今日の産経ニュース(9/29分)

■「安倍首相発行のメルマガの記事は真実」 2審も菅直人氏が敗訴 菅氏「まったく納得できない判決」と上告へ
http://www.sankei.com/affairs/news/160929/afr1609290022-n1.html
 安倍という最高権力者(首相)に配慮してるとしか思えない酷い判決ですが、菅氏も「こんなことならすぐに訴えておくべきだった」「いくら相手の言ってることがデマで、かつ相手が『元首相という大物政治家』でも現役の首相が裁判を起こすのはよろしくないという判断は失敗だった(まあ菅氏も安倍復権なんて予想してなかったと言うこともあるでしょうが)」と悔しがってることでしょう。まあ、いくら被告が現役の首相でも、普通ここまで酷い裁判判決をするとは誰も思いませんが。全く何処の発展途上国なんでしょうか。一審、二審のバカ判事共は「安倍に報復されたら俺の人生が終わる。あいつなら何するか分からない」という保身から日本の法治主義と国際的評価を大いに破壊したと言っていいでしょう。まあこの種のバカ判事にとっては自分の保身だけが何よりも大事なんでしょうが。


菅直人元首相、悔しさにじむコメント全文 「現職首相を相手にする裁判のむつかしさを痛感」 
http://www.sankei.com/affairs/news/160929/afr1609290023-n1.html

 判決は私が海水注入を止めたという最も重要な本件メルマガの記事が事実でなく虚偽であったことを認めながら、本件メルマガの主要部分を再臨界の懸念を示した私の「間違った判断」に対する意見の表明であるから名誉毀損には当たらないとするものである。
 しかし問題の本件メルマガには「やっと始まった海水注入を止めたのは、なんと菅首相その人だったのです。」と、私が間違った判断で海水注入を止めたと断定している。私が再臨界の懸念を示したことについては、本件メルマガには何の言及もない。それなのになぜ再臨界の懸念を表明したことが本件メルマガの主要部分になるのか。明らかに問題のすり替えである。
(中略)
 メルマガの「海水注入を止めたのは菅首相」という虚偽の情報を、「再臨界の懸念の表明」という「間違った判断(ボーガス注:間違ったと言えるかも疑問だが)」にすり替えた判決でとても承服できない

 菅氏の怒りが良く伝わるが、必要以上に興奮せず「判決の詭弁性を冷静にわかりやすく伝える」いい文だと思います。
 どう見ても菅氏の方が安倍より格上と言う事を改めて実感しますね。もちろんそれは菅氏の全てを肯定すると言う事ではないし、安倍と比べたらほとんどの元首相は格上でしょうが。


■「真実の勝利」メルマガ訴訟で安倍晋三首相
http://www.sankei.com/politics/news/160929/plt1609290049-n1.html
 安倍らしいですが菅氏も指摘するようにこの判決ですら「海水注入中止を菅首相が指示」という安倍の指摘を虚偽だと認定しています。安倍がドヤ顔できる話じゃない。
 「メルマガの主要部分じゃない(どこがだよ?)」だの「それが事実だと安倍が信頼するコトに落ち度がなかった(あるだろ、ふざけんな)」だのいう詭弁で安倍を免罪してるだけです。
1)裁判判決を安倍がまともに理解してない
2)理解した上で安倍信者相手に大本営発表してる
のか知りませんが全くクズ野郎です。これが日本国首相で現在政権4年目と言うんだから日本の将来に絶望しますね。まあ今、「都知事選4選」石原が豊洲問題で火だるまになってるようにいずれ安倍にも報いが来るとは思いますが。


■難しい判断迫られた裁判員 殺害依頼、証拠と矛盾せず 福井地裁
http://www.sankei.com/west/news/160929/wst1609290095-n1.html
松本清張ミステリのネタバラシがあります】
 まあ「疑わしきは罰せず」「疑わしきは被告人の利益に」なんでしょうね。「殺害したが同意殺人だ」と被告人が主張し、それを否定するだけのものがないので「殺人で処罰するわけにいかない」と。 殺人だという前提で求刑13年だけど、同意殺人と認定して、一審判決が3年6ヶ月と。
 しかし「殺人で起訴したが判決は傷害致死」つうのは知ってますがこういうのもあるんですねえ(まあレアケースでしょうが)。ミステリでは時々あるネタですが実際にはあまりないかと思います。
 まあ検察の控訴とそれによる「高裁での殺人認定&量刑が重くなる」の可能性は当然あるわけですが。でこういう判決が出ると日本では往々にして「あの子が自殺を望むわけがない」「被告人は死人に口なしを決め込んだ嘘つきで、その嘘を容認した裁判所と検察は無能だ」「何で求刑13年が1/3以下の3年6ヶ月になるんだ」云々という遺族の感情論をマスコミが垂れ流したりするからうんざりします。
 「カシオミニを賭けてもいい」ですが明日ワイドショーがそう言うげすなコトすると思います。日本国は「ゲス野郎の王国」ですから。
 いや遺族の気持ちは分かるんですけど、裁判判決に向かって感情論ぶつけても意味がないわけです。「殺人だ、同意殺人じゃない」「3年6ヶ月では軽い」と言える証拠を出さなければ。
 しかしこれ「裁判員裁判」なんですよね。小生、裁判員裁判には「プロ(裁判官)のような冷静な判断ができず、厳罰論が多いんじゃないかとあまりいい印象がなかった」んですが今回は逆ですね。

 裁判員らは被害者の大学院生、菅原みわさん=当時(25)=の依頼があった(ボーガス注:疑いが完全には否定できない)とし、殺人罪に問われた前園泰徳被告(44)に(ボーガス注:「疑わしきは被告人の利益に」の立場から)嘱託殺人が成立すると判断した。公判では男女のトラブルが事件の背景にあったとすることに争いはなく、焦点は殺害依頼の有無だった。裁判員を務めた男性は「感情で判断しないようにするよう苦労した」と結論を出すまでの難しさを語った。
 判決は、事件直前の無料通信アプリLINE(ライン)のやりとりなどから「菅原さんが前園被告との前途に絶望して、自殺の意思を強めた可能性は否定できない」と指摘。菅原さんから殺害の依頼があったとする前園被告の供述は証拠と矛盾せず「嘱託がなかったと認定するには合理的な疑いが残る」とした。
 判決後に記者会見に臨んだ裁判員3人は、いずれも疲れた表情。会社員、松浦栄二さん(63)は「当初は本当に殺害を頼んだのか疑問だった」と打ち明けた。公判を通して考えを巡らせ、自分なりの結論に至ったという。

だそうです。まあ何というかまじめな方々がまじめに考え『同意殺人認定という結論の是非はともかく』「遺族の感情論に流されずに冷静な結論を出した」という「ある意味」いい結果だったようです。
 人間として、やはりこうありたいもんです。久しぶりにいいニュースを聞いた気がします。
 たーだ、「愚民の王国」日本だとこういう「熱い心を持ちながら冷静な頭脳で動く」つう人は残念ながらレアケースな気がします。
 さて死刑判決(裁判員の地裁判決)を高裁が無期に軽くしたときに「裁判員裁判軽視だ」とのたまった産経(たとえばhttp://www.sankei.com/affairs/news/140521/afr1405210031-n1.html参照)がこの事件で検察が控訴したとして「裁判員裁判軽視だ、控訴するな」と言うかどうか。まあ「カシオミニを賭けてもいい」ですが絶対に言いませんね。「遺族の思いをくみたい」と言い出すに決まってる。
 結局産経とは「厳罰論大好き」でその厳罰論を「遺族の思い」で正当化するだけのくだらない存在でしかないわけです。で場合によってはそれに「裁判員判断軽視するな」という心にもない虚言までくっつけると。

 菅原さんの遺族は弁護士を通じ「最後に会ったみわは前向きに生きる気持ちにあふれていました。死人に口なしの結果としか言いようがなく、ショックを受けています」とのコメントを出した。

 予想通りの感情論ですが「くだらない戯言乙、以上」と書いておきます。

【追記】
 「ミステリでは時々あるネタ」と書きましたが、小生が知ってるのでは松本清張の『紐』という小説が「途中まで殺人事件のアリバイトリック崩しがメインネタかと思わせて」このネタで終わらせるという代物です。
 被害者が事業の失敗でヤクザや街金に追い込みをかけられ自殺してもおかしくない精神状態だったため、同意殺人か殺人か分からないがアリバイ工作と「被害者に多額の保険金がかけられていたこと」から警察は殺人と主張し、被告人(確か、被害者の妻や兄夫婦)は「アリバイ工作は被害者が考え出したもの、保険も街金やヤクザから金をかける為に被害者本人がかけたもので同意殺人に間違いない」と言い訳する。
 しかし「アリバイトリックを崩し被告人の逮捕をもたらした」主人公(生命保険の保険調査員)は最終的には「これは被告人の言うように同意殺人ではないか?」と思うと共に「ばれる危険性のある欠陥のある偽装アリバイをわざと構築し、保険金をアメに殺人をやらせ、『被害者の自業自得とは言え』多額の借金を背負った被害者を見捨てた妻や兄夫婦に報復することを計画したのではないか」というブラックな疑惑をいだいて話が終わる。
 ああ、そう言えば芥川の『藪の中』もこのネタでしたっけ?。

参考
■紐:前編
http://blogs.yahoo.co.jp/urbigfatmom/14819204.html
■紐:後編
http://blogs.yahoo.co.jp/urbigfatmom/14819310.html
 このテレ朝ドラマは原作とかなり登場人物のキャラ設定が違う気がしますが紹介しておきます(たとえば原作では妻は最後まで殺人を否定する)。またこのドラマでは最初から「アリバイ工作の方法」と犯行動機がモロバレでむしろ「妻の心理状況」にスポットが当たっていますね。
 それと原作には「観覧車」なんて出てこないんですが、清張も良くこんな改変を認めたもんです。


■元准教授教え子殺害、「娘は正義感強い性格」被害者父が証言 福井地裁
http://www.sankei.com/west/news/160914/wst1609140081-n1.html

 検察側は、菅原さんが殺害される半年前に自殺未遂を起こしたことに触れ、状況を質問すると、父親は「自殺をほのめかす言動はなく、『死にたい』と聞いたこともなかった」と証言。

 まあ「半年前に自殺未遂」つうのが裁判員の判断に影響したことは否定できないでしょう。父親が「その後自殺をほのめかす言動はなく、『死にたい』と聞いたこともなかった」と証言しても「ああ、そうなんですか、じゃあ同意殺人じゃないすね」とうのみにするわけにもいかんでしょう。


■アジアインフラ銀、パキスタンミャンマーの2事業に融資
http://www.sankei.com/economy/news/160929/ecn1609290038-n1.html
 不良債権化などの問題が発生すれば話は別ですがそんなこともないでしょう。反中国・産経の期待に反しAIIBはおおむね順調なようです。


■中国人消費「量から内容へ」 国慶節連休商戦…大阪の百貨店、戦略あれこれ
http://www.sankei.com/west/news/160929/wst1609290011-n1.html

 中国の国慶節(建国記念日)に伴う大型連休が10月1日から始まるのを前に、大阪市内の百貨店で商戦がスタートした。
(中略)
 高級ブランドや時計など高額商品の(ボーガス注:中国人観光客の)売り上げがしぼむ中、依然好調なのが雑貨だ。各店は、子供服や化粧品などを充実させる。
 近鉄百貨店本店(阿倍野区)は28日から、各階のエスカレーター付近で中国人客向けに衣料品などの特設スペースを設けた。今年、特に増やしたのが子供服・用品だ。広報担当者は「一人っ子政策が廃止になり、子供向けの需要が増えている」と話す。
 高島屋大阪店(中央区)は9月に子供服・用品売り場を改装し、育児用品を充実。一定金額以上を購入した訪日客に日本製の雑貨をプレゼントする取り組みも始めた。
 訪日客に人気の化粧品にも力を入れる。近鉄百貨店本店は期間限定で化粧品売り場を増設し、販売員を倍増。高島屋大阪店(中央区)は免税カウンターを2席増やし、精算や免税手続きをスムーズにする。

 産経が中国を敵視しても「産経のような反中国路線は全く成り立たない」わけです。


小池百合子都知事が政治塾 10月30日に開講
http://www.sankei.com/politics/news/160929/plt1609290001-n1.html
 完全に「大阪維新をまねした話題づくり→可能なら東京版維新(小池新党)」でしょうが果たしてどうなることやら。もちろんアンチ小池の俺はぽしゃることを希望していますが。


■【高校野球】甲子園練習の女子マネ参加、賛否真っ二つ 今夏の制止受け…高野連委員会で討議
http://www.sankei.com/west/news/160928/wst1609280089-n1.html
 こんなん反対する理由がどこにあるのかさっぱりわかりません。これが「水島新司マンガ『野球狂の詩』のように、女子も甲子園に出場できるようにすべきか」だったら「男子と一緒にやらせるのは危険すぎる」つうのもわかりますが。
 もちろん練習参加といったって「バッティングピッチャー」とかやるわけじゃないですし。