『私は、地毛証明書は「時代の進歩」を示していると見ています』ねえ(呆)

白頭の革命精神日記
■実践の拠り所になる規則・型のない所に「何が適切なのかを考え、行動する力」は育たない
http://rsmp.seesaa.net/article/449921526.html
■「不合理なルールを変えて多様性を実現する」を単なる「何でもあり」にしないために
http://rsmp.seesaa.net/article/449642068.html
 北朝鮮ネタではかなり賛同できるエントリがあるんですけどねえ。何つうか「逆張りしてるだけの方なのか」つう気もします。いやそうでもねえか。
 「北朝鮮をいたずらに脅威扱いするな」と「地毛証明書の何が悪い」は一応両立するか。
 まあ「地毛でも黒く染めてこい(昔はそう言う学校も多かったようです)」なんていうのよりは「マシ」「時代の進歩」でしょうがね。まあ「地毛でも染めてこいなんて言えないが、『染髪を放置するな』つう声も無視できない」が故の妥協にすぎないわけです。決して手放しで褒められる状況ではない。

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染めているのに地毛と言い張る生徒や保護者*1もいて、証明書が無ければ「ウソをついたもの勝ちになる」という声もある

 いやいやそもそも問題はそこで「何で地毛と言い張る人間をそこまでして撲滅しないといけないのか」でしょう。染めたければ染めさせたらいい、と俺は思います。
 わざわざ「地毛証明書」なんてことをして「本当に地毛である子に要らない負担をかけること」&「教職員が余計な業務をすること」に合理性あるのか、つう話です。そんなことよりもむしろ喫煙、飲酒などと言った明らかな不良行為取締に力を入れるべきじゃないのか。

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「生活指導ちゃんとやってます!」というアリバイ作りに過ぎないのであれば、黒髪直毛を押し付けた方が遥かに楽です。なんて生徒思いなのでしょう!

いやいや今時「地毛の子に、黒毛に染めさせること」なんかやりたくてもできる時代じゃないでしょう。「都教委って子どものこと考えてる!」つう話では全くありません。本気なら笑えませんが冗談でも笑えません。

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「不合理なルールを変えて多様性を実現する」を単なる「何でもあり」にしないために

 もちろん「地毛じゃないのに地毛だと嘘をつくこと」はいいことではありません。しかしそれは「絶対にそう言うウソを潰す」としてこぶし振り上げるようなことなのか。
 「嘘をつくこと」はいいことではありませんが「そのウソを潰すため」にわざわざ「地毛証明書」なんてことをして「本当に地毛である子に要らない負担をかけること*2」&「教職員が余計な業務をすること」に合理性あるのか、つう話です。そこまでそのウソは有害なのか。
 「その程度のウソを容認すること」が「何でもあり」「無法地帯」と騒ぐようなことなのか。

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染髪に関する校則の問題は、単に髪の毛の色が黒色か茶色かという表面的な問題ではなく、その核心は「禁則を敢えて破ってくるその人格」なのです。

 結局、地毛証明書擁護論には「髪を染めること自体が悪いこと」&「校則にも染めるなと書いてあるんだから守れ」つう考えがあるんでしょう。しかしそもそも「髪を染めることは悪い事なのか」「校則は無条件の正義なのか」つう話です。
 まず「髪を染めることは悪い事か」。まあ、染めること自体は悪い事ではないでしょう。「染める子に不良が多い」という「経験則」があるにしても「染めることそれ自体は犯罪ではない」。それこそ「染めたければ染めてもいい」が「喫煙、飲酒などの違法行為は厳しく取り締まる」でいいんじゃないか。
 「悪法でも法律は守れ」はどうか。それを言うなら、それこそ例えば「安保理北朝鮮のミサイル発射を否定した、北朝鮮はそれを守れ」になるでしょう。
 まあ例は北朝鮮でなくてもいいですけど。何で北朝鮮を例にしたかと言えばこの御仁、以前、
■「北朝鮮だけが「衛星」を打ち上げてはいけない理由」の本音――馬脚が自爆的に表れる日は近い
http://rsmp.seesaa.net/article/433667576.html
として「北朝鮮に衛星発射を禁じる安保理決議は不当だ」といっていたからです。この方は「まあ、不当だとはいったが安保理決議を破っていいとまでは言ってない。だから俺は矛盾してない」つうのかな?。
 いずれにせよ「校則だから守れ」つう前に「その校則は守る必要があるのか」を考えるべきでしょう。
 大体我が日本では法律違反が日常茶飯事です。まあ「公然の秘密だと思う」から書きますが「一般道を制限時速でしか走ったことがない」なんて人はほとんどいないと思います。
 「場所にも寄りますが」たいてい「最低でも」10キロ程度はオーバーすることが多い。制限時速40キロで50キロ、50キロで60キロつう事です。小生なんかは「運転が下手*3な上」、「やっぱ法律は破ったらいかんかなあ、つう小心さ」があるので、スピードは出さない方ですが、それでも「いつも制限速度」なんてことはない。理由は簡単でそうするとかえって渋滞するからです。「制限速度なんか多少オーバーするのが当然だ」という前提で皆が走ってるのでねえ。「制限速度で走ってる」のは「パトカーが先頭の時だけ」なんて笑えないことは少なくありません。
 あるいは昔「国鉄労組の遵法闘争*4」なんて言葉もありましたが、そう言う言葉ができるのも「有名無実化してる法律、規則が少なくないこと」を示しています。
 何が言いたいかと言えば「守らせることに意味があるとは思えないモン」は有名無実化していくつう事です。もちろん本来は制限速度について言えば「制限時速を改定すべき」「改定されるまでは守るべき」ですけど。染髪だって話は同じでしょう。一般論で言えば「法律を守れ」はその通りですがね。
 不合理な法律(それも建前では命に関わる法律)「制限速度」が「むしろこんな速度じゃ遅すぎる」との判断のもと、毎日、公然と破られ、警察も「30キロオーバーなど相当酷い速度オーバー」、「交通取締期間」でもない限り「取り締まらない国・日本」において「悪法でも法律は守れ」といわれても俺は釈然としません。
 大体「染めたければ校則を変えろ」というのも「少なくとも今の日本では」あまり現実的ではないでしょう。「ホニャララしたければ選挙で法律をかえろ*5」という「住民の声を反映するシステムが一応ある」国政、地方政治と違い校則なんて「多くの場合」『生徒や保護者の声を反映し場合によっては変えます』なんてシステムはない*6でしょう。「声を反映するシステムがない」のに「守れ」つうのもあまりに問題がある話でしょう。

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もちろん、「本来生徒の服装や髪型は、個人のライフスタイルに関わるものであって、茶髪や縮毛を問題視する風潮自体、そこまで合理的な理由がないでしょう。」という指摘は、たしかにその通りです。もっと踏み込んでいえば、高校生がタトゥー(刺青)を入れていようと「合理的」な反対理由はありません。タトゥーをしているからと言って必ずしも不良とは限らないでしょう。しかし、(中略)ルールを勝手に破ってはいけません。

 いやいやそこでタトゥーを持ち出すのはいい論法ではないでしょう。
 なぜならタトゥーは茶髪や縮毛と違い「生まれつきタトゥーです」なんてありえないからです。
 問題は「地毛で茶髪や縮毛*7はいる」&「そもそも茶髪や縮毛なんてただのファッションと違うの?」という状況で地毛証明書なんか求めることに合理性があるのか、つう事です。
 もちろんお断りしておきますが「地毛でも黒く染めろ、縮毛は直毛にしろ」よりは「地毛証明書」の方がマシです。生徒や保護者が「地毛でも染めろよりはマシだから」「今の状況では地毛証明書の廃止は政治的に無理だから(地毛証明書を支持する教職員や保護者が多いから)」という現実論*8で「地毛証明書を受け入れること」も否定はしません。部外者の俺が、無責任に「地毛証明書との戦い」なんか生徒や保護者に煽る気はない。
 しかしそもそも「地毛証明書」なんて考えには以上の理由で俺は全く賛同できませんね。
 俺が批判した彼の場合、俺と違い「消極的容認論」ではなさそうなので批判するわけです。
 

*1:生徒はともかく保護者つうのは事実ならちょっとびっくりです。

*2:まあ、「嘘つく奴が悪い、学校も教委も悪くない」つうんでしょうけど。

*3:運転が下手だとどうしてもスピードを出すことは躊躇します。

*4:もちろん「遵法」を口実に必要ないことまでやれば違法行為ですが「本当に遵法(ただしマジで『実態に合致しない』規則通りやると業務に支障が生じる)」ならその評価は難しいところがあります。

*5:まあそれだって、一般庶民にとっては「自分の支持する政治家がそんなに簡単に増えれば苦労しない」ですが。

*6:まあそう言うシステムが仮にある場合でも「地毛証明書支持が保護者に多いんだろうなあ」と思って暗澹としますが。

*7:ちなみに小生は生まれつき縮毛です。個人的には「縮毛が好きではない」のでなるべく短い頭髪にして縮毛が目立たないように努めていますが。全然自慢じゃありませんが小生は「不良タイプの学生」では明らかにないので学生時代に「縮毛を注意されたこと」てのはないですね。

*8:積極的に受け入れてる人はいないでしょうし、だからこそ新聞記事にもなったのでしょう。