今日の産経ニュース&人民日報ニュースほか(5/27分:いくつか前川前文科次官ネタ)(追記・訂正あり)

■リテラ『『朝生』初出演の百田尚樹があらゆるテーマで無知さらけ出し大恥! 改憲派学者からも「本当に右なのか」と』
http://lite-ra.com/2017/06/post-3215.html

「今回、前川さんの名前が出る前に、私は実は前川さんの名前を聞いていたんですよ! えー、前川さんという方が今の政権に対して相当個人的な恨みがあるっちゅう話を聞いてたんですよ!」「彼の風俗通い、これ、かなり政権に注意されてたんですよ! 読売新聞に出る前に私は聞いてました!」
 民進党長妻昭*1から「どこからの情報ですか。官邸筋じゃないですか?」とズバリ突っ込まれ狼狽し、「あ、まあ、ある議員ですけどね」と返すのがやっとだ。百田センセイ、見事な墓穴。

 百田ってバカなんだなあとしか思えませんね。
 これが事実でないなら百田は嘘つきです。
 これが事実ならば百田は「読売報道は政府の謀略」と事実上認めてる上に、長妻氏に突っ込まれるまでそのことに気付かない「頭の足りないバカ」になる。「頭の足りないバカ」か嘘つきか(まあ嘘つきもある意味では「バカ」ですが)。どっちにしろろくなもんじゃありません。


■ブロゴス『(ボーガス注:週刊文春記事を信じれば)前川前次官の「貧困女性の実地調査」は本当だった』(小林よしのり
http://blogos.com/article/226634/
 小林に褒められても前川氏も少しも嬉しくないでしょうが、意外なことにあの小林ですら「加計疑惑」では安倍批判の立場に立つようです。


■ちきゅう座《前川喜平氏の辞任挨拶に滲む人柄》― 官邸=内閣府への反証、ひとつ ―
<内田弘*2(うちだ・ひろし):専修大学名誉教授>
http://chikyuza.net/archives/73123
 前川氏の告発がなければ内田氏の投稿もなかったんだろうなとは思います。どんなに立派なあいさつでも「引責辞任の挨拶」なんてもんは紹介しづらい。
 内田氏が言うように

・つらい立場、つらい境遇にある人たちに手を差し伸べることは、行政官の第一の使命だと思います。その意味でも、文部科学省での最後の日々において、給付型奨学金制度の実現の見通しがついたこと、発達障害や外国人の児童生徒のための教職員定数改善に道筋がついたこと、教育機会確保法が成立し不登校児童生徒の学校外での学習の支援や義務教育未修了者・中学校形式卒業者などのための就学機会の整備が本格的に始まることは、私にとって大きな喜びです。
・私が考える文部科学省職員の仕事は、子ども*3たち、教師、研究者、技術者、芸術家、アスリートなど、それぞれの現場でがんばっている人たちを助け、励まし、支えていくこと*4です。
・(ボーガス注:右翼テロで暗殺されたことで知られる初代文部大臣)森有礼は「その職に死するの精神覚悟」と言ったのですが、死んでしまってはいけません*5
・ひとつお願いがあります。私たちの職場にも少なからずいるであろうLGBTの当事者、セクシュアル・マイノリティの人たちへの理解と支援です。無理解や偏見にさらされているLGBT当事者の方々の息苦しさを、少しでも和らげられるよう願っています。そして、セクシュアル・マイノリティに限らず、様々なタイプの少数者の尊厳が 重んじられ、多様性が尊重される社会を目指してほしいと思います*6

などというこの挨拶には前川氏の好人物性がにじみ出ているように思います。
 もちろん「表に出ているものが立派でも実像はゲス」つう人間はいくらでもいますし前川氏がそうではないとも言えない。しかし「表に出ているものもゲス」な安倍とその側近連よりは前川氏の方がまともに思えます。
 そもそも安倍一派に「政治家の第一の使命」とは何かと聞いてきれい事、建前論ですら、前川挨拶のように

つらい立場、つらい境遇にある人たちに手を差し伸べることは、政治家の第一の使命だと思います。

というかどうか自体疑問です。

参考

森有礼(ウィキペ参照)
 第1次伊藤、黒田内閣で文相。
 明治22年(1889年)2月11日の大日本帝国憲法発布式典の日、それに参加するため官邸を出た所で右翼活動家・西野文太郎に短刀で脇腹を刺された。応急手当を受けるが傷が深く、翌日午前5時に死去。43歳だった。
 当時の新聞が、「ある大臣が伊勢神宮内宮を訪れた際、社殿にあった御簾をステッキでどけて中を覗き、土足厳禁の拝殿を靴のままで上った」と報じ問題となった(伊勢神宮不敬事件)。この「大臣」とは森のことではないのかと、急進的な欧化主義者であった森に人々から疑いの目が向けられる事となった。この事件は事実かどうかは定かではないが、この一件が森が暗殺される原因になった。
・英語の国語化を提唱したこと(国語外国語化論)でも有名で、明治5年(1872年)にはイェール大学言語学教授のウィリアム・ドワイト・ホイットニー宛てに「不規則動詞を規則化して簡略にした英語を日本の国語とするべきではないだろうか」という書簡を送っている。だが、ホイットニーは日本語のローマ字化を除いては森の意見に反対している[要出典]。

■西野文太郎(ウィキペ参照)
 初代文相・森有礼の暗殺犯。西野は、1889年(明治22年)2月11日、大日本帝国憲法発布式典の出席準備をしていた森を訪ね、その腹部を刺すという犯行に及ぶ。森は出血多量で翌日死亡したが、西野もその場で森の護衛に仕込み杖で斬られて死亡した。23歳であった。暗殺の当日に所持していた斬奸状には、「天皇を頂く我が国の基礎を破壊し、我が国を亡滅に陥れようとした」などと記載されていた。


■有田氏、寺脇氏、富永氏ほかのツィートなど
■リテラ『官邸の謀略失敗? 前川前次官“出会い系バー”相手女性が「手も繋いだことない」と買春を否定、逆に「前川さんに救われた」と』
http://lite-ra.com/2017/06/post-3207.html

有田芳生‏ @aritayoshifu 3時間3時間前
 そもそものきっかけは在任中の前川さんのことを官房長官がよく思っていなかったことからはじまったと官邸周辺ではいわれています。

toriiyoshiki‏
 前川氏の「出会い系バー」出没を官邸がどうやって知ったかは考えれば考えるほど興味深い

 まあ、有田氏の指摘が事実かどうかは分かりませんが事実なら怖すぎますね。まさか「在任中の前川氏」が公然と菅に敵対するとも思えないので、有田氏の指摘が事実なら、「それはこういう点でいかがなもんでしょうか?」とやんわりと疑義を呈するレベルで、菅が反感抱き、ただそれだけで尾行をつけたということになるのでしょう。まともな人間のやることじゃないですね。

冨永格‏ @tanutinn
・テレ朝ワイドスクランブル前川喜平氏が通ったとされる出会いバー店長への取材
「1、2年前から1、2カ月に1回のペースで1人で来店、最後は半年前。(貧困調査という本人の説明は)可能性としてはあるのかな。談笑している感じで他の客と比べ本気感がなかった。紳士的な印象、店員にも優しかった」
・「彼は『前田』と名乗っていた。愛称は『まえだっち』。週2回会っていた時期もあり3年間で30回以上、5000円くれていた。私は前川さんに救われたのです」
あす発売の週刊文春に「出会い系バー相手女性」の証言が

外教‏ @yuantianlaoshi
出会い系バー女性(週刊フラッシュ)
「前川とは外で食事したが性行為は全くなかった」
「この後どうする?と聞いても何もする気なく『気をつけて帰ってね』と言うだけだった」
出会い系バースタッフ(フジテレビ)
「あまりに何もしないのでこちらからお勧めしてみたこともあった」

 まあこれだけでは何とも言えませんが、前川氏の物言いをウソと簡単に切って捨てることはできないように思えます。少なくともテレ朝、フジテレビ、光文社フラッシュ、文春のスタンスはそうなのでしょう(勿論文春の場合、前川リークで記事を書いてるのであろうという意味で割り引く必要がありますが)。
 しかしフジテレビでこの報道ですか?。実に意外です。産経系列なのに。

寺脇研*7@ken_terawaki
(ボーガス注:朝日への文書リークが)もし、文部科学省職員の行動だとしたら、この状態を憂え、マスコミを通し国民に訴えようとした後輩を持つことを誇りに思いたい。森友学園問題で財務省からはそうした動きがないのだから。

 異色官僚の寺脇氏ですがこうした発言が今できるのも退官したからです。在任中はさすがに無理でしょう。なお、もちろんリーク動機は分かりませんが、リーク動機が何でアレ俺は評価します。
 「正義の告発」でなくて「民進党政権を誕生させたい」「松野大臣を辞めさせたい」だのでも俺的にはオーケーです。そもそも「何が動機か」なんか分かりようがないですからね。


■人民日報『帰る家もなく、行きつく先は刑務所 日本の高齢者犯罪』
http://j.people.com.cn/n3/2017/0527/c94473-9221573.html

 日本の法務省がまとめた「犯罪白書」2015年度版によると、ここ20年ほど高齢受刑者の数が増加し続けているという。2014年と1995年のデータを比較してみると、高齢者犯罪総数はおよそ4.6倍の伸びとなっている。また、警視庁のデータによると、2015年に警察に逮捕または尋問を受けている容疑者のうち、約20%が65歳以上の高齢者となっている。
 罪を犯す高齢者のほとんどが貧困が原因となっている。「犯罪白書」によると、貯金が100万円以下の高齢者の割合は約6%となっており、約8%の高齢者は毎月4万円ほどの年金だけを頼りに生活しており、なかには全く収入が無いという高齢者もいる。
 そして生活困窮の他に、高齢者を犯罪に至らしめるもう一つの原因が孤独感だ。統計によると、逮捕された高齢者のうち約7割は窃盗犯でありそのほとんどが少額の窃盗罪となっている。こうした高齢者は金があるにも関わらず、故意に支払いをせず、スーパーなどでサンドウィッチなどを盗む。彼らが物を盗むのは刑務所に入所するためなのだ。
 田中さん(仮名)は今年80歳、家族はおらず、その生活は困窮している。彼はこれまで20年もの間、刑務所で「暮らして」きた。これまでに窃盗罪で15回刑務所で服役している。
 実際、この田中さんのように犯罪を繰り返す高齢者は少なくない。統計によると、日本の60歳以上の「常習犯」のうち、約40%以上は再犯回数が6回を超えている。増え続ける高齢者の常習犯を社会復帰させるためにどのようにサポートしていくかという問題も、日本社会が現在解決しなければならない課題となっている。
 2010年、田中さんはついにその刑務所生活にピリオドを打ち、養護老人ホームに入所した。彼は毎日二つの仕事を続けている。一つは毎朝の近所への新聞配達と午後は同ホームの畑で農作業をすることだ。同ホームの食堂で調理される野菜の多くは彼が育てたものだそうで、他人から「ありがとう」と言われるその一言が、彼に人生をやり直した価値を感じさせてくれるのだという。
 田中さんの社会復帰をサポートしたのは、ある高齢犯罪者向けの支援センター。同センターの職員は定期的に刑務所を訪問し、まもなく出所する高齢者たちにむけて講座を開いて、出所後の落ち着き先探しをサポートする。
(中略)
 こうした高齢犯罪者の悪循環を断ち切るため、長崎の支援センターの取り組みはすでに日本全国各地へと広がっている。しかしながら、日本社会には犯罪者に対する偏見が存在し、養護老人ホームへの入所も難しいため、高齢犯罪者たちの社会復帰は依然として困難に直面したままだ。

 何とも気の重い話です。


【ここから産経です】
■香港独立「絶対看過せず」 中国全人代トップ
http://www.sankei.com/world/news/170527/wor1705270069-n1.html
 まあ普通に考えて看過するわけもないですが「現実性に乏しい」ので中国政府に批判的な人間であっても香港独立を主張する香港人は少ないでしょう。


■【田村秀男*8のお金は知っている】トランプ大統領の信認低下が景気を壊す
http://www.sankei.com/premium/news/170527/prm1705270006-n1.html
 当然ながらここで普通の人間は「景気回復のためにもトランプに早くやめて欲しい、トランプが居座っていいことは何もない」というでしょうが「トランプと安倍は無二の親友だ!」と自慢する産経にその選択肢はありません。
 「何とかトランプに巻き返して欲しい」と非常識なことを言うわけです。


■【編集者のおすすめ】『韓国人に生まれなくてよかった』武藤正敏
http://www.sankei.com/life/news/170527/lif1705270041-n1.html
 コレが元駐韓大使の書いた本というのだからマジで呆れます。
 例えば元駐日大使(米国でも中国でもどこでもいいですが)が『日本人に生まれなくて良かった』なんてタイトルの本を自国で出したら「非常識とは思わないのか」「不快に思わないのか」と問いただしたくなります。いやまあ日本だって「過労死問題」「歴史修正主義」「先進国としては多い自殺」など欠点はいくらでもあるので書こうと思えばそう言う本はいくらでも書けるでしょうけどね。普通の人間はそう言うタイトルの本は書きません。
 まともな本とは思われず敬遠される危険性が高いからです。いや実際、武藤本はまともな本ではないでしょうが。

 なぜ、韓国人は文在寅*9を(ボーガス注:大統領に)選んだのか。
 著者はそこに「頭よりハートで考える」韓国人特有の気質を見る。

 「はあ?」ですね。与党がどうしようもないとき(韓国の場合、崔順実疑惑)に最大野党の党首を大統領に選んで政権交代させる。古今東西、普通に良くあることです。
 大体そんな事言ったら米国はどうなのか。「民主党オバマに失望したから」といって、トランプなんて選択がまともなのか。
 武藤氏は『米国人に生まれなくて良かった』『頭よりハートで考える米国人特有の気質』というのか。
 つうか『頭よりハートで考える*10』って平たくいえばポピュリズムですからね。
 ポピュリズムは韓国特有の政治現象なのか。そんなことないわけです。「米国トランプ」も「フランス・ルペン*11」も「トルコ・エルドアン*12」も「フィリピン・ドゥテルテ*13」も「小泉郵政選挙や大阪の維新ブーム」もそうでしょう。
 正直、「頭で考えず感情論で選ぶ」なんてのは何一つ珍しいことではないし、民族性ともほとんど関係ないでしょう。


■前川氏記者会見関係記事での産経の「お勧め記事」がバー通い関係記事(苦笑)
■【前文科次官会見詳報(5)】前川喜平氏「出会い系バーに行ったことは事実。実地視察調査で教育行政の課題を見いだせ、意味があった」
http://www.sankei.com/politics/news/170525/plt1705250054-n1.html
 (1)〜(5)まである中で(5)だけお勧め、しかも(5)の内容は多岐に亘ってるのに、タイトルが「バー通い関係」とかもう産経の「バー通いで前川をネガキャンしたい」という汚い心情がモロバレで呆れるし笑います。産経社員つうのはこういうのを疑問に思ったら駄目なんでしょう。


■【混迷文科省 前次官“告発”(上)】前川氏、義憤の顔は本物か 天下り問題で引責…政権へ意趣返しの見方
http://www.sankei.com/life/news/170527/lif1705270037-n1.html
 実に産経らしいタイトルです。正直「告発が真実」なら告発動機などどうでもいいですが。

「女性の貧困について実地の視察調査をしていた」「文部行政をやる上で役に立った」
(中略)
 教育行政の事務方トップが、売春の交渉現場とも目される怪しげな場所*14に、夜な夜な出没する−。常識では考えられない“裏の顔”を覆い隠そうとしてひねり出した理屈なのか。会場には失笑が漏れた。
 前川の会見内容に理解を示す文科省幹部も突き放した。「あの発言は口にすべきではなかった。国民から理解されるはずがない」

 国民の一人として言わせてもらえば正直どうでもいい話です。問題はあくまでも「告発の信憑性」です。
 「バー通い」で人格攻撃することしかできない時点で「まともに反論出来ない時点」で、安倍政権は有罪であることを事実上認めています。 

 問題となっている記録文書が“本物”であるなら、それが外部に持ち出されたり内容が明かされたりした場合、国家公務員法守秘義務違反となる可能性をはらむ。

 「語るに落ちてる」産経です。そもそも産経は「本物じゃない」とする安倍政権を支持する立場のはずです。であるなら「国家公務員法守秘義務違反」なんて話になるわけがない。産経の立場では「前川氏が捏造文書を本物だと嘘をついて名誉毀損」という「ニセモノという立場で成立する犯罪」しかありえないはずです。
 なお、本物だとしても「守秘義務違反」にはならないでしょう。「違法行為を内部告発したら守秘義務違反だ」というなら「違法行為の内部告発」なんかできやしないからです。
 それにしても一色正春(当時、海保職員。現在は、右翼売文家)がビデオを外部に持ち出したときの「一色・英雄扱い」とのこの違い。産経のデタラメさには改めて呆れます。

 リスクを冒してまで行動に出た前川の“反骨精神”は、現職時代から際立っていた。平成17年、公立小中学校の教職員給与の国負担分を2分の1から3分の1に引き下げた小泉純一郎政権の三位一体改革について、ブログで批判を展開したのが一例だ。
 それでも前川が順調に昇進し、事務次官まで上り詰めたのは、「他省庁に比べて素朴な正義感がたたえられる傾向が強いからではないか」(文科省幹部)。

 おいおいですね。「だーかーら、お前ら産経は前川氏に正義があると言いたいのか、ないといいたいのか、どっちなんや」ですね。
 なお、「他省庁に比べて素朴な正義感がたたえられる傾向が強いからではないか」つうのは多分違うでしょうね。三位一体改革を批判しても出世に響かなかったのは、彼の主張が彼の個人的見解ではなく、「文科省全体の総論」「自民党文教族議員を含む文教族議員の総論」だからでしょう。


■【主張】加計学園問題 不毛な泥仕合は見苦しい
http://www.sankei.com/column/news/170527/clm1705270001-n1.html
 産経は「どっちもどっち」にしたい*15ようですが泥仕合にしようとしてるのは「バー通い暴露報道」を仕掛けたと見られる安倍と「それに荷担する読売、産経」の方でしょう。
 暴露動機はともかく「前川前文科事務次官の告発」が事実ならそれは全然泥仕合ではありません。むしろ「正義の告発」です。
 暴露動機が「天下り問題で引責辞任させられたこと」などの「逆恨み」だとしても、また「読売の報じた」彼のバー通いが「援助交際」であったとしても、それらは告発の正当性とは関係ない。
 むしろ彼は泥仕合と見られるのを恐れて「読売バー報道は政権側の報復だと思うか」という質問に「憶測で物は言えない」としているほどです。

 前川氏は会見で「公平、公正であるべき行政のあり方がゆがめられた」と述べたが、事実なら自身の在職中に対処すべきであり、あまりに情けないではないか。

 おいおいですね。「歪めたのは首相の安倍」であり、文科相も安倍の言いなりなのに、首相の圧力に対して「事務次官」とはいえ、一官僚に何をどうしろと言うのか。
 何処の世界に首相に喧嘩を売れる官僚がいるのか。
 「トランプ側近(例:トランプ女婿のクシュナー大統領上級顧問)のロシアゲート捜査」を始めたら、トランプに更迭されたコミーFBI長官のように粛清人事されるのが落ちです。そしてトランプのコミー更迭事件並みに、野党やマスコミ、世論の厳しい追及がなければ更迭された側の泣き寝入りで終わってしまう。
 また仮に在職中に前川氏が批判の声をあげても「官僚が思い上がってる」で切り捨てたのが「安倍応援団」産経ではないのか。


■【産経抄】5月27日
http://www.sankei.com/column/news/170527/clm1705270003-n1.html

 河野氏は、「一自衛官として申し上げるなら」とわざわざ断ってから個人的な感想を語ったにすぎない。

 その理屈だと「一個人の意見として申し上げるなら」、例えば「初等中等教育審議官」だった前川氏が当時「朝鮮学校無償化除外」を主張しようが何の問題もない*16でしょうが因縁つけたのが産経です。前川氏や河野氏の主張の是非はともかく*17、「それなりの立場にある人物」が自分の職務に関することで物をいって「個人的感想です」ではすまないでしょう。
 それですむなら外務官僚は「個人的意見だが、竹島は韓国領だと思う」「個人的意見だが北朝鮮への経済制裁を解除すべきだと思う」、「個人的意見だが慰安婦銅像には何の問題もないと思う」、「個人的意見だがAIIBに早く入るべきだと思う」、文科官僚は「個人的意見だが教員免許更新制度は廃止すべきだと思う」、「個人的意見だが格闘技必修はやめるべきだと思う」、経産官僚は「個人的意見だが、一日も早く脱原発すべきだ。停止している原発の再稼働などすべきではない」、農水官僚は「個人的意見だが捕鯨はもうやめるべきだと思う」等と言ってもいいでしょうが、それを産経は容認するのか。まあ聞くだけ野暮な話です。

*1:鳩山、菅内閣厚労相民主党代表代行(岡田代表時代)など歴任

*2:著書『三木清』(2004年、御茶の水書房)、『新版「経済学批判要綱」の研究』(2005年、御茶の水書房)、『啄木と秋瑾:啄木歌誕生の真実』(2010年、社会評論社)、『「資本論」のシンメトリー』(2015年、社会評論社)など

*3:下村博文id:Mukkeのように「子供」と書かない点も大事なポイントです。

*4:日本の実態はともかく、あくまでも「役人は困っている人の支援者にすぎない」というこうした物言いには大いに共感できます。

*5:小生も全く同感です。そう言う意味で「チベットでの焼身自殺」の美化などとんでもない事です。

*6:ちなみにid:Mukkeに寄ればダライ一味はLGBTを差別しているそうです。

*7:著書『ロマンポルノの時代』(2012年、光文社新書)、『文部科学省』(2013年、中公新書ラクレ)など

*8:最近の著書として『人民元の正体:中国主導「アジアインフラ投資銀行」の行末』(2015年、マガジンランド)など

*9:盧武鉉政権大統領秘書室長、最大野党「共に民主党」代表などを経て大統領

*10:俺個人は文氏という選択は充分合理的と考え、ポピュリズムとは思いませんが

*11:幸いにも落選しましたが。ただ当選したマクロンだって「共和党社会党の二大政党への失望」によるポピュリズムでしょうしね。

*12:イスタンブル市長、首相を経て大統領

*13:ダバオ市長を経て大統領

*14:個人的には「前川氏がどうこう以前にそう言う場所を放置してる行政の責任はどうなんや?」と思いますけど。まさか産経は「政財官界の幹部でなければ、一般サラリーマンならそう言う場所で買春交渉していい」とでも言う気でしょうか?

*15:とはいえさすがの産経も「バー通い報道の仕掛け人が安倍政権だとして何が悪い」という度胸はないようです。また菅の前川氏攻撃に対しては産経ですら『前川氏が天下り問題を受けて引責辞任したことについても菅長官は「当初は自ら辞める意向を全く示さず、地位に恋々としがみついていた」と述べた。これは今回の問題とは関係なく、ただの個人攻撃である。』と切って捨てています。

*16:そもそも当時の民主党政権は建前では先送りしていただけですし。

*17:俺個人は「河野は非、前川は是」です。