今日の産経ニュースほか(1/16、17分)

■kojitakenの日記『安倍晋三、ドゥテルテ*1にミサイル供与持ちかけるも「第三次世界大戦を見たくない」と断られる』
http://d.hatena.ne.jp/kojitaken/20170116/1484526280
 まあ真偽不明ですが事実なら安倍よりドゥテルテの方がよほど常識人のようです。
【追記】
 真偽不明と書きましたが、■kojitakenの日記『「安倍晋三が『中国包囲網』をドゥテルテに持ちかけたが拒絶された」のが真相か』(http://d.hatena.ne.jp/kojitaken/20170117/1484611519)が指摘するように、まあフィリピン・スターが「多少誇張」してるにしても「全くの嘘ではない」でしょうね。
 その意味では後で紹介する朝日記事は相当に問題です。ドゥテルテや日本政府が何のコメントもしてないのに「曲解されたと見られる」ですから。
 そこはまずドゥテルテや安倍に事の真相を問いただすべきでしょう。id:kojitaken氏が言うように「大衆紙」だそうなので「英国のサン」のように相当に盛ってる可能性があるでしょうが、そんな事は「安倍やドゥテルテがノーコメントでいること」の正当化理由にはなりません。
 「第三次世界大戦」だの何だのと言う物騒な発言と「安倍と会ったが」云々のセットは「ミサイル供与云々」のような物騒な話がなければドゥテルテもしないでしょう。
 そしてフィリピンスターの記事が全くのデタラメなら、ドゥテルテも安倍も抗議してるでしょう。
 今のところそんな動きは全くないですからね。要するに「ミサイル供与」的な物騒な話があったので、ドゥテルテサイドが安倍牽制目的にフィリピンスターにリーク(その前に自分でもスピーチ)して記事を書かせ、一方、安倍サイドもまるきりのデマではない上、ドゥテルテも面と向かって安倍批判してる訳ではないので批判などせずに黙認してるつう事でしょう。
 まあ改めて「ドゥテルテは人権意識に欠けるかも知れないがバカではないこと」が示されたと言っていいのでしょう。

参考

http://www.asahi.com/articles/ASK1J4CVKK1JUHBI00T.html
朝日新聞『安倍首相にミサイル断る? 比大統領「発言」報道で波紋』
 「第3次世界大戦をみたくないから、安倍晋三首相からのミサイル供与の申し出を断った」
 フィリピンのドゥテルテ大統領がこんな「発言」をしたと、現地の日刊英字紙フィリピン・スターが15日に報じ、波紋が広がっている。
 報道のもとになったのは、ドゥテルテ氏が同日、ダバオ市商工会議所の総会で行ったスピーチ。英語とタガログ語で、首脳会談をしたばかりの安倍首相の名前を挙げ、「安倍にも言ったんだ、私はミサイルは必要としていないと」と述べた。その後、ロシアのプーチン*2大統領のハッキング疑惑やトランプ米次期大統領に触れ、「もし第3次世界大戦が始まれば、それはこの世の終わりを意味する」と話した。
 しかしドゥテルテ氏は、日本からミサイル供与を提案されたとは言っておらず、一連の発言が曲解されて報じられたとみられる。
 一方、その前段でドゥテルテ氏は、「安倍氏には軍事同盟は必要ではないと言った。私は外国の軍人*3がいない国を目指したい」とも述べた。
 菅義偉官房長官は16日の記者会見で、今回の報道について質問され、「承知していない」と述べた。(ハノイ鈴木暁子)


【ここから産経です】
■【宝塚歌劇団夏目雅子さん、田中好子さん*4の姪、風間柚乃、準主役で“男役の美学”封印、難役を演じ切る 月組新人公演 
http://www.sankei.com/west/news/170117/wst1701170090-n1.html
 「アレ、田中好子夏目雅子に血縁関係なんてあったっけ?」と思ったら「田中好子の義理の妹=夏目雅子」だそうです。イヤー勉強になるなあ(何の?)。


■【フィギュア】浅田真央*5、今季残りの国際大会出場せず 
http://www.sankei.com/sports/news/170117/spo1701170030-n1.html
 予想の範囲内ですがいよいよ浅田も追い詰められてるようです。


■【大相撲初場所白鵬鶴竜が不覚、稀勢の里が初黒星 1敗は稀勢と平幕貴ノ岩の2人
http://www.sankei.com/sports/news/170116/spo1701160028-n1.html
 稀勢の里は相手が同じ大関琴奨菊なので負けたからと言ってどうこう言う気もないですが、他は一寸ねえ。
 相撲素人の小生ですので偉そうな事は言えませんがそれにしたって、9日目で横綱大関に「2敗以上の黒星の人間」がごろごろというのはやはり残念ですね。


■【話の肖像画】駐日サンマリノ大使、マンリオ・カデロ(1) 駐日大使は靖国神社に行ってほしい
http://www.sankei.com/life/news/170116/lif1701160028-n1.html
 以前も産経紙面で神社本庁や日本右翼にこびへつらっていた御仁が再登場です。
 正直、俺の心の中でサンマリノのイメージがどんどん下落してきますね。

 現在154カ国の大使館が日本にありますが、大使の中で私が一番の古株であることから、各国の大使で構成する外交団の団長を務めています。もし私が大使をやめたら、次はエリトリアの大使が団長になります。

 つまり団長と言っても別に偉いわけでも何でもないわけです。

 各国の新しい大使が着任すると、たいてい私のところに挨拶に来るのですが、彼らから「日本にいる間、日本人を喜ばせるためにはどうすればいいか」などとアドバイスを求められたら、こんなふうに答えています。「できるだけ日本人と仲良くして友達をたくさんつくってください。できれば、靖国神社を1回でいいから見てください」と。

 まあ「1回ぐらいなら」靖国を見てもいいかもしれませんが、「右翼の聖地」でしかないですからね。大して面白くもないし、「富士山(日本最高峰)」「琵琶湖(日本最大の湖)」「原爆ドーム」「京都・奈良の寺社」など、他にも日本を代表するもんはいろいろあるわけです。
 まあ靖国に行ったら「解毒剤として」千鳥ヶ淵にも行った方がいいでしょう。

 靖国神社は、実は世界中にあるんですよ。

 いつもの「米国のアーリントン墓地も靖国と同じだ」というデマカセです。無宗教のアーリントンと国家神道靖国とは全然違います。むしろアーリントンに近いのは千鳥ヶ淵でしょう。
 また靖国の場合、「東条英機*6元首相(死刑)、小磯国昭*7元首相(終身刑で服役中病死)、松岡洋右元外相(裁判中病死)らA級戦犯」「吉田松陰橋本左内安政の大獄の犠牲者」「桜田門外の変の水戸浪士」といった戦没者でないもんも合祀されています(ウィキペ『靖国神社』参照)。そう言う意味でもアーリントンとは違う。靖国に合祀された者に共通するのはもちろん「皇室万歳」「日本国万歳」のわけです。

中国の人*8が、靖国神社のことを戦争の犯罪人の神社と言っているのはとんでもない。

 戦没者でも何でもないA級戦犯を「英雄」として合祀すればそう言われて当然でしょう。
 文句があるならそれこそA級戦犯の合祀をやめればいい。まあ靖国には合祀を止める気がかけらもない上に、「東京裁判の意義を認めないであの戦争を美化、正当化してる」から論外ですが。


■【話の肖像画】駐日サンマリノ大使・マンリオ・カデロ(2)欧州初の神社建立に尽力
http://www.sankei.com/life/news/170117/lif1701170014-n1.html
 神社を作ろうと何を作ろうとこのオッサンの勝手ですが日本ウヨにこびへつらうのも大概にして欲しいですね。

日本サンマリノ友好協会(加瀬英明会長)

 前も突っ込みましたがもう少しまともな人間を会長にしたらどうなんでしょうか。

日本文化の一番のイメージはなんですか? 富士山じゃない。芸者でもないし、京都でもない。やっぱり神社ですよ。

 いやいや日本人も外国人も「日本文化のイメージ」といって、「神社」と言う人はまずいないでしょうね。つうか「京都でもない」てのも変な話で「京都=神社」でしょうよ。まあ、京都には「神社じゃない文化財(たとえば寺院)」もありますけど。

私は神道は宗教だと思っていません。神道は哲学であり、日本人の考え方、ライフスタイル。

 おいおいですね。神社は勿論宗教ですし、「ライフスタイルだから宗教じゃない」つうなら、「欧米人にとってのキリスト教」「アラブにとってのイスラム」も宗教ではないことになるでしょう。
 つうか日本人にとって身近な宗教は神社よりむしろ仏教だと思いますけどね。ほとんどの日本人は葬儀は仏式ですから。もちろんだからといって「私は仏教は宗教だと思っていません。仏教は哲学であり、日本人の考え方、ライフスタイル」と言ったら物笑いの種でしょう。


■【野口裕之の軍事情勢】中国を警戒し始めた「太平洋国家フランス」の安全保障事情 「対中武器輸出」の蜜を棄て包囲網に加わる?
http://www.sankei.com/premium/news/170116/prm1701160003-n1.html
 EU加盟国は対中国武器禁輸していますので武器と言っても「軍事転用可能な民生品」ですがそれはさておき。
 まあ、「中国ビジネスの蜜」は捨てないでしょう。分かりきった話です。

 中国は《環太平洋合同演習リムパック/1998年》→《西太平洋潜水艦救難訓練/2000年》→《コブラゴールド軍事演習/2002年》にオブザーバを派遣。2007年にはタスマン海で、豪州やニュージーランドと対テロ・捜索救難に関する海上共同訓練に参加した。明らかに南進している。

 おいおいですね。共同訓練である以上「訓練相手(豪州など)がそれを是としている」わけですが。
 そうした共同訓練での中国の振る舞いを何故危険視するのか。「共同訓練それ自体が危険で止めるべきだから」というならともかく産経はリムパックなどを否定する立場ではないはずです。

中国はさらに「病院船外交」を展開中だ。2014年には、人民解放軍海軍の「病院船」がトンガ/バヌアツ/フィジー/パプア・ニューギニアに寄港して現地の人々を無料診察した。

 それの何が悪いんですかね?。


■【「最小ロケット」失敗】「再挑戦に期待。中国の進歩目覚ましく、日本は基礎分野に力を」とノンフィクション作家の松浦晋也さん*9
http://www.sankei.com/life/news/170116/lif1701160007-n1.html
 id:Bill_McCrearyさん記事『基本的に、理数系の学問振興と政治体制・民主主義の程度は関係ないと思う』(http://blog.goo.ne.jp/mccreary/e/22346c83316572e990e53822bba215d4
を裏付ける話の一つです。
 もちろん「ナショナリズムを刺激することで宇宙予算を引っ張る」という松浦氏の計算はあるでしょうが、全くのデマカセでもないでしょう。
 例の阿部治平氏にこういう常識がないのもそんな非常識人の駄文をリベラル21が掲載してるのも実に滑稽な話です。


■【経済裏読み】ビッグデータで人民をしつけ? 中国が向かうG・オーウェル『1984年』の恐るべき監視社会
http://www.sankei.com/west/news/170116/wst1701160003-n1.html
 「ビッグデータによる監視の危険性」は中国限定の話ではないでしょうに中国叩きしかしない辺りさすが産経です。

*1:ダバオ市長を経て大統領

*2:エリツィン政権大統領府第一副長官、連邦保安庁長官、第一副首相、首相を経て大統領

*3:もちろん米軍でしょうが「何処まで本気なのか?」というところでしょう。ただこうした発言が出ると言うことは日本のような「反米軍基地世論(事故や騒音とか米兵犯罪とかへの不満)」もそれなりにあるのでしょうね。

*4:1989年(平成元年)に公開された『黒い雨』で、主役「高丸矢須子」役を演じ、日本アカデミー賞ブルーリボン賞キネマ旬報賞毎日映画コンクール報知映画賞などで主演女優賞を受賞。

*5:2010年バンクーバーオリンピック銀メダリスト

*6:関東憲兵隊司令官、関東軍参謀長、陸軍次官、近衛内閣陸軍大臣などを経て首相

*7:陸軍省軍務局長、陸軍次官、関東軍参謀長、朝鮮軍司令官、朝鮮総督などを経て首相

*8:もちろんそう言う批判は中国だけではないのは言うまでもない。

*9:『増補・スペースシャトルの落日』(2010年、ちくま文庫)、『はやぶさ2の真実:どうなる日本の宇宙探査』(2014年、講談社現代新書)など宇宙関係の著書多数