今日の産経ニュース(6/7分)(追記・訂正あり)

■【天皇陛下譲位】参院特別委で特例法案可決、9日成立へ 菅義偉官房長官「男系男子をしっかり引き継ぐ」
http://www.sankei.com/politics/news/170607/plt1706070058-n1.html
 天皇一家や皇族には正直大して興味もない(別に彼らの家系が衰退しようが知ったことではない)ですが、何でここまで「男系男子」とやらにこだわるのかさっぱり分かりません。それむしろ衰退を助長してると思いますが。


■【加計学園問題】前川喜平*1前次官が「せめて定年まで次官を続けさせて…」と懇願していた!?
http://www.sankei.com/politics/news/170607/plt1706070054-n1.html
 やれやれですね。デマカセ常習の安倍政権では真偽不明*2ですが仮に事実だとしてもそれと前川氏の告発の信憑性と何の関係があるのか?
 例の「バー通い報道でのネガキャン」が週刊文春への「元少女登場」で挫折したことで、今度は「地位に不当にしがみつく男」「次官を更迭された逆恨みで暴露した男」というネガキャンを始めることにしたようです。いい加減、ネガキャンではなく「前川氏の告発内容に正面から向き合え」つう話です。


■日ラオス首脳会談 対北朝鮮で連携確認
http://www.sankei.com/politics/news/170607/plt1706070053-n1.html
 共産国北朝鮮と歴史的につながりがあるとは言え、中国やベトナムほどの経済力もないラオスに何が期待できるんですかねえ。
 しかし「共産国ラオスベトナムキューバを敵視して欲しいわけではありませんが、日本ウヨ連中の「中国や北朝鮮の扱い」とあまりにも違いすぎますね。ウヨ連中の中国、北朝鮮敵視が「反共主義オンリーでないこと」がわかります。


■【正論】「分煙方式」の知恵を堅持しよう がんじがらめの法規制は定着しないと考える 現代史家・秦郁彦
http://www.sankei.com/column/news/170606/clm1706060008-n1.html
 そもそも医事評論家でもない秦にこんなことを聞くこと自体が変です。『病気の日本近代史』(2011年、文藝春秋)という著書がある程度では「医療素人の秦にこんなことを聞くこと」は正当化出来ないでしょう。
 が、それはさておき。
 「分煙でええやないか、全面禁煙でなくても」という主張「だけ」ならまだ説得力もあったんでしょうけどねえ。
 しかし

 そもそも喫煙と肺がんとの直接因果関係は諸論があり、科学的に立証されているとはいえない。
 1955年に53%(男子は85%)だった喫煙率は60年後の2016年に19%まで低下したのに、厚労省の人口動態統計によると、同期間に肺がん死者は、1119人から70倍の7万7300人へと激増している。

などとデマかっ飛ばしたことで自らの主張の説得力を「狂信的愛煙家以外に」対しては皆無にする辺りさすが「河野談話否定論者」「正論大賞受賞者」秦郁彦です。勿論褒めていません。
 これについては
■NATROMの日記『「喫煙率が下がると肺がん死が増える」のはなぜか?』
http://d.hatena.ne.jp/NATROM/20120317
を紹介しておきましょう。
 「肺がんの原因は色々ある(禁煙派も大気汚染、アスベストなど喫煙以外のリスクを否定などしていませんし、当然、喫煙リスクだけでなくそうしたリスクも低めようとしています)」&「喫煙と肺がん発症にはタイムラグがある(id:NATROM氏に寄れば20〜30年程度)」ので「昔に比べて喫煙率が減ったのに肺がんが減ってない」だけの話だそうです(また1955年だと今ほど医療が進歩してないのでがん以外の病死者がかなり多かったことに注意すべきでしょう。逆に今はがん以外の病気はかなりの病気が治療できるわけです。その結果、「がん患者が一見増えてるように見える」と言う要素もあるでしょう)。
 喫煙が肺がんのリスクを高めていること、禁煙が肺がんのリスクを低めることは秦のような馬鹿者が強弁しようが学問的には否定できることではないわけです。愛煙家ができること、それはせいぜい分煙の主張でしょうね。


■中国全人代チベット代表団が日中友好議連と自民党本部で面会 「ダライ・ラマ14世は現実歪曲」
http://www.sankei.com/politics/news/170607/plt1706070037-n1.html

 超党派日中友好議員連盟(会長・高村正彦*3副総裁)の事務局長を務める自民党林芳正*4農林水産相は7日、中国全国人民代表大会全人代)のチベット自治区代表団と党本部で面会した。

 タイトルは日中友好議連ですが、記事本文を見る限り、「日中友好議連事務局長の林」ではなくどう見ても「自民党幹部の林」として会ったんじゃないですかね。そして産経が期待するような中国に対する批判的言動はなかったようです。産経は認めたくないことでしょうが。
 まあダライやペマ・ギャルポ、I濱女史らの期待はこうして空しく裏切られるわけです。
 

■「言葉が見つかりません」 息子の逮捕受け俳優の橋爪功さんが謝罪 コメント全文
http://www.sankei.com/affairs/news/170607/afr1706070030-n1.html
 30歳の息子がしたことについて親がわびる必要ないと思うんですけどねえ。


■【主張】中国の海洋進出 「北朝鮮」に劣らぬ懸念だ
http://www.sankei.com/column/news/170607/clm1706070003-n1.html

 ドゥテルテ*5比大統領が習近平*6国家主席との首脳会談で、南シナ海での資源開発を表明したところ、「無理に進めるなら戦争になる」と言われた。ドゥテルテ氏が自ら明らかにしたことだ。こうした脅しで対中融和をとらせようとしている可能性がある。

 まあ産経と俺の見方は違います。
 こういう事を言ってもドゥテルテは「AIIBに参加」などして中国と決定的な対立はしないし、中国もそんなドゥテルテとそれなりにうまくやってるわけです。
 つまりドゥテルテ発言とは「俺は何でも中国ウエルカムじゃないよ」という中国に対する牽制に過ぎないでしょう。と同時に「国内の反中国派に対するエクスキューズ(中国と下手に対立して戦争にまで行ってもいいのか?)」でもあるでしょう。


■【産経抄言論の自由における二重基準 6月7日
http://www.sankei.com/column/news/170607/clm1706070004-n1.html
 タイトルだけで想像つくでしょうが例の百田の講演会中止の件です。
 むしろ二重基準なのは「沖縄の新聞を潰したい」等と暴言吐きながら「俺の表現の自由が侵害された」と泣き言を言う百田と、そんな百田を擁護する産経でしょう。
 産経や百田にとって「俺や身内の表現の自由は100パー擁護されるべきだが、敵の人権は制約されて構わない」わけです。
 何も、一橋大での講演は当然の権利じゃないわけです。そして表現の自由というなら「百田講演なんておかしいよ」「やめた方がいい」つうのも表現の自由です。現時点では産経が放言するような「脅し」の存在など確認されず、通常の抗議でしかないので全然、表現の自由の侵害ではない。
 あれが「表現の自由の侵害」なら、「ニュース23偏向報道だ」云々つう産経の言動も立派に「表現の自由の侵害」です。
 大体こんな事言う産経がたとえば百田ではなく講演者が「朝鮮総連関係者」「革マル中核派関係者」など産経が敵視する人間でも「表現の自由はあるから問題にしない」のか。そんな事はどう考えてもないわけです。
 大体「表現の自由」云々と言うなら何故産経は「フジのウンギョンさん取材」「週金のジェンキンス取材」「小泉*7首相の朝鮮総連での金正日氏弔問」を「北朝鮮をつけ上がらせる」などと敵視したのか。
 そう言う場合に、「俺はそう言う行為には反対だが、やりたいならやればいい」なんてボルテール的態度なんか産経は一切とらないわけです。


■【政界徒然草二階俊博*8幹事長が独自外交 中国・習近平国家主席の次は韓国・文在寅*9大統領だ!
http://www.sankei.com/premium/news/170607/prm1706070004-n1.html
 まあ産経も全て分かった上でこういう大嘘を書いてるのだと思いますが、独自外交の訳がない。特に二階氏訪中の場合は
1)マスコミ報道に寄れば二階氏は安倍の親書を習主席に渡した
2)二階氏は帰国後、安倍に訪中報告した
3)二階氏の訪中には経産副大臣や首相秘書官が同行
したのだからどう見ても独自の訳がない。
 しかもこの産経記事に寄れば「訪中時と同様」、訪韓についても「安倍親書を文大統領に渡す」「帰国後、首相に報告」「政府関係者が同行」の3点は同じようですから、訪韓だって「首相の親書を渡して帰国後首相に報告して、政府関係者同行で何処が独自だ?」て話です。
 産経はもはや論理も何もない。仮に「訪中、訪韓したい」といいだしたのが二階氏だとしても*10、ここまで安倍が公然とコミットして何が独自なのか。もちろん二階氏も安倍のロボットではないですから、訪中、訪韓時に若干の独自性はあったでしょうが、政府方針や安倍の意向に大きく反するとかそんな逸脱(?)があるわけもない。
 安倍が中国や韓国相手に「安倍なりに」関係改善*11を目指してることを産経が認めたくないだけの話です。
 安倍としても「右翼支持層の手前、公然と関係改善に動くのに躊躇した」&「中韓との関係改善という厄介な話を引き受けてくれそうな、そして中韓が訪中を受け入れてくれそうな大物が二階氏くらいしかいない」ので二階氏に頼んだわけです。

 一帯一路フォーラムに合わせて訪中していた国連のグテレス*12事務総長とも会談した。二階氏は日本が国連に対し、米国に次ぐ分担金を支払いっていることを踏まえ、日本人職員数を増やすことなどを要求した。帰国後、自身が率いる派閥の会合で「遠慮会釈なく言ってやった。そしたら、かなりこたえてね。(グテレス氏は)『われわれもそのことを感じている』と。そういうところまで追い込んでやった」と言い放った。

 まあ二階氏が放言してるだけですからね。
 グテレス氏が「確かに分担金額を考えればもっと日本人職員が多くてもいいですね(国連の努力で増やすとはいってない)」などと適当にあしらってかわしたというのが本当のところでしょう。
 大体「日本人職員を増やしてほしいと言ったってどう増やすんですか?」「別に我々が故意に減らしてるわけじゃない。そもそも日本人で国連職員になろうとする人が少ないんですよ」「日本に限らず我々に特定の国の職員をどうしても増やさなければいけない理由はない」などとグテレス氏も言いたかったでしょうね。ただ、そう言う事言うと逆ギレするタイプの人間でしょうからね、二階氏って。
 つうか安倍政権の面子ってそう言う逆ギレばかりじゃないですか。

 政府高官は「政府が表立って言えないことを歯に衣着せずハッキリ言ってくれる」と二階氏の外交手腕を評価する。

 「表だって言えないようなこと」つうのは多くの場合「道理がないこと」です。そんなん言っても相手にされないでしょう。
 「言えばどうにかなる」つうほど人間関係とか外交とかは甘くはないでしょう。大体「言ってくれた」で評価てのもすごい話です。
 問題は「言ってどうなったか」という成果でしょうに。

 二階氏は日本政府の方針と真逆の発言を繰り出し、官邸や外務省を当惑させることも珍しくない。北京では、同行記者団に対し、中国が主導するアジアインフラ投資銀行(AIIB)について「参加をどれだけ早い段階で決断するかだ。あまり大きく後れを取らないうちに対応する心構えが必要だ」と述べ、日本政府が早期に参加を決断すべきだとの考えを示した。日本政府はAIIBへの参加に慎重な姿勢を崩しておらず、政府高官は「二階氏の発言は与党の立場を超えている」と不快感を示した。

 こうした二階発言に安倍は批判なんか加えてませんから「政府方針と違う」つうのは建前にすぎないわけです。
 安倍は「米国が参加して、ウヨ支持層や米国の反発がありえなくなったら参加しよう。ニクソン*13訪中後、田中*14首相が日中国交正常化に踏み切ったように」とでも思ってるのでしょう。
 「誰だか知りませんが」政府高官とやらにしたって名前を出さないで物をいうのはそう言うコトです。二階氏を恐れてると言うよりは安倍を恐れてる。ただそうは言えないので「二階氏は勝手に動いてる」というわけです。

【追記】

鳩山由紀夫 @hatoyamayukio
・安倍首相が習近平主席が提唱する一帯一路構想に、条件付きでも協力していく姿勢を示されたことは良かったです。トランプ大統領が一帯一路に、それを推進するアジアインフラ投資銀行(AIIB)に前向きなので、米国追随ということではありますが。

 まあ同感ですね。安倍信者は「条件をつけてるんだから安倍首相は中国に屈してない。中国が安倍首相の条件を飲まなければ(以下略)」とおそらく強弁するのでしょうが。

*1:官房長、初等中等教育局長、文部科学審議官等を経て文部科学事務次官

*2:なお、前川氏はそうした事実を否定しています。よほどの安倍信者でない限りこの件については現時点では「真偽不明」という結論しか出せないでしょう。

*3:村山内閣経済企画庁長官、小渕内閣外相、森内閣法相、第一次安倍内閣防衛相などを経て自民党副総裁(第二次安倍総裁時代)

*4:福田内閣防衛相、麻生内閣経済財政担当相、第二次安倍内閣農水相などを歴任

*5:ダバオ市長を経て大統領

*6:福州市党委員会書記、福建省長、浙江省党委員会書記、上海市党委員会書記、国家副主席、党中央軍事委員会副主席、国家中央軍事委員会副主席などを経て党総書記、国家主席党中央軍事委員会主席、国家中央軍事委員会主席

*7:宮沢内閣郵政相、橋本内閣厚生相を経て首相

*8:小渕、森内閣運輸相、小泉、福田、麻生内閣経産相自民党総務会長(第二次安倍総裁時代)など歴任

*9:盧武鉉政権大統領秘書室長、「共に民主党」代表などを経て大統領

*10:実際はむしろ安倍の要請でしょうが

*11:といっても所詮安倍ですから限界がありますし、中韓もそれは分かってるでしょうが

*12:ポルトガル首相、国連難民高等弁務官を経て国連事務総長

*13:アイゼンハワー政権副大統領を経て大統領

*14:岸内閣郵政相、池田内閣蔵相、佐藤内閣通産相などを経て首相