今日の産経ニュース(2/11分)

■人口2億人…インド最大州の議会選が投票開始 野党・ガンジー副総裁がモディ政権を批判
http://www.sankei.com/world/news/170211/wor1702110050-n1.html
 ガンジー副総裁とは「初代首相ネール*1のひ孫」「インディラ・ガンジー*2元首相の孫」「ラジブ・ガンジー*3元首相の子」だそうです。そして現在の総裁は「ラジブ・ガンジー元首相の妻(ガンジー副総裁の母)」だそうです。
 安倍と一緒にしてはいけませんが「四世政治家かよ!」「国民会議派ガンジー一族の私物かよ!」つう気はします。まあインドにおけるガンジー家の力はすごいんだろうとは思いますけど。


■【経済インサイド東芝のお粗末な誤算 ガバナンス欠如で損失雪だるま 再生は前途険しく
http://www.sankei.com/premium/news/170211/prm1702110020-n1.html
 東芝も「フジテレビの支援無しではやっていけない」「誤報、捏造常習」「ガバナンスも順法精神も皆無」の産経だけにはこんな事言われたくないでしょう。


■JOCカレンダーに誤って中国選手の写真使用 事情を伏せて修正版を配布、井村監督あきれ「信じられない…」
http://www.sankei.com/sports/news/170211/spo1702110004-n1.html

 JOCは日本人選手の写真に差し替えた修正版をあらためて配布したが、その際、事情を伏せて発送したため、「なぜまた届いたのか」と首をひねる人が続出した。中国人選手の写真を載せたカレンダーは一部しか回収できていないという。

 事情を隠すつうのは不誠実ですよね。そりゃミスの告白は恥ずかしいでしょうが事情が分からなきゃ相手は「はあ?」になる。具体的なミスについては説明を省略するにしても、せめて「以前お送りしたカレンダーにはミスがありましたので訂正版を送付します。前の物は返送して下さい」とでも書かないといかんでしょう。
 相手が確かめてくれればいいですけどいい加減な人なら「よく分からないけど2部くれるのかな?」「確かめるのも面倒だから2部もらっておけばいいや。誤送だから返してくれなんて言われたら面倒だし。JOCから『1部返送して下さい』と言ってこない限り放置しておこう」になってしまう。

 再送時の説明が不足していた点については「配慮が足りなかったかもしれない」としつつ、隠蔽(いんぺい)は否定した。

 「隠蔽じゃない」と言われてもねえ。


■【月刊正論3月号】「アンヌ隊員の服はピチピチで…」「最終回は…」ひし美ゆり子さん*4ウルトラセブン秘話
http://www.sankei.com/premium/news/170211/prm1702110018-n1.html
 いくら「今、売れてないから」て正論の取材なんて受けるなよとは思いますがそれはさておき。

 人類の侵略で海底へ住処を追われたという設定の架空の知的生命体「ノンマルト」を描いた「ノンマルトの使者」

 結局、ウルトラセブンとウルトラ警備隊はノンマルトを倒すのでしょうが、ここで描かれてるのは「自分にとっての正義は本当の正義なのか」という深い問いですよね(もちろんそれは「正義などない」と言う意味ではない)。
 ノンマルトをただの侵略者として描けばそう言う問いは出てこない。
 まあ、そう言う問いは「ウルトラセブン製作者たちの意図に関係なく」たとえば「大東亜戦争はアジア解放の聖戦」と言うデマに対する批判でもあるわけです。

ひし美
 (ボーガス注:ウルトラセブン監督の)満田さんは(ボーガス注:脚本家の)金城さんと脚本、ストーリーについて呑みながら話し合う機会がよくあったそうで、そのさい、満田さんが「果たして人間って、地球で一番最初にいた存在だったのかなあ」みたいな話題をボソッと言ったことがあったそうなんです。そしたら金城さんがその一言に反応して「あ、ちょっと待って。いい脚本ができそうだ」などと言い残して帰っちゃって、それであの作品が出来たそうなんです。沖縄がどうのこうのとか、よくそこに結び付けている方がいますが、全くそうじゃあないみたいですよ。
井上
 妙に政治的な方向に話をゆがめていくんですよね。

 やれやれですね。「ひしみはともかく」産経らウヨは「沖縄人=ノンマルト、本土人=人類」と言う見方をどうしても否定したいようですが「ウルトラセブン製作者たちの意図に関係なく」そういう見方は十分可能でしょう。それが優れた作品の力と言う事です。まあ、そもそも金城が何も言ってない以上、「真相は不明」のわけですが(沖縄を暗喩した可能性は全否定はできないでしょう)。

井上*5
 私が今も胸に刻まれているのは、キリヤマ隊長が言う「地球は我々人類、自らの手で守らなければならないんだ!」という台詞です。これは秀逸な台詞で、実は今の日本の安全保障を考える時にぴったりなんです。ダンが(中略)自分の命はなくなるのに、それでも、ウルトラセブンとなって戦う。他の命を守るために自分の身をなげうつ精神は、まさにかつての特攻隊員につながる、自己犠牲という崇高な価値を子供達に説いたものだと思うんです。
(中略)
 この最終回は秀逸のシナリオだったと思います。
ひしみ
 そうですね。

 ひしみが「そうですね」としか言わない当たりが興味深いですね。要するに何らかのしがらみ(今の事務所に取材を受けろと言われて嫌でも断れないなど)か、あるいは「宣伝になれば誰の取材でも受ける」かで、取材を受けたものの正直、彼女は正論のウヨ路線に興味なんかないわけです。だから「立場上、井上の批判もしない」かわりに、「特攻を美化するおべんちゃら」も言わない。


■【主張】建国記念の日 明治150年の意義考えよう
http://www.sankei.com/column/news/170211/clm1702110002-n1.html
 「建国記念」と「明治美化」は「理屈の上では必ずしもイコールではない」ですがこのように産経らウヨにとっては繋がっています。
 そして産経にとっての明治時代は「富国強兵の偉大な時代」で「富国による弱者切り捨て(足尾鉱毒事件など)」「強兵(海外侵略)による中韓の被害」にはまるきり眼を向けません。いかに産経が危ない連中かと言う事です。いい加減「明治は素晴らしかった」つうのはやめてほしいですね。
 経済成長がすばらしいのなら「戦後の高度成長だってスバラシイ」でしょうがまあ産経らウヨにとっては「強兵」が大事なんでしょう。


■【産経抄】2月11日
http://www.sankei.com/column/news/170211/clm1702110003-n1.html

 10日付小紙では政治面のミニニュースという小さな扱いだったが、その意味は小さくあるまい。鉄鋼や造船、建設などの産業別労働組合の「基幹労連」が、昨年4〜5月に組合員の支持政党を調査したところ、自民党が約23%で、民進党の約18%を上回っていたのだという。

 大喜びの産経ですが「23+18=41」です。つまり残りの59%は「支持政党無し+自民、民進以外の政党(共産、社民、自由、維新など)支持」のわけです。
 大体「23と18」てそれほど大騒ぎするほどの差なのか。とはいえ自民支持(基幹労連は旧民社系の右派ですが)がこれほど多いことは俺にとってもショックではありますけどね。「なるほど、だから執行部(今の神津・連合会長は新日鉄労組、基幹労連出身)は安倍なんかメーデーに呼ぶのか」「だから反共なのか。野党共闘に否定的なのか」と。いやむしろ「基幹労連でもその程度しか自民支持はいないのか」と喜ぶべきなのか。
 まあ基幹労連以外で調査をやればまた話は違うでしょうね。

 自治労日教組など左派色が濃く、給与・待遇が景気に左右されない*6公務員労組はともかく、民間労組の組合員には切実な問題である。

 日教組には「私立学校教員」もいますし、そもそも「基幹労連新日鉄など大企業が多い)の正社員」の方が「いわゆるキャリア公務員はともかく」一般公務員より給与はいいんじゃないですかね。
 また民間企業系でも「2005年に当時の高木・連合会長(旧民社系のUIゼンセン出身)に対抗して鴨桃代氏(当時、全国ユニオン会長)を会長候補としてたてた全国ユニオン」は左派系です。「民間労組なら自民支持」ではまったくない。

安倍晋三首相が経済界に直接賃上げを要請する「官製春闘」や、アベノミクスの効果も感じていよう。

「賃上げして下さい」と安倍が要請したところで全く上がってないのに何バカ言ってるんでしょうか。アベノミクスにしても「企業収益と株価がいいだけ」で賃金アップには全く繋がっていません。

「クラシノソコアゲを実現しよう」。つい先日、東京都内のJR駅前で受け取った連合のチラシにはこう書かれていた。

 つまりは連合メンバー(サラリーマン)は「暮らしの向上」なんか実感してないわけです。実際世論調査でもそんな実感はありませんし。それで安倍の支持率が高いというのも全く理解ができませんが。

*1:1947〜1964年まで首相

*2:1966〜1977年、1980〜1984年まで首相。1984年にシク教徒過激派によって暗殺された。

*3:1984〜1989年まで首相。1991年にLTTEタミル・イーラム解放のトラ)によって暗殺された。

*4:著書『セブンセブンセブン:アンヌ再び』(2001年、小学館文庫)、『隊員服を脱いだ私』(2002年、講談社

*5:著書『日本が戦ってくれて感謝しています:アジアが賞賛する日本とあの戦争』(2013年、産経新聞出版)、『パラオはなぜ「世界一の親日国」なのか』(2015年、PHP研究所)など。井上のデマに対する批判としては例えば■読む・考える・書く『シンガポールは日本軍に感謝などしていないという当たり前の事実に関する若干の補足』(http://vergil.hateblo.jp/entry/2016/05/16/214835)参照

*6:実際には全く影響されないわけではありません。景気が悪ければ賃金はあがらないし、景気が良くなれば賃金は上がる。民間ほどドラスティックな変化はしないと言うだけの話です。