.sankei.com/premium/news/160320/prm1603200027-n1.html
 サンダースはともかくクリントンは「自分から掲げた」というよりは「格差是正を訴え、支持を拡大するサンダースへの対抗上掲げざるを得なかった」つうところでしょう。
 そして主流派クリントン(夫が元大統領、自分も元国務長官)はともかくサンダースは「格差拡大の種をまいた」つうほどの問題はないでしょう。
 産経曰く

サンダース議員は黒人比率の高い元犯罪者の職探しを容易にする法案提出を公約に掲げるが、受刑者教育の政府支援を禁じた(ボーガス注:ビル・クリントン*3政権の)90年代の刑事法改正に賛成票を投じた過去がある。

としていますが、これだけで「種をまいた」つうのはねえ(苦笑)。何でサンダースが賛成票を投じたのか気になりますし、実際「受刑者の再就職に障害をもたらす改悪」「そう言う意味ではサンダースも批判されても仕方がない立場」ではあったのでしょうが。
 つうか「そこまでいうなら日本での受刑者教育に資金を投じることに産経は反対しないよな」と聞きたくなります。単に「共和党万歳、くたばれ民主党」のためにサンダース批判のネタを必死に見つけてきたようにしか見えない辺りが何ともかんとも。つうかこのレベルで非難対象なら共和党なんか「格差問題でボコボコに叩かない」といけない気がしますが。


■【バスケ】次期会長に三屋氏*4内定、川淵氏*5は「院政
http://www.sankei.com/sports/news/160319/spo1603190045-n1.html
 歴史用語としての「院政」はともかく一般に「院政」と言う言葉は

現代日本の政治においては、スキャンダルによって退陣を余儀なくされた首相が、なお与党内において強力な影響力を保持している場合に「院政」の比喩が用いられる。例えば、竹下登*6リクルート問題で政権退陣した後の宇野宗佑*7政権・海部俊樹*8政権が「竹下院政」と称されたことがある。
・また外国の政治でも、院政という言葉が使われている。ロシアにおける2008年から2012年までのいわゆる「タンデム体制」は、当時の大統領ドミートリー・メドヴェージェフ*9ではなく、前任の大統領であるウラジーミル・プーチン*10首相が実権を握っているとされ、「プーチンによる院政」という表現が日本のメディアで使用された。また、江沢民*11が総書記・国家主席のポストを胡錦濤*12に譲っても、2年間は重大問題について江沢民の裁定を仰ぐ合意が中国共産党指導部内にあったとされ、2002年から2004年は「江沢民院政*13」という表現が日本のメディアで使用された。
・企業や団体での類似の現象も「院政」と比喩されることがあるが、この場合は、忠実な腹心や縁者を後継者として確定させることにより、実権の更なる強化を図る意味合いが強い。例えば、社長を退任した後も会長として企業の実権を握り続けることを、「院政」ということがある。
(ウィキペ「院政」参照)

ということで普通「いい意味では使われません」。「竹下院政」「プーチン院政」「江沢民院政」どれ一つとっても「褒め言葉ではない」でしょう。
 従って「これは川淵批判記事か」と思いきや、

川淵会長は次期会長を支えていく意向を示し「院政を敷いて、いざという時に出ていけるようにしたい」と話した。

だそうです。川淵には「院政とは悪い言葉だ」という認識は何故かないようです。変わった御仁です。大体「いざというときに出て行く」て「会長がだめだめなら俺がまた会長に復帰*14する」つうことでしょうか。「それ、おかしくね?」と思いますが。

*1:オバマ政権で国務長官

*2:上院議員バーモント州選出)

*3:アーカンソー州知事を経て大統領(1993〜2001年)

*4:1984年、ロス五輪で銅メダル

*5:記事に書かれている日本バスケットボール協会会長以外にも日本サッカー協会最高顧問、日本トップリーグ連携機構会長、2020年東京オリンピックパラリンピック競技大会組織委員会評議員国際バスケットボール連盟JAPAN 2024 TASKFORCEチェアマン、公立大学法人首都大学東京理事長、「こころの東京革命協会(東京都の外郭団体)」会長を務めている。Jリーグ初代チェアマン(ウィキペ「川淵三郎」参照)。

*6:佐藤、田中内閣官房長官、三木内閣建設相、大平、中曽根内閣蔵相、自民党幹事長(中曽根総裁時代)などを経て首相

*7:田中内閣防衛庁長官福田内閣科学技術庁長官、大平内閣行政管理庁長官、中曽根内閣通産相、竹下内閣外相などを経て首相

*8:弱小派閥・河本派出身で大臣経験も文相(福田、中曽根内閣)しかなかったが、党内実力者(安倍晋太郎宮沢喜一渡辺美智雄など)がリクルート疑惑で謹慎を余儀なくされたため首相の地位につくことになる。

*9:プーチン政権大統領府長官、第一副首相を経て「多選制限規定(連続して三選が禁止、ただし連続しなければ三選はOK)のため大統領を退任せざるを得ない」プーチンの後継指名で大統領に就任(このときプーチンは首相及び与党・統一ロシア党首に就任。党首就任はメドベージェフによる首相解任を予防するための措置とされる)。メドベージェフの大統領退任後は再びプーチンが大統領に就任しメドベージェフは首相に就任した。

*10:エリツィン政権大統領府第一副長官、連邦保安庁長官、第一副首相、首相などを経て大統領

*11:電子工業大臣、上海市長・党委員会書記などを経て党総書記、国家主席党中央軍事委員会主席、国家中央軍事委員会主席、党中央軍事委員会主席

*12:中国共産主義青年団共青団)中央書記処、貴州省党委員会書記、チベット自治区党委員会書記などを経て党総書記、国家主席党中央軍事委員会主席、国家中央軍事委員会主席、党中央軍事委員会主席

*13:竹下院政プーチン院政はともかく江沢民院政はそんなものが存在したのかが怪しいと思いますが。なにせ「秘密の合意があった」ですから。

*14:まあ、川淵とバスケットボール協会がまともなら、いかに三屋次期会長が酷くてもそんなバカはしないでしょうが。