新刊紹介:「前衛」8月号(その2)

「前衛」8月号の全体の内容については以下のサイトを参照ください。興味のある内容だけ簡単に触れます。
http://www.jcp.or.jp/web_book/cat458/cat/
■「米軍「思いやり予算」の40年(中)」(山根隆志*1
(内容紹介)
http://d.hatena.ne.jp/bogus-simotukare/20160617/5421309876で紹介した(上)の続編。


■対談「日本の未来を語れる新しい政府を一刻も早く」(窪島誠一郎*2、田村智子)
(内容紹介)
 窪島氏がライフワークとしている「戦没画家」が対談の主テーマ。戦争国家化をすすめる安倍政権の批判が行われる。 


特集「ふたたび「戦争する国」にすすむのか」
■「戦争に抗する思想:戦争と民主主義・立憲主義を考える」(岡野八代*3
(内容紹介)
 近年、『戦争に抗する:ケアの倫理と平和の構想』(2015年、岩波書店)を出版した岡野氏に出版に込めた思いなどをインタビューしている。なお、岡野氏のスタンスについては以下の新聞記事を参考にして欲しい。

参考
東京新聞『「立憲政治を取り戻す」 学者、弁護士ら「国民運動」設立』
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201601/CK2016012002000124.html
赤旗『2016 とくほう・特報:「破防法答弁書 市民が批判、時代錯誤 安倍政権、「共産党への攻撃は市民への脅し」「反共は戦争の前夜」 識者も指摘』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik15/2016-03-26/2016032603_01_1.html
■京都民報『「自由と平和と民主主義、私たちの尊厳が問われている選挙。だからこそ日本共産党に投票します」 岡野八代・同志社大教授が応援演説』
http://www.kyoto-minpo.net/archives/2016/07/08/post-20416.php


■「「戦争する国」のリアル:アメリカの中東戦争から見た戦争法の危険」(坂口明*4
(内容紹介)
 Q&A形式で書いてみる。
坂口氏
「安倍政権の戦争法はアメリカの戦争に協力するためのものであり中東での発動が危惧されます。安倍政権以前から湾岸戦争での米軍支援(海部内閣)、イラク戦争での自衛隊派兵(小泉政権)と日本の戦争国家化は米国の戦争政策と密接に関わってきました。米国の戦争政策を論じることは日本の安保外交政策を論じる上でも重要だと思います。」
「私が注目しているのはアンドリュー・ベイセビッチというボストン大学の名誉教授です。彼には邦訳で『アメリカ・力の限界』(2009年、同友館)という著書があります。興味深いのはベイセビッチが『元軍人だ』ということですね。彼は私の取材に対して『自分は絶対的平和主義者ではない』と認めています。その彼ですら国際法に違反しないかどうか、国際社会の了解が得られるかどうか、政権転覆後の展望があるかどうかに無頓着で『とにかく反米政権は叩き潰すことが正義だ』という米国の今の軍事戦略は認めがたいと言う事です。フセイン政権転覆後ISを産み出すような無謀な軍事戦略は支持できないと言う事です。」

「ベイセビッチは何と言っているのか、もう少し詳しく教えて下さい」
坂口氏
「ベイセビッチは1)イラン革命、2)冷戦崩壊とその後の湾岸戦争は米国の軍事戦略に大きな影響を与えたと見ます。冷戦以前も米国はもちろん世界中に軍事介入していました。ただその軍事介入は、朝鮮戦争ベトナム戦争ニカラグア内戦介入など、冷戦的な軍事介入が多かったわけです」
「しかしイラン革命で『ソ連共産主義』とは違う『イスラム原理主義』という新たな敵が登場したわけです。この時、カーター政権はカータードクトリンなる主張を打ち出します。カーター・ドクトリンはカーター大統領が1980年1月23日に彼の一般教書演説のなかで述べたもので、ペルシャ湾岸地域地域における国益を守るために必要な場合には、アメリカが軍事力を行使することも辞さないことを宣言したものです(ウィキペ「アメリカ合衆国大統領のドクトリン」)。カーターはその後レーガンに敗北しますがカータードクトリンはレーガンにも引き継がれたと見るべきでしょう。なおこの一見で分かるようにカーターを単純に平和主義者、ハト派と見なすことは適切ではありません。」
「ただしイスラム原理主義という新たな敵は冷戦崩壊までは大した敵ではなく、米国も中東への介入は控えていました。最大の敵はソ連だったわけです。しかしソ連崩壊によりイスラム問題が米国外交の重要問題に浮上するわけです。そんなとき、フセイン政権のクウェート侵略が起こり、米国は湾岸戦争を起こします。この戦争は『米国の勝利』に終わり、ベトナム戦争の泥沼で生まれた厭戦気分が払拭されたとベイセビッチは見ます。そしてこの勝利に対する過大評価がその後、米国の軍事介入路線を助長したとベイセビッチは主張します。その結果、米国はユーゴ空爆、アフガン戦争、イラク戦争と軍事介入を深めるわけです。これらの戦争はミロセビッチ政権崩壊、タリバン政権崩壊、フセイン政権崩壊をもたらし、当初は『アメリカの偉大さを示すもの』と認識されました。しかしその認識はその後裏切られることになります。」
 「タリバン政権は『アフガンの政権与党』の座からは転落しますが決して滅亡はしませんでした。今もしぶとく生き残り対米戦争を続けています。イラクイスラム過激派とフセイン政権残党が『共通の敵・米国に立ち向かう』という理由で共闘し、ISが誕生したのです」
「安倍政権の戦争法は、安倍政権の米国べったりの態度と今の米国軍事戦略の元では、アフガンやイラクの悲劇をシリアなど別の場所で引き起こす恐れがあります。戦争法の一日も早い廃止、そして当面廃止が無理でも、発動を許さない戦いが必要な理由です」
「なお、ベイセビッチはブッシュ政権フセイン政権打倒は大量破壊兵器が理由か疑わしいと見ています。米国にとって反イスラエルクウェート侵略の前科があるイラクを叩き潰すことが理由であり、『大量破壊兵器疑惑』が疑わしいことを知りながら『そうならばうってつけの攻撃理由、持っていればありがたい、いや持っているに決まっている』と大量破壊兵器保有願望によって戦争を開始したと見ています。私も同感です。」


■フォトリポート「写真とビデオで伝える戦争の被害と加害」(鈴木賢*5
(内容紹介)
 筆者は「あの戦争をライクワークとしているが」、この記事ではそのうち「韓国人被爆者問題」と「マルレの通称で知られる特攻兵器(モーターボートに爆弾を積んで突っ込む)」が取り上げられている。


■「アベノミクスの本質としくみ:超金融緩和による大資本の利益と国民収奪」(山田博文*6
(内容紹介)
 赤旗記事の紹介で代替。「雇用が増えたと言うがほとんど非正規」「賃金はずっと下がり放し」「株価高を演出するために年金資金を株式市場に投入し多額の損失」といったアベノミクスの惨状が批判されます。

赤旗
■「アベノミクス効果」本当か?!、首相が誇る数字の真実
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-06-11/2016061103_01_1.html


■「「表」の銀行と「影」の銀行:複雑になった現代の金融機構」(大槻久志*7
(内容紹介)
 「表の銀行」とは文字通り一般人が頭に思い浮かべる「銀行」です。
 「影の銀行」とは銀行ではないが銀行的役割を果たすもので「証券会社やヘッジファンドなど」のことを言います。
 「影の銀行」の問題点については
赤旗『国際的投機に規制を、財務相報告に佐々木議員』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik10/2011-02-28/2011022804_03_0.html
を紹介しておきます。


■「TPPと食の安全」(小倉正行*8
(内容紹介)
 赤旗の記事紹介で代替。

赤旗
■食の安全 91%が無検査輸入、斉藤氏、監視員増求める、TPP特別委
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-04-21/2016042102_02_1.html
■衛生法違反輸入食品 すでに消費・販売、斉藤議員追及 TPPで深刻化の危険、衆院特委
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-04-23/2016042303_01_1.html
■TPP 食の安全脅かされる、各種メディア注目、共産党の斉藤議員の質問
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-06-09/2016060902_03_1.html


■「被爆者は訴える:「核兵器のない世界」をいまこそ」(田中煕巳)
(内容紹介)
 赤旗の記事紹介で代替。

赤旗
核兵器禁止の先頭に立て、オバマ米大統領日本被団協要望書、被爆者の声 直接聞いてほしい
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-05-19/2016051901_02_1.html
核兵器ゼロまであきらめない、米大統領平和公園での行事同席へ 被団協の坪井さんら3氏
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-05-27/2016052701_07_1.html
■“被爆者つくらぬ政治を”、大統領演説に同席 被団協3氏が会見
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-05-28/2016052801_03_1.html
■ヒバクシャ国際署名 成功へ、結成60年 日本被団協総会始まる
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-06-16/2016061610_01_1.html


■「安倍政権の意向反映:地歴・公民科の高校教科書検定」(鈴木敏夫
(内容紹介)
 赤旗の記事紹介で代替。

赤旗
■政府寄り記述に「修正」、集団的自衛権、領土問題… 高校教科書検定を公表
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik15/2016-03-19/2016031901_02_1.html
■主張『高校教科書検定、政治による教育支配をやめよ』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik15/2016-03-27/2016032702_01_1.html


■「今こそ統一戦線の推進力に:『全国革新懇35年のあゆみ』刊行によせて」(増村耕太郎)
(内容紹介)
 赤旗の記事紹介などで代替。

全国革新懇
http://www.kakushinkon.org/
赤旗
■主張『全国革新懇35周年、運動の光彩放つ発展をさらに』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-05-18/2016051801_05_1.html
■野党・市民の共同で戦争法廃止の政府実現へ、結成35年 革新懇総会、志位委員長が特別発言
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-05-22/2016052201_01_1.html


■「政治的・公的活動への女性の平等な参加のために(4):女性参政権行使70年、歴史と今日の課題」(広井暢子*9
(内容紹介)
 いわゆるクオーター制について論じられています。基本的には「クオーター制支持」のようですが「小選挙区制」「高い供託金」「べからず選挙」などの問題点を放置しながらクオーター制を導入しても効果はないとの主張のようです。全く同感ですね。まあそれ以前にこれらの問題を解決できずしてクオーター制が導入できるとも思えませんが。


■論点
【人権侵害、「部落差別」固定化法案は断固廃案】(中沢睦夫)
(内容紹介)
 赤旗の記事紹介で代替。

赤旗
■「部落差別」を固定・永久化、きょうにも法案提出、共産党反対
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-05-19/2016051902_02_1.html
■今週の国会/「部落差別」固定化法案が浮上
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-05-23/2016052302_02_1.html
■解決に逆行 暴挙阻止を、「部落差別」永久化法案 全国人権連が反対集会
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-05-25/2016052504_01_1.html
■「部落差別」永久化法案廃案を、清水議員 「解消努力裏切る」と批判
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-05-26/2016052602_02_1.html
■部落差別固定化に反対、広島 全国人権連大会始まる、仁比氏あいさつ
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-06-12/2016061204_01_1.html


■暮らしの焦点
成年後見制度は「利用促進」ではなく「意思決定支援制度」へ】(栫浩一)
(内容紹介)
 赤旗の記事紹介などで代替。

日弁連成年後見制度の利用の促進に関する法律に対する会長声明』
http://www.nichibenren.or.jp/activity/document/statement/year/2016/160422.html
赤旗
■後見制度は現行改革が先、利用促進法案可決 島津氏が主張
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik15/2016-03-26/2016032605_02_1.html
■意思決定支援制度を、成年後見制度 山下氏が求める
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-04-08/2016040804_02_1.html


■メディア時評
【テレビ:放送批評懇談会からのメッセージ】(沢木啓三)
(内容紹介)
 これについては高世仁のエントリを紹介しておく。「ワイマール憲法」「南京事件」「国谷裕子氏」「古舘伊知郎氏」というラインナップが何を意味するかは説明不要だと思う。

http://d.hatena.ne.jp/takase22/20160604
 第53回ギャラクシー賞(放送批評懇談会主催)が2日発表され、テレビ部門の大賞に、テレビ朝日の「報道ステーション」の二つの特集、今年3月放送の「ノーベル賞経済学者が見た日本」と「独ワイマール憲法の“教訓”」が選ばれた。
https://www.youtube.com/watch?v=25sM6kFxwJo
 《「ワイマール憲法」では、キャスターの古舘伊知郎さんがドイツを取材し、かつてヒトラーが同憲法の国家緊急権を悪用して独裁政権を構築した経緯をリポート。自民党改憲草案に盛り込んだ「緊急事態条項」が、時の政権を暴走させる危険性をはらむと指摘した。こうした放送内容が「国論を二分する重要課題について、独自の視点と深い取材で問題の本質に迫り分かりやすく伝えた」などと評価された。》(朝日新聞
 古館キャスターがドイツ・ワイマールのヒトラーが演説したエレファントホテルのバルコニーからリポートした冒頭のシーンが印象に残っている。
 ヒトラーは、失業の不安におびえる人々に「強いドイツを取り戻す」と訴え、独裁を「決断できる政治」、戦争の準備を「平和と安全の確保」と言い換えたと古舘氏はリポートした。今の日本と二重写しになっている。
 見逃した方はYoutubeでご覧ください。
https://www.youtube.com/watch?v=3Kw0uuflXdc
 このほか、日本テレビNNNドキュメント「南京事件 兵士たちの遺言」がテレビ部門の優秀賞を受賞。特別賞にはNHK「クローズアップ現代」のキャスターとして長年活躍した国谷裕子さんが選ばれた。
 先月、「放送人の会」は国谷裕子氏とNNNドキュメント南京事件」をグランプリと準グランプリに選んでいた。http://d.hatena.ne.jp/takase22/20160520
 このブログで紹介した番組や人が受賞しているが、これらの選考にあたっては、このままじゃだめだというメディア関係者の焦りのようなものも感じられる。
南京事件」の動画はhttp://www.at-douga.com/?p=14681


【演劇:反応工程:俳優座と文化座が競演】(鈴木太郎)
(内容紹介)
 俳優座、文化座が公演した演劇「反応工程」の紹介。

参考

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-05-18/2016051801_06_0.html
赤旗『きょうの潮流』
 「あなたは戦争が始まるのを待っているのですか?」。
 非戦を選ぶ演劇人の会が呼びかけ、企画したピースリーディングが各地でとりくまれています。▼戦争法や憲法9条をめぐる今の状況を映した台本が会から公開され、みんなで読み合う。誰でも自由に参加でき、言葉を通して人から人へ問題が共有され、多くの国民が選挙や政治に関心をもつ。その一助になってほしいと願って。▼改憲をめざす安倍政権の登場は、皮肉なことに憲法や平和を守る運動を各界各層で燃え上がらせています。それは文学や映画、演劇をはじめ、数々の文化・芸術作品にも。いま俳優座が都内で公演している「反応工程」もその一つです。▼太平洋戦争末期、九州の軍需工場に学徒動員された若者たち。敗戦濃厚の中で赤紙を突きつけられて悩み苦しむ者。自身の気持ちと周りの人たちに誠実でありたいと思いながら、何が正しいかを模索する者…。戦争によって人間がゆがめられていく様子が生々しい。▼今回の公演は幅広い人や団体が呼びかけ、成功する会をつくりました。演劇と社会を結ぶ新たな試み。実際、会場には今の学生の姿が目立ちました。なかには団体で観劇を申し込んできた学校も。▼会の共同代表の一人でもあるシールズの奥田愛基(あき)さんは「戦争体験者の日常は、ぼくらの現実とつながっていき、私たちの日常は未来へとつながっている」。時代をこえ、世代をこえ、みんなが幸せに暮らせる平和な社会をつくるために。その輪はたしかに広がっています。

http://www.asahi.com/articles/ASJ3P6FMRJ3PUCVL00H.html
朝日新聞『山田監督・シールズ奥田さん、演劇で反戦訴える会結成』
 軍需工場に学徒動員された若者たちの苦悩や叫びを描いた演劇作品「反応工程」(作・宮本研)を広く知ってもらい、演劇と社会をつなぐムーブメントにしようと、「俳優座『反応工程』を成功させる会」が21日、結成され、東京・六本木の劇団俳優座でキックオフイベントが開かれた。約120人が参加し、共同代表の映画監督の山田洋次さん(84)、学生団体の「SEALDs(シールズ)」メンバーの奥田愛基さん(23)、「T―nsSOWL」のタクヤさん(17)のほか、出演俳優たちがあいさつした。
 共同代表は3人に加え、俳優座加藤剛さんの計4人。作品は、終戦直前の九州の軍需工場で、爆薬を作り出す「反応工程」で働く若者たちの物語。徴兵への焦燥感や思想統制への怒り、敗戦の準備を進めているのに工程を止めない大人たちへの不信感などが描かれている。
 キックオフイベントでは、山田監督が「人間らしさにあふれたステキな劇にしてほしいと願います」とあいさつ。
 イベントに先立つ記者会見で奥田さんは「演劇は、戦争体験者の歴史のタイムカプセルのようなもので、戦争中にいるような体験をすることができる。自分たちが生きていることをもう一度かみ締められたらと思って共同代表を引き受けた」と話した。タクヤさんは「来週、安保法が施行されます。『反応工程』を通し、反戦メッセージを広く知ってもらい、戦争の悲劇を繰り返さないように訴えていけたらと思います。私のおじいちゃんは戦争経験世代。民主主義を壊さないためにも私たちが声をあげていくべきだと思いました」。

http://www.nikkansports.com/entertainment/news/1619930.html
■日刊スポーツ『山田監督がSEALDs奥田氏とともに俳優座を応援』
 山田洋次監督(84)が21日、東京・六本木の俳優座劇場で行われた「俳優座『反応工程』(5月13〜22日、東京・紀伊国屋ホール)を成功させる会」キックオフイベントに出席した。
 大学生らのグループ「SEALDs(シールズ)」の奥田愛基氏らとともに、同会の共同代表を務める。「反応工程」は、宮本研氏作で終戦間近の軍需化学工場に学徒動員されていた若者たちを描いた物語。山田監督は「内容はとても人間らしさにあふれた作品。ぜひすてきな演劇で伝えてほしい」と期待した。
 俳優座では、同作を通じて平和とは何かを訴えていこうと、俳句を募集したりと、さまざまな活動を行っていく。奥田氏は「最初は何で僕に? と思いましたが、戦争のことが他者化されていく中で、演劇を通じて悲惨さだけでなく、同じ歴史の中で生きていることを感じたいと思い、積極的に応援させていただくことになりました。この舞台をみた人が『戦争反対!』ではなく、平和について何かを感じてもらえるだけでいいと思います」と話した。

http://natalie.mu/stage/news/179982
■宮本研の「反応工程」を俳優座が上演、山田洋次らが「成功させる会」を発足
 5月13日から22日まで、東京・紀伊國屋ホールにて劇団俳優座「反応工程」が上演される。
 「反応工程」は、宮本研の“戦後三部作”の1つ。1945年8月、九州の軍需化学工場で働く動員学徒の中高生たちは、炭鉱から出る石炭を化学変化させ薬品や爆薬を作り出す「反応工程」に従事している。ある日、その1人に招集命令が下るが、歓送会の後に彼は姿を消してしまい……。同作を小笠原響の演出により、現代の我々と地続きの物語として立ち上げる。
 なお上演にあたり、映画監督の山田洋次、SEALDsの奥田愛基、T-nsSOWLのタクヤ俳優座加藤剛が共同代表に名を連ねる「俳優座『反応工程』を成功させる会」が発足した。本作を通じて“演劇と社会をつなげた、新たなムーブメントを創れたら”という思いを持つ、演劇・映画・音楽を中心とする関係者やアーティスト、研究者、一般人が多数参加しており、その活動のひとつとして、3月21日の14:00から16:00まで劇団俳優座の第1稽古場にて、SEALDsの奥田とT-nsSOUWLと俳優座メンバーによるキックオフイベントが開催される。
山田洋次コメント
 嘗て、この国は悲惨な戦争をしていたこと、そして戦争後、新憲法のもとで民主主義を目指して懸命に再生しようとしていた時代があったことを、戦後生まれの日本人に今こそ知ってほしいと願います。
■奥田愛基(SEALDs)コメント
 演劇を通して、まるでその時代を生きてるかのように体感する。戦争体験者のその日常は、僕らの 現実と繋がっていき、私たちの日常は未来へと繋がっている。
タクヤ(T-nsSOWL)コメント
 演劇は私達の大切な娯楽であるとともに、その時その時の出来事を映し、広く社会に訴えかけるものだと思っています。今回の「反応工程」が俳優座を通し、反戦のメッセージを伝えていくものとなれば嬉しいです。
加藤剛コメント
 俳優座五月公演「反応工程」を成功させる会にご賛同いただきご支援下さる皆様に心から御礼を申し上げます。戦争のない平和な世界を実現させるために戦争放棄を決めた日本国憲法第九条は世界に 誇る人類の叡智です。不幸な戦争で生命を失った人々の残してくれた夢の形見です。戦争とは人を殺し、殺されるもの。私たちは過去のあやまった戦争を正しく知ること、そして未来も永久にこの第九 条を守っていくことこそが死んでいった人々へのせめてもの恩返しだと思うのです。 私たちは演劇表現で平和な世界を望む人たちと共同の輪を広げ、文化の力で人々が幸せに暮らせる平和な世の中にしましょう。

http://mainichi.jp/articles/20160322/k00/00m/040/079000c
毎日新聞『SEALDs、戦争描く舞台「反応工程」を応援』
 戦争末期、軍需化学工場に動員された若者たちを描いた舞台「反応工程」を上演する劇団俳優座が、若者グループ「SEALDs」の奥田愛基さんや映画監督の山田洋次さんらを共同代表に「成功させる会」を結成。21日、奥田さんらも参加して東京・六本木でキックオフイベントが開かれた。
 作品は劇作家、宮本研(1926〜88年)が自身の体験を基に、戦争や戦後民主主義の出発点を問いかけたもので、初演は58年。
 イベントに先立つ会見で、奥田さんは「戦争があまりにも遠いこととして、他者化されすぎている。演劇だとまるで戦争の中にいるような体験をする。同じ歴史の中で自分たちが生きていることをもう一度かみしめたい」とエールを送った。また、旧満州(現中国東北部)で動員体験をした山田監督は「台本を読んであの時代を思い出した。中学生も軍事教練を受け、小さな兵隊でした」と話した。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201603/CK2016031602000242.html
東京新聞『平和でなければ芝居続けられぬ 俳優座反戦に絞り年間上演』
 日本を代表する劇団の一つ、劇団俳優座(東京・六本木)が、反戦平和の願いを込めた芝居に絞った上演活動に取り組んでいる。夏の参院選改憲が争点として浮上する中、若者の団体や本紙「平和の俳句」選者の俳人金子兜太(とうた)さんらが応援団を結成。劇団は「平和でなければ芝居は続けられない。演劇を上演すること自体を平和運動にしたい」と意気込んでいる。 (五十住和樹)
 劇団の創設は戦時中の一九四四年二月。創設を伝える新聞では、メンバーの千田是也(せんだこれや)さんが、治安当局に目を付けられていたため、検閲を考慮し名前を出さなかった歴史もある。
 制作担当の下(しも)哲也さん(64)によると、集団的自衛権行使を政権が認め、戦争へ向かう空気が広がってきたことを受け、劇団員には「国民が戦争に駆り出される近未来にしたくない」との思いが強く、反戦平和の演目を年間上演することを決めたという。
 一月には、安部公房作で、満州中国東北部)を引き揚げる際の財閥家庭の悲喜劇を描いた「城塞(じょうさい)」を上演。五月には終戦直前の軍需工場が舞台の「反応工程」の上演を予定する。
 学徒動員を経験した劇作家、故宮本研さんの「戦後史三部作」といわれる戯曲の一つで四五年八月、九州の軍需工場で炭鉱の石炭を化学変化させ薬品や爆薬を作り出す工程で働く動員学徒らの物語だ。原爆が投下され敗色が濃厚となっても召集令状が届く様子などが生々しく描かれる。
 七月はカナダの劇作家ジョージ・ウォーカー作によるアフガニスタンへ派遣された兵士を語る「狙撃兵」、九月には清永聡さん原案で裁判官の葛藤を語る「気骨の判決」*10を再演し、十一月には劇作家の故秋元松代さん作で、古来からの伝承と戦災孤児が絡む「常陸海尊(ひたちぼうかいそん)」を予定している。
 下さんは「演劇と世の中をつなげた新しいムーブメントをつくれたら」と広く呼び掛け、これに応え映画監督山田洋次さん、俳優加藤剛さん、若者団体「ティーンズソウル」のタクヤさんが「俳優座『反応工程』を成功させる会」の共同代表に就任した。
 会の呼び掛け人には、金子さんのほか、若者の団体「SEALDs(自由と民主主義のための学生緊急行動、シールズ)」の奥田愛基さん、映画監督鎌仲ひとみさん、作曲家池辺晋一郎さんら約五十人が名前を連ねている。

http://www.asahi.com/articles/DA3S12384540.html
朝日新聞俳優座・文化座「反応工程」 同じ戯曲、焦点異なる競演』
 二つの老舗劇団がほぼ同じ時期に、同じ戯曲を舞台化した。俳優座紀伊国屋ホールでの公演(小笠原響演出、13〜22日)と文化座のアトリエでのそれ(米山実演出、25〜29日)。戯曲は1958年に初演された宮本研の「反応工程」。

http://mainichi.jp/articles/20160609/dde/012/200/015000c
毎日新聞『個が抹殺される理不尽さ描く』
 劇作家宮本研(1926〜88年)の「反応工程」が、くしくも俳優座(小笠原響演出、5月13〜22日、紀伊国屋ホール)と文化座(米山実演出、同25〜29日、文化座アトリエ)で“リレー競演”された。
 <戦争の大義はすでに残骸と化していた>。
 宮本のエッセー「8・15と私の原理」の言葉は鋭く突く。先の大戦中、勤労動員された九州の軍需化学工場で、会社は終戦後を見越して再び染料を作るための準備を始めていた。宮本がその<戦中戦後の体験を私なりに総括>(エッセー「そこからの出発、そこへの回路」)した自伝的戯曲である。
 軸となるのは動員学徒の田宮。戦時システム、すなわち全体が優先される論理の中で個が抹殺される理不尽が、硬質かつ叙情的なセリフで緻密に描き込まれている。両公演とも動員学徒や見習工を劇団の若い俳優たちが演じ、等身大のエネルギーにあふれた。
【濱田元子】

http://mainichi.jp/articles/20151109/dde/012/200/010000c
毎日新聞『宮本研作品、連続上演 現在に続く「民の怒り」』
 国家と民衆の関係を軸に歴史を鋭く問い続けた劇作家、宮本研(1926〜88年)。現代演劇で語り継がれる名作「からゆきさん」(伊藤大演出)と「明治の柩(ひつぎ)」(黒岩亮演出)が、それぞれ青年座劇団東演により、東京・新宿の紀伊国屋ホールで連続上演される。両作品に通底する「棄(す)てられた民の怒り」。戦後70年、今また不穏な空気が漂う社会に、時代を超える骨太なセリフが響く。
 「からゆきさん」は77年、青年座に書き下ろされた。舞台は日露戦争前後のシンガポールの娼館(しょうかん)「二十六番館」。祖国や古里への仕送りに精を出す主人・巻多賀次郎やそこで働く女性たち“からゆきさん”が、国家や時代に翻弄(ほんろう)されていく。
 多賀次郎を演じる綱島郷太郎は「『明治の柩』や『美しきものの伝説』を見ていても思いますが、スケールが大きい」と宮本戯曲の魅力を語る。男女の関係が、国家と民衆の関係に重ねて描かれる。「社会や国が動いていく中で巨大な渦に巻かれていく人たちのドラマ。一場面一場面が濃く、思いが全て詰まった中でセリフを言わないと、スッカラカンになってしまう」とてごわさも。
 「国を憂う、古里を憂うというのが多賀次郎の原動力になっている。猪突(ちょとつ)猛進で駆け抜け、国に捨てられて初めて何が大切だったか分かる。よくも見えれば、悪くも見えるでいいと思います」
 一方、足尾銅山鉱毒被害救済を国に訴え続けた田中正造(劇中では旗中正造)を描く「明治の柩」。国家と民衆の対峙(たいじ)が硬質な会話劇で繰り広げられる。革命伝説4部作の最初に書かれ、ぶどうの会が62年に初演した。
 旗中を演じるのは能登剛。「信義を一番大事にすることを貫き通した人生。尊敬しますし、自分がそこからかけ離れた人生を送っているので一歩でも二歩でも近づきたいと思うほど」と思いを込める。
 富国強兵を掲げる国の前に民は切り捨てられる。「結果として救えなかったが、戦い続けた人間がいたことは誇らしい。あきらめてはいけないということの勇気になります。今の沖縄の辺野古の問題にしても、国は地元の声を意に介さない。そういう状況と重なり、リアリティーがあります。『明治の柩』の中の戦いは現代にまだつながっていて、そこに自分たちも生きている」
 今年は文学座も「明治の柩」を上演。なぜ今、宮本戯曲か。演劇評論家大笹吉雄は「日本の近現代の歴史を、あれほど骨太な筆致で書いた人は近年いない。特に東日本大震災以降、社会に80年代の浮かれ騒ぐ感じがなくなった。リアルに社会を見つめ直す時代になっている」と話す。【濱田元子】
■宮本研
 1950年代の「職場演劇」といわれる労働者による演劇活動から頭角を現した。勤労動員された軍需工場での体験を元にした「反応工程」や、47年の「2・1ゼネスト」中止を題材にした「日本人民共和国」といった戦後史4部作、明治・大正の日本、中国、ロシアを舞台にした革命伝説4部作で、革命運動や戦後労働運動の矛盾や挫折に鋭く切り込んだ。大正時代の知識人らを描いた群像劇「美しきものの伝説」は今も繰り返し上演されている。

http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/geino/181782
日刊ゲンダイ戦後民主主義の原点を問う、俳優座「反応工程」の信念』
 大正アナキストたちの青春群像を描いた「美しきものの伝説」、足尾鉱毒問題に生涯を捧げた田中正造を主人公にした「明治の柩」など日本近代史の裏面を骨太に描く劇作家・宮本研(88年没)が1957年に書き下ろした作品。

http://www.sankei.com/entertainments/news/150606/ent1506060010-n1.html
産経新聞『足尾事件、田中正造描く「明治の柩」が11日から開幕 文学座高瀬久男さん最後の演出 東京・あうるすぽっとで』
 1日、57歳で急逝した文学座高瀬久男さん最後の演出作となった「明治の柩(ひつぎ)」(宮本研作)が11日、あうるすぽっと(東京・東池袋)で開幕する。日本の公害問題の原点、足尾銅山鉱毒事件の解決に心血を注いだ田中正造(1841〜1913年)を描く戯曲。闘病中の高瀬さんが上演に執念を燃やした作品だ。(飯塚友子)                   
 同作は宮本の「革命伝説四部作」の一つ。田中をモデルにした旗中正造(石田圭祐)が、故郷の渡瀬川流域が鉱毒に汚染されたことに義憤を覚え、住民とともに生涯を懸けて闘う姿が描かれる。石田は37年前も正造を演じた。
 「歴史作品ですが、読み直し、(東京電力福島第1原発事故後、故郷を離れざるを得なくなった)福島の問題を扱っているように感じた。だから、高瀬君はこの芝居をやりたかったんだと思う」
 2年前も科学と権力とのありようを問うブレヒト作「ガリレイの生涯」にガリレイ役で主演。同作に続き、歴史を扱いながら現代の問題を照射する高瀬演出作への主演となった。

■宮本研(1926年12月2日〜1988年2月28日)
 熊本県宇土郡不知火町(現宇城市)生まれ。九州帝国大学経済学部卒業後、大分県公立高校の教諭、在日本大韓人厚生会勤務を経て、法務省に勤務。法務省在職中に労働者演劇サークル「麦の会」の助言者となって演出を担当し、戯曲を執筆するようになり、演劇界に頭角を現した。実質的に処女作の「僕らが歌を歌うとき」(1957年)で職場演劇サークル内の葛藤と希望を描き、注目される。法務省勤務の関係で中央更生保護審査会委員を務めていた劇作家・久保田万太郎と知り合い、作品を激賞される。「日本人民共和国」、「メカニズム作戦」で第8回岸田國士戯曲賞を受賞した。1962年法務省を退職し、職業劇作家となる。舞台だけでなく、ドラマや映画の脚本も手掛けた。
 戦後三部作の「反応工程」「日本人民共和国」「ザ・パイロット」、革命四部作の「明治の棺」「美しきものの伝説」「阿Q外伝」「聖グレゴリーの殉教」など1970年代前半までの作品の多くは、革命運動の中の革命党、革命指導者と民衆の矛盾を描くことが多かった。二・一ゼネストの顛末を末端組合から描いた「日本人民共和国」初演では、劇の内容に怒った日本共産党員の観客が上演中に次々と退席したという(大笹吉雄『宮本研戯曲集』第一巻解説)。
 1970年代後半以降は、「からゆきさん」など男性と女性の関係を指導者と民衆の関係に見立て、女性を描くことが多くなった。また商業演劇の台本を手がけるようにもなった。少年時代を中国で過ごしたことから中国にも思い入れがあり、「阿Q外伝」「夢−桃中軒牛右衛門の」「花いちもんめ」など中国と日本を描いた作品もある。「夢−桃中軒牛右衛門の」(1976年)上演にあたっては、文化大革命の影響で中国大使館から干渉を受けた。
 1988年肺ガンで逝去した。
 文学座青年座など新劇系劇団に作品を提供するとともに「変形」など小劇場劇団とも関わりがあった。大逆事件後の大正期知識人群像を描いた「美しきものの伝説」など、その作品は21世紀の今日まで繰り返し上演されている。

*1:著書『イラク戦争の出撃拠点:在日米軍と「思いやり予算」の検証』(共著、2003年、新日本出版社

*2:著書『無言館ノオト:戦没画学生へのレクイエム』(2001年、集英社新書)、『「無言館」にいらっしゃい』(2006年、ちくまプリマー新書)、『戦没画家・靉光の生涯』(2008年、新日本出版社)など

*3:著書『法の政治学:法と正義とフェミニズム』(2002年、青土社)、『シティズンシップの政治学(増補版):国民・国家主義批判』(2009年、白澤社)、『フェミニズム政治学:ケアの倫理をグローバル社会へ』(2012年、みすず書房)、『戦争に抗する:ケアの倫理と平和の構想』(2015年、岩波書店)など

*4:著書『国連:その原点と現実』(1995年、新日本出版社

*5:著書『韓国のヒロシマ:韓国に生きる被爆者は、いま』(2000年、高文研)、『中国人強制連行の生き証人たち』(2003年、高文研)、『父母の国よ:中国残留孤児たちはいま』(2005年、大月書店)、『写真で伝える東京大空襲の傷あと・生き証人』(2007年、高文研)

*6:著書『国債がわかる本:政府保証の金融ビジネスと債務危機』(2013年、大月書店)、『99%のための経済学入門〈第2版〉:マネーがわかれば社会が見える』(2016年、大月書店)など

*7:著書『「金融恐慌」とビッグバン』(1998年、新日本出版社)、『やさしい日本経済の話』(2003年、新日本出版社)、『金融化の災い:みんなのための経済の話』(2008年、新日本出版社

*8:著書『放射能汚染からTPPまで:食の安全はこう守る』(2011年、新日本出版社)、『これでわかるTPP問題一問一答:日本を崩壊させる58の危険』(2011年、合同出版)、『TPPは国を滅ぼす』(2011年、宝島社新書)、『TPP参加「日本崩壊」のシナリオ』(2013年、宝島SUGOI文庫)など

*9:著書『時代を生きた革命家たち』(1998年、新日本出版社)、『男女平等の社会へ:世界のいまと日本の女性』(2013年、新日本出版社)など

*10:以前、NHKでドラマ化されている(http://www6.nhk.or.jp/drama/pastprog/detail.html?i=kikotsu参照)。