今日の産経ニュース&人民日報ニュース(11/19分)

■人民日報『中国の「80後」作家が日本で人気がない理由』(一部引用)
http://j.people.com.cn/n3/2016/1119/c94473-9144093.html

 日本の学術界には千野拓政氏という中国人より流暢な中国語を話す研究者もいる。
 早稲田大学文学学術院の教授を務める千野氏は長年にわたり、現代中国文学の研究に尽力してきた。
 上海大学文学院文化研究科の兼任教授も務める千野氏は今学期、同大学で講義を行った。講義を終えた後、千野氏は中国の青年作家の考え方や現代の日中の青年文化に関して記者と対談した。
Q:
 青山七恵*1は(ボーガス注:2007年に『ひとり日和』で)芥川賞を受賞したが、日本では彼女は(ボーガス注:中国で評価されている程には)人気作家とは言えない*2。一方、中国での評判はすこぶる高い。これはどうしてなのか?
千野氏:
 魯迅の小説が読者にもたらす感銘は、この世界はこのようなものなのだ、という感覚にとどまらない。彼の作品は、さらに読者に思考の機会を与える。青山氏らの小説に読者は確かに共感を覚え、読者は社会というものはこういうものなのだと感じるだろう(ボーガス注:が魯迅のような深さはないだろう)。しかしこの種の小説は(ボーガス注:日本では)非常に多い。例えば、今年上半期の芥川賞受賞作(ボーガス注:である村田沙耶香*3の)「コンビニ人間*4ではコンビニで働く女性の日常生活における心理状態が描かれている。この種の作家は(ボーガス注:日本では)非常に多い。実は青山七恵だけの特徴ではない。私は中国の読者の間で青山作品がこんなに人気が高い理由をあまり理解できないのだが、おそらく、彼女の作品を読んだ後、日本社会はこんな感じなのだと理解できたり、中国と大差ないのだという認識を得られるからではないだろうかと考えている。(ボーガス注:日中両国の)若者にとって、(ボーガス注:魯迅の時代とは違い)小説はもはや啓発を受ける存在ではなくなっている。村上春樹は無意識のうちに若い読者たちの変化に適応した数少ない作家の一人と言える。若者がアニメ・漫画やライトノベルを読んだり、見たりするとき、これらの作品に深みがないことを知っているが、彼らが求めるものは昔の純文学作品ではない。私は若者たちも深みのある文学作品を求めてはいると信じているが、彼らを惹きつけるような深みのある作品は現在は無いというのが現状だろう。

 青山某さんがそんなに中国で人気があるとはびっくりです。「中国である世代(文革世代?)には高倉健が人気がある」的な「ある種のカルチャーギャップ」かもしれません。


【ここから産経です】
■【今週の注目記事】「独島の日」巡る韓国報道の抱腹絶倒 自国に都合よく文献・地図解釈の愚 下條正男拓殖大教授
http://www.sankei.com/west/news/161119/wst1611190005-n1.html

 だが、竹島が日本領となるのは1905年1月28日の閣議決定を経て、2月22日、「島根県告示第40号」により、島根県隠岐島司の所管となってからである。
 従って、それ以前に刊行された教科書や地図で、竹島を日本領としていないのは当然である。

 おいおいですね。竹島・日本領を主張するにおいて「江戸時代は竹島は日本領ではなく、韓国領でもなくどこの国も支配していないいわゆる無主の土地」「竹島が日本領となったのは1905年の島根県編入が初めて」と主張するのならそれでもいいでしょう。しかし日本政府や島根県、産経や下条はそういう立場ではないはずですが。だからこそ「江戸時代から日本領だったという日本の虚偽主張への批判材料」として「1905年以前の地図」が韓国側から持ち出されるわけです。
 下条や産経ははっきりと「1905年以前は無主の土地だった」と断言する覚悟はあるんでしょうか?
 というよりは下条ら日本側はそのあたりは適当にごまかして「ある時は江戸時代から日本領であるかのように言ったり」、ある時は「1905年の編入が有効なら江戸時代は『外国(韓国)領土でない限り』日本領かどうかなどどうでもいいかのようにいったり」してきたというべきでしょうか。

 ユン研究員は、竹島が記載されていない『アサヒグラフ』の「新生日本」地図を根拠に、竹島は日本領から除外された証拠だとした。
(中略)
 しかし、連合軍最高司令部は1946年1月29日、「連合軍最高司令部訓令第677号」を指令し、その第6項で「この指令中の条項は何れも、ポツダム宣言の第8条にある小島嶼(とうしょ)の最終的決定に関する連合国側の政策を示すものと解釈してはならない」とした。

 もちろんGHQ指令の但し書きは重要です。一方で但し書き付きとはいえ「竹島は日本領ではない」とされたことも重要です。「竹島日本領」は国際的には決して「争いの余地のない話ではなかった」わけです。


■【月刊正論12月号】南洋の親日パラオミクロネシアにも中国の触手が… 笹川平和財団・早川理恵子
http://www.sankei.com/premium/news/161119/prm1611190012-n1.html
 タイトルからして酷いですね。

「捕まった漁師はみんな色が白かったんだ。新聞にパラオ人と並んで載っていたのでよくわかったよ。漁師ならパラオ人に負けない位真っ黒に日焼けしている。しかも違法操業の場所は北部。パラオ北部は、中国の大型投資話も最近あった地域で、海底資源の開発が検討されている様子もある。この地域の大陸棚は日本の沖ノ鳥島にもつながっており日本の資源問題にもつながる。今回の違法操業は隠れ蓑で海洋、海底資源調査のスパイミッションではないか、と思う」

 漁師の肌が白い程度の根拠(?)で陰謀論発動とはさすが産経、さすが笹川財団、「馬鹿さ、あほさが尋常ではない」。

ミクロネシア連邦のチュック州では中国からの資金提供がなされたのち、これを根拠にした分離独立の動きがあったばかりだ。

 チュック州独立運動のバックに中国がいるかのような文ですが、実際には「チュック州に独立の動きがある」と「チュック州に中国が経済進出している」という「2つの独立した話」があるだけでしょう。

 私は直接、あるカクテルパーティで米国政府高官と日米関係を語りながら次の様に投げかけた事がある。ここでその場でのやり取りを紹介したい。
 「米国はミクロネシア諸国を日本に返したらどうですか? 日本の沖縄への財政援助は年間3千億円、米軍基地支援を含めれば6千億円です。日本とミクロネシアの歴史、地理的関係から言っても日本にその立場があるのでは?」

 いくら戦前、日本がミクロネシアを植民地にしていたとは言え、そして本気ではなく冗談とは言え、非常識なことが言えたもんです。

*1:著書『窓の灯』(2007年、河出文庫)、『ひとり日和』(2010年、河出文庫)、『やさしいため息』(2011年、河出文庫)、『かけら』(2012年、新潮文庫)、『魔法使いクラブ』(2012年、幻冬舎文庫)、『お別れの音』(2013年、文春文庫)、『あかりの湖畔』(2014年、中公文庫)、『快楽』(2015年、講談社文庫)、『すみれ』(2015年、文春文庫)、『わたしの彼氏』(2015年、講談社文庫)など。

*2:つうか大衆小説大賞の直木賞はともかく、芥川賞作家てそんなに人気作家いるかな、つう気はします。

*3:著書『授乳』(2010年、講談社文庫)、『マウス』(2011年、講談社文庫)、『ギンイロノウタ』(2013年、新潮文庫)、『星が吸う水』(2013年、講談社文庫)、『しろいろの街の、その骨の体温の』(2015年、朝日文庫)、『殺人出産』(2016年、講談社文庫)、『タダイマトビラ』(2016年、新潮文庫)、『ハコブネ』(2016年、集英社文庫)など。

*4:2016年、文藝春秋