今日の産経ニュース(10/4分)

■ロシアが南アジアに触手 インド、パキスタンと軍事演習 米国に対抗
http://www.sankei.com/world/news/161004/wor1610040037-n1.html
 やれやれですね。産経にとって、米国や日本がインドとつきあうと問題がないのにロシアがつきあうと触手だそうです(苦笑)


■【世界を読む】「奪われた領土」極東ロシアに流れ込む中国人…“スーツケースで侵略”は危険な火ダネ
http://www.sankei.com/west/news/161004/wst1610040001-n1.html

 中国人には19世紀の不平等条約ウラジオストクなど極東の一部を奪われたとの思いがあり、ロシア人には不気味だ。欧米に対抗して蜜月ぶりを演出する両国首脳の足元で、紛争の火だねが広がっている。

 バカバカしい。今さら中国がロシア相手に「ウラジオストックを返せ」なんて言うわけないでしょう。ロシアがアメリカに「アラスカ州を返せ」、メキシコがアメリカに「テキサス州を返せ」と言うくらいあり得ない話です。1960年代の中ソ紛争だってそんな争いではない。
 産経もさすがに本気ではないでしょう。良くこんなデマが放言できるもんです。


■自民にも「二重国籍」議員がいた 岡山県選出の参院議員小野田氏「米国籍離脱手続き中」
http://www.sankei.com/west/news/161004/wst1610040043-n1.html
 吹き出しそうになりましたが、これでも産経や「自民の鉄砲玉集団・維新」は蓮舫氏への誹謗を辞めないのでしょう。
 小野田氏に対して彼らが1)民進とは違う(最大野党党首と陣笠は違うとか、台湾と米国は違うとか)とかばうか、2)陣笠議員なので「議員辞職を主張し」無慈悲に切り捨てるか、はともかく(まあ2)の場合でも産経が批判するのはせいぜい岡山自民限定で、自民中央には何も言わないでしょう)。


■「一方的な多数決、許されない」「正義の押し売り*1」 波紋広げる日弁連の「死刑廃止」宣言案…被害者支援の弁護士らが反対声明
http://www.sankei.com/affairs/news/161003/afr1610030023-n1.html
 被害者支援と死刑廃止が矛盾するかのような産経やその同類には本当にうんざりしますね。たとえば「犯罪被害者に対する経済支援やメンタルケア」は必ずしも死刑を前提にする必要はない。
 ヨーロッパの多くの国は死刑を廃止していますが、そうした国が被害者支援を軽視してるわけでもないでしょう。
 そして、こういう産経やそのお仲間の、「死刑愛好」の輩は「死刑冤罪の問題*2」をどう考えてるのか。何も考えてないんじゃないのか。

 宣言案が採択された場合の影響について、山田広弁護士は「被害者が『自分が加害者に死刑を希望すること自体が世間とずれているのだろうか』と考えるなど、被害感情が萎縮する可能性がある*3」と懸念した。

 そんなことあるわけもない。その種の死刑大好き子は日弁連の決議どころか、「国会で刑法が改正されて死刑が廃止されても」『何で廃止した』と文句言いますよ。いやそれどころか「裁判での無期懲役判決」に「何で裁判官は死刑にしない」つうのがその種の「死刑大好き子」ですし。
 つうか「死刑にして欲しい」つうのは被害感情ではなく「復讐感情」でしょうよ。「加害者への復讐として死刑を求めるのは被害者の当然の気持ちだ」と思ってるらしいこの輩には正直唖然とします。


■【外交・安保取材の現場から】「Chinaの主張には一貫性がない」 気鋭のインド人安全保障研究者が尖閣問題で最近の中国の動向を分析
http://www.sankei.com/premium/news/161004/prm1610040003-n4.html

 チャンソリア氏は(中略)印中間の係争地で、インドが実効支配する印北東部のアルナチャルプラデシュ州の開発支援を呼びかける。中国は「アルナチャルプラデシュ州はチベットの一部*4」として領有権を主張し、日本による同州の開発支援に強く反発する。だが、チャンソリア氏は「同州は歴史的にみても常にインドの一部であり、中国が領有権を主張する余地は全くない」と強調し、日本は中国の言い分に配慮する必要はないとの認識*5を示した。

 日露の紛争地帯である北方領土に投資したがる国は「一部を除いて」恐らくほとんどない(そんなことをしたらロシアの支配を認めたと日本に批判されるから)のと同様、「中国が自国領だと主張するアルナチャルプラデシュ州」なんかに投資したがる国はないでしょう。そんな「中印紛争の結果、撤退を余儀なくされる恐れのある」やばいところに投資して、あげく中国の反感を買うぐらいならインドの他の州に投資しますよ。そして外国政府、企業は「アルナチャルプラデシュ州に投資してほしかったら、中国との争いに片をつけて下さい。『中国と片をつけるためにお前の力を貸してくれ、アルナチャルプラデシュ州に今すぐ投資してくれ』つうのにはつきあう意思はないですから」でしょう。
 まあだからこそ「安倍政権にアルナチャルプラデシュ州に投資して欲しいの。だって他の国が投資してくれないんだもん(アンチ中国の極右・安倍政権なら投資できるでしょ?)」つう無茶ぶりが来るわけですが、安倍ですらそんなんしないでしょう。 
 こんなやばい無茶ぶりをする女史に「私は日本の尖閣領有主張を正しいと思っています」と言われても「あれだろ、尖閣領有権を認めてやるからアルナチャルプラデシュ州のインド領有権を認めてくれ、可能なら日本企業がアルナチャルプラデシュ州に進出してくれ、つうバーター取引要求だろ?」としか思いません。
 こんな女史について産経が

 チャンソリア氏の指摘はどれも至極真っ当なものばかりだが、主張が日本のものに近いことから、日本側の意向を受けているとのうがった見方が出ても不思議ではない。しかし、チャンソリア氏は執筆にあたっては「中立な立場で臨んだ」として、そこが「この本のセールスポイントだ」と強調している。(政治部 田北真樹子)

と書いても「あんたの文章で正しいのは『日本の意向を多分受けてない(むしろ日本をたらし込むために調子を合わせてる)』てとこだけじゃん。アルナチャルプラデシュ州に日本の投資要求する人間のどこが真っ当で中立なんよ?。」ですよねえ。
 しかし「アルナチャルプラデシュ州に日本の投資要求」なんかしたら中立性がもろに疑われますが、まあ、この女史はそういうことどうでもいいんでしょう。学者と言うよりはおそらくは政治活動家です。


■【主張】日本とパリ協定 前のめりの批准は疑問だ
http://www.sankei.com/column/news/161004/clm1610040001-n1.html

 2020年以降の地球温暖化対策である「パリ協定」の来月上旬発効が確実になった。
 9月に温室効果ガスの2大排出国・米中が批准を終えているのに加え、世界4位の排出国・インドが2日に批准手続きを完了したためだ。

であるにもかかわらず

 欧州連合(EU)が批准することで、日本抜きでパリ協定発効の条件が満たされる運びとなるが、「出遅れ論」に惑わされるのは賢くない。前のめりで進め、米国に抜けられた京都議定書での苦い経験を忘れてはならないだろう。

などと言い出す産経には本当に呆れます。もはや批准以外に道はないでしょうし、ここまで、話が固まってしまうと今さらパリ協定の枠組みを大きく変更できそうにもない。
 こうなる前に「日本がリーダーシップをとるべきだった」のですが、そもそも産経も安倍政権もこうした取組に後ろ向きな上、リーダーシップを取れるだけの才覚もないわけです。

*1:むしろこの種の死刑愛好家の方がよほど「正義の押し売り」だと思いますが。

*2:まあ冤罪だけが死刑の抱える問題じゃないし、冤罪が仮になくても(どんなに頑張っても人間が全知全能の神でない以上、ないということはありえませんが)「人命尊重の見地」などから死刑反対という人はいますが、過去に死刑冤罪事件(いわゆる四大死刑冤罪事件(免田事件、財田川事件、松山事件、島田事件)や松川事件)や、死刑冤罪ではないかと疑われアムネスティ日弁連が被告人を支援した事件(例:名張毒ぶどう酒事件袴田事件)、無期懲役判決が出た、死刑判決が出てもおかしくない冤罪事件(例:布川事件足利事件)がある日本では死刑冤罪の恐怖は絵空事でなくリアルな現実です。海外の死刑廃止も「有名なサッコ・バンゼッティ事件」などさまざまな死刑冤罪事件に影響されてるわけです。

*3:その理屈だと「死刑を望まない被害者が『自分が加害者に死刑を希望しないこと自体が世間とずれているのだろうか』と萎縮する恐れがある」ので「山田広弁護士とそのお仲間は黙っていた方がいい」と思います(皮肉のつもり)。

*4:これが事実かどうか分かりませんが事実なら「中国の一部かどうかはともかく」とても「同州は歴史的にみても常にインドの一部(チャンソリア氏)」とはいえないでしょう。

*5:「で進出して中国の反感買ったら、お前が責任とってくれるのか?」ですよね。どうせ「正しい行為に反発する中国が悪い、日本は無視すればいい」「中国の無法の責任を何故私がとらないと行けない」で終わりでしょうが。