今日の産経ニュース(9/17分)

■【パラリンピック】金ゼロ「予想外で残念」 強化見直すと鳥原光憲会長
http://www.sankei.com/rio2016/news/160918/rio1609180007-n1.html
 「金メダルがとれればそれでいい」ということではないですが「一般の五輪でのメダルラッシュ」との差を考えると「やっぱお金のかけ方とかいろんな面で一般の五輪との、差別つうか、格差つうかいろいろ問題があるのか」と思います。


■【パラリンピック】中国メダル量産、4大会連続トップへ 国営メディアほとんど伝えず
http://www.sankei.com/rio2016/news/160917/rio1609170007-n1.html

 1984年に初めてパラリンピック(当時は世界車椅子競技大会)に参加した中国が、メダル数でトップに躍り出たのは、2004年アテネ大会だった。金メダルは前回シドニー大会の34個から63個に、メダル総数も73個から141個と激増した。
 急激な躍進の背景には、08年北京大会の開催が決まってから、共産党政権が威信をかけて着手した国を挙げた強化策がある。
 中国障害者連合会の郭建模理事長(当時)が03年、中国メディアに語ったところでは、(中略)小型車並みに高価な競技用車いすは使えず、郭氏は「経費不足が障害者スポーツの発展を妨げていた」と述懐していた。
 国家体育総局は障害者スポーツへの財政支援を拡大。8500万人ともいわれる中国国内の障害者の中から素質のある選手を発掘し、集中的に強化してきた。同連合会の統計では現在、中国の障害者選手は270万人を数える。日常的にスポーツに親しむ障害者も600万人に上る。
 北京大会の直前には、約20の競技施設を備える世界最大の障害者用トレーニングセンターが完成。国内の練習拠点は約220カ所もある。かつては30人に満たなかった障害者スポーツの指導者の育成にも力を入れ、300人を超えるまでになった。
 ある競泳コーチは「国が技術や用具、コーチや選手の育成に多くの資源を投じてくれた」と説明。国際パラリンピック委員会のクレーブン会長も、こうした中国方式を他の国・地域の「手本」と称賛する。
 もっとも、手厚い支援を受けられる障害者は選ばれた選手に限られている。中国メディアは「多くの障害者は社会の底辺で生活している。健常者から遠ざけられ、軽蔑されている。多くは道端や地下鉄駅で物乞いをして、同情にすがって生きている」と指摘する。
 選手についても、国際的なイメージアップにつながる強化は続けているものの、国営テレビは大会をほとんど中継していない。中国国民が選手の活躍を目にする機会は極めて少ない。
 中国のインターネット上には「中国選手団は出色の活躍をしているのに、誰も知らない。彼らだって中国を代表している。彼らを平等に扱えないのか」といった意見が寄せられている。

 まあ色々問題はあるのでしょうが「パラリンピックでの中国のメダルラッシュ」それ自体は「ドーピングなどの不正がない限り」いいことでしょう。そして「障害者一般に世間がまだまだ冷たい」「パラリンピックがオリンピックに比べて注目が低い」つうのは程度の差こそアレ中国だけの問題ではなく日本だって同じ事です。


■【辺野古移設訴訟】国側全面勝訴で浮かび上がった沖縄県側の論理破綻 翁長雄志*1知事は最大の窮地に
http://www.sankei.com/politics/news/160916/plt1609160043-n1.html
 まあ産経はそう言うことにしたいのでしょうがそうはならないでしょう。
 先ず第一に翁長氏は当然控訴するでしょう。
 第二に違法合法の判断は時に難しいから「違法行為したから知事をやめろ」とかそういう話でもない。
 第三に「合法であること」は「政治的に適切であること」とは全く別問題です。
 つうか「愛媛玉串料訴訟最高裁判決」のような産経に都合の悪い判決だと最高裁判決ですら悪口雑言する癖に何抜かしてるんだって話です。

参考
赤旗
辺野古新基地 違法確認訴訟判決 翁長知事のコメント、県民の気持ち踏みにじる
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-09-17/2016091704_03_1.html
辺野古訴訟 国主張追認の不当判決福岡高裁支部 埋め立てを容認
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-09-17/2016091701_01_1.html
■新基地 絶対に造らせぬ、辺野古訴訟 翁長知事が会見で決意
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-09-17/2016091701_02_1.html


■【千田恒弥の野党ウォッチ】パクる蓮舫*2、土下座の前原*3、泣きの玉木 民進党代表選、民進党代表選珍プレー集を一挙公開!
http://www.sankei.com/premium/news/160917/prm1609170018-n1.html
 「珍プレー」云々などと言う茶化した記事を書くことが「産経って本当にアホや」と「病的な民進党嫌い以外」には呆れられることが
1)産経には理解できない、あるいは
2)それでもいい
ようです。つまりは「病的な民進党嫌いが読む新聞=産経」のわけです。


■【月刊正論】政府も悩む皇室「パンドラの箱」 退位・譲位の制度化がはらむ皇室の尊厳を脅かす危険性とは… 麗澤大教授・八木秀次*4
http://www.sankei.com/premium/news/160917/prm1609170002-n1.html
 結局「僕は生前退位には反対」つうことですがその根拠がなかなかユニークです。

退位を認めると、歴史上みられた上皇法皇といった存在が出て弊害を生ずる恐れがある。

 確かに歴史上は天皇上皇の政治的対立とそれによる武力衝突(例:保元の乱)がありましたが、今そう言う時代じゃないでしょう。「退位したのに新天皇(現皇太子)にあれこれ余計な口出ししてもめる」とか考えづらいんじゃないか。

 天皇の自由意思による退位・譲位を認めると例えば、気に入らない総理大臣を任命したくないために退位を表明したり、表明させられたりするなどして、天皇の信任を得られない総理としてのダメージを与えることも考えられる

 イヤー、それ現実的にないでしょう。それやったら「天皇の政治的言動」になってもろに憲法に抵触しますからね。
 かつ「天皇の主張」で「首相の支持不支持」を決めるほどの権威が、今彼個人や皇室、天皇制度にあるのか。
 戦前だと「田中義一*5の首相辞任」のように天皇の権威は絶大ですけど。
 正直、彼の退位表明についてどこぞから「陛下の本心は安倍批判だ。安倍政権下で象徴などやりたくないのだ」なんて情報が流れてきたとしても、あるいは「ありえないことですが」彼がはっきりと「安倍が近隣諸国(中韓)を敵視してることや違憲の戦争法を制定したことなどを私は許せない、あんな男が首相では象徴など恥ずかしくてやれない」と明言しても「陛下が批判する安倍を下野させよう」つう話になるかどうか。いや「天皇の意見で考えを決める」なんて非常識ですから、「アンチ安倍の俺ですが」なって欲しいとは全く思いませんが。
 つうかこんな事を書く八木は「この時期に退位表明なんて陛下はもしかして安倍政権に批判的なのか?」「サヨが『退位表明は安倍政権批判だ!』といったら嫌だなあ(まともなサヨは無根拠でそんな事は言いませんので安心して下さい)」とか「これが民主党政権下だったら『これは陛下の民主党批判だ!』と言えたのに」とかくだらない事思ってるんでしょうか。
 まあ、安倍批判じゃなくて単に「高齢だから退位表明」でしょうけど。まあ、「退位に否定的な安倍」に対し「退位したい」と意思表明したという点では「安倍に批判的」でしょうが、まあその程度の話でしょう。

万一継承者のすべてが就位を拒否するという事態に至るならば、天皇という制度は存立の基礎を揺り動かされることになる

 まあこれもあり得ない話ですよね。
天皇「退位します」
皇太子「皇位継承を辞退します」
秋篠宮「私も辞退します」で以下、皆辞退とかあり得ない。
 つうか「天皇のいない皇族制度(皇族皆平等)」つうのも「論理上はあり得ます」けどね。
 つうか「皆が辞退するような代物」を無理矢理強制するのもおかしいし。

九州大学名誉教授の横田耕一氏も(ボーガス注:八木と)同様の考えを表明しているので紹介しておきたい。
 「もし『生前退位』が『公務』の過重負担から出ているならば、法的な問題解決は簡単である。
(中略)」
(横田耕一*6憲法からみた天皇の『公務』そして『生前退位』」、『世界』9月号)

引用は省略しますがつまりは
1)天皇がやることが憲法上の義務になってる国事行為以外の「公務(外遊とか国体など公的行事への出席とか)」は「天皇がやる法的義務はない」ので「全くやらない」または「大幅に減らす」(皇太子など他の人間がやる)
2)摂政か臨時代行*7(多分皇太子がなる)を置く
つうことです。まあ、「退位制度を否定すればそれしかない」わけですが「それではだめだ」と思ってるのが今上なのでしょうが。
 なお、八木の引用だけでは横田氏が
1)八木同様の退位否定派なのか
2)退位制度成立がすぐには難しいとの判断の下に「過重負担を何とかしたいならむしろ現行制度の活用が現実的」としてるだけ
なのかは不明です。世界に登場する御仁なのでたぶん2)でしょうが。

天皇にはそのお役割の重要性とともに、その大前提として、神話に由来し、初代の神武天皇以来一貫して男系の血だけで継承されてきた血統原理に基づくゆえの、他に代わる者がいないというご存在自体の尊さがある。

今時「神話に由来し、初代の神武天皇以来一貫して男系の血だけで継承されてきた血統原理に基づくゆえの、他に代わる者がいないご存在」とは全く時代錯誤です。

 元最高裁判事園部逸夫*8元朝日新聞編集委員の岩井克己氏*9は対談で次のように述べている(『週刊朝日』8月26日号)。
岩井
 戦前の天皇観を大事にする人の中には、天皇は仕事をするから天皇なのではない。何もされなくても、天皇なんだと。仕事ができなくなり、天皇や国事行為の臨時代行を置く形になっても、ずっと天皇として長生きしていただきたいという意見も出ています。
園部
 よくわかります。しかし、思うように行動できなくとも、天皇の地位にあるだけでいいということは、今日の常識として考えづらい。
(中略)
 陛下もまた「天皇は仕事をするから天皇なのではない。何もされなくても、天皇なんだ」とは考えられていないように思われる。 
(中略)
 しかし、天皇としての「仕事」「役割」「機能」は全身全霊で果たさなければならないから、それができない天皇は「天皇」であってはならないという考えに、私たちが至ってはいけない。それは、天皇の地位に能力原理を持ち込むことに繋がるだろう。仕事ができる天皇が「天皇」であり、仕事ができない天皇は「天皇」たり得ず、退くべきだという認識は、血統原理によって安定させてきた天皇の地位を揺るがすことになる。

 結局「公務ができない天皇など天皇であってはならない。天皇とは会社社長や医者のような仕事だと私は思ってる。だから公務がきつくなってきた今、醜態をさらさないために辞めたい(今上や退位論に好意的な人間)」つう考えと「天皇なんて極論、認知症だって、何だってええんすよ。生きてさえいれば。仕事じゃないですから(産経や八木など退位論に否定的な人間)」つう考えの違いがそこにはあるわけです。

*1:那覇市議、沖縄県議、那覇市長を経て沖縄県知事

*2:菅、野田内閣行政刷新担当相、民進党代表代行を経て民進党代表

*3:鳩山内閣国交相菅内閣外相、民主党政調会長(野田代表時代)、野田内閣国家戦略担当相を歴任

*4:著書『「女性天皇容認論」を排す』(2004年、清流出版)、『本当に女帝を認めてもいいのか』(2005年、洋泉社新書y)、『「女系天皇論」の大罪』(共著、2006年、PHP研究所)、『日本人なら知っておきたい!Q&Aで分かる天皇制度』(2006年、扶桑社)など

*5:原、山本内閣陸軍大臣を経て首相

*6:著書『象徴天皇制と人権』(1990年、部落解放研究所)、『憲法天皇制』(1990年、岩波新書)など

*7:臨時代行は既に天皇の外遊時に置かれています(皇太子がなってる)

*8:2004年(平成16年)12月、小泉内閣における「皇室典範に関する有識者会議」座長代理に就任、翌年11月に皇室典範の女帝容認の改正を提言している。また2012年(平成24年)1月、民主党・野田政権下で「『女性宮家』検討担当内閣官房参与」に就任。著書『皇室法概論』(2006年、第一法規出版)、『皇室制度を考える』(2007年、中央公論新社)(ウィキペ「園部逸夫」参照)。

*9:著書『天皇家の宿題』(2006年、朝日新書