新刊紹介:「前衛」11月号

 「前衛」11月号の全体の内容については以下のサイトを参照ください。興味のある内容だけ簡単に触れます。
 http://www.jcp.or.jp/web_book/cat458/cat/
特集「70年目の日本国憲法
■「憲法九条の70年と戦争法:歴史から今を照らす」(小沢隆*1
(内容紹介)
 安倍の戦争法(集団的自衛権容認立法)に対する批判。

参考
赤旗『キーワード・戦争法』
http://www.jcp.or.jp/akahata/web_keyword/key375/


■「自民党改憲草案における「個人の尊重」抹消の意味」(木下智史*2
(内容紹介)
赤旗記事の紹介で代替。

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-05-11/2016051102_04_0.html
赤旗『再批判 自民党改憲案(7):人権より「公の秩序」』
 自民党改憲案は、人権保障の根本規定である日本国憲法13条の「すべて国民は、個人として尊重される」の「個人」から「個」の一文字を削除し、「人として尊重される」としました。「個」の一文字が消える結果、一人ひとりがその人らしさ(個性)をもち、それをかけがえのないものとするという理念から、個性のない均質的な「人としての尊重」に意味が全く変わります。

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-06-25/2016062505_01_0.html
赤旗「これが自民改憲案だ」
 自民党改憲案は13条の「個人の尊重」の「個人」から「個」の一文字を消し、「個人」という憲法の根本概念を消し去っています。
(中略)
 人が人である以上当然に認められる権利として、人権の保障を受けるという「天賦人権思想」について、「自民党改憲案Q&A」は「(そのような)規定振りを全面的に見直した」としています。
 このように、日本国憲法と近代立憲主義の核心にある「個人の尊厳」を最高価値とする理念を否定しています。「公益」優先で人権を制約し、権力を縛る憲法から国民と人権を縛り付ける憲法へと逆転しています。「憲法憲法でなくなる」もので、まともな改憲案とはいえないものです。


■「民主主義の危機と小選挙区制」(小松浩*3
(内容紹介)
 赤旗記事の紹介で代替。

赤旗『キーワード・民意反映の選挙制度に』
http://www.jcp.or.jp/akahata/web_keyword/key372/


■「理由なき改憲/目的隠しの改憲:安倍政権下の改憲戦略批判」(植松健一)
(内容紹介)
 「目的隠し」はともかく「理由なき」というのは誤解を招きかねない表現ではある。
 要するに「緊急事態条項」「プライバシー権」「環境権」「私学助成の合憲化」など「現行憲法改正の必要性はない」と一般に評価されているが、「改正の反発が少なそうな物」を「改憲ムードを高めて本丸(九条改憲)を攻めるため」に改憲派改憲案として持ち出す可能性に注意しましょう、という話である。


■「背筋凍るTPPの真実」(鈴木宣弘*4
(内容紹介)
 筆者は農業経済学者のため主として農業問題、食の安全の観点から批判がされている。

参考
赤旗
■TPP政府試算撤回を、畠山議員 輸入米価格偽装を追及、衆院予算委
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-10-05/2016100501_01_1.html
■輸入米の影響「ゼロ」の前提崩れる、TPP強行は許されない、畠山和也衆院議員の話
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-10-08/2016100802_02_1.html


■「安倍流「働き方改革」は何をめざしているのか」(昆弘見*5
(内容紹介)
 赤旗記事の紹介で代替。

赤旗
■安倍首相の 危険な「働き方改革」:労働政策決定の場から労働者の声を遠ざける
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-08-08/2016080801_03_0.html
働き方改革 官邸主導、実現会議 公労使3者構成崩す
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-08-13/2016081302_01_1.html
残業代ゼロ法案は撤回を、「働き方改革」ただす、共産党議員団厚労部会 政府から聴取
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-09-13/2016091305_01_1.html


■「異端のリニア中央新幹線は必要ない」(橋山禮治郎*6
(内容紹介)
 赤旗記事の紹介で代替。
 反対理由としては
1)多額の建設予算によるJR経営破綻の恐れ、2)環境破壊の恐れなどが上げられている。

赤旗
リニア新幹線計画に反対する、東海道新幹線地震津波対策、大震災の鉄道復旧こそ、志位委員長会見
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik12/2012-05-18/2012051801_01_1.html
■主張『リニア新幹線訴訟:安全にも環境にも疑念深まる』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-05-24/2016052401_05_1.html
■主張『リニア延伸前倒し:なし崩しの計画加速は危険だ』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-07-22/2016072201_05_1.html
リニア新幹線に財投1兆5000億円、JR自己調達ほご 国民にツケ、第2次補正予算
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-08-26/2016082608_01_1.html

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-10-27/2016102702_02_1.html
■リニア技術 信頼性低い、参考人質疑 清水議員に橋山氏
 衆院国土交通委員会は26日、リニア中央新幹線計画への財政投融資を可能にする鉄道建設・運輸施設整備支援機構法改定案の参考人質疑を行いました。改定案は、リニア新幹線の全線(東京―大阪)開業前倒しを口実に、政府が鉄運機構を通じてJR東海へ3兆円の公的資金を投入できるようにするものです。
 日本共産党清水忠史議員が、橋山禮治郎アラバマ大学名誉教授に財投の必要性について質問。橋山氏は「リニア計画は、JR東海が全額自己資金で行う前提で認可が下りた」「国が事業費の3分の1、3兆円もの巨費を出す必要はない」と述べ、「国が支援するなら、四国や北海道など赤字のJR各社*7にこそするべきだ」と強調しました。
 清水氏は、安全性、採算性、電力消費、環境の問題について質問。橋山氏は「地震で地割れが起きたらどうするのか。リニアは前例のない技術で信頼性は低い。『大丈夫』の一言を信じろというのは危険だ」と答えました。残土置き場が26%しか決まっていない現状には「民間会社が自身の事業について、地方公共団体に処理場所を見つけるよう頼むのは理解しがたい」と述べました。


■対談「現代史とスターリン不破哲三著『スターリン秘史:巨悪の成立と展開』(新日本出版社)が問いかけたもの(1)」(渡辺治*8×不破哲三*9
(内容紹介)
 不破氏著書を元にスターリン政治について論じているがうまくまとまらないので紹介は省略。


■「税逃れと投機の温床=タックスヘイブンで儲ける金融機関」(丸井龍平)
(内容紹介)
 赤旗記事の紹介で代替。

赤旗
■日本企業の税逃れ告発、タックスヘイブン利用“子会社の99% 実態なし”の例も、大門議員追及 抜本的課税強化を、参院決算委
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-04-26/2016042601_01_1.html
■課税逃れ対策強化を、タックスヘイブン問題 大門氏要求、参院財金委
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-04-29/2016042908_01_1.html
■大企業 課税逃れただせ、参院決算委 大門氏
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-05-24/2016052401_04_1.html


■「明らかになる豊洲新市場の問題点:築地市場移転は中止も含めて抜本的再検討を」(尾崎あや子)
(内容紹介)
 赤旗記事の紹介で代替。もちろん主に取り上げられているのは「今やマスコミも取り上げている」地下水汚染や盛り土といった環境の問題であるが他にも「談合疑惑」「建物の耐震性」などが取り上げられている。

赤旗
■主張『豊洲への市場移転:欠陥は明白、中止含め再検討を』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-09-15/2016091501_05_1.html
■築地移転延期、新市場 欠陥だらけ
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-09-01/2016090104_03_1.html
豊洲新市場の地下空間問題、共産党都議「集中審議を」、都議会委に申し入れ
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-09-16/2016091601_07_1.html
豊洲たまり水にヒ素共産党都議団発表
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-09-17/2016091701_03_1.html
■かち都議 豊洲談合疑惑徹底調査を、小池知事“検証したい”
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-10-06/2016100601_02_1.html
豊洲新市場 地下水管理システム機能せず、都議会委で集中審議 尾崎・かち都議が追及
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-10-08/2016100801_02_1.html


特集「水俣病公式確認から60年」
■「人間の尊厳を問いかける水俣病のたたかい:国民の支持を背景にした「力のある正義」の勝利」(板井優*10
■「水俣病問題解決に必要なこと:その病態と歴史をふまえて」(高岡滋)
(内容紹介)
 赤旗記事の紹介で代替。

赤旗
水俣病 全面解決を、市田氏 認定基準の見直し要求
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-05-12/2016051204_03_1.html

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-06-03/2016060304_01_1.html
■全水俣病被害者救済を、原告団など 市田副委員長に要請
 水俣病不知火(しらぬい)患者会とノーモア・ミナマタ第2次国賠訴訟原告団の代表は1日、日本共産党市田忠義副委員長を訪ね、すべての水俣病被害者を救済するために協力を要請しました。仁比聡平参院議員が同席しました。
 水俣病は公式確認から60年の歳月がたったいまもなお、補償、救済を求める被害者が多数存在しています。
 訴訟弁護団の中島潤史弁護士は「水俣病特措法の対象地域外に住んでいる被害者の救済を実現したい」と述べ、▽水俣病特措法の地域別データを公表する▽不知火海沿岸、阿賀野川地域住民の健康調査及び環境調査を実施する―を求める要請書を手渡しました。
 原告団の女性は「同じ魚を食べていたのに、住んでいる地域で線引きされ患者と認められないのは納得いかない。声をあげられないまま亡くなる方も多い。一人でも多く救済してください」と訴えました。
 市田氏は、(ボーガス注:水俣病特措法の)対象地域外でありながらほとんどの住民に水俣病症状が確認された熊本県芦北町の黒岩地区を訪れて質問した例を示しつつ「山村のため対象地域から外されたが、住民は行商の人が持ち込む不知火海の魚を買って食べていた。地域による線引きは事実上破綻している」と強調。「特措法の『あたう限りの救済』とは、全ての被害者を救済しようということ。ご意見をしっかり受け止めて、引き続き国に要求していく」と語りました。


■論点
【孤立化する貧困者:生活保護受給者実態調査から】(高橋正己)
(内容紹介)
 筆者は埼玉県民主医療機関連合会(埼玉民医連)事務局長。埼玉民医連が行った調査について簡単な報告をしている。

参考
■医療生協さいたま「生活保護実態調査について記者会見を行いました」
https://www.mcp-saitama.or.jp/information/press_160801.php


【必要のない石木ダム建設・強制収用を許さない】(山下千秋)
(内容紹介)
 赤旗記事などの紹介で代替。『治水や利水を目的としているが「水需要や洪水の恐れを過大に評価しており」必要性がないこと』が反対理由としてあげられている。

赤旗『石木ダム必要ない:認定取り消し求め住民提訴 長崎地裁
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik15/2015-12-01/2015120115_01_1.html
毎日新聞『石木ダム建設事業、きょう反対集会 「本当に必要か関心を持って」/長崎』
http://mainichi.jp/articles/20160910/ddl/k42/010/359000c

http://mainichi.jp/articles/20151021/ddl/k42/010/316000c
毎日新聞『県収用委員が不適切発言 建設反対行動に「阻止ならブルドーザー」/長崎』
 県収用委員会の林田悧(さとし)委員(80)が、19日に県庁であった感謝状贈呈式で、石木ダム建設に反対する地元住民らの抗議行動について「阻止されたらブルドーザーを突っ込んで、業者を入れさせないと」などと発言していたことが、県などへの取材で分かった。住民側は「人権を無視した発言だ」と批判している。


■暮らしの焦点
視覚障害者の駅転落事故死から何を考えるべきか】(田中章治)
(内容紹介)
 赤旗などの記事紹介で代替。

赤旗
■主張『駅ホーム転落事故:利用者の安全優先で対策急げ』
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-08-20/2016082001_05_1.html
■駅ホームドア 早く、共産党都議団が知事に転落防止策要請
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-08-30/2016083001_04_1.html
視覚障害者と駅の安全:ホームは“綱渡り”、可動柵 整備加速を、駅員の配置もっと
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-09-04/2016090414_01_1.html
■「全駅にホーム柵を」、視覚障害者団体 国交省に要請、党国会議員参加
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-09-13/2016091315_01_1.html
■ホームドア設置早く、清水衆院議員 駅視察し運輸局要請、大阪
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-10-04/2016100404_02_1.html

産経新聞『「人ごとではない」相次ぐ視覚障害者のホームからの転落事故 大阪の視覚障害者らから対策訴える声』
http://www.sankei.com/west/news/161017/wst1610170011-n1.html


■メディア時評
【テレビ:福島中央テレビの取り組み】(沢木啓三)
(内容紹介)
 福島映像祭2016でのイベント『上映&トーク福島中央テレビが伝える6年目の福島」』(http://fukushimavoice.net/2016/08/2448)の紹介。


■文化の話題
【前振り】
・映画→赤旗連載、新日本出版社で単行本化された小説の映画化
・音楽→スターリンの迫害を受けた旧ソ連の音楽家
・演劇→前進座
と何とも共産党色の強いラインナップです。
【映画:「校庭に東風吹いて」】(児玉由紀恵)
(内容紹介)
 映画「校庭に東風吹いて」(http://www.ggvp.net/kochi/)の紹介。

参考

http://www.ggvp.net/kochi/introduction.html
教師を演じるのは、TVドラマ「科捜研の女」シリーズで活躍中の沢口靖子

 そうか、沢口靖子の代表作って今、「科捜研」なんだ、そう言えばそうかもな、と再認識。

http://www.ggvp.net/kochi/cast.html
岩崎未来(いわさきみく)蔵田ミチル・役(場面緘黙症の生徒)
 2008年生まれ、東京都出身。
1歳の時、NHK教育テレビの『いないいないばぁ!』でデビュー。
 NHK朝の連続テレビ小説花子とアン』で、吉高由里子演じる主人公花子の養女の役に大抜擢。

 べたな感想ですが「1歳でデビューとかすげえな」と思います。なるほど「花子とアン」で活躍ですか。今後が期待される天才子役なのでしょう。

http://www.ggvp.net/kochi/cast.html
ひし美ゆり子(ひしみゆりこ)霜山苑子・役(佐野小学校の校長)
1967年〜68年ウルトラセブンのアンヌ隊員役で人気を博す。

 何とも懐かしい方が出演しています。

http://www.ggvp.net/kochi/cast.html
嶋尾康史(しまおやすひと)阿部等・役(佐野小学校の主幹教諭)
 1968年生まれ、兵庫県出身。1987年タイガース入団、ピッチャーとして活躍。

 まあ、長嶋一茂とか他にもいますが野球選手からタレントってのも大変だろうとは思います。
 ちなみに日刊ゲンダイの記事を紹介しておきます。

http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/sports/171697
 嶋尾さんは86年ドラフト2位で阪神入り。プロ2年目から主に先発として活躍も、たび重なる右ヒジ故障もあって96年に引退。翌年から役者の道に足を踏み入れた。
 もっとも、当初は俳優になるつもりは全くなかった。
「現役時代から故障がちだったので、野球をやめた後は体への興味もあって柔道整復師を目指そうと考えていました。でも偶然、戦力外を受けた直後に知人の映画監督を通じて今の事務所の社長と知り合ったのがこの世界に入ったきっかけです。最初は野球解説者からスタートしたのですが、これも偶然、事務所が同時期に俳優養成所を始め、それで『役者も』となったわけです。幸い、俳優として動き出した直後にテレ東の連ドラでのデビューも決まった。今思えば、本当に運が運を呼んだ感じ。人生ってわかりませんし、怖いですよ」

http://www.asahi.com/articles/ASJ893SPKJ89PLZB00B.html
朝日新聞『京都)南山城でもロケ 映画「校庭に東風吹いて」完成』
 いじめや不登校をテーマに、京都でもロケが行われた自主製作映画「校庭に東風(こち)吹いて」が完成し、9月上旬から京都をはじめ、大阪などの一般劇場で上映が始まる。原作は、南山城村在住の元教師、柴垣文子さんの同名小説*11だ。
 原作を読んで感銘した日本映画製作者協会理事・桂壮三郎さんが代表となり、映画製作実行委員会を設立。各地の有志に協力券購入を呼びかけながら、昨年から映画づくりに取り組んだ。

http://www.sankei.com/west/news/160819/wst1608190024-n1.html
産経新聞沢口靖子さん熱演「校庭に東風吹いて」映画完成、子供の貧困などと向き合う女性教師役』
 京都府南山城村などでロケが行われた映画「校庭に東風(こち)吹いて」(金田敬監督)が完成し18日、京都市内で試写会が行われた。心の病や貧困などの問題に正面からぶつかっていく女性教師を女優の沢口靖子さんが熱演している。
 舞台は京都府南部の小学校。女性教師が赴任した小学校3年のクラスには、過度の不安や緊張のために学校では声が出せなくなる「場面緘黙(かんもく)症」の少女や、多額の借金で十分な食事もとれない少年がいた。女性教師は子供たちの苦しみに寄り添い、母親たちとも真剣に向き合う。その情熱に子供たちも親たちも少しずつ心を開いていく。
 南山城村在住の作家、柴垣文子さんが実体験をもとに執筆した同名の小説を映画化した。撮影は4月、同村をはじめ大阪府東大阪市堺市などで実施された。
 金田監督は「今はなるべく他人に関わらないようにする傾向があるが、この映画を通じて、子供たちが少しでも他人の気持ちを考えることができるようになれば」と話した。
 映画は9月3日から木津川市の「イオンシネマ高の原」で公開されるのをはじめ、10〜23日「京都みなみ会館」(京都市南区)、17日「文化パルク城陽ふれあいホール」(城陽市)、10月22日「京都教育文化センター」(京都市左京区)での上映が決まっている。
 地域での上映希望や問い合わせは、京都映画センター(電話075・256・1707)。

http://www.zakzak.co.jp/people/news/20160915/peo1609151140001-n1.htm
夕刊フジ『【沢口靖子】芸能界入りは運命 私にとって「人生そのもの」 』
 今月9年ぶりの主演映画「校庭に東風(こち)吹いて」が公開された。
 数々の役柄をこなしてきたが、小学校教師役は初めて。家庭などでは話せるが、学校など特定の場面で全く話せなくなる場面緘黙(かんもく)症の少女や貧困に苦しむ少年がいるクラスと格闘する。関連書などで勉強して撮影にのぞんだ
 「周囲に理解されにくく、ご本人や身内に苦しんでいる方が多いと知り、俳優として作品に出演することで多くの人に知ってもらいたい、と思うようになりました。そして、教師も独りの弱い人間であるということを、表現したかったんです」
 撮影はなごやかに進んだ。
 「子供が好きで、中高生のころ教師にあこがれていたので、ドキドキしながらも楽しい撮影でした。教壇に立って感じたのですが、小学校の机って小さくてかわいいんですよ。休憩中も生徒のみんなに話しかけて、先生気分を味わいました。各自パワフルで個性豊か、いい教室のシーンが撮れたと思います」

http://www.chunichi.co.jp/chuspo/article/entertainment/news/CK2016091802000172.html
サンケイスポーツエンクミ指輪キラリ ママの顔 映画「校庭に東風吹いて」初日舞台あいさつに出席』
 7月に映画監督の横尾初喜さん(37)と結婚したことを発表した女優の遠藤久美子(38)が17日、東京都中野区のポレポレ東中野で、映画「校庭に東風(こち)吹いて」初日舞台あいさつに出席した。8月31日の発表後、公の場に登場するのは初めてで、来年3月に出産予定。
 左手薬指に結婚指輪を光らせて登壇した遠藤は、祝福ムード一色の会場に「ありがとうございます」と感謝。(ボーガス注:「校庭に東風吹いて」を製作した)金田敬監督は「ネットでお相手が映画監督と知って『オレかな?』と一瞬思った。でも結婚してるからボクじゃないんだ」とジョークで盛り上げた。
 遠藤は、家庭では話せるのに学校では話せなくなる「場面緘黙(かんもく)症」の娘を持ち、子育てに苦しむ母親役を熱演。「今までお母さん役は何度かやらせていただいた。でも今回は悩みました。お母さんの成長物語みたいな、どう表現したらいいか」と告白した。
 撮影は4月で「この作品に入ったとき、結婚したり子供を授かったりということが現実を帯びていなかったので、この作品で母のあり方が自分の中に深く刻まれていった」と話した。


【音楽:未知の音楽との出会い】(宮沢昭男)
 日本ではあまり知られていない作曲家ガブリイル・ポポーフの演奏(2016年8月4日、東京交響楽団)の紹介。

参考

http://mainichi.jp/classic/articles/20160725/org/00m/200/001000d
毎日新聞『東京交響楽団:いま蘇るポポーフ、ソビエトに翻弄されたもう一人の天才*12』【東京交響楽団 広報本部 山口翔梧】
 名曲を繰り返し聴くのも良いですが、未知の音楽を知る喜びには何にも代えがたいものがあります。
 今回が日本初演となるガヴリイル・ポポーフの交響曲第1番も隠れた傑作の一つ。どんな名曲も繰り返し上演されて初めて人気を獲得したことを考えれば、「ラフ2*13」や「チャイ4*14」」のように「ポポ1」と呼ばれ愛される時代が来るかもしれません。
プロコフィエフに絶賛された才能
 1904年、ロシアに生まれたポポーフ。音楽院で親しくなった2歳年下のショスタコーヴィチは生涯の盟友であり、ともに若き天才として早くから注目されていました。作曲家からの評価も高く、プロコフィエフに「若い作曲家では、ショスタコーヴィチとモソロフ*15、そしてポポーフの才能が群を抜いている」と言わしめるほどでした。
 音楽院でポポーフは「新音楽文化」と称するサークルを組織します。これは他の音楽家から「ブルックナーマーラー協会」と揶揄(やゆ)されたように、当時のトレンドであるブルックナーマーラーリヒャルト・シュトラウス管弦楽作品の研究を活動の主とするものでした。しかし、その一方でストラヴィンスキーヒンデミットシェーンベルクやクルシェネクなど最先端の作品の分析も行い、こうした活動の中でポポーフは自らの音楽の方向を定めていきます。
■野心的なシンフォニーと映画音楽
 そしてようやく完成させたのが、この交響曲 第1番でした。尖(とが)ったサウンドが交差する第1楽章、ほの暗く叙情的な第2楽章、そして打楽器群のリズムに乗って進む第3楽章のスケルツォと全編を通して刺激的な音響が広がります。
 当初は体制側からの後押しもあり、期待の高かったこの作品。しかし、初演後にその対応は一変し、ソビエト当局は「形式主義」として翌日には国内での演奏禁止を言い渡しました。それから国外では何度か演奏されたものの、激動の時代の中でポポーフの名は次第に忘れられてしまいます。
 そうした状況の中でもポポーフは交響曲を6番まで書きましたが、当局の弾圧から逃れるべく作風を一部軟化させたために、かつての覇気は影をひそめてしまいました。その点からも、思うままに書いたこの交響曲第1番はポポーフの意思の結晶であり、当時のソビエトを映し出した記念碑的な作品といえるでしょう。
 ショスタコーヴィチハチャトゥリアンがそうだったように、映画音楽の分野でも活躍したポポーフ。プロコフィエフが音楽を担当した「アレクサンドル・ネフスキー」でも当初エイゼンシュテイン監督はポポーフに目をつけていたといいます。映画音楽をベースに交響曲第2番「祖国」、交響曲第3番「英雄的」を書き上げる一方で、交響曲第1番の前衛的な響きを映画に生かしていくのでした。

■ポポーフ「交響曲第1番」(ウィキペ参照)
 ソ連の作曲家ガヴリイル・ポポーフが作曲した最初の交響曲
 初演は1935年3月22日に、レニングラードフィルハーモニー管弦楽団によって行われた。初演の翌日、レニングラードの検閲委員会は、この作品を「共産党に敵対する階級のイデオロギー」を反映するものと決め付けて、上演禁止とした。その後ソヴィエト当局は上演を解禁したものの、1936年にポポーフを、ドミートリイ・ショスタコーヴィチとの交流を理由に、「形式主義者」であると非難した。 「交響曲第1番」はその後もソ連で上演禁止の憂き目に遭い、結果的に1972年に作曲者が歿するまでまったく演奏されなかった。
 ポポーフは、1936年の災難を受けて、その後のソヴィエト政府からの非難を恐れるあまり、作曲様式を切り替えた。アルコール依存症に苦しみながらも5つの交響曲を書き上げたが、これらは初期の独創性を喪った妥協の産物と見なされている。
 「交響曲第1番」は、1989年にゲンナジー・プロヴァトロフがモスクワ交響楽団を指揮した録音によって名誉回復を遂げたが、国際的にそこそこ知られるようになったのは、テラーク・レーベルによる録音がきっかけとなっている。しかしながら依然として標準的なレパートリーとして定着するには至らず、珍曲や秘曲として扱われたままである。


【演劇:「怒る富士」の醍醐味】(鈴木太郎)
(内容紹介)
 前進座「怒る富士」(http://www.zenshinza.com/stage_guide3/2016ikarufuji/midokoro.html)の紹介。

参考

http://www.at-s.com/news/article/local/east/155420.html
静岡新聞『「怒る富士」中学生が稽古励む 26日、御殿場で上演
 御殿場市立高根中の1、2年生が26日、富士山の宝永噴火を題材にした演劇「怒る富士」を同校の文化祭「高嶺祭」で上演する。壊滅的な被害を受けた北駿の村人を命がけで救った関東郡代伊奈半左衛門の生きざまを描いた舞台。生徒は「地域の今があることに感謝しながら、噴火への備えをみんなで考える機会にしたい」と稽古に励んでいる。
 「怒る富士」は作家新田次郎の同名小説を舞台化し、1、2年生が代々、台本を受け継ぎ上演している。生徒は夏休み前から郷土史を学びながら稽古を重ねてきた。劇中に登場する神楽は地元住民から指導を受け練習してきたという。
 昨年の文化祭は御嶽山が噴火した9月27日に行った。半左衛門役の生徒(2年)は「今まで噴火のことをあまり考えなかったが、あの日を境にとても身近に感じるようになった」と振り返る。本番では「相当な覚悟で村人の命を救った半左衛門になりきりたい」と意気込む。
 演技指導を務める劇団たんぽぽ(浜松市東区)の上保節子代表は「地域の歴史を立体的に理解し、表現している。生徒の芝居を通じて先人の思いを感じてほしい」と話した。

http://www.at-s.com/news/article/culture/shizuoka/242458.html
静岡新聞『被災続く今こそ知って 宝永噴火題材の演劇「怒る富士」』
 劇団「前進座」が(ボーガス注:2016年5月)31日と6月1日の両日、富士山の宝永噴火を題材にした演劇「怒る富士」を御殿場市民会館で上演する。前進座の創立85周年と東日本大震災・復興支援5周年の特別公演。主人公の関東郡代伊奈半左衛門を演じる嵐圭史さん(76)は「命がけで民を救い、豊かな北駿の礎を築いた半左衛門の功績を知ってほしい」と話している。
 「怒る富士」は、1707年の宝永噴火で焼け砂に埋まり、幕府から手の施しようがない「亡所」と宣告された富士山麓59カ村の復興に命を懸けた半左衛門の物語。前進座が1980年から上演しているロングラン作品で、初演は御殿場市で行われた。31日の公演は、8年ぶりの全国巡演の初日に当たる。
 公演を前に嵐さんは4月下旬、半左衛門を祭る小山町須走の伊奈神社を参拝した。「この先も北駿地域を災害から守ってください」。嵐さんはそう半左衛門の像に語り掛け、公演の成功を祈願した。
 半左衛門は関東の幕府直轄地を将軍に代わって統治していた重要役人。舞台ではそんな人物が独断で幕府の米倉を開き、農民に生きる糧を与える姿を描く。嵐さんは「東日本大震災熊本地震の被災地では今も多くの人が不自由な生活を送っている。半左衛門のようにわが身を忘れて民に尽くせる人物が、今の世にも求められている」と話した。
<メモ>前進座
 1931年5月、歌舞伎役者の河原崎長十郎中村翫右衛門らが中心になって結成した劇団。歌舞伎のほかに現代劇、児童劇など幅広い演目を上演する。前進座御殿場市で「怒る富士」を上演したのを機に、同市立高根中は郷土学習の一環で、生徒が毎年同作を文化祭などで公演するのが伝統になっている。

https://www.oita-press.co.jp/1010000000/2016/09/06/JD0054847289
大分合同新聞『「別府復興」合言葉に 市民による実行委結成』
 前進座の舞台「怒る富士」が来年(ボーガス注:2017年)2月23日に別府市のビーコンプラザで開催される。江戸時代にあった富士山の宝永噴火からの復興を描いた作品で、熊本・大分地震で被災した別府市の復興を合言葉に、市民らによる実行委員会を結成して公演の成功を目指す。
 (ボーガス注:2016年9月)4日、同市で実行委の初会合があり、約30人が出席。会には主役の関東郡代伊奈半左衛門を演じる嵐圭史さんも参加し、「皆さんの知恵と力をお貸しください」と呼び掛けた。
 事務局が経過報告し、予算案を承認。公演目的を▽復興のため市民の結束を図る▽防災について意識を高める―とし、行政とタイアップするなど実行委への参加を幅広く呼び掛けることを決めた。実行委員長に中村光さん(同市)を、顧問に長野恭紘市長を選んだ。
 「怒る富士」は宝永噴火で埋もれた富士山麓の村々の復興に尽くした伊奈と、村人の史実に基づいた物語。前進座では東日本大震災の復興支援企画として今年5月から再演している。嵐さんは「震災後の政府の対応や被災者への思いなどが観客に重なり、さまざまな思いで受け止めてもらっている」と話した。

*1:著書『ほんとうに憲法「改正」していいのか?』(2002年、学習の友社)、『ここがヘンだよ日本の選挙』(小松浩氏らとの共著、2007年、学習の友社)、『憲法を学び、活かし、守る』(2013年、学習の友ブックレット)、『安倍改憲自治体』(編著、2014年、自治体研究社)など

*2:著書『人権総論の再検討:私人間における人権保障と裁判所』(2007年、日本評論社

*3:著書『イギリスの選挙制度』(2003年、現代人文社)、『憲法のいま:日本・イギリス』(編著、2015年、敬文堂)

*4:著書『よくわかるTPP48のまちがい:TPPが日本の暮らしと経済を壊すこれだけの理由』(共著、2012年、農文協ブックレット)、『食の戦争:米国の罠に落ちる日本』(2013年、文春新書)、『TPPで暮らしはどうなる?』(共著、2013年、岩波ブックレット)、『「岩盤規制」の大義: 医・食・農=国民生活を土台から壊す“規制緩和”とTPP』(共著、2015年、農文協ブックレット)、『悪夢の食卓:TPP批准・農協解体がもたらす未来』(2016年、KADOKAWA)など

*5:著書『あなたを狙う「残業代ゼロ」制度』(2016年、新日本出版社

*6:著書『必要か、リニア新幹線』(2011年、岩波書店)、『リニア新幹線・巨大プロジェクトの「真実」』(2014年、集英社新書

*7:リニアに乗り気なのは、リニアの予定路線がある東日本と東海だけで、赤字会社(北海道、四国、貨物)、リニアの予定が現時点ではない会社(西日本、九州)は乗り気でないと言われる。

*8:最近の著書に『渡辺治政治学入門』(2012年、新日本出版社)、『安倍政権と日本政治の新段階:新自由主義・軍事大国化・改憲にどう対抗するか』、『安倍政権の改憲構造改革新戦略:2013参院選と国民的共同の課題』(以上、2013年、旬報社)、『現代史の中の安倍政権』(2016年、かもがわ出版)など

*9:共産党書記局長、委員長、議長を歴任。『歴史教科書と日本の戦争』(2001年、小学館)、『私の戦後六〇年:日本共産党議長の証言』(2005年、新潮社)、『小林多喜二・時代への挑戦』(2008年、新日本出版社)、『マルクスは生きている』(2009年、平凡社新書)、『日米核密約・歴史と真実』(2010年、新日本出版社)、『不破哲三・時代の証言』(2011年、中央公論新社)、『「資本論」はどのようにして形成されたか:マルクスによる経済学変革の道程をたどる』(2012年、新日本出版社)など著書多数。

*10:著書『裁判を住民とともに:ヤナワラバー弁護士奮闘記』(2011年、熊本日日新聞社

*11:2014年、新日本出版社刊行

*12:前後の文脈から見て「もう一人」と言う言葉の前提にあるのは有名なショスタコービッチでしょう。

*13:ラフマニノフ交響曲第2番のこと

*14:チャイコフスキー交響曲第4番のこと

*15:ソ連の作曲家。1937年、「反ソビエトプロパガンダ」を理由に逮捕され、8年間にわたって白海運河建設現場での強制労働に送り込まれた。奇跡的に生還することができたが、健康は失っていた。その後はモスクワで民謡に基づく作曲を1973年に亡くなるまで続けたが、作品の上演は当局によってたいてい拒否された。最後の大作は『交響曲第5番』(1965年)だった。モソロフが復権するのは、死後まもなくのことだった。モソロフの作品の一部は、当局によって廃棄されたと見られ、初期作品の多くが失われている。(ウィキペ「モソロフ」参照)