今日の産経ニュース(8/7分)

■【新聞に喝!】「生前退位」報道のウラはどう取っているのか 「リークの狙い」も重大関心事なのに踏み込まれていない 京大霊長類研教授・正高信男*1
http://www.sankei.com/column/news/160807/clm1608070005-n1.html
「リークの狙いは何か?」て
1)このリークの黒幕は安倍やその側近ではない、むしろ安倍はこのリークを迷惑がってる
2)安倍は生前退位制度におそらく否定的
3)実際に、現天皇は健康不安から生前退位したがってる
4)しかし天皇自ら「生前退位の希望」を公言すると「天皇の政治的発言を禁じた」憲法に違反する疑いが否定できない上、「生前退位制度を導入しない」安倍への批判と評価され、安倍支持者から天皇が非難を浴び天皇が政治的傷を負いかねない(まあ実際「私の希望・生前退位を否定する不快な男」と言う意味では現天皇は安倍に否定的でしょうが)
と見れば*2「現天皇の意志を曖昧な形でリークすることで現天皇が政治的傷を負うことを回避し」&「安倍が生前退位の希望を無視することをできなくなること」を狙ったと見るべきでしょう。まあ、こんなことはそんなに頭を使わなくても想像がつくことです。

産経によると「宮内庁の山本信一郎*3次長は、陛下が生前退位の意向を伝えられたことに、『そのような事実は一切ない』とした」という。

つうのも決して宮内庁の本心ではない。本当に事実無根なら「NHKへの取材拒否」くらいするでしょう。
 当然ながらこの天皇の行為は「広い意味では安倍批判」ですが「安保法制やアベノミクス」といったものについての安倍批判ではない。
 またこの発言リークは「皇室典範改正による生前退位制度導入」を意図しているでしょうが「女帝制導入」は意図してないでしょう。まあそれでも産経は「生前退位制度に否定的なこと」だけでなく「これが女帝制度導入の呼び水になる事」を恐れて典範改正には否定的でしょうが。 


■道徳の教科化受け教育者ら研修「子供が自ら幸せを見つける力を…」奈良市
http://www.sankei.com/west/news/160807/wst1608070033-n1.html
 この記事には

http://b.hatena.ne.jp/entry/www.sankei.com/west/news/160807/wst1608070033-n1.html
モラロジー研究所(ボーガス注:日本会議参加団体*4、系列の麗澤大*5の教授が八木秀次)が主催。国立教育政策研究所(ボーガス注:文科省の独法)総括研究官の西野さんが特別講演/黒いウヨ的野心をかけらも隠す気がない酷さ

というブクマをつけましたがまあそう言うことです。
 モラロジー*6が安倍政権下において文科省のバックで道徳教育の担い手として出てくると言うことは当然「モラロジー系列麗澤大学の教授・八木」が出張ってくると見た方がいいでしょう。
 八木は「教育再生実行会議(安倍の設置した審議会)」委員でもありますしね。これで産経や安倍が「戦前型道徳教育を目指さない」といっても説得力は皆無です。

*1:著書『0歳児がことばを獲得するとき:行動学からのアプローチ』(1993年、中公新書)、『ヒトはなぜ子育てに悩むのか』(1995年、講談社現代新書)、『赤ちゃん誕生の科学』(1997年、PHP新書)、『老いはこうしてつくられる:こころとからだの加齢変化』(2000年、中公新書)、『子どもはことばをからだで覚える』(2001年、中公新書)など

*2:もちろん1)〜4)の前提が成り立たなければ話は別ですが。

*3:自治省総務省)官僚。元内閣府事務次官

*4:日本会議公式サイトhttp://www.nipponkaigi.org/about/yakuinに寄れば『廣池幹堂・モラロジー研究所理事長』が代表委員を務めている。またウィキペ「モラロジー研究所」によれば『経営する中学・高校では、「新しい歴史教科書」(扶桑社)や「新しい日本の歴史」(育鵬社)を使用してきた』。

*5:ウィキペ「麗澤大学」によれば八木秀次教授以外にも『高橋史朗客員教授明星大学教授。親学推進協会会長。元つくる会副会長)、古森義久(特別教授。産経新聞ワシントン駐在特別編集委員論説委員)、高森明勅(講師。元つくる会副会長)、森田健作客員教授。千葉県知事、俳優)』といった右翼連中が「現在もしくは過去」に教員を務めた気合いの入った右翼大学。

*6:法的には公益財団法人(教育団体)だがその活動形態から神社本庁幸福の科学などのウヨ宗教団体と類似の団体と見なされている。こうした「法的には宗教団体ではないが宗教扱いされてる団体」としては他に「実践倫理宏正会(一般社団法人(教育団体)。モラロジー同様、幹部が日本会議役員を務める)」「ヤマギシ会(農事組合法人)」などがある。モラロジーヤマギシ会のような団体は「宗教類似団体」などと呼ばれる。