今日の産経ニュース&北朝鮮・韓国ニュース(5/29分)(追記・訂正あり)

■アサヒ芸能『天才テリー伊藤*1対談「蓮池透」(1)』
http://www.asagei.com/excerpt/57865

蓮池
 (ボーガス注:『拉致被害者たちを見殺しにした安倍晋三と冷血な面々』という)このタイトルにしたために、ほとんどマスコミには相手にしてもらえないですね(苦笑)。テレビでは「表紙は映せません」と言われましたし、新聞でも「タイトルはなかなか書けないね」と。

 まあマスゴミの皆さんは日本国首相・安倍をガチで批判出来るほどの勇気は持ってないでしょう。
 なお、テリーは

石原慎太郎とは10数年来の付き合いで、TOKYO MXで1999年11月7日から2014年3月30日まで放送していた『TokYo,Boy』(東京都提供、テリーがディレクター)は東京都知事選挙当選後の石原からの打診により開始した(ウィキペディアテリー伊藤』参照)。
・『TokYo,Boy』が制作されるきっかけは、石原慎太郎東京都知事に当選した際、テリー伊藤が石原から「MXなんとかしてよ!。テリーさんが番組作ってくれないかな?」と何回も頼まれたからだと言われる(ウィキペディア『TokYo,Boy』参照)。

なんて人物ですから別に左派でもなんでもない。そう言うテリーが蓮池氏と対談することは実に興味深いですね。


■アサヒ芸能『天才テリー伊藤対談「蓮池透」(3)私が家族会に除名された本当の理由』
http://www.asagei.com/excerpt/57881

蓮池
 私はずっと「経済制裁一点張り」という北朝鮮対策について異議を唱えていたんですが、聞く耳を持ってもらえないんですね。まあ、(ボーガス注:蓮池薫一家という)家族が帰ってきちゃったのが、一番の要因だと思うんですが。
(中略)
「(ボーガス注:蓮池一家、地村一家と言った)帰ってきた家族」と「(ボーガス注:横田家のような)帰ってこない家族」の間には、もう必然的に壁というか、決定的な溝ができているわけです。そんな状況で私がいろいろ訴えても、あまり説得力が感じられないらしいんですよね。
テリー
 「そっちは家族が帰ってきてるから、甘い考えなんだろう」みたいな捉え方を?
蓮池
 そういう雰囲気はありました。北朝鮮に対して、「強硬じゃなくて、もっと平和的にやろうよ」「対話と交渉をしなきゃ、事は進まないよ」と言い続ける私が、何だか煙たい存在になってしまったみたいです。
テリー
 蓮池さんの意見に賛同する人はいなかったんですか?
蓮池
 いなかったです。
(中略)
 家族会から「強硬策をとっていくという総意がある中、あなた1人が違うことを言ってると組織がまとまっていない印象を与えてしまうから、そういう言論を展開するのはやめてくれ」と注意を受けまして。
テリー
 それは絶対おかしいよ。人の集まりなんだから、いろんな意見があってしかるべきでしょう。
蓮池
 ええ、だから私も「1つの意見しか言っちゃいけないなんて、それこそ(ボーガス注:あなた方家族会が批判してる)北朝鮮みたいじゃないか」って言ったら、いつの間にか私の退会決議が出されちゃいまして。事実上の除名ですよね。
(中略)
 だったら、自分の意見を変えてまで家族会に属する意味はないなと思って、「自分は独自の立場から発言していこう」と考えを変えたんですよ。家族会という組織は辞めても、「拉致被害者の家族」という立場は変わりませんから。
(中略)
 素人の集まりだった「家族会」が1つの運動体に変わっていったのは、のちにサポートしてくれた「救う会」のおかげです。でも現在は、すっかり立場が逆転して、「家族会」を巻き込んで一種の政治団体へとシフトしています。

 「ほぼ同意見」なので、あまりコメントはしません。まあいくつかコメントすれば
1)インタビュアーが「ジャーナリストではない」テリー伊藤で、雑誌が「オヤジ向け実話雑誌」アサヒ芸能というのが悲しいですね。
2)蓮池さんも「北朝鮮打倒論」から随分変わったと思いますね。


■アサヒ芸能『天才テリー伊藤対談「蓮池透」(4)横田めぐみさんは重要なポイント!?』
http://www.asagei.com/excerpt/57887

テリー
 もし仮に、安倍さんがもう一度、拉致問題解決に向けて動くとするじゃないですか。すると必ず北朝鮮は「じゃあ、その代わりに何をくれるんだ?」と言ってきますよね。
蓮池
 そうですね、見返りは絶対必要になります。
テリー
 (前略)
 これは(ボーガス注:蓮池さんが出版された)本に書いてありますけど、蓮池さんとしては、拉致された人1人につき10億円を払ってでも帰国させたいと。
蓮池
 「あらゆる手段を尽くす」と言うのであれば、極端な話、そういう方法もありますということです。今、政府が認定している(ボーガス注:そして帰国してない)拉致被害者は12人ですから、約120億円を支払うことになります。
(中略)
 効果のない経済制裁ばかりやって、交渉のチャンネルが切れてしまっている今の状況が、歯がゆくてたまらないんです。

 「ほぼ同意見」なので、あまりコメントはしません。まあ一つコメントすれば「1人10億」には絶対に巣くう会と家族会は賛同しないのでしょう。救う会はともかく家族会が賛同しないのは理解できませんが。俺が横田パパなら「10億でめぐみが帰ってくるなら10億出してくれ」「俺の自宅に抵当権つけるとか何でもしていいから」と政府高官に泣きながら土下座ですね。


■ハーバービジネスオンライン『北朝鮮が育成する海外エリートたちの素顔』
http://hbol.jp/95428

 北朝鮮から来る留学生は2種類に大別できる。ひとつは、学力の優秀さを国に評価され国家代表として留学してくるエリートたち。もうひとつは、両親が国外で貿易や外交業務に従事していて、家族総出で国外生活をしている人たちである。

 無論後者の方が自由度が高いわけですがまあ、程度問題でしょう。後者が100%自由を満喫しているわけでもなければ前者が完全な規制状態にあるわけでもない。
 そして前者にせよ後者にせよ「海外に出れば」嫌でも自国を客観視せざるをえないでしょう。だからといって亡命しようという人間はさすがに少なくて「インテリ、エリートとしての自負心もあって」そうした留学生が今後、北朝鮮の改革開放を進めていくのでしょう。


■日テレ『北朝鮮高官と米国務省OBらが接触
http://www.news24.jp/articles/2016/05/29/10331324.html
 この国務省OBの接触が事実として
1)「オバマら米国政府の意向を受けてのもの」なのか、そうでないのか
2)こうした情報が流れる意図は「米朝交渉潰し」なのか、逆に「米朝交渉ムードづくり」なのか
によって記事の意味は違ってくるでしょう。素人の俺にはそのあたりわかりませんが。


■日刊スポーツ『北朝鮮代表監督にアンデルセン氏 元ノルウェー代表』
http://www.nikkansports.com/soccer/world/news/1645675.html
サンケイスポーツ『元ブンデスリーガ*2得点王が北朝鮮代表監督就任へ』
http://www.sanspo.com/soccer/news/20160512/wor16051208180001-n1.html
スポーツナビ北朝鮮が外国人監督を招へいした理由:Jリーグで活躍する在日選手の立場は?』
http://sports.yahoo.co.jp/column/detail/201605250005-spnavi
 北朝鮮が「海外の指導者を入れて強くしよう」というのはよくわかります。
 我が日本も過去に「クラマー(1960年)」「オフト*3(1992〜1993年)」「ファルカン*4(1994年)」「トルシエ*5(1998〜2002年)」「ジーコ*6(2002〜2006年)」「オシム*7(2006〜2007年)」「ザッケローニ(2010〜2014年)」「アギーレ*8(2014〜2015年)」「ハリルホジッチ(2015年〜)」という外国人監督がいます。つうかここ数年、外人監督ばかりですが。
 よくわからないのはむしろアンデルセン氏の方で「北朝鮮には失礼ながら」果たして「北朝鮮代表監督」つうのはキャリアアップになるんでしょうか。
 さて小生は「ああ、2018年ロシアW杯対応で、そこまでは監督か」と思ったんですが
スポーツナビ北朝鮮が外国人監督を招へいした理由:Jリーグで活躍する在日選手の立場は?』
http://sports.yahoo.co.jp/column/detail/201605250005-spnavi
によれば

 なぜ今回アンデルセン氏に白羽の矢がたったのか。その経緯について知るため、これまで数多くの在日コリアンJリーガーの代理人として彼らを代表チームに送り込んだ南泰和(ナム・テファ)氏を訪ねた。
「18年のロシアW杯アジア最終予選に進めなかったことが、結果として大きな理由であるのは間違いありません。次のW杯に向けてチームを作らなければいけないですからね」
 確かに、北朝鮮代表は南アフリカW杯に出場後、国際大会でことごとく屈辱を味わっている。14年ブラジルW杯予選では最終予選に進むことができず、昨年1月のアジアカップは3戦3敗でグループリーグ敗退。今年1月のリオデジャネイロ五輪予選では準々決勝でカタールに敗れ、出場権を逃した。
「外国人監督を招いて代表チームを強化する計画については、常に議論されてきましたし、協会の課題でもあったのです。もっとも、結果として(ボーガス注:2019年)アジアカップ、(ボーガス注:2016年リオ)五輪、(ボーガス注:2018年ロシア)W杯予選とすべての可能性が断たれたので、外国人監督を呼ぶタイミングがあったというのが正しいでしょう」

だそうなので、とりあえず「2020年東京五輪に出ること」が当面の目標なのでしょう(ちなみに次のW杯は2022年、アジアカップは2023年)。
 「1年契約」だそうですが、わざわざ外国人監督を呼んで「1年で終わり」つうことはありえない。
 北朝鮮内部から「実績が出ないのに長期契約はできない」つう話が出たのか、はたまたアンデルセン氏側から「制裁で北朝鮮の先行きが不透明だし、代表チームがどんなもんかも今はよく分からない。1年でお願いしたい」つう話が出たのかは不明です。
 どっちにしろ北朝鮮アンデルセン氏とも「1年契約を今後延長し、2020年東京五輪まで契約すること」は一応視野には入れてるでしょう。救う会北朝鮮崩壊論の怪しさを示す事例かと思います。
なお、

http://sports.yahoo.co.jp/column/detail/201605250005-spnavi
「実は国内の女子バレーボールチームが、すでに外国人監督を起用して結果を残しているんです。朝鮮体育省のトップは『旧式ではダメだ。新しい風を吹かせなければ世界では勝てない』と認識している人がたくさんいます。サッカー協会関係者は『バレーボールが実現できて、サッカーで外国人監督を呼べないわけがない』と。

というのでググって見たのですが

http://japanese.donga.com/List/3/all/27/429242/1
東亜日報北朝鮮スポーツにも「外国人指導者」が登場』
 セルビア出身のブラニスラブ・モロ監督(58)が、北朝鮮の「4・25女子バレーボールチーム」の監督を務めていることが確認された。

という記事がヒットしました。ただし北朝鮮チームの成績やモロ監督の経歴までは分かりませんでした。


【以下、産経】
■「北に強い要求を」 拉致問題で蓮池さん講演 千葉
http://www.sankei.com/region/news/160529/rgn1605290049-n1.html

 北朝鮮拉致被害者で平成14年に帰国した蓮池薫さん(58)の講演会が28日、流山市内で開かれた。中央大学流山白門会*9高橋洋会長)が主催*10し、産経新聞社千葉総局など*11が後援。800人が熱心に耳を傾けた。

 産経が後援というのが興味深いですね(実は産経以外の朝日、読売、毎日も後援していますが)。産経は蓮池兄弟をどう認識してるのでしょうか。

 講演で蓮池さんは政府に対し、(1)北朝鮮拉致問題協議のメッセージを出し続ける(2)交渉の骨組みを変え、「調査」でなく「(残された被害者の)強い返還要求」を行う(3)(ボーガス注:安保理北朝鮮制裁している)今の世界情勢を無視して日本だけというのは無理だが、核とミサイルにつながらない形での人道支援*12は示してよい(4)1回の返還が1、2人にとどまっても突っぱねず、粘り強い交渉を−と4つの事項を要望した。
 蓮池さんは「『北朝鮮に甘い』と思うかもしれないが、何とか被害者を返してもらわないといけない。私たちが北朝鮮にいた時と、現在まだ残されている人たちの心理状態は全く違う。残された人たち*13は私たちの帰国を知っており、『なぜわれわれは帰れないのか』と思っているはずで、もう精神がもたない。日本で待つご家族も同じ。時間がない」と訴えた。

 ちなみに蓮池提案のうち、1,2はともかく3,4に明らかに反対しているのが救う会、家族会です。特に4についていえば救う会、家族会は「特定失踪者も含めて800人を一括で返せ」などと無茶苦茶を言っているから弱ります。


■台湾・蔡総統 就任早々軍を視察 兵役中のいじめ死に「生活環境改善する」
http://www.sankei.com/world/news/160529/wor1605290030-n1.html

 台湾の国防部(国防省に相当)は、急速な近代化を進める中国軍に対抗するため、徴兵制から志願制への移行による兵力の精鋭化を図っているが、「いじめ死」事件などで若者に敬遠され、深刻な募集難に直面している。

 「軍てのはどこでもいじめが蔓延するのか」とげんなりします。なお募集難は「いじめが恐れられてる」つうのは当然あるでしょうがそもそも「中国による台湾侵攻の恐怖」なんて感じてないてのもあるんでしょう。


■【iRONNA発】あまりにも無知で粗雑! 皇位継承まで口を出す国連委の非常識 大原康男*14国学院大学名誉教授)
http://www.sankei.com/premium/news/160529/prm1605290037-n1.html
 「また女帝反対かよ、突っ込むの、そろそろ飽きてきた」と思いますが、また突っ込んでみます。
 別に無知でも粗雑でもないでしょう。日本国内にも「女帝を認めないことは女性差別ではないか」という指摘は以前からあります。
 また日本の歴史上、女帝は存在するし、世界の歴史にも女帝は存在する。今現在も「英国のエリザベス女王」とかいるわけです。
 明治以降、女帝は「皇室典範で否定されて」名実ともになくなったので、再開(?)する場合、一定の混乱はあるでしょうが、そんなのは「現状を今のママ続ける」のではなく何らかの制度改変をすれば「女帝導入でなくても」何らかの混乱はある。
 むしろウヨ連中が主張する「側室制度復活(女性差別、不道徳などとして非難される危険性が強い)」「元皇族の皇室復帰(皇室復帰後、一般人時代のスキャンダルが発覚しかねない)」のほうがよほど女帝よりリスキーでしょう。
 つうか正直な話、「産経のような極右はともかく」多くの保守層(たとえば女帝導入を一時画策した小泉首相)は国連委員会に対し「勧告を出そうとしたことにむしろ感謝してる」「むしろ最終的には勧告を出さなかったことにがっかりしてる」んじゃないですかね。
 勧告を出してくれれば「女帝導入論の根拠の一つ」にできたからです(まあ根拠にしても産経は「国連はふざけてる」と非難し「法的拘束力がないから無視する」と居直るだけでしょうが)。
 そして多くの保守層は安倍ら極右が「国連の女帝導入論」の動きを敵視してることを「非常識だ」と呆れてるでしょう。
 悠仁君以外に若い男性がいない今の状況は皇位継承という意味であまりにリスキーです。現行制度のママだと、成長した悠仁君が「多くの子どもを妻との間で作ること」に期待するしかなく「それでええんか」という問題がある。
 とはいえ女帝以外の案(側室復活だの、元皇族の皇室復帰だの)は女帝導入に比べて国民の支持も低く現実性に乏しい。現状では女帝導入が最も現実的な策です。ならば天皇制維持を望む保守層に「女帝導入」を支持する人間が出ても不思議じゃない。
 一方、「天皇制にそれほど思い入れのない人間*15(たとえば天皇制廃止論者もいる左派)」からすれば女帝や「天皇制の維持存続」は「正直どーでもいい話」です。なぜなら「消費税増税の是非」など生活に密着する問題と違い、天皇制を存続しようと、女帝を導入しようと自分の日常生活に利益も不利益もほとんどないからです。そして将来的には現状は皇位継承という意味でリスキーですが、皇太子や秋篠宮悠仁君が元気でいる限り「当面、皇位継承の危機は表面化はしない」。
 はっきり言って、多くの人間にとって女帝導入や「天皇制存続策の導入」なんて、大原のような女帝制度反対ウヨと喧嘩してまで今、取り組みたい話では全くない。
 とにかく産経が言うのとは違い、「女帝導入は天皇制を破壊する」「女帝導入論は左翼の陰謀、中国の陰謀」なんてことは全くない。まあ小生からすれば「男女平等の観点や現実的な皇位継承の観点からは女帝制度導入すべきだと思うけど、あんたらウヨが『女帝制度導入論はサヨの陰謀』とか言って反対するのならあんたらウヨと喧嘩してまで主張する気もないなあ」ですね。ほとんどの人間はそうでしょう。

 菅義偉官房長官はこの日の記者会見で「わが国の皇室制度も諸外国の王室制度も、それぞれの国の歴史や伝統が背景にあり、国民の支持を得て今日に至っている。わが国の皇室制度の在り方は、女子差別撤廃条約でいう差別を目的としていないのは明らかであり、委員会側がわが国の皇室典範について取り上げることは全く適当ではない」と答弁している。

 「菅はアホか」としか言いようがないですね。イスラムのブルカにせよ、清朝中国時代の纏足にせよ「差別を目的としている」わけではないでしょう。つうか多くの差別は「主観的には差別じゃない」なんてことは珍しくないわけです。
 問題は「現実問題、差別を助長してるかどうか」であって、菅のように「いじめっ子の居直り(いじめたんじゃなくてふざけてただけです)」みたいな事(我が国の伝統文化だ)言っても説得力皆無です。

 安倍晋三首相も14日の参院予算委員会で同旨の批判を述べ、さらに「今回のような事案が二度と発生しないように、女子差別撤廃委員会をはじめとする国連及び各種委員会にあらゆる機会をとらえて働きかけていきたい」と強調した。

 女帝導入勧告の動きを「今回のような事案が二度と発生しないようにしたい」とまで言っちゃう神経が理解不能です。どんだけ女帝導入論が嫌いなのか。

 女系による皇位継承はこの定めに背反し、皇統の断絶をきたすものと老えられてきた。これは、力づくによるものではないにしろ、中国の歴史に頻発した易姓革命に類似する王朝の交替と同視されたからである。

 それ単に「そういうイデオロギーで日本皇室はやってきました」つう過去の事実でしかないですからね。別に「女系継承」でももちろん皇統断絶なんかしない。王朝交代でもない。まあ、古代なら「女系継承だと、母方の豪族の力が強くなりすぎる」などの弊害があったのかも知れませんが今そう言う時代じゃないでしょう。

 本原則は、もともと建国*16以来の「不文の大法」に基づくものであったが、明治になって憲法および皇室典範において成文化され、日本国憲法の下でも継承されている。憲法第2条は「皇位世襲のものであって…」とあり、必ずしも男系に限定していないかのように解する向きもあるが、現憲法の制定に際しての政府側答弁でも「男系を意味する」と明言されている。

 やれやれですね。「憲法2条は男系継承を定めてる」つうのは政府見解であっても憲法学界の通説じゃないですけど。憲法学会の通説は「憲法2条は皇室典範に全て白紙委任している」です。
 何故か大原は中途半端に引用してますが

第二条
 皇位は、世襲のものであって、国会の議決した皇室典範*17の定めるところにより、これを継承する。

というのが憲法条文です。
 学会の通説は
世襲とは日本語の意味として親から子へ血でつないでいくという意味しか持たず、女系継承を否定していない。明治以降の皇室制度が明治憲法皇室典範で女系を否定したという歴史的事実だけを理由に憲法2条の『世襲』と言う言葉を『女系否定』と見なすのは不適切」
日本国憲法制定時に、皇位継承については『選挙ではなく世襲にする』という以外には意見がまとまらず、皇室典範に全てを白紙委任したと見なすべきである。皇室典範を改正すれば女系導入は可能であり、そうしても憲法上の問題(要するに違憲立法と言う事ですが)は存在しない」
明治憲法第2条が『皇位皇室典範の定むる所に依り皇男子孫之を継承す』とはっきりと「皇男子孫」と書いているのに日本国憲法がそう書いていないこともこうした女系容認の解釈に整合的」
です。
 まあ安倍の無茶苦茶な「戦争法合憲論」に比べたら「女系継承合憲論」の方がよほど合理的解釈でしょう。憲法のどこにも「男系限定」なんて明文で書いてないからです。
 かつ大原みたいな女帝反対派を除けば「女系導入は皇室典範改正では無理、改憲しないといけない」なんて厄介な状況にするメリットもない。
 ただ大原みたいな輩は「皇室典範を改正して女帝制度を導入したら」、憲法学界の通説なんか無視して「違憲立法」と叫ぶんでしょうね。裁判も起こすかも知れない。裁判所がそのときどういう判決出すかわかりませんけど。

 翻ってみれば、小泉純一郎*18内閣において女系導入も辞さない*19皇室典範改定が拙速に推進されようとしたことがあった。女性天皇女系天皇の違いも明瞭ではない首相の独走に対して少なからぬ国民が反発したため、次の安倍首相によって法案は白紙に戻ったという経緯がある。

 「少なからぬ国民が反発」て反発したのはウヨ(日本会議神社本庁遺族会など)だけですけど。
 ウヨ以外は「別に改正したければしてもいい(無関心)」「むしろ改正して欲しい(積極的改正派)」のどちらかでしょう。とはいえ「ウヨは自民党の有力な票田(一方、非ウヨ、アンチウヨは票田ではない)」であり、かつ「悠仁君が誕生したため」小泉氏も典範改正する気が薄れたわけです。悠仁君が生まれてなかったら状況も変わったでしょうが、まあイフの話をしても仕方がない。

悠仁親王の世代に男子皇族がほかにおられないという皇統の危機は厳としてある。政府は男系主義を維持しつつ、これに対処する方策(昭和22年にGHQの経済的圧迫によって皇籍の離脱を余儀なくされた方の子孫による皇籍の取得)を速やかに講じていただきたい。

 「元皇族の復帰」て「元皇族がまともな人間である保証」なんかどこにもないわけです。「一般人となってからスキャンダルまみれ」なんて恐ろしい話も当然あり得る。
 たとえば「例の東京五輪招致裏金疑惑の当事者の一人」竹田恒和JOC会長(元皇族・竹田恒徳(元竹田宮)の息子)や右翼芸人・竹田恒泰(竹田JOC会長の息子)なんぞには俺は皇族に復帰して欲しくないですけどねえ。産経や大原はその辺りどう考えてるのか。
 「全員復活させるが、スキャンダルが発覚したら皇族資格を剥奪する」のか(つうか既に竹田親子の所業は俺にとって立派なスキャンダルですが)。それとも「元皇族の中から、まともそうな人間*20だけ二、三人選んで限定で復帰させる」のか。
 しかも元皇族なんて、今の天皇一家との血のつながりも薄い。そのため、女帝に比べて「元皇族復活」なんて国民の支持もない。
 そこまでして女帝を嫌う理由がさっぱり分かりません。まあ、天皇夫妻も立場上、口には出せないものの正直な話「遠い親戚を男系維持のために天皇にするくらいなら、女帝でも孫が天皇になった方がいい」て思ってるんじゃないか。


■【日本共産党研究】これが「しんぶん赤旗=資金源」勧誘の実態だ! 杉田水脈も被害者だった…市職員の弱みにつけ込み執拗に
http://www.sankei.com/premium/news/160529/prm1605290015-n1.html
 タイトルだけで内容は分かると思うので詳しくは説明しません。共産党名誉毀損で訴えられても文句言えない記事でしょう。
 まあ訴えるかどうか知りませんけど。訴えれば勝てるとは思いますが、勝っても居直り続けるのが産経ですし。

議員からの頼みごとは断りにくいという職員の弱みに付け込んだ手口だ。

 「ないとは断言しませんが」野党議員なのにそんなことあるんですかね。つうか「赤旗購入とは金額が違う(赤旗の方が当然安い)とは言え、野党議員相手にそれでは、与党・自民党の議員(市議、県議、国会議員)から『なんでもいいからワシの支持者(例:土建屋、警備会社、印刷業者などなど)に市の仕事を発注してほしいんや。ワシの面子を立ててくれ』と市の幹部が頼まれたら断れない、つうことですか?」「ミニ政党共産の赤旗でそれなら自民、公明、民進の機関紙なんかも大量購入ですか?」とは少しも思わないらしい産経にはいつもながら脱帽です。
 とりあえず産経の「共産に対する敵意」と「自民応援団であることを隠さない態度」はよくわかりました。

産経新聞は20年近く前の1998年4月9日付の記事で、「東大和市 『しんぶん赤旗』購読、皆で『やーめた』」という見出しで赤旗の勧誘の実態を取り上げていた。

つまりは産経以外、ほとんど誰も騒いでない「使い古しのネタ」のわけです。「20年前からのネタかよ」「そんなネタが共産非難として今さら有効だと思ってるのかよ」「他に非難ネタねえのかよ」と思うのはオレだけではないでしょう。

兵庫県西宮市役所に2010年まで18年間勤務した経験を持ち、旧日本維新の会や次世代の党で衆院議員を務めた杉田水脈によれば、同市役所内でも以前から「係長になると赤旗を購読する」という暗黙のルールがあったという。
(中略)
杉田の上司が係長に就任したときも、共産党市議から赤旗の勧誘があった。その上司が勧誘を断ると、本来の業務とは思えない「嫌がらせ」のような仕事を押しつけられたという。

 一体「誰が押しつける」んでしょうか。「上司の上司」か。そして押しつけたとしてその根拠が「共産党関係ない、ただのパワハラ」や「上司の被害妄想(異常なサービス残業だとしても嫌がらせではない)」などではなく「赤旗購入拒否に対する嫌がらせ」というのは何が理由なのか。説得力のかけらもないですね。
 これがまだ「その後、杉田の上司が所属する部課に対し嫌がらせとしか思えない共産議員の質問があった」というならまだ説得力も多少はあったでしょうに。

 神奈川県鎌倉市では、共産党市議らが、赤旗を市庁舎内で勧誘・配布・集金していることに対して、2014年度から「職務の中立性」を理由に、執務室内での政党機関紙をはじめとする物品に絡む勧誘などの行為を禁止した。
(中略)
 前年に市議会で自民党市議が「(共産党市議が)機関紙を購読するよう市職員に求めるのは、心理的強制に当たるのではないか」と指摘。これに対し、市長の松尾崇が「禁止をしていくということで検討する」と答弁していた。
 同様の動きは、兵庫県伊丹市や埼玉県春日部市などでも進んだ。伊丹市では14年6月の市議会本会議で、自民党市議が質問。総務部長が「多くの職員が、副主幹昇任時に議員から勧誘を受け、市庁舎内で購読の勧誘が行われていた」と答弁した。

 「都議選」「衆院選」「参院選」など最近の共産躍進(まだささやかなもんですが)に自民が「とにかく共産を潰したい」と恐怖感じてるらしいことが伺えます。

*1:日本テレビ天才・たけしの元気が出るテレビ!!』、フジテレビ『ねるとん紅鯨団』、テレビ東京浅草橋ヤング洋品店』などにディレクターとして関与。1993年に出版した『お笑い北朝鮮』で注目され、1995年4月にスタートしたニッポン放送『天才テリーの芸能ダマスカス』でパーソナリティーを務め、タレントに転進。著書『私が愛した金正日:お笑い北朝鮮』(1999年、宝島社文庫)、『お笑いプロ野球殿堂・ダメ監督列伝』(2004年、光文社知恵の森文庫)、『王さんに抱かれたい』(2008年、ゴマ文庫)、『なぜ日本人は落合博満が嫌いか?』(2010年、角川ワンテーマ21)、『長嶋茂雄を思うと、涙が出てくるのはなぜだろう』(2015年、ポプラ新書)など。

*2:ドイツのプロサッカーリーグ

*3:ジュビロ磐田監督(1994〜1996年)、浦和レッズ監督(2002〜2003年)など歴任

*4:ブラジル代表監督(1990〜1991年)

*5:コートジボワール代表監督(1993年)、ナイジェリア代表監督(1997年)、ブルキナファソ代表監督(1997〜1998年)、南アフリカ代表監督(1998年)、カタール代表監督(2003〜2004年)、モロッコ代表監督(2005年)など歴任

*6:イラク代表監督(2011〜2012年)

*7:ユーゴ代表監督(1986〜1992年)、ジェフ千葉監督(2003〜2006年)など歴任。

*8:メキシコ代表監督(2001〜2002年、2009〜2010年)

*9:蓮池氏は中央大卒だからその関係でしょう。小生は卒業生でありながら情けないことに全然「白門会(OB会?)」とやらのことがわかりませんが。

*10:なお、ググったところ「中央大学千葉県支部」「京葉白門会支部」「野田白門会」「我孫子白門会」との共催です。

*11:ググったところ「など」とは「流山市」「流山市教委」「朝日新聞社千葉総局」「読売新聞社千葉支局」「毎日新聞社千葉支局」「東京新聞千葉支局」「千葉日報社」でした。

*12:個人的には「人道支援(妊婦、乳幼児、高齢者、病人などへの支援)なら不正流用防止のモニタリング(監視)さえすれば核、ミサイルに繋がらないのはその性格上、当たり前」であって蓮池氏は本当は「開城工業団地的な、もっと本格的な経済支援、経済交流」も視野に入れてるかと思いますが。

*13:そんな人たちがいるんですかね?。

*14:著書『皇位継承の危機いまだ去らず』(共著、2009年、扶桑社新書)など

*15:小生もその一人ですが

*16:「建国」とは、いつのことを言ってるのか気になるところですが「神武建国」と言い出すんでしょうか?

*17:わざわざ「国会が議決した」と書いてあるのは戦前の皇室典範は「天皇家皇位継承に臣下が口を出すのはおかしい」という認識から「議会の議決対象から外れていた(天皇家の意志のみで改正)」のを、戦後「国会議決事項」に変更したからです

*18:宮沢内閣郵政相、橋本内閣厚生相を経て首相

*19:つうか明らかに女帝導入が目的ですけど

*20:なお、竹田親子は俺にとってはまともではありません。