今日の産経ニュース(9/19分)

■「転換期のいま、人財育成は吉田松陰に学べ」 大和ハウスが文化フォーラム
http://www.sankei.com/life/news/160919/lif1609190025-n1.html
 「吉田松陰云々ってさすが社長が映画プライドやムルデカ作ったり青年自由党作ったり、テレビ東京で「サンデープロジェクトの裏番組」で渡部昇一のウヨ番組を一社提供*1したりしてたところは気が狂ってるな」と一瞬思いましたがよく考えたらあれは「東日本ハウス(現・日本ハウス)」でしたね。あれらウヨ行為の多くはさすがに当時の社長の道楽じみた行為*2であの社長が亡くなってからは日本ハウスも少なくともあそこまでは酷くはなくなったようですが。
 しかしこういう事やるってことは大和ハウスって「社長がそっち系の危ない人」「社長が日本会議の役員やったり、櫻井よしこ講演会開いたりするような会社」なんでしょうか。

 歴史学者磯田道史さん*3をパネリスト・コーディネーターとして、松蔭大客員教授の長谷川勤さん、萩博物館特別学芸員の一坂太郎さん*4、女優の佐久間良子さんを加えた4人が日本の人材育成について議論する。

 松蔭大学のサイト(http://www.shoin-u.ac.jp/univ/info/kengaku/)に寄ればやはり「松蔭」とは「吉田松陰」から取ってるようです。


■【産経・FNN合同世論調査】「生前退位」容認が9割超 蓮舫新代表の民進党「政権担えると思わない」75% 築地市場豊洲移転延期「妥当」は88%
http://www.sankei.com/politics/news/160919/plt1609190009-n1.html

 蓮舫*5日本国籍と台湾籍のいわゆる「二重国籍」を保有している問題については、「納得できる説明をしていると思わない」が48・0%で、「思う」の41・9%を上回った。

 あんなデマに踊らされる馬鹿が結構いるんですねえ。ただ、それでも

蓮舫氏に「期待する」と答えた人は56・8%に上り、「期待しない」の40・2%を上回った。

ということは「今ひとつ説明に納得できなかったけど、代表にふさわしくないとかそれほどの重大問題とは思わない、甘利の口利き疑惑とかと違う」つう人間が多いんでしょうか。
■kojitakenの日記『共同通信世論調査で、蓮舫が自身の日本と台湾の「二重国籍」問題で説明が変わったことに対して「問題ではない」が66・5%』
http://d.hatena.ne.jp/kojitaken/20160919/1474265275
から考えるに恐らくそう言うことなんでしょう。
 まあそのレベルでも「納得いかない」とか抜かす人間は「二重国籍云々なんてバカバカしい」と思う俺から言わせればバカですが。
 なお、kojitaken氏曰く

こんな問題に過剰反応してネトウヨやリアルの極右人士と「共闘」してしまった「リベラル」たちの罪は、どうしようもなく重い

そうですが、小生の生存範囲、観測範囲には
1)この問題で蓮舫氏を叩く自民支持者や極右
2)この問題で彼女を擁護する野党支持者やリベラル
しかいないもんで「そんなリベラル何処におるんかなあ」「どうでもええとは言わんけどリベラル全体の数から言うたら超少数派と違うか」「そもそもそんなんリベラルなんか?、ただの野田元首相*6嫌いと違うのか?」ですねえ。
まあリベラルの多くは
■五十嵐仁の転成仁語『脱力感に襲われてしまった蓮舫民進党新代表による野田佳彦新幹事長という人事』
http://igajin.blog.so-net.ne.jp/2016-09-18
のように野田には否定的でしょうが、その「リベラルの一人」五十嵐氏は「二重国籍」云々で彼女を叩くような馬鹿な事はしていません。

新たに誕生した蓮舫代表のもとで民進党が政権を担う政党になると思うかを聞いたところ、「思わない」が75・8%で、「思う」の16・5%を大きく上回り

 さっぱりわからないですね。「期待する56%」との差は何なのか。

党名を変更した日本維新の会は前のおおさか維新の会に比べ0・3ポイント減の4・2%だった。

 予想の範囲内ですが党名なんか変えたって何がどうなるもんでもない。しかも変えたのが「おおさか→日本」では何の新鮮みもない。なお、ここからは「自民党支持者の多くは別に政策で支持してるんじゃない、利権とか人間的しがらみとか、政策と関係ないところで支持してる」つう事も想像がつきます。政策で支持してるのなら自民党に政策が近い維新がこんなに支持率で苦戦する(民進どころか公明や共産にも負けてる)のは不自然だからです。

昨年12月の慰安婦問題に関する日韓合意に基づき、日本政府が元慰安婦支援の財団に約10億円を拠出し、元慰安婦1人当たり約1000万円を支給することについては、「評価する」の38・4%を「評価しない」の52・9%が大きく上回った。

 安倍を支持するようなゲス共の回答ですからねえ。この調査結果だけでは「評価しない」の理由は分からないとは言え、「1000万円じゃ安すぎる」とか「支給すること自体はいいと思うが、慰安婦皆さんの了解が必ずしも穫れてないようなので」とかじゃなくて「銅像が撤去されてない」「1000万円なんて高い」とか「戦争被害者・慰安婦を侮辱する」馬鹿な理由なんだろうなと思ってげんなりします。まあ少なくとも一部のウヨがそう言う馬鹿話を始めることだけは間違いないでしょう。

東京都の小池百合子*7知事の働きぶりについては86・3%が「評価する」とした。環境調査などで11月7日に予定していた築地市場中央区)の豊洲市場江東区)への移転が延期されたことについては、88・2%が延期を妥当だと「思う」と回答した。

 まあ今のところ小池は豊洲問題で「タブーに挑む知事」を演じて、それをメディアの多くも絶讃してますからねえ。その結果の「評価する」でしょうが、もちろん「豊洲市場を早く稼働したい側の巻き返し」もあるわけで、今後、小池がどれほどのことができるかは監視が必要でしょう。
 もちろん「豊洲問題についてきちんと解決できれば」他(例えば小池の極右性)はどうでもいい、つう問題でもない。
 しかし「共産党とかずっと前から豊洲市場計画を批判していただろうが」「お前ら都民が石原なんぞ知事にするからこうなるんだろうが」と本当に不快ですね。いや未だに「早く豊洲を開業しろ、小池はふざけるな=80%」とかでも困りますが、「過去の石原支持を全く反省・総括せず、掌返しで豊洲市場延期支持とかふざけんな。お前ら都民は共産党とか『早い段階での批判派』に『こういう事態を助長してすみません』と今からわびたらどうなんだ。お前ら都民は脳みそあるのか。ワイドショーが批判したら乗っかるのがお前らか。全部ワイドショーで決めるのか?」感は否定できません。


■【産経・FNN合同世論調査内閣支持率56・6%で微増 報道各社の調査でも軒並みアップ 安倍晋三首相の「外交・安保政策」評価か
http://www.sankei.com/politics/news/160919/plt1609190012-n1.html
 アンチ安倍として「日本人は馬鹿なのか」と鬱になる調査結果です。安倍政権になってから何が良くなったと言うんでしょうか。「極右的な立場から安倍の極右的政策(例:戦争法)を評価する立場」でもない限り安倍に評価する所など何もないでしょう。
 アベノミクスは限界が表面化しつつあるし、日中、日韓関係は安倍のせいで冷え込みました。消費税増税などで生活はむしろ苦しくなっている。
 なお

安倍政権の外交・安全保障政策を「評価する」との回答も49・2%で、「評価しない」(40・5%)を上回っている。

ですから支持が多いとは言え「49.2%と40.5%」はむしろ「そこそこ拮抗してる」と見るべきでしょう(支持理由、不支持理由が分からないとこの結果について何とも評価ができませんが。たとえば『日中首脳会談したことは中国への屈服だ』なんて不支持理由なら、日中友好の観点から「アンチ安倍の立場でも」俺には評価できません)。
 この結果からは到底『安倍晋三首相の「外交・安保政策」評価か』とはいえないでしょう。「評価するが評価しないに比べてかなり大差がある」わけでないのですから。「8.7%の差」なんてとても「安倍政権の支持率に貢献している」と見なせる大差とは言えないでしょう。単に産経が「外交・安保政策が支持されてる」と強弁したいだけです。それは裏返せば産経は本心では「あまり支持されてない」と自覚していると言う事ではないか。

 産経新聞の合同世論調査では北朝鮮に対する制裁を「強化すべきだ」との回答は86・2%に上った

「強化してどうするんだ?」と聞きたくなりますね。死刑賛成論が未だに高い日本人らしい「とにかくぶっ叩けばいい」という論理性皆無の代物なのでしょう。もちろんメディアが北朝鮮報道についてそうした扇情的報道しかしないという問題もあれば、安倍政権が制裁論煽ってるという問題もありますが。


■【視線】安倍昭恵夫人も心配 十和田市新渡戸稲造の歴史的遺産を守る使命感を持つべきだ 編集委員・安本寿久
http://www.sankei.com/column/news/160919/clm1609190007-n1.html
 「安倍首相の奥さんが心配してる」という「話の本筋ではないこと」「ある意味どうでもいいこと」を書かずにはいられない当たり実に産経らしい。
 つうか産経にとってはむしろこれは「安倍首相の奥さんが文化保護を訴えてて僕はスバラシイと思いました」ということ(安倍夫婦へのおべっか)が本筋なのか。

 約150人の駐日大使の代表(駐日外交団長)を務めるサンマリノ共和国のマンリオ・カデロ大使は、「外国人の視点から見た価値」と題してこう話した。

 しばらく前に拙エントリ(http://d.hatena.ne.jp/bogus-simotukare/20160911/5640158919)で突っ込んだ例の「あの人」です(苦笑)。
 なお、産経がそんなに「青森県十和田市立新渡戸記念館の所蔵資料」が大事と思うのなら「十和田市新渡戸稲造の歴史的遺産を守る使命感を持つべきだ」などと空虚な精神論を説教しないで県立なり国立なりにするように主張したらどうなんですかね?
 「それほどの価値はない」とか「国や県も財政が厳しい」とかいうなら「そんな事言うなら市だって財政は厳しいし本当に価値あるんかい?」つう話でしょう。「使命感を持て」と説教されても何がどうなるわけでもない。まあそれはこの記念館、資料館に限った話じゃないですが。

*1:当時。今は普通のバラエティ番組が放送されています。

*2:映画について言えば興行的には大失敗、政党も泡沫扱いでした。

*3:著書『武士の家計簿:「加賀藩御算用者」の幕末維新』(2003年、新潮新書)、『殿様の通信簿』(2008年、新潮文庫)、『天災から日本史を読みなおす:先人に学ぶ防災』(2014年、中公新書)など

*4:著書『高杉晋作』(2002年、文春新書)、『長州奇兵隊:勝者のなかの敗者たち』(2002年、中公新書)、『木戸孝允』(2010年、山川出版社日本史リブレット人)、『高杉晋作の「革命日記」』(2010年、朝日新書)、『山県有朋の「奇兵隊戦記」』(2013年、洋泉社歴史新書y)、『司馬遼太郎が描かなかった幕末:松陰、龍馬、晋作の実像』(2013年、集英社新書)、『吉田松陰とその家族』(2014年、中公新書)、『吉田稔麿』(2014年、角川選書)、『高杉晋作』(2014年、角川ソフィア文庫)、『吉田松陰高杉晋作の志』(2014年、ベスト新書)など

*5:菅、野田内閣行政刷新担当相、民進党代表代行などを経て民進党代表

*6:蓮舫氏の親分。次期幹事長が内定。

*7:小泉内閣環境相、第一次安倍内閣防衛相、自民党総務会長(谷垣総裁時代)など歴任