今日の産経ニュース(6/19分)(追記・訂正あり)

■【花田紀凱の週刊誌ウォッチング〈570〉】週刊朝日日本会議を批判 憲法改正を目指し「安倍政権を陰で操る」と言いたいらしいが
http://www.sankei.com/premium/news/160619/prm1606190023-n1.html
 「安倍政権と日本会議は関係ない」という醜い言い訳です。
 不思議でしょうがないのですが
1)日本会議議連という議連があって多数の自民議員が参加してる、もちろん安倍内閣の閣僚も参加。
2)自民党の諸主張(例:改憲)は日本会議の右翼的主張と共通している
3)日本会議の役員には「NHK経営委員に任命された長谷川三千子・埼玉大名誉教授」「石原慎太郎都知事」「板垣正・元参院議員」など自民に近い人脈が存在する
のに今さら何で関係を否定したがるのか。
 「1)〜3)の事実があっても安倍政権と日本会議は関係ない」というのは詭弁にも程があります。
 しかし自民党日本会議も産経や花田らウヨ連中も「日本会議自民党の関係を隠したくて仕方がない」のでしょう。全くもって情けない集団、個人です。

日本会議」の会員はたった3万8000人。長い間、地道に活動を続けてきたからそれなりの力は持っているが、“過大評価”と言うべきだろう。

という花田の主張は詭弁もいいところで

http://www.nipponkaigi.org/about/yakuin
・北白川道久:神社本庁統理
・秋本協徳:新生佛教教団最高顧問
・稲山霊芳:念法眞教燈主
・岡田光央:崇教真光教え主
・岡野聖法:解脱会法主
尾辻秀久*1日本遺族会会長
・黒住宗晴:黒住教教主
・関口慶一:佛所護念会教団会長
・廣池幹堂:(公財)モラロジー研究所理事長
・保積秀胤:大和教団教主

などといった巨大団体(多くは右翼系宗教団体)の幹部が役員として参加してる以上「表に出てる日本会議の会員数」とは別途「神社本庁」「新生佛教教団」などの会員数もカウントすべきでしょう。そうすればその会員数はおそらく「38000人」レベルではないでしょう。


■【沖縄女性遺棄】「政治利用してほしくない」 四十九日法要が開かれる
http://www.sankei.com/affairs/news/160619/afr1606190014-n1.html

県民大会で女性の父親は「全基地撤去」を訴えるメッセージを出したが、事件と政治とを関連付ける動きに抵抗感を抱く関係者もいる。参列した親族の男性(65)は「(事件を)政治利用してほしくない。静かな環境でそっとしてあげたい」と話していた。

 やれやれですね。父親という最も近い親族が「全基地撤去」を訴えているのに「遠い親族の言葉」を持ち出すのだから産経もいい度胸です。
 大体政治利用というなら救う会拉致問題でやらかしてること(例:拉致と改憲をこじつける)の方がよほど政治利用でしょう。そのことに気付き、かつ救う会が許せないと思った蓮池透*2救う会批判を始めたわけです。


■【沖縄県民大会】「私たちは米国の奴隷ではない」 翁長知事やシールズも登場 「反政権」「反米」色濃く
http://www.sankei.com/politics/news/160619/plt1606190043-n1.html
 この集会で「反米でも反政府でもない集会」なんてことはありえないでしょう。そもそも反米、反政府が嫌ならこの問題で米国や政府がまともな対応をしろという話です。

 自民党県議の1人は、参院選公示(6月22日)の直前の開催であることから、「(革新勢力が推す参院選候補の)伊波洋一*3の決起集会*4のようなものだ。ただ、6万5000人は大げさにしても、こんな暑い日に相当な人数を集めた動員力はさすがだ」と語った。

 やれやれですね。「動員力」という要素がないとは言いませんが「米国や自公の無法に対する怒りが参加者を集めてる」という認識がない、あるいはそう言う認識を敢えて認めない辺りどうしようもない自民党県議の酷さです。


沖縄県民大会 革新にのみこまれた翁長氏*5 ついに「海兵隊撤退」言及
http://www.sankei.com/politics/news/160619/plt1606190026-n1.html
 1)「海兵隊=米軍」では必ずしもないので「海兵隊撤退は米軍撤退と必ずしもイコールではない」
 2)海兵隊は防衛部隊ではなく海外出撃部隊、外征部隊(日本共産党などは殴り込み部隊と呼んでいる)であり、沖縄防衛目的の部隊ではない
ことを指摘しておきたいと思います。そう言う意味で「海兵隊撤退」を翁長氏が主張することは別に不思議なことではないでしょう。別にそんなことで「翁長が革新になった」なんてことはいえない。

政府高官は「海兵隊の撤退要求は日米安保体制を否定するもので、(翁長氏が)保守政治家として日米安保に理解を示すというのであれば明確に一線を画すべきだ」と批判する。

 ええ?、ですね。「日米安保体制」を「日本の国防が目的ではなく、米国の海外戦略(中東での軍事行動など)に奉仕することが目的」「沖縄県民は基地被害が出ても米国のため(日米友好のため)に我慢しろ、国防に関係ないから海兵隊はいらないなんて言うな」というならこの高官の言うとおりでしょう。
 しかし「日米安保が日本の国防目的でないなら、いらない」「海兵隊は日本の国防目的でないならいらない」という立場に立てば話は別です。海兵隊は明らかに日本の国防目的ではない。
 翁長氏の発言「海兵隊撤退」はまじめに考えれば「日本の国防を口実にしながら実際にはそうではない」日米安保の欺瞞を暴くことになるでしょう。そして一体何のために日米安保が必要なのかを問い直すことになるでしょう。その辺り曖昧にごまかしてきたのが日米両国政府ですが。

革新政党の主張が前面に掲げられた大会に自民、公明両党が参加できるはずもなく

というより翁長氏と交渉したり妥協したりする気が全くないんだから参加できるわけがないでしょう。
「翁長が左派(というよりは反自公ですが)に傾いてる」と悪口する産経ですが「とにかく翁長は何も言わずに自公政権に従え」なんてふざけた態度を安倍自公政権や自公を支持するウヨ連中がとってて「左派に傾く」以外、翁長氏に何ができるんでしょうか。


■【世界裏舞台】「国民」用い始めた『普通の野党』ではない共産党 実現性ない主張で国民を当惑*6 作家・佐藤優*7 
http://www.sankei.com/politics/news/160619/plt1606190015-n1.html
 共産党が「千島全島返還」を主張してることをサンフランシスコ平和条約で千島の領有権を放棄してるので現実性がない、現実性があるのは政府・自民党の主張する四島返還論、共産党ナショナリズムを扇動していると非難する産経&佐藤優です。
 しかし以前、産経が「南樺太返還要求(日本共産党すらそんな事は言っていません)」すらしていたこと、南樺太サンフランシスコ条約で日本が領有権を放棄してることを知っていれば「お前、論理整合性なさ過ぎるだろ、産経」「過去の南樺太返還要求を間違いだった、非現実的主張によるナショナリズムの扇動だったと認めるのか、産経」て話です。佐藤だって産経の「南樺太返還論」は当然知ってるでしょう。朝日など他のメディアならまだしも佐藤も産経に良くこんな文章が書けるもんです(まあ産経以外ではこんな駄文は載せてくれないのでしょうが)。
 まあ、共産党非難において「千島全島返還論」なんて持ち出す人は普通いませんのでそう言う意味でもこの文章は馬鹿げていますが。なぜならそんな事、国政の重要課題じゃないからです。
 四島返還といおうが千島返還と言おうがまじめな話、ロシアは「一島も返さない」といってるのであまり意味がない。さすがに「南樺太返還」なんて言うのはやめた方がいいと思いますが。
 佐藤優もこんなに残念な人だったのかと思うと呆れますね。

*1:小泉内閣厚労相自民党参院会長、参院副議長など歴任

*2:著書『奪還:引き裂かれた二十四年』(2006年、新潮文庫)、『拉致:左右の垣根を超えた闘いへ』(2009年、かもがわ出版)、『私が愛した東京電力福島第一原発の保守管理者として』(2011年、かもがわ出版)、『13歳からの拉致問題』(2013年、かもがわ出版)、『拉致被害者たちを見殺しにした安倍晋三と冷血な面々』(2015年、講談社)など

*3:沖縄県議、宜野湾市長を歴任

*4:こういう決めつけが自公に対する批判を強めているという認識が何故できないんですかね。

*5:那覇市議、沖縄県議、那覇市長を経て沖縄県知事

*6:別に国民は当惑してないでしょう。北方領土問題なんてほとんど国民は感心がなく、したがって共産党の千島全島返還要求も知らない人が多いからです。

*7:著書『獄中記』(2009年、岩波現代文庫)、『創価学会と平和主義』(2014年、朝日新書)、『佐藤優の沖縄評論』(2014年、光文社知恵の森文庫)、『世界史の極意』(2015年、NHK出版新書)、『使える地政学』(2016年、朝日新書)など