今日の産経ニュース(7/29分)

■【主張】相模原大量殺人 なぜ実名発表を求めるか
http://www.sankei.com/column/news/160729/clm1607290002-n1.html

 神奈川県警はこの事件で、「実名報道が基本ということは承知している」とした上で、被害者氏名は非公表とした。「被害者が障害者であることと、ご遺族の意思」がその理由とされた。
 だが、報道側が求めているのは実名報道ではなく、実名の開示である。実名は取材の起点として不可欠なもので、実名を報道するか否かは取材の結果*1で決める。まず取材がなければ、真実へは一歩も近づくことができない。
 平成17年に個人情報保護法が施行されて以降、警察や関係省庁が被害者氏名を公表しない事例が増えている。だが同法は報道目的の情報提供は適用除外としており、同法を根拠とする被害者名の非公表は誤りである。

 珍しく産経が正論です。もちろん「遺族が取材を受けたくないのでマスコミに氏名公表しないで、といっている」つうなら話は別ですが、「単にマスコミに実名報道されたくないだけ」なら「遺族の意向に従い匿名報道すること」を条件に「取材の自由」も考え、氏名をマスコミ限定で公表すべきでしょう。「マスコミへの実名公開」と「実名報道」はイコールではありません。
 とはいえ産経もここまで言う以上は「取材時に遺族が実名不可、記事掲載は匿名か仮名で、と言ったのに実名で載せる」「遺族が取材拒否といってるのにしつこく自宅に押しかけるなどしてトラブる」などという問題行為は許されません。それをすれば警察は「マスコミとの信頼関係が破壊された」「ご遺族がマスコミに激怒している」として非公表の方向に動くでしょう。一方「実名公表しても」マスコミが「実名報道に同意した遺族以外は実名報道しない」「取材拒否遺族とトラブルを起こさない」という誠実な態度を見せれば「警察の非公表主張」も根拠を失うわけです。


■【民進党代表選】「反岡田」勢力、候補擁立へ調整加速 一本化模索も党内対立顕在化
http://www.sankei.com/politics/news/160729/plt1607290046-n1.html

 党内では参院選東京都知事選で民共共闘を進めた岡田氏*2の責任を問う声も強い。大畠章宏*3国交相のグループは27日夜に都内で会合を開き、「党運営をこれ以上は任せられない」として岡田氏の再選に反対する方針を確認した。

 苦戦している都知事選はともかく、参院選で一定の成果を上げたのに岡田氏相手にこういうことがいえる大畠一派のあほさには呆れます。これがまだ「岡田氏は野党共闘で一定の成果を上げたが、敗戦した(議席を減らした)以上、退任すべきではないか。ただし岡田路線(野党共闘)それ自体には反対ではない」つうならまだわかりますが。
 共闘しないで参院選であれ以上の成果が上げられたとでも言うのか?
 さすが大畠は「日立労組出身の原発推進派議員(つまり反共)」だけのことはあります。
 勿論、苦戦している都知事選にしても「共闘しなければもっと優位に選挙戦ができた」つうもんでもないでしょう。それとも「自公との相乗り」で増田*4候補でも担ぎたかったのか。あるいは「反自公を理由に」小池*5でも担ぎたかったのか。
 まあ増田氏や小池を担げば仮に「都知事選で勝てても」、野党共闘ぶちこわしで参院選の成果は完全に無意味になり民進党はかえって苦境に陥ったでしょう。大畠ら、その程度の事もわからない連中には正直呆れます。それとも「それを分かった上で」それでも「共産は嫌いだ」という反共バカが連中なのか。

【追記】

島田洋一
 反岡田の中心人物たち。ふやけ切った、名うてのスカ男ばかりだ。

 産経が「反岡田」で動いているという「大畠元幹事長」「長島元防衛副大臣(野田*6内閣)」「細野*7元幹事長」「前原*8元代表」「馬渕元国交相(菅*9内閣)」らに悪口雑言です。
 島田にとって反岡田の右派は「皆お山の大将だからどうせ一本化できない」「一本化してもどうせ岡田、枝野*10執行部に勝てない」と誰一人期待はずれのようです。

島田洋一
 今日ある会合で、民進党「保守派」でも、長島昭久氏はまだ期待できるのではとの声が出たが、著名な女性ジャーナリスト*11が、「彼の言葉に意味はない。何度期待して何度裏切られたか。実際に行動を起こすまで相手にできない」と一蹴した。残念ながら、その通りだろう。

 そもそも「野田内閣防衛副大臣」でしかない小物の長島に何を期待するんですかね。長島が岡田執行部に逆らったところで彼一人では潰されるのがオチでしょう。それとも「今や見る影もなく落ちぶれた西村眞悟」など同様、「長島が落ちぶれてもいい、岡田に負けてもいい、とにかく岡田に刃向かえ」「長島が落ちぶれても俺達、国基研は面倒見ないけどな」というのが島田なのか。


■【日銀追加緩和】「いずれ支えられなくなる」BNPパリバ証券河野氏
http://www.sankei.com/economy/news/160729/ecn1607290067-n1.html

BNPパリバ証券の河野龍太郎*12チーフエコノミスト
 日銀が上場投資信託ETF)の買い入れ拡大を決めたのは、国債購入の増額とマイナス金利の深掘りが限界に達した中で、ゼロ回答では金融市場に大きな失望を与えると判断したためだろう。株安につながることを懸念したと思われる。今後は株価が下落すれば、日銀が政治的圧力によって容易にETF購入の増額に応じるとの思惑が市場に広がる恐れがある。ETF購入で株価を押し上げても実体経済との隔たり*13が広がるだけで、いずれは支えられなくなる。日銀は深みにはまってしまったといえる。

 「国債購入とマイナス金利が株価を上げる手法としては限界に来たので追い詰められた安倍政権は、株価安を避けるため今回ETF大量購入に打って出た」「しかしこうしたやり方で無理に株価を上げると、『株価が下がる→あげるためにETF大量購入→財政悪化』という底なし沼にはまる恐れがある」「いずれ日銀は株価を支えられなくなり反動で酷い株価安が来る恐れがある」という河野氏です。安倍に批判的なメディアならともかく「安倍応援団」産経にこうしたアベノミクスに懐疑的、批判的な記事*14が載るとは驚きですが、正直いって
1)河野氏が批判するようにアベノミクス万々歳と能天気に言える経済状況じゃないことを
2)阿比留や安藤慶太黒田勝弘などに比べればまともな産経経済部の記者は「いかに安倍応援団・産経でも」認めざるを得ないのでしょう。


■【ダッカ*15人質テロ】立命館大元准教授、過激派に財政支援か 日本入国の構成員のトルコ渡航援助の疑い
http://www.sankei.com/world/news/160729/wor1607290007-n1.html
 バングラデシュの捜査当局発表なんで、それなりの根拠があるとは思いたいところですが、身柄拘束もしない時点で名前と大学名出したらまずいんじゃないですかねえ。無実だったらどうするのか。あるいは有実だとしても追い詰められた元准教授氏がテロに走ったらどうするのか。


■【続北海道が危ない(上)】謎の中国専用ゴルフ場 人目を避け、中国移民村*16? 「反天皇*17」農場主も着々と開発
http://www.sankei.com/premium/news/160729/prm1607290005-n1.html

 第1部では、農業資源や水資源が豊富な北の大地・北海道が、中国資本や中国の影が見え隠れする*18日本企業に買収される実態を報告した。第2部では、中国資本の直接介入の実態をリポートする。(編集委員 宮本雅史*19

 第1部「北海道が危ない」に続いて第2部「続北海道が危ない」だそうです。当然ながら、「中国だろうが何処の国だろうが」、北海道だろうが対馬だろうが佐渡*20だろうが、土地を購入し開発することは違法じゃないし、「開発工事による騒音、水質汚染などの弊害」が起きない限り不当でもありません。そしていつも通り違法性も「違法ではないが不当(弊害がある)」も証明できない産経です。

 日本百名山の一つ、エゾ富士「羊蹄山」の里・喜茂別町(北海道)。
(中略)
 国道沿いに中国語で書かれたゴルフ場の看板がある。さらにその先には「一達国際Private Golf倶楽部 これより先、私有地につき関係者以外立入禁止」と書かれた看板がある。
(中略)
 喜茂別町によると、開発したのはマンションデベロッパーのセザール。平成13年に「セザールCC羊蹄」の名称で18ホールがオープンした。その後、コース名を「バーデンカントリークラブえぞ富士コース」に変更したが、15年に同社が破綻。その後、中国・北京の投資会社が買収した。
 町によると、中国人オーナーは年に1、2回、役場に顔を出す程度で、運営は札幌に拠点がある投資会社の現地法人。昨年春頃から日本人が現地責任者として常駐しているが、「面識はなく、だれが責任者なのか分からない状態」(町職員)。
 複数の従業員によると、従業員は日本人で、プレーできるようになったのは2年ほど前から。ただ、100%オーナーのプライベートゴルフ場で、プレーするのは、オーナーの知り合いの富裕層の中国人だけ。オーナーは北京やドイツなどにいるため所在ははっきりせず、顔を合わせるのは年に1回か2回程度。「ゴルフ場の実態はオーナーと日本人社長以外は分からない」(従業員)という。
 今年5月下旬からは日本人を含めた一般客の受け入れも始めた。だが、ゴルフ場の内情に詳しい関係者は「完全なプライベートゴルフ場。クラブハウスも超高級な造りで、クラブハウスというよりはオーナーの別荘。一般客用のパンフレットは発注中で、まだできていない。オーナーは特別、日本人のお客を入れようとは考えていないようだ。カートは8台しかないし、積極的ではない」と明かす。

 セザールと言えば「大いなるマンション、セザール!」てCMが一時流れてましたが潰れてたんですね。ちなみにウィキペディア「セザール」によれば今は「穴吹興産の子会社・あなぶきセザールサポート(http://www.ce-anabuki.jp/)」に生まれ変わったようです。
 セザールが作ったゴルフ場が「セザールが潰れて」下手したらただの廃墟になる可能性があったのを「中国人富豪様が購入して下さった」んだから「今は、富豪様のプライベートコース」「一般人の利用は現時点では想定してない」としても「ありがとう、ありがとう、感謝しよう」「ゴルフコース買ってくれてどうもありがとう」(井上陽水風に)なのに中国非難に走る産経は気が狂っています。
 そんな事言うなら産経が購入してやったらどうなのか。産経って系列会社がゴルフ事業してましたよねえ?

【参考:太字強調は俺によるものです】

http://www.sankeibldg.co.jp/business/hotelresort/
 サンケイビル(中略)2015年、さらなる飛躍を目指し、(株)グランビスタホテル&リゾート(http://www.granvista.co.jp/)をグループの一員に迎えてホテルリゾート事業に進出しました。
 同社は、シティホテルの草分けである札幌グランドホテルをはじめ様々なスタイルのホテルを全国に展開。さらに水族館(ボーガス注:鴨川シーワールド)やゴルフ場、ハイウエイレストランを運営する総合リゾート企業です。

グランビスタホテル&リゾート(ウィキペ参照)
・日本でホテル、レストランなどを運営する企業。2015年4月、サンケイビル連結子会社となり、フジサンケイグループ入りした。
■施設一覧
○シティホテル
・札幌グランドホテル、札幌パークホテル、ホテル大阪ベイタワー、銀座グランドホテル、熊本ホテルキャッスル
○リゾートホテル及びリゾート
鴨川シーワールド*21鴨川シーワールドホテル、章月グランドホテル、黒部*22観光ホテル、白良荘グランドホテル
○ゴルフリゾート
・苫小牧ゴルフリゾート72

○ハイウエイレストラン
・佐野ハイウエイレストラン、足柄ハイウエイレストラン、大津ハイウエイレストラン
○グランビスタ・アソシエイトホテルズ
・ホテルゆもと登別、ホテル・ザ・ルーテル

 大体これの何処が「北海道が危ない」のか。地元が問題にしてるのも「プライベートコースではなく、観光用に一般に開放して欲しい」てことであって「中国人は買うなと言う事ではない」でしょう。

プライベートゴルフ場がある喜茂別町の北方に位置する赤井川村
(中略)
 「ドローム キャンプ・フィッシング フィールド」。約270ヘクタールの森林内では、100張り以上のテントが設営でき、3つの釣り堀にはそばを流れる白井川の支流が流れ込む。
 地元でジャムなどを製造販売する「アリス・ファーム*23」(赤井川村)が平成16年に「ホテル ドローム」を買収し、周辺にキャンプ場や釣り堀を整備して運営していた。
 今年5月、シンガポール企業の日本法人*24(札幌市)がこの広大な土地と建物を買収した。買収額は公表されていないが、ホテル経営を引き継いで10年ほどかけて約30億円を投資し、美術館の建設や別荘地の造成を構想しているという。現在はホテルとキャンプ場は閉鎖中で、釣り堀だけが営業している。
 従業員の一人は「前の会社は雇用の確保が難しくて売ったらしい。今も雇用の確保は難しいようで、全面オープンは来シーズンになるかも。オーナーとは会ったことはない」と話す。オーナーについて同法人は「シンガポール人」と説明したが、この従業員は「たぶん中国人だと思う*25」と口をにごした。
 同法人によると、既存の施設をどのように活用するかは検討中で、営業開始の時期は未定だという。

 要するに「キャンプ場&ホテル経営がうまくいかないのを外資が買ってくれた」というありがたいお話です。買った外資企業をけなすことではない。

前道議の小野寺秀氏(53)は「270ヘクタールもあるドロームは国道沿いの木を残して中だけ伐採すれば、外からは全く見えない。入り口を閉めると、誰からも干渉されない閉鎖的なゾーンになる。大きな川も流れていて、自己完結的に生活するには最適の場だ」と指摘。

「またレイシストの小野寺かよ」ですね。将来観光開発し一般人に利用させることが目的であろうに「閉鎖的ゾーン」て何を言ってるんでしょうか?。まあ確かに「キャンプ場」は「非日常的なリゾート空間」ですから確かに「ある意味閉鎖的」ではあるんですが。
 大体キャンプ場やホテルなんかどう「移民村」にするのか。

*1:つうか「取材時の遺族の意向」ですよね。一番大事なのは遺族の意向です。取材拒否や「取材を受けるが匿名や仮名で頼む」なら実名報道は不可でしょう。

*2:民主党幹事長(鳩山代表時代)、鳩山、菅内閣外相、野田内閣副総理・行政改革担当相、民主党代表代行(海江田代表時代)を経て民進党代表

*3:菅内閣経産相国交相民主党幹事長(海江田代表時代)を歴任

*4:岩手県知事、第一次安倍、福田内閣総務相を歴任。

*5:小泉内閣環境相、第一次安倍内閣防衛相、自民党総務会長(谷垣総裁時代)を歴任

*6:鳩山内閣財務副大臣菅内閣財務大臣を経て首相

*7:野田内閣環境相民主党幹事長(海江田代表時代)、政調会長岡田代表時代)を歴任

*8:鳩山内閣国交相菅内閣外相、民主党政調会長(野田代表時代)、野田内閣国家戦略担当相など歴任

*9:社民連副代表、新党さきがけ政調会長、橋本内閣厚生相、鳩山内閣副総理・財務相を経て首相

*10:鳩山内閣行政刷新担当相、菅内閣官房長官、野田内閣経産相民主党幹事長(海江田、岡田代表時代)などを経て民進党幹事長

*11:櫻井よしこ」か?

*12:著書『円安再生:成長回復への道筋』(2003年、東洋経済新報社)、『金融緩和の罠』(共著、2013年、集英社新書)、『徹底分析アベノミクス』(共著、2014年、中央経済社

*13:実体経済の隔たり」とはもちろん「実態家財を反映すれば株価は本来もっと低くて当然」「政府が無理矢理株価を上げてるに過ぎない」「景気は全然良くなってない」と言う意味です。

*14:一方で河野氏とは逆にETF購入を評価するコメントも実は産経記事に別途ありますが紹介は省略します。重要なことは「慰安婦南京事件では吉見義明氏や笠原十九司氏を無視する」「AIIB問題では反中国コメントしか紹介しない」さすがの産経もアベノミクス評価では「河野コメントを無視できなかった」ということでしょう。

*15:バングラデシュの首都

*16:中国系企業による「ゴルフ場やキャンプ場の買収」を何の根拠もなく「移民村」と放言する産経です。つうかゴルフ場やキャンプ場に誰が移民村なんか作るんだ?

*17:天皇であることは「反天皇テロ」などの違法不当な行為をしない限り、別に違法でも何でもありません。、まあこれは「反天皇」に限らず「トランプ的な反イスラム」など一部を除き「反ホニャララ」のほとんど全てに該当しますが。

*18:単に「中国企業とつきあいがある」程度の話に過ぎません。

*19:過去に「対馬が危ない」「佐渡が危ない」を書いたのも確かこの宮本です。宮本や阿比留が編集委員になれるのだから産経は気が狂っています。

*20:以上産経が「ホニャララが危ない」記事を書いた土地

*21:シーワールドがサンケイ系列とは知りませんでした。実は「水族館を男一人で行くほどの興味はなく」とはいえ一緒に行ってくれる相手も情けないことにいないのでシーワールドには行ったことがない(まあ千葉の鴨川なんてよほどの理由がなければ行きませんが。都内にも水族館ありますしね)のですが、こうなると今後も「産経にカネをやりたくない」と言う意味でも行かないかも

*22:黒部温泉と『黒部の太陽石原裕次郎主演)』で知られる黒部ダムがあります。黒部温泉にはいったことないですが黒部ダムには「立山黒部アルペンルート黒部峡谷トロッコ列車の旅(1泊2日)」という観光ツアーでいったことがあります。

*23:公式サイトhttp://www.arisfarm.com/

*24:アリスファーム公式サイトhttp://www.arisfarm.com/に寄れば売却先は「株式会社ブルーウェーブ・ジャパン社」

*25:「たぶん」ですからねえ。真偽不明です。まあ「シンガポールには華僑が多い(初代首相のリー・クアンユーも華僑)」のでその可能性は充分あるでしょうが。ただ「シンガポール華僑と中国人」を一緒にするのは「日系ブラジル人と日本人」を一緒にするくらい無茶じゃないか。そしてこの会社と「喜茂別町のゴルフ場を買った会社」には何の関係もありません。「同じ中国企業だ」などというだけで関係を云々するのはこじつけでしかない。